憂「お姉ちゃん、そろそろ行こう」

唯「うん、今行くよー。いってきまーす」ガチャン



タッタッタッ

唯「りっちゃん、澪ちゃん、おはよー。寒くなってきたねー」

律「おはよう唯、憂ちゃん。そろそろ手袋が欠かせなくなってきたな」

憂「おはようございます」

澪「おはよう。少し急がないと遅刻するぞ」

唯「あれ、もうこんな時間なんだ。よーし走るよみんなー」タッタッタッ


ギューン!


憂「お姉ちゃん危ない!」グイ


ドシャーン!


唯「うわ。ありがとう、憂。今のは自転車かな?凄く速かったね」

律「坂道だからスピードが出てたのか?車より速かったぞ。危ないなー」

澪「」ドクドクドク

唯「あー、血まみれだ!私が避けたせいで大変なことに。どうしよう」

律「自転車のほうが悪いとはいえ、
  ヘルメットまでつけててこんなに血まみれだと言い訳できないかもな。逃げよう」

唯「澪ちゃん(赤)はどうするの?ピクリとも動かないよ」

律「この自転車に乗せて下まで運ぼう!故・運転手のヘルメットをかぶせておけば大丈夫だろ。
  澪の怪我に関しては仕様が無い。私の能力を使えば治せるから今は学校に向かうのが先だ」

唯律憂『せーの、よいしょー』

唯「やっぱり坂道は早いねー。60キロ近く出てそうだよ」

グチャ、ガシャーン


律「よし、私達も急ぐぞ」タッタッタッ




唯「やっと、追いついた。奇跡的に倒れないで下まで走ってきたんだね」ハァハァ

律「ああ、だがそのせいで店の窓ガラスに激突してしまったわけだ」ハァハァ

唯「澪ちゃんがさっきより血まみれだよ。りっちゃん隊員、どうしたらいいのでしょう」

律「大丈夫だ、唯隊員。幸いまだ開店前だから周りに人はいない。
  そのうえ澪はヘルメットをしてるから防犯カメラに顔は映ってないはずだ。
  だから澪をここから引っこ抜けばいいだけだ」

唯「了解しました。ういー、ちょっと手伝ってー」

唯憂『せーの』ズボッ

律「よし、あとはこのヘルメットを取ってと。行くぞ2人とも」ズルズルズル



唯「りっちゃーん、澪ちゃん(紫)がさらにやばそうだよ。早く能力で治してあげて」アセアセ

律「能力って何だよ、唯?こんな怪我をしてたら病院で手術して安静にしてるしかないだろ」

唯「でもりっちゃん、さっき能力を使えば治るっt」

律「ばかやろう!仮にそんな力があったとして、
  お前はあんな安全バーのついてないFUJIYAMAに澪を乗せるのか!」

律「傷が治せたとしても!痛みはあるんだよ、
  実際に痛みを感じるのは澪だけなんだよ!ありがたいことに。
  それなのに治せるからという安易で自分勝手な理由で澪を傷つけるのか!

  その上、仲間だと思ってた私達が
  澪の安全を微塵も考えてないような行動をしたら、澪は心までズタズタになっちゃうだろ!
  わかったなら二度と能力で治せるみたいな馬鹿げたことは言うんじゃないぞ!」

唯「そうか、そうだよね。ごめんりっちゃん、澪ちゃん。じゃあ行こう、憂。学校までがんばって!」

憂「うん、お姉ちゃん。よいしょっと」ズルズルズル



憂「梓ちゃんだ。おーい、おはよう」ズルズル

梓「おはよう、憂。って澪先輩!?何で澪先輩を引きずり回してるの?」

律「澪は軽車両に撥ねられたんだ。そのままじゃ危ないから私達で運んだんだ」

梓「よく生きてましたね。っていうか病院に連れて行かなくていいんですか?」

律「ばかやろう!もし119番にかけて救急車が来ても、搬送先が満床だったらどうするんだよ。

  もっと澪のことを考えてやれよ!
  そんなことをしてたら行く先々で盥回しにされるかもしれないんだ。
  傷口から破傷風に感染して、3ヵ月後惨めに救急車の中で死んでるかもしれないんだぞ!」

梓「すみません、律先輩。私の考えが浅かったです。じゃあどうするつもりですか?」

律「とりあえず澪は一旦部室に運び込む。
  楽器も置かなきゃだしな。そしてさわちゃんを呼びに行こう。

  ホームルームに間に合えばいいけど、
  ダメだったら迷惑になるといけないから休み時間か昼休みに行こう。
  保健室に行く許可を取り付けてから担架で保健室まで運ぶんだ。
  保健室で校医の先生の手に負えないようだったら病院に頼るしか無いだろう」

