授業中

律「おう、澪!!大丈夫か!?」

澪「ああ、今日は腸の調子がいいから元気だ」

律「そうか良かった、なら平気かな」

澪「?」

律「なんか来週急遽ライブの予定が入っちゃってさ元気なら今日からバリバリ練習するぞー」

澪「えっ!?ら、ららら来週!?」

律「ああ、他校の人たちに誘われちゃってさぁ、
  どうせいい機会だからな、まあまたあの冬の時みたいな小規模なやつだから」

澪「(そ、そんな……私最近休んで全然練習してない……
   それに来週って、どうしよどうしよ)」プシュー

律「澪?また蒸発してるぞー」

澪「う、うううんだ、だだ大丈夫だぞ」

律「そうかー?無理しなくてもいいんだぞ」

律「過敏性腸症候群ってストレスから来るんだろ?」

律「無理すると再発するんじゃないか?」

澪「い、いや大丈夫、私にはイリボーがあるし」


澪「とは言ったものの緊張するなーどうしよ」

澪「本番中にいきなりお腹痛くなってきたら」

紬「澪ちゃんもう本番のこと考えてるの?」

澪「だって本番中にどうしようもないぐらいお腹痛くなったらどうすんだよ」

紬「大丈夫。私にはイリボーがあるもの」

澪「確かにイリボーは効くよ?でもホントに万能なのか?」

紬「いえ、正確には万能じゃないわね」

澪「えっ!?やっぱり欠点があるのか?」

紬「ええ、あるわ」

澪「それはなんだ?教えてくれ」

紬「聞きたいの……?」

澪「う、うん(聞きたい、でもこれを聞いたらもう怖くてイリボー飲めないかも)」ゴクリ

紬「それはね……」

紬「イリボーは対処療法でしかないの……」

澪「対処療法?(もっとおそろしい単語が飛び交うと思ってた)」

紬「ええ、つまり飲み続けている間は症状が落ち着くけど、飲まなくなるとすぐ再発する」

紬「つまり根本的な解決にはならないってことね」

澪「で、でも唯は治ったって言ってたぞ」

紬「考えてみなさいこの過敏性腸症候群ってのはストレスからくる病気よ」

紬「唯ちゃんのストレッサーってなんだと思う?」

澪「あいつ脳天気だからなーでも勉強は本当に嫌そうにしてるな」

紬「そう、つまり唯ちゃんは中間、期末試験前のストレスのかかる状況でしか症状はでないわ」

澪「そうなのか……」

澪「なぁムギ?ムギが治ってないってことはムギはなにか日頃からストレス感じてるのか?」

紬「私にもそれは分からないわ、
  でも過敏性腸症候群って放置しておいても治る病気ではないってお医者が言ってたわ」

澪「でもムギは治療しているんだろ?」

紬「ええ、今は特効薬もあるからね、でも昔はなかったわ。
  私が自覚している限り症状がでたのは5年前から」

紬「しばらく放置した結果悪化した可能性はあるわ」

澪「どういう事だ?」ゴクリ

紬「少々長くなるけどいいかしら?」

澪「ああ、ムギの話聞きたい」

紬「まず、事実として過敏性腸症候群は自律神経失調症の一種でもあるわ」

澪「自律神経失調症ってあの鬱になったり、頭痛になったりするやつか?」

紬「ええ、その自律神経は交感神経、副交換神経からなっているんだけれども」

紬「人は活発に動いているときは交感神経、落ち着いているときは副交換神経が優位に働くわ」

紬「交感神経は胃や腸などの働きを抑制して、副交換神経は胃や腸の働きを活発にさせるわ」

澪「休んでいるときにものを消化するってことか?
  まあ昼飯食べた後に眠くなるのは副交換神経の働きだって聞いたことがある」

紬「そうその自律神経なんだけど、それがストレスなどが加わると
  そのバランスが崩れて活発に動いているときでさえ副交換神経が優位になったりするわ」

紬「これは腸や胃にものが入ってない状態のときも胃酸がでたり、腸が動いていたりするってことね」

澪「うん」

紬「本来動いてはならないときに動こうとする。
  つまりまだ大腸で水分を吸収されてない状態で腸が動き出す。だから下痢になるのよ」

澪「なるほど、これが過敏性腸症候群の正体か」

澪「でもなんでそれがムギが治らないこと、悪化することにつながるんだ?」


紬「こっからは私の私見なんだけどいいかしら?」

澪「ああ」

紬「おそらく長く放置すると自律神経が狂う癖がつくんだわ」

澪「狂う癖?」

紬「ええ、本来はなんてことのないストレスでも過敏に反応してしまう」

紬「さっき、胃にも影響がでるって言ったでしょ?」

澪「ああ」

紬「実は私ここ最近胃の調子もおかしいの」

澪「どういう風に?」

紬「ええ、なんだか気が緩むと吐き気がするって感じに」

澪「気が緩むと吐き気?」

