紬「あそこね」タッタッタッ

ガチャ

唯「!!! そんなぁ、こっちにも階段があるなんて」ガックリ

和「やっぱりね。おかしいと思ってたわ。
  『非常階段』という名前をよく考えてみて。『ひじょうかいだん』。
  つまりこれは永井豪先生おっしゃるところの『非情階段』だったのよ」

律「元の場所に戻るしかないか」

紬「ここから落としてみるのはどうかしら。遮るものが無いから1階まで直通じゃない」

律「いや、失敗した場合のリスクを考えるんだムギ。失敗してまたここまで運び上げてる時間は無い。
  早くこの忌々しいピアノ線を外さないと澪の血流が止まっちゃうかもしれないんだ」

唯「なんかいい方法はないのかな。みんなで力を合わせたのにここで終わっちゃうなんて」

律「みんな…!?そうだ唯!いいことを思いついたぞ」ピポパ

律「もしもし、梓か?ちょっと部室まで来てくれないか」



梓「どうしたんですか律先輩」ハァハァ

律「澪を保健室まで運ぼうと思ってたんだが
  階段が行く手を阻んでるんだ。そこで梓、お前を借りたい」

梓「わかりました。持ち上げて運ぶんですね」

唯「ううん。そうすると傷が広がっちゃうからだめなんだ」

紬「梓ちゃん、もうちょっと左に動いて。もう半歩。2歩後ろ。あ、ちょっと行き過ぎ。うんそこでOKね」

律「よし、安全のためこのヘルメットをかぶって。動くなよ梓。せーの、とりゃー」ポイ

ゴロゴロゴロ……ベキョ

和「思ってたよりも滞空時間は短かったわね」

律「女4人じゃ下まで届かないことは予想してたさ。
  梓がクッションになったから音はあんまり響かなかっただろ」

紬「りっちゃんすごい!予知能力みたいね」

律「ヘヘーン!さあ、下まで運ぶぞ」



律「なんてことだ……!またなのか!」

唯「2階連続で階段があるなんて。あずにゃん、なんとかならないかな?」

梓「ひょんどは、ひゅいかひゅんふぉひょべふぁひひんひゃひゃいでひゅひゃ?」ゴボゴボ

和「そうだわ!今度は憂か純ちゃんを呼んでみるのはどうかしら?」

唯「ダメだよ。そんなことしたら憂が死んじゃうよ!酷いよ和ちゃん」

和「怒らないで唯。私はただ梓ちゃんの言葉を代弁しただけよ」

梓「……」ゴボ…

憂「あれ、お姉ちゃん。他の皆さんも」

唯「ういー!よかった、生きてたんだね」ギュー

純「梓見ませんでしたか?急いで教室を飛び出して、って梓!どうしたの?酷いことに……」

唯「あずにゃんは階段を下りる時にぶつかっちゃったんだよ。下りるときは転がり落ちてた」

純「そんな!憂、保健室に行くよ!先輩方は梓を見ててもらえますか」タッタッタッ



律「この先どうするかな。もしまだ階段が続くとしたらやばいぞ」

唯「でもりっちゃん。階段、階段、階段ときたから次に階段が来ることは無いんじゃないかな」

和「唯の思考  学校では  こういう考えが一番危ない  まさに地獄に直結する道
  階段 階段 階段と来たから  もう階段がない  などという読みは  まさに泥中
  嵌っている……  すでに泥中  首まで……」

純「はぁはぁ、おまたせしました」タッタッタッ

紬「あら、何を持ってきたの?」

純「担架です。保健室に行ったら先生がいなかったのでとりあえずこれだけ持ってきたんです」

紬「! りっちゃん、これ。この担架を使えば澪ちゃんを運べるんじゃないかしら」

律「それは名案だ!でもムギ、残念ながら学校には担架はないらしいんだ。病院か救急車じゃないと」
                                     ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
紬「そうね、でも逆に考えて。担架がここにあるということは ここは実は病院だったとも考えられないかしら」

和「それはないわ」

紬「」



唯「そうだ!ここは病院じゃないから患者さんはいない。
  ということは澪ちゃんはどこも悪くないんじゃないかな?」

『!!!』

憂「ということは梓ちゃんも悪いところはないっていうことね」

純「あずさー、良かった!」ヒシッ

梓「」ゴボ

律「みおぉー、一時はどうなるかと思ったよ」ポロポロ

澪「……」

和「さあ、そろそろお昼休みも終わりよ。教室に戻りましょう」

唯律紬憂純『はーい!』



この後、あずにゃんは退学処分を受けて、逮捕されてしまいました。

私達が授業を受けてる間に先生が来たらしく、顔を隠すためにヘルメットをかぶったあずにゃんが
澪ちゃんをイジメていて、自分も足を滑らせたと考えたみたいです。
また、あずにゃんのかぶっていたヘルメットからは、あずにゃんと故・自転車少年の指紋しかみつからず
自転車少年殺害後に澪ちゃんを坂道から突き落とした、という形で処理させたとムギちゃんは言ってました。

澪ちゃんは病院で手術をして安静にしてたら1ヶ月で退院しました。

おしまい♪