ガチャリ

梓「こんにちはー」

唯「あっ!あずにゃんきたー!」

律「よーし、全員揃ったことだしお茶にしようぜ!ムギ、お茶ー!」

紬「はーい。……あら?」

澪「どうしたムギ?」

紬「ん……太股のあたりが……」プクー

唯「うわ!真っ赤っかだよ~!?」

律「蚊に刺されたか~」

梓「なんだと」

紬「あ……どうしよう、腫れてきちゃった……」

澪「脚が白いぶん痛々しいな……」

唯「うう~痒そう~……ムギちゃん大丈夫?」

紬「う、うん……」

律「ムギの脚はうまそうだもんな~。蚊も放っておかないかそりゃ」

澪「おやじ臭いぞ律……」

梓「……」ワナワナ

唯「あずにゃん?」

律「どうした梓?小刻みに震えてるぞ」

梓「…るな」

梓「ふざけるな…」

梓「ふざけるなよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

一同「!?」

澪「ど、どうした梓…何をそんな怒って……」

梓「虫の分際でムギ先輩のスベッスベムッチムチの脚を!!」

梓「傷つけるだと!?」

梓「ふぃぃーーーーん…」

梓「ちくり」

梓「ちゅーちゅー」

梓「ざっッッけんじゃねえよ!!!」バン

澪「ひぃっ」

唯「あ、あずにゃん落ち着い…」

梓「っせえ!!」バシッ

唯「あいてっ」

梓「殺虫剤はどこだ!野郎、ぶっ殺してやる!!」

律「さ、殺虫剤ならここにあるけど…」

梓「よこせっ!」ガシッ

律「うわっ。な、なんだよ、乱暴すんなよ……」

梓「オラアアアアアアアアアア!!!!!出てこい!!!出てこいよ虫野郎!!!!勝負しろや!!!!」

蚊「プ~ン」

梓「ッッっははっはははははは!!!飛んで火に入る夏の虫とはまさにこの事!!!」

梓「死ね!!!」ブシュ~~~~~~ッ

唯「ちょっ…ケーキにまでかかってるよも~……」

梓「ふっはははははははははッ!!」ブシュ~~~~~~ッ

蚊「」

梓「てめえの罪はこんなもんじゃ消えねえぞ!!立て!立てや!!!」

梓「まだまだァ!!死ね!!死ね!!!」ブシュ~~~~~~ッ

紬「あ…梓ちゃん、私は大丈夫だから……」

梓「ひははははははははははははは!!!ぶっ壊死手やる夜!!!!」ブシュ~~~~~~ッ

律「お、おい、ちょっとスプレー撒きすぎなんじゃ……」

梓「ふぅっははははははははははははははははは!!!!」ゲシッ グチャグチャ ペチョッ

梓「……ふはっ…?」フラッ

梓「あ、やばい、くらくらする苦しい死ぬ」フラーッ…

澪「おい梓!?」

梓「ぐ…ご…」

梓「グエェーッ」バタン

梓「」

一同「あ、梓ぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーっ(ちゃん、にゃん)」


翌日 中野家

ぽくぽくぽく

ちーん

ぽくぽくぽく

ちーん

唯「……」

律「……」

澪「……」

紬「……」

純「……」

憂「……」

唯「嘘だよ……あずにゃんが死んじゃったなんて…こんなの嘘だよ……」

律「バカヤロウ……あんな死に方しやがって……」

澪「う、うう……梓……」シクシク

紬「梓ちゃん……どうしてこんな……」グスン

純憂「うぅ…」ポロポロ

紬「私が蚊に刺されたりなんてしなければ……」

律「やめろムギ……あれは事故なんだ……。お前が自分を責めることなんてない」

紬「りっちゃん……」

律「見てみろよ、梓の死に顔を…。満足そうな顔して…」

唯「まるで貞子に殺されたような顔だね……」

律「……」

一同「うわぁぁぁぁぁぁぁん…!!」ポロポロ





梓「う、ううーん……」

梓「……」

梓「はっ」

梓「こ、ここは……?」

梓「あ、あれ?私生きて…」

?「いいえ、あなたは既に死んでいるわ」

梓「!?」

和「ここは死後の世界。その上層よ。あなたはもう死んでいて、その身体はあなたの生前の記憶を元にあなた自身がイメージしたものにすぎないわ」

梓「の……和先輩!?」

和「いいえ、私は和ではないわ」

梓「え?いや、思いっきり逆メガネかけてるじゃないですか。和先輩ですよね?」

