練習終了後の軽音部室

唯「じゃあ、帰ろうか」

澪「結局今日もお茶飲んでる時間の方が長かったけどな・・・」

律「まあ、いいんじゃないかぁ。いつものことだし」

ムギ「帰りましょうか」

梓「そうですね」

・・・・・・・



帰り道

律「澪、今日は家でご飯でも食べていかないか?聡も久しぶりに澪に会いたがっていたし」

澪「・・・今日は、ちょっと用事があるから帰るわ」

律「そうか・・・。どっか出かけるのか?」

澪「う、うん。まあ、ちょっと・・・」

律「・・・・?」

澪「じゃあな律!」タタタッ

律「なんなんだ・・・澪・・・」




秋山家

澪「ただいま」

澪ママ「お帰り。さっき宅配便が澪にとどいてたよ」

澪「ホント?どこ?どこにあるの?」

澪ママ「リビングにおいてあるわよ」

澪「ありがとっ」タタタタ

澪ママ(澪ったら、どうしたのかしら。しかも荷物は通販の商品みたいだったけど・・・)

澪「アマゾンからだ。間違いない!やった!」

澪ママ「ご飯食べる?もうすぐできるけど」

澪「いいよ!パパが帰ってきたらみんなで一緒に食べるから」

澪ママ「そう・・・」



澪の部屋

澪「やっと来た!逆襲のシャアのブルーレイディスク!」


秋山澪。彼女は重度のガノタであった。もちろんクラスメイトにも、軽音部のメンバーにも、家族にすらこのことを公言してはいない。しかし、軽音のことを離れた澪の頭の中は、常にガンダムのことで一杯であった。


澪「DVDは持ってるけど、やっぱり高画質で見れると思うと感動するなぁ・・・」

ガサゴソ

澪「やっぱりガンダムはファースト世代が一番だよなぁ・・・」


付け加えておくならば、澪は富野ガンダムの信奉者であり、なおかつファースト厨でもあった。


澪「やっぱり凄い高画質!オクトバーさんすらイケメンに見えてくる」


秋山澪。女子高生。好きな作品は逆襲のシャア。


澪「ママは部屋には入ってこないだろうし・・・。久しぶりにあれを着てみようかな」

澪はおもむろにクローゼットを開き、「あれ」を取りだす。

澪「これを着るとワクワクするんだよなぁ・・・。なんだか自分がアムロの恋人になったみたいで・・・」


澪が着用したのは、かつて逆シャアを見ながら自作した、チェーンと同じタイプの連邦軍制服であった。


澪「この服を着るためなら太れないわね・・・。どんな我慢でもできるわ・・・」


スタイルが良く、綺麗な黒髪をした澪は、確かにチェーンに見えないこともなかった。


秋山澪。女子高生。好きなキャラクターはチェーン・アギ。



澪「いよいよ最初の戦闘シーンだわ・・・」


『サザビー出ます!サザビー発進!』


澪「サザビーはいつ見てもカッコいいわね。でも本当に私が好きなのはギラ・ドーガだけど。あのゴツゴツした感じがなんともいえず良いわ・・・。ネオ・ジオンだけど」

律「このアニメの注目どころは一体何なんだ?」

澪「それはやっぱり、アムロとシャアの・・・・・っておい!なんでお前がここにいるんだ!」

律「いやー、お前の様子が少しおかしかったから、何かあるなと思って来てみたんだけど・・・。どうした?その格好」

澪「いや・・・これは・・・その・・・」

律「そんなん作れるんだもん。家庭科得意なわけだよな・・・」

澪「うう・・・」


秋山澪。女子高生。好きな機体はギラ・ドーガ。


律「せっかくだから自分も見ていくか。この映画、時間どれぐらい?」

澪「まあ二時間ぐらいかな・・・」

律「じゃあちょうどいいや」


『エゴだよそれは!』


律「このテンパな奴だれ?」

澪「アムロ・レイだな」

律「おおー。よく芸能人がマネしてるやつか」


『戦闘ブリッジ、早く開くの!』


律「この目ぇちっちゃい人は?」

澪「ブライトさんか」

律「しかしお前がガンダム好きとはなあ。しかもこれ私らが生まれる前の映画じゃん」

澪「ガンダムは昔の作品が好きなんだよ!最近のは全然別物だ!」

律「へぇ・・・」(違いが良くわかんね・・・)


『アムロォ・・・』

『命令だ』


律「この女の人が澪の好きなキャラクターだな」

澪「そう!チェーンっていうんだ」



・・・・その後

律「やっぱりロボット同士の戦いのシーンはちょっとおもしろいなあ。ガンダムわかんない私にも面白い」

澪「モビルスーツって言ってくれ」

律「それにしてもνガンダム強すぎじゃね?さっきからあのごつごつしたロボット倒されまくりじゃん」

澪(うう・・・・ギラ・ドーガ・・・)


『メインエンジンの一つは直しました!』

『そういう事じゃあ!しっかししろチェーン』

『サイコフレームが多い方がアムロに有利なんです』


律「チェーンさん出撃しちゃったじゃん」

澪「アストナージさん退場か・・・」

律「でもあんなにボロボロのロボットで、どう戦うのさ?あのクェスってキャラクターの乗ってるロボットの方が明らかに強そうだぞ」

澪「だからモビルスーツだって。まあ四の五の言わずに見ててよ」

律(しかし、思いつめるとんでもない行動に出だすところとか、澪とチェーンって人、少し似ている・・・?)


律「ああ、結局チェーン死んじゃったよ」

澪「あっさりと言うな!」

律「あのハサウェイって奴、何がやりたかったんだよ。ていうか味方倒しちゃって大丈夫なのこいつ」

澪「そういうことは小説で補完してくれ!」

律「・・・」


・・・・・


律「とりあえず見終わったな」

澪「高画質の逆シャア、最高でした」

律「しかしお前がこんなにガンダムが好きなんて思わなかったよ。もっとドラえもんとか、そういうアニメなら見ていそうな気がしたけど・・・」

澪「ドラえもんも好きだ!特に映画のドラえもんは」

律「じゃあどのドラえもん映画が好きなんだよ」

澪「そりゃあやっぱり鉄人兵団だろうな」

律(結局ロボットじゃねえか・・・)


澪「それはともかく・・・。私が家の中でこんな格好をしていることはみんなには内緒にしておいてくれ・・・、特に・・・」

律「さわちゃんか」

澪「そう・・・。こんな趣味がばれたら、さわちゃんがどれだけ調子に乗るか・・・」

律「まあ大体想像はつくな」

澪「だから律ぅ・・・」

律「わかってるって!女同士の秘密にしといてやるよ」

澪「ありがとう・・・。やっぱり律はやさしいなあ」

律「ははっ、もっと褒めるといい!」

澪ママ「パパ帰って来たわよーっ」

澪「ママが来る!早く着替えなきゃ!」

律(それにしても良く作ったもんだ・・・)


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