一週間前

学園祭 12時5分

唯「ね~ね~りっちゃん、コンビニでアイス買おうよ~」

律「仕方ないなー。じゃあ澪、私たちはいったん外に出てるから」

憂「私もついていくね。お姉ちゃんと律さんだけじゃ心配だから」

律(ばかにされた!?)

澪「学園祭でコンビニのアイスかよ、まったく。じゃあ私たちは校内を回ってみるな」

紬「じゃああとで合流しましょうね」

梓「唯先輩、律先輩。周りにめいわくかけちゃだめですよ」

純「じゃああとでね。憂」

唯「アイスーあいすー♪」




病室

律「う、うぅぅ」

唯「あっ、りっちゃんが目を覚ましたよ。あずにゃ~ん」

梓「大きい声出しちゃだめですよ。律先輩大丈夫ですか?」

律「あ、ずさ?唯? ここは天国なのか」

憂「お姉ちゃん……」

唯「憂も目を覚ました! よかった~」

梓「憂! よかった、目覚まして」

律「それよりここは…… あれ、なんで学園祭を2度?」

憂「お姉ちゃんは死んで、梓ちゃんはいないことになったハズじゃ…… あれ、でも」

唯「混乱してると思うから順番に話すよ」

梓「唯先輩の言ってたことホントだったんですね」

憂「どういうこと?」

唯「さっきまでりっちゃんと憂が過ごした一週間はこの世とあの世の狭間の世界なんだよ」

律憂「えっ?」

唯「あそこはね、死んだ人が天国に行くまでに過ごす場所なんだ」

唯「あの世界はね。死んだ人が死んだときまでの一週間をもう一度あそこで過ごすんだ」

唯「そして自分達が本来死んだ時間になると一斉に成仏するんだ」

唯「憂とりっちゃんは生死の境をさまよってたからね。私は力を使ってうまく存在を割り込ましたんだよ」

唯「死人としてね。あずにゃんは生きてたからいないことになったけど」 

梓「二人はこの世とあの世の両方にいたからこの世の唯先輩が見えたんですね」

律「ちょっとまてよ…… じゃああの世界にいた人は?」

憂「もしかして全員……」

唯「そう。死んじゃってたんだよ。私が見えた二人意外はね……」

梓「……」

律「そんな…… 澪、ムギ、トンちゃん……」

憂「純ちゃん…… 和ちゃん……」

梓(さわ子先生可哀想だな)

律「なんでもっと早く本当のこと伝えてくれなかったんだよっ」

律「そうすればもっと、あいつらと仲良くしてやれたのに。お別れの挨拶もしていないっ!!」

梓「律先輩……」

唯「ごめんね。二人に自分たちが死にかけていることを自覚されると二人が死んじゃうから」

唯「強く生きたいと願わないとあのまま成仏してたんだよ」

梓「お医者さんも後は本人たちしだいだって言ってました」

憂「だからお姉ちゃんは生きろって言ってたんだ……」

唯「制限時間は飛行機が衝突する12時13分だったんだ」

梓「その時間にみんな亡くなりましたから」

唯「途中でりっちゃんが現状に満足しちゃってあせったけどね」

律「あ~あのときか~」

唯「私は途中で霊力尽きて消えちゃったけどね~」

憂「もしかして…… 私たちのために無理してたの?」

唯「うんうん、ちがうよ~。お供え物BOX作るのに大分力つかったからなんだ~」

律「おい!」

唯「えへへ~」



律「なぁじゃあ、唯の力であの世にはいけないのか?澪やムギ、和、純ちゃんにまた会いたいんだよ」

律「せめて話だけでもさっ」

憂「私からもお願いっ!お姉ちゃん」

唯「ごめんね、無理だよ。私はどんなに力があってもただのこの世の人間」

唯「神様にはなれないんだよ……」

律「そんな……」

憂「うぅ、うぅ」

唯「ごめんね……」

梓「唯先輩……」



三時間後

憂(そういや、お姉ちゃんの話なんかひっかかるなー、何だろう?)