紬「ええ、例えば休日。休日なんか一日中気持ち悪い時があるわ」

澪「大丈夫なのか?」

紬「一応、慣れてるから」

紬「医者にいったら、過敏性腸症候群の患者ってやっぱり胃の調子が悪くなる人もいるみたいなのよ」

紬「どうやら頭でそれがストレスだって感じる前に胃や腸の方で感じてしまう……」

紬「やっぱりこれって自律神経が安易に乱れる癖がついてるとしか思えないのよね」

澪「過敏性腸症候群って実は怖いんだな」

紬「さらに、胃の方はイリボーみたいに決定的に聞く薬がないのよね……」

紬「まあイリボーもセロトニンのが胃にも効くらしいんだけど……正直効果は実感出来ないわ」

澪「自律神経そのものを元に戻す薬ってできないのか?」

紬「詳しいことは分からないけど
  おそらくそんな画期的な薬があれば世の中に自律神経失調症で悩む人はいないわ」

澪「たしかにそうだな」

紬「他にも心療内科とかいうのがあるけれど、あれも効く人もいれば全く効果がないって人もいるわね」

紬「ここまで言ってなんだけど自律神経が狂う癖ってのは私の私見だからね」

紬「私は専門家じゃないから間違ってるかもしれないわ」

澪「そうか、でも私もそうなる可能性があるってことか。早めに治したいな」

紬「やっぱり根本的な解決方法はストレッサーそのものをなくすか、もしくはストレス発散の仕方を探すことね」

澪「なるほど」

紬「唯ちゃんみたいな性格の人はそういうの得意そうよね」


紬「じゃあそろそろ部活行きましょ?」

澪「ああ」




部室

「澪ちゃんーの腸の動きウネウネ」

「ムギちゃんーの腸の動きもウーネウネ」

「きーみのちょーはー、正常ですかー?」

「私のちょーうは狂っているよー」

「うねーうねーうごーいーてるー」

「わたしーたちーアイビーエスかびんーせいちょうしょーこーぐんってしいーってる?」

「わたしーたちまいにーちおなかー痛い」

「やんなーちゃう、トイレいーこう」

「IBS!IBS!IBS!IBS!」ジャジャンジャジャンジャーン


澪「また気色の悪い歌歌ってる……」

紬「あらあらいいアレンジ!私にもおしえて唯ちゃん。ふふふ」

澪「まあ、こうやって冗談で流せるようにしてやれば
  ストレスもたまらないんだろうな……唯私にもおしえて」

唯「あいあいさー!」ビシ



紬「あら、通してやったら意外といい感じ。ふふっ、私たちIBSグループねwww」

澪「なんだよIBSグループってwww」

唯「IBS!(IBS)IBS!(IBS)IBS!(IBS!)www」

澪「やwwめwwろww」

律「どうでもいいがその曲はライブでやんなよ」

梓「同感です」



一週間後、ライブ当日

澪「うぅ、やっぱり緊張してきた……」

紬「私も胃がいたくなるわ……」

唯「(アイス食べ過ぎた……)」

律「お前ら大丈夫か?」

梓「大丈夫ですか?先輩方」

律「ほらもう本番だぞ」

澪「ちょっとその前にトイレに」バッ

紬「……私も」バッ

唯「(うぅーお腹が冷えてる)」バッ



トイレ個室

澪「はあ大丈夫だ。できるぞ私」パシ

紬「……うぅ、吐きそう……でも毎回結局吐かないのよね」

唯「う、うゆ」ブリリ



唯「ふぅーすっきりしたー」

澪「よし落ち着いた。今日はお腹痛くならない!大丈夫!!」

紬「大丈夫よ私!これを乗り越えてもっと強くなるのよ」



ステージ

律「(澪たち遅いなー)」

梓「(お客さんだいぶいらだってますね)」

澪・紬・唯「」タッタッタ

律「おい、遅いぞ」コソコソ

澪「ごめん」

紬「ごめんなさい」

唯「ごめん」テヘ

澪「うぅ」ガクガク

紬「ウェップ」

律「(澪とムギだいぶ参ってるな……
   唯は大丈夫そうだが……よしここは私が活気づけてやるか)」



律「IBS!IBS!IBS!IBS!」

唯「!!(IBS!IBS!IBS!IBS!)」

澪「!!(律気を使ってくれたのか)」

紬「!!(なんか勇気湧いてきたわ)」


カンッカンッカンカンカンカン


唯「君の腸はいつも動きウネウネ~」

律「(そっちで歌うのかよwww)」

梓「(唯先輩やりやがったwww)」

澪「私の腸もいつも動きウッネ~ウ~ネ~」


・・・・・・・・・


客はその意味の分からない歌詞に、
しかし、どことなく小さな悩みなど吹っ飛ばしてくれるような曲に笑いに笑ったとさ

おわり




終わったあ、ちなみに俺はムギの症状にいちばん近いです

何がいいたいかって言うとムギに代弁してもらったってことだよ

そして胃が痛い寝よう