♪ジャカジャカジャンジャン


唯「・・・。」

梓「・・・。」


♪ジャカジャカジャンジャン


唯「なんか、いつもと演奏の感じが違うね」

梓「・・・わかりますか?」


♪ジャカジャカジャンジャン


唯「もしかしてわざとミスしたとかじゃないよね?私昨日変なこと言ったから」

梓「ち、違いますっ!わざとだなんて・・・」


♪ジャカジャカジャンジャン


唯「そっか、ごめん」

梓「はい。その・・・最近調子がイマイチで」

唯「スランプなんだ?」

梓「はい、そうみたいです」


ジャージャージャージャジャーカジャカジャーン♪


唯「ねえ、ミスとか気にしなくていいからさ、いつも通り弾いてみてよ」

梓「・・・いつも通り、ですか」

唯「うん。正直気持ち悪いよ、今の音」

梓「私も違和感バリバリです」

唯「譜面の音を拾ってるだけって言うかさ」

梓「はい、それじゃあ・・・」


ジャーじゃんージャージャジャーカべんっカジャーン♪


梓「・・・このザマです」

唯「困ったね」



梓「すいません・・・邪魔ですよね?」

唯「どうかな・・・」

梓「え?」

唯「私、いつまで部活居られるかわかんないし・・・すこしでも誰かと演奏したいんだ」

梓「あの・・・部活辞めちゃうんですか?」

唯「昨日、いつまで音楽やってる気だ、勉強しろって言われちゃった」

梓「そんな・・・唯先輩は音楽を続けるべきです!」

唯「私もそうしたいし、そう言ったら・・・」



唯「いつまで遊んでる気だ?って」



唯「私ね、ギター以外に褒められるところなんて無いんだ」

梓「唯先輩は音楽の才能があります、間違いなく」

唯「ありがと。それでね、成績だって下から数えた方が早いくらいのだしさ」

梓(・・・私も)

唯「両親に褒めれるのは憂ばっかりで、ああ、憂のことは大好きなんだけどコンプレックス感じるっていうか
・・・まっすぐ見れなくなってきちゃって」

梓「唯先輩がそんな事を思ってたなんて・・・」

唯「だから、なんていうか、音楽だけは最後までやりたいのになって」

梓「私も続けて欲しいです、唯先輩に、ギターも、歌も、音楽も」

唯「・・・ありがとね、梓ちゃん」



唯「両親説得して続けるよ、私ギターしか無いから」

梓「それがいいと思います!絶対にやめないでください!」

唯「梓ちゃんは、どうしてギターはじめたの?」

梓「・・・え?」

唯「いや、私だけ語るのもアレかなーと」

梓「私は・・・両親がミュージシャンで、なんとなくギターを教えてもらって・・・」



梓「あれ?私、どうして音楽やってるんだっけ?」



唯「梓ちゃん?」

梓「あはは・・・これじゃあ私こそ遊びで音楽やってるようなモンですよね」

唯「そんな事は・・・」

梓「そりゃそうだ、私の音楽に対する気持ちなんて・・・大したこと無かったんじゃん」

唯「・・・梓ちゃん?」


梓(スランプにもなるはずだよ、こんなんじゃ)

梓(唯先輩の音楽に対する気持ちに触れて、今まで私がやってきた気持ちがブレたんだ)

梓(大した気持ちも無いのに、本気の人と並んだから・・・吹き飛ばされちゃったんだよ)



唯「大丈夫?梓ちゃん」

梓「・・・はい、なんだかうまくいかないモノですね。いろいろと」

唯「そうだね・・・」

梓「私、もっと唯先輩の話が聞きたいですっ!」

唯「え?私の話・・・?」

梓「はい、唯先輩の世界観とか、音楽観って言うか」

唯「そんな大げさな事は・・・」

梓「じゃあなんでもいいです!普段考えてることとか、夢のこととかでも!」

唯「え?えっと・・・じゃあ、いや、これは無いかな?」

梓「なんですか?なんですか!?」




梓「ただいまー」

梓母「おかえり梓」

梓「はい、テスト結果」

梓母「あら珍しい!自分から見せてくるなんて」

梓「・・・おどろくよ?」

梓母「・・・驚いた、なによこれ!?」

梓「やっちゃった」

梓母「あなた・・・!いつもは成績良くも悪くもないじゃない!どうしたの?これは・・・!」

梓「良くも悪くもって・・・」

梓母「だって・・・いつも通り勉強してたわよね?」

梓「うん、でも大丈夫。だいたい原因はわかってるから」

梓母「・・・?」

梓「ねえお母さん」

梓母「なに?」

梓「私、音楽続けてもいいかな?」

梓母「そんなの、決まってるじゃない!」




梓母「あなたが自分で決めなさい」

梓「うん、ありがとお母さん」

梓母「・・・??」




梓「その後、唯先輩は両親を説得して軽音部に残りました」

梓「将来的には、音楽プロダクションのスクールに通うことも検討しているらしいです」

梓「その後はプロデビューを目標に音楽活動を続けるようです」


梓「私も軽音部を最後まで続けるつもりです、唯先輩のそばで」

梓「でも、将来は音楽と関係ない仕事に就くと思います」

梓「本気を知ってしまったから、私は趣味で十分です」


梓「それでも、私の中では唯先輩の言葉が生きています」

梓「あの放課後、唯先輩が言っていた言葉」




唯「え?えっと・・・じゃあ、いや、これは無いかな?」

梓「なんですか?なんですか!?」

唯「私が普段考えてること、現実をちょっとだけ理想に近づける妄想」

梓「なんですかそれ?」

唯「あはは・・・やっぱり恥ずかしいな。えっと、例えば嫌なことがあったとして、それを都合よく解釈するとか」

梓「はい」

唯「例えば両親が仕事で家を空けてて、私が憂と二人暮らしだったりとか。仲良くなりたい子と、ハグしてみたりとか・・・」

梓「あはっ!ホントに妄想ですね!」

唯「梓ちゃんが聞いたんじゃん!恥ずかしいのに答えたのにぃ・・・」

梓「ごめんなさい唯先輩、もっと聞きたいですっ♪」

唯「もうやだ~」

梓「もうちょっとだけ、ね?」




梓「私は唯先輩の言葉を元に、一本の漫画を投稿してみた」



おしまい




60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/08(木) 17:32:17.53 ID:akO0cF2x0


以上です
立て逃げ乗っ取りなので、せっかくだからスレタイと真逆にしてみたぜ!
ヤッテヤッタデス!!

やや強引な展開だったけど即興だとこんなもんです
読んでもらってありがとうございました
さらば


61:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/08(木) 17:36:23.26 ID:4kD1ul9w0


あずにゃんと呼ばない伏線は特に無かったのか


62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/09/08(木) 17:42:47.03 ID:akO0cF2x0


>>61 
わかりづらかったかな

最後に梓が書いた漫画=けいおん!
で、現実をちょっとだけ理想化するわけだから


最終更新:2012年03月21日 21:59