律「そにしてもここ散らかってるな~」

梓「ひどい有様ですよ」

唯「ここで寝泊りしてたからね」

唯「りっちゃんにアイスこぼしたりしたし」

律「うぅおい!」

憂「梓ちゃんはこういうところ好きそうだよね」

梓「いや、好きじゃないし」




二日後

病室

医者「じゃああと一週間で退院だよ」

憂「ありがとうございました」

律「あの事故でよく私たち生き残ったな」

憂「テレビで見たけど跡形もなく吹き飛んでたよね」

梓「それは比較的校庭の外側にいたのと唯先輩が守ってくれたからみたいですよ」

医者「医者としては言いたくないけど、彼女が霊的力で衝撃を弱めてくれたみたいだね」

医者「事実、運ばれたときは一番重傷だったのに次の日にはピンピンしてあいすあいすっていってたよ」

医者「脅威の回復力だよ。唯さんは」

唯「……」スヤスヤ

憂「お姉ちゃん霊感あったもんねー」

律「唯は命の恩人だな。あっ私にヨダレたらすなっ」ゴンッ

唯「痛いよ~」

梓(命の恩人をなぐった……)




一週間後

律「よし、退院だ」

梓「はしゃいじゃダメですよ。腕の骨は完治していないんですから」

律「わかってるって!」

医者「じゃあ、お大事に」

唯「また来るねー」

医者「いや、貴女は来ないで欲しいな。病院がゴミ屋敷になったよ。まったく」

憂「お世話になりました」

梓「これから大変ですよ」

律「あぁ新しい学校決めないとな」

梓「違いますよ。テレビの取材ですよ。二人が寝ている間大変だったんですから」

唯「9、11テロ以来の世界的ニュースだもんね~」

梓「死者2621人、飛行機が3台も同時期、同じ場所に墜落したんですから」

梓「VIPでもスレが立ちまくりです」

憂「そういえばテレビでそればっかだよねー」

律「私が運ばれる様子がモザイクかけて何度も流されるのはきつかったな」

唯「りっちゃんは猥褻物だからね~」

律「なに!」

梓「まぁまぁ、落ち着いてくださいよ。それよりも報道陣がむこうから来ましたよ。めんどいのでn――」

律「よし、唯。取材受けて来ようぜ。私はじめてだよ。本出そうかなー」

憂「私もー、なんか緊張するな」

梓(憂までっ!?)

唯「私はオカルト番組ばっか出されてるよ」

律「前からたまーに出てただろ」

唯「最近有名になっちゃってさ~、知らない間に私を崇める宗教が何個かできてたよ」

唯「しかも宗派で対立しだしたし」

憂(お姉ちゃん、凄い事になってたんだね)

梓「取材もいいですけど、それ終わったら明日あそこに行きますよ」

律「ん? どこにだよ」

梓「先輩方のお墓と今回の事件の慰霊碑ですよ」




次の日

とある墓地

憂「お姉ーちゃん、つまみ食いしちゃだめだよー」

唯「りっちゃ~ん、つまみ食いしちゃだめだよ~」

律「もう、澪の分は頂いたぜ」

梓「律先輩、恥ずかしいですよ。ちゃんとお参りしましょうよ」


律(澪、ムギ、和、天国から見守ってくれよ)

梓(純、まだそっちにはいかないよ)

憂(皆さん私たちは今日も元気です)

唯(抹茶にするかイチゴにするか迷っちゃうよ~)




また次の日

慰霊碑

梓「学校があった場所に簡単な慰霊碑ができたんですよ」

律「こりゃ、テレビで見るよりひでーな」

憂「まわりの建物まで壊れてる……」

律「私たちの音楽室はもうないんだよな」

梓「えぇ…… でもバンドは組めますよ。私と唯先輩がギターで律先輩はドラム、憂はキーボードで」

律「そうだな……」

唯「あいす買ってきたよ~」

律「唯は変わらないな」

唯「う~、私だって成長しているんだよ」プンプン

憂(怒ってるお姉ちゃんもかわいいなー)


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