梓「わかりました、じゃあ急ぎましょう!憂、私片足持つね」ズルズルズル



純「あ、憂と梓おはよう。唯先輩に律先輩もおはようございます」

律「おーおはよう!」

純「あれ、今日は澪先輩は一緒じゃないんd、
  って澪先輩!?何で澪先輩を引きずり回してるんですか?」

梓「撥ねられて危ないけど、盥回しで破傷風になるから保健室に連れて行くの」

純「でもこのままじゃ死んじゃいますよ!絶対ダメです!」

律「ばかやろう!確かにこのまま引きずってたら澪は死ぬかもしれない。
  だけどそれをやめるってことはここにそのまま澪を放置するってことだろ。
  そんなことをして、私達が部活でお茶をしてる間に澪の体に
  ロイコクロリディウムに寄生されたカタツムリが這ってたらどうするんだ!
  澪が脳に寄生されたら、明るいところに出るようになって鳥に食べられちまうんだぞ!」

純「なんでそうなるんですか!このままだと死んじゃうからって、何で運ぶのをやめちゃうんですか!
  違いますよ。律先輩、見損ないました」


律「じゃ……じゃあ一体何を……」

純「今現在、澪先輩はうつ伏せの状態で引きずられています。このままでは窒息してしまいます。
  よって仰向けにひっくり返して引きずる方がいいと思うんです。」

律「なるほど、そういうことか!よし、澪を仰向けにするぞ。唯、私達は手を持とう」

唯律梓憂『せーの!』ギョリ

ジョボジョボ

唯「なんか澪ちゃんから大量の血が出てきたよ。雑巾絞ってるみたい」

純「両端を逆向きに回したらそうなっちゃいますよ。回す向きを合わせないと」

律「そうか、じゃあ逆に回せばいいんだな。またせーのでいくぞ」

唯律梓憂『せーの!』ギョリ

チョロチョロ

唯「あー、また雑巾みたいになっちゃったよ」

律「純ちゃん、だましたな!」

純「両端が逆向きに回したら意味無いですよ。一方はそのままじゃないと」

律「梓、憂ちゃん!なんでそっちまで逆に回したんだ」

梓「先輩方だけに苦労をかけるわけにはいかないじゃないですか。
  律先輩が逆に回すなら私も逆に回します」

律「梓///」ヒシッ

ボテッ

憂「お姉ちゃんが逆に回すなら、当然私も逆に回すよ」

唯「ありがとう!ういー」ギュッ

ゴチン

律「しかし、だとすると一体どうしたらいいんだ」

梓「あれ、でも澪先輩上向いてますよ。今落ちる時に仰向けになったんでしょうか」

唯「え、まずいよ。うつ伏せの状態からひっくり返さないと澪ちゃん窒息しちゃうよ」ウルウル

律「ということはまずうつ伏せの状態に戻す必要があるな。みんなまた手足を持ってくれ」


純「みなさん待ってください」

梓「どうしたの純?」

純「仰向けになってればいいんです。うつ伏せの状態に戻す必要はないんです」

憂「純ちゃん、それはつまり澪先輩が窒息してもいいって言ってるの!?」

唯「いくら純ちゃんでも言っていいことと悪いことがあるよ!!」

純「違います。仰向けになってればいいんです。うつ伏せの状態に戻す必要はないんです」

唯「そういうことか。早とちりしちゃったよ。ごめんね純ちゃん」ギュー

律「なんだ、そういうことは早く言ってくれよ。じゃあこのまま引きずって学校に行こう」ズルズル



梓「そろそろ急がないと遅刻しちゃうんじゃないですか」

律「そうだな、軽く走ったほうがいいかもしれない」

純「走るんでしたら、澪先輩に刺さってる大きいガラス片を抜いたほうがいいですよ」

唯「そんなことしたら血が噴出しちゃわないかな」

憂「あ!でも走ることによってガラスで傷口が広がるから抜いたほうがいいのかも」

純「ううん。そうじゃなくて、ガラスが刺さってると道に跡がつくから後々面倒になるでしょ」

唯「おお!純ちゃんって頭いいんだね。せんけんせーがあるね」

律「よしガラスを抜いたら走るぞ!」ブシュー!

唯「すごいよ澪ちゃん。澪ちゃんの通った跡に赤道ができてるよ」



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