和「私の姿もあなたの記憶がそれらしくイメージしたものにすぎない。馴染みのない人間の記憶を投影しているだけ。死後の世界に固形の姿はないの。あるのは魂だけよ」

梓「は、はぁ……」

梓「じ、じゃああなたは誰なんですか?」

和「そうね。裁判官兼獄吏とでも言っておこうかしら」

梓「裁判官……」

和「あなたはこれから裁判を受けるの。生前の行いが善いものか悪いものか判決して、あなたの魂の行く末を決めるのよ」

梓「……」

和「さ、行くわよ。まずはあなた拘置しないと」

梓「え!?な、なんで拘置されるんですか!?裁判ってすぐやるんじゃないんですか!?」

和「何言ってるの?あんなタイミングで死なれたってこっちにも他の裁判があるんだからすぐに行程が決まる訳ないじゃない」

梓「で、でも別に悪いことしたわけじゃないのに捕まるなんて……」

和「いいえ、あなたの死因は「殺虫剤をばら撒いて自分も巻き込まれて毒死」と報告されているわ」

和「その真偽は裁判で明らかにするとしても、殺戮兵器を乱用した疑いがある以上、拘束しなきゃいけないの。あなたの世界でもそうでしょう?」

梓「……」

和「さぁ、付いてきなさい」


拘置部屋


梓「あれ?学校の教室?」

和「ここもあなたのイメージが目に見えているだけ。さぁ、入りなさい」ガチャ

とみ「おや、あずにゃんさんかえ」

梓「あ、えっと……唯先輩の近所の……」

梓「この人も私のイメージですか?」

和「いいえ、この人はあなたの先客。つまりあなた同様、死んで魂だけになって、裁判の順番を待っているのよ」

梓「……!」

とみ「わたしももう歳だったからねえ」

和「じゃあ私はもう行くわ。順番が来たら呼びにくるからそれまで大人しくしてなさい」

梓「あ、あの……順番っていつぐらいに……」

和「さぁ?」

梓「さぁ、って……」

和「あなたは罪人候補、つまり地獄行きの候補としてここにいるのよ。権利の主張なんて通らないと思ってちょうだい」

和「まぁ三日かそこらで呼びに来るわよ」

梓「三日って……あの、その間の食事はとか……」

和「死人にそんなものいらないでしょう?」

和「じゃあ私、裁判所行くね」バタン

梓「……」


梓「……」

とみ「若いのにこんなところ来ちゃって、不憫だねぇ」

梓「あ、はい……。ていうかこれなんなんですか?本当に死んでるんですか?」

とみ「そうみたいだねえ。私は死ぬ瞬間を覚えてるし、ほんとうに死んでると思うわぁ」

梓「私はあんまり実感ないですけど……」

とみ「そうかい」

梓「あの……」

とみ「なんだい?」

梓「とみさんはどうして亡くなってしまったんですか?」

とみ「私かい?私は息子が久々に帰ってきたもんだから、ちょっとね……」

ホワンホワンホワワワーン

回想

(けェーーッ!久々に帰ってきたと思ったらなんだい!土産の一つも持ってこんと、忌々しい!)

(フン。バカ息子と言えど生意気に稼ぎはそれなりにあるようだし、ここはひとつ財布の中身を改めさせてもらおうかい!)

ゴソゴソ

(ヒッヒ!諭吉どんがおるでぇ……!)

『おい何やってんだババァ!!』

「ひぎッ!?」ビクッ

「ごぁっ……し、心臓が……」ピクピク

「ぐげェーーッ!!」バタン

「」


とみ「回想終わりじゃ」

梓「ゲスですね」


梓「ところで…裁判ってどんな感じなんですか?」

とみ「さぁねぇ。私も裁判を待つ身だから詳しくは知らないんだよ」

梓「そうですか……」ハァ

梓(どうしよう……。私、そんなに悪いことしてないよね?素直な子じゃなかったけど、地獄に堕ちるほどでは……)

とみ「あ、でも」

梓「?」

とみ「あずにゃんさんが入ってくる前にもう一人先客がいてねぇ。もうすぐその子の裁判が終わるから訊いてみたらいいんじゃないかい?」

梓「先客?」

ガシャン

?「やめろっ!離せ!」

とみ「おや、ちょうど終わったみたいだねえ。あの子だよ」

梓「……!?あ、あれは……!」

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