さて合宿も終わり、和ちゃんと一緒に遊びにいったりしているうちにあっという間に帰省もおわり、

バイトと寮でのおしゃべりとバンドの練習に明け暮れているとあっという間に夏期休暇も終わり、

それにしてもムギちゃんの知合いが桜ケ丘高校軽音楽部に入部していたのには驚きました。

しかも容姿がムギちゃんに良く似ています(金髪碧眼なところも)。

違いといえば担当がドラムスといったところでしょうか?

もう一人の新入部員の...中田さん?...田中さん?...原田さん?...田原さん?...大和田さん?...小和田さん?...

あれ?誰だったっけ?

まぁいいや、いずれ思い出すでしょう。

その子がパソコンを使って、アレンジを担当しているのには驚きました。

紬「あれはDTMっていうのよ?もっと機材に凝ればDAWにもできるけどギー太よりも高いパソコンが必要ね」

唯「ふーん」

私にはチンプンカンプンです。

後期に入ってからの最初の活動は、桜高祭の軽音のライブをOBとして観に行くことです。

合宿でどんな曲を演奏するかはわかっているけど、やっぱりライブは違います。

私たちはあずにゃん達の先輩としてライブを観ていました。

後輩の演奏ってこんなにヒヤヒヤするものなのかな?

さわちゃんがライブの時にニコニコしていたのは顧問としてではなく先輩としてみていたから?

梓「先輩!!どうでした!!」

憂「お姉ちゃん!!どうだった?」

唯「う、うん...良かったよ...とっても良かったよ!!」

と言ったものの、実は私が舞い上がっていてて、演奏までは良く覚えていませんでした。

律ちゃん、澪ちゃん、ムギちゃんも良かったって言ってたから演奏も良かったんでしょう。

でも後から、律ちゃんが

律「実は私、舞い上がっててさぁ~、演奏まで気が回ってなかったんだよ~」

お~!!さすがは律ちゃん!!ご同輩です。

さて、次は私たちの番です。11月上旬には大学の学祭があります。

大学の軽音楽部でもやはり学祭は重要なイベント

なんですが...

先輩達は学祭そのものよりも、学祭後に各バンドで催すライブの方が重要なようで学祭はその宣伝みたいなものだそうです。

ふーん

とはいえ、私たち4人はまだライブハウスで演奏をする予定はないので、学祭が最大のイベントです。

張り切って練習に励んでいます!!

と、言いたいのですが...

実は選曲で行き詰まっています。

高校時代からの曲でもいいのですが、先輩たちは

先輩「高校生としてはいいとは思うけど、大学生というか女性としては幼すぎるんじゃない?」

と口を揃えて言います。

また「ごはんはおかず」に至っては、

先輩「コミックソングとしてはオチが弱い」

大学の軽音楽部ではそれぞれが忌憚なく意見を出してきます。

足を引っ張るのではなく、「こうすればもっと良くなる」的な意見です。

ここ(N女)の軽音楽部だから発展的ですが、某大学のプロ思考のサークルになるとメンバーの引き抜きあいらしいです。

何日か4人でミーティングを行っていたら、律ちゃんが突然

律「澪!!今の気持ちを詩にしてみろよ?」

澪「えっ?」

律「今の気持ちを歌詞にしたらどうだ!!」

律「好きな人ができたんだろ?」

律「その気持ちを素直に歌詞にしてみようよ」

澪「わっ、私にはそんな人は...」

紬「澪ちゃん!!みんな気づいているわよ!!」

紬「いいじゃない、好きな人ができるのは普通なんだし」

紬「面と向かって言えないことが言えるのが歌でしょ?」

澪「で、でも...」

紬「大丈夫よ!!澪ちゃんの気持ちが届くような曲を作ってみせるから!!」

ムギちゃんは自分のように目をキラキラさせています。

唯(ふーん)

私は取り残されたような感じです。

今までの澪ちゃんの歌詞は「恋に恋する乙女」だったし、私の歌詞は身の回りの些細なことへの感謝だったけど、

これからの曲は、等身大の恋愛も必要になるんでしょう。

なんだか小難しくなってきました。

でも、私がもう少し大人になれたら簡単なのかな?

澪ちゃんは律ちゃんにいろいろと相談しながら歌詞を書き上げました。

内容は

「なかなか想いを告げられないけど、親友の後押しがあってなんとか想いを伝えようと決心する」

まさに、澪ちゃんと律ちゃんの関係です。

澪ちゃんは恥ずかしそうに

澪「ステレオタイプだけど、いざ自分がその立場になるとステレオタイプにしかならないんだよ...」

と...

そんな歌詞でも名曲にするのがムギちゃんです。

できあがった新曲は、今までにないくらい切なくて可愛くて、それでいて大人っぽい曲になりました。

ムギちゃんは恋愛経験が皆無なんですが、澪ちゃんと顔をつき合わせて澪ちゃんの気持ちに合うフレーズを見い出しながら曲を作りました。

ムギちゃんは

紬「この曲は澪ちゃんの気持ちをそのまま曲にしたけど、いつか私たち全員がこんな気持ちを経験するんだよね?」

唯(そうかいつかはそれぞれの道をみつけて、それぞれの道を進むんだなぁ~)

とおもいつつも

唯「ふーん」

と、鈍感なフリをしておきました。

モラトリアムはあと4年はあるはずです。

学祭のライブは無事終了しました。

澪ちゃんは思い切ってかの人をライブに誘い、かの人はライブを観にくれていたそうです。

澪ちゃんがこれからどうなるのかはわかりません。

とはいえ、澪ちゃんの今後にとやかく口をはさむのは野暮・無粋であり、馬に蹴られてしまいます。

とはいえ、なにがあっても私も律ちゃんもムギちゃんも澪ちゃんを支えるつもりです。

といったことを考えていたら、あっという間に年末です。

あずにゃんと憂は私たちと同じ N女 に進路を決めたそうです。

純ちゃんはもう1ランク上を狙って、第二志望をN女にしたそうですが、実力的には N女らしいです。

純「N女にいくことになったら、それはそれで良いと想ってるんだよ。だってそれが縁なんだもん」

といってますが、憂曰く

憂「純ちゃんもN女を目指したいけど、ちょっと悔しいからK大目指すらしいよ。」

憂「それって高校受験の時に桜ケ丘に行きたいのに、無理して県外の進学校を受けたのと同じだもん」

そんな憂の話を

唯「ふーん」

と聞き流しながら、素直でないけど仲間・友達想いな純ちゃんを頼もしく思います。

唯(でも、純ちゃんってそんなに成績優秀だったっけ?)

まぁ、N女出身なら名門校出身扱いなんで就職活動に支障をきたすことはないでしょう。


さてさて、私たちが晶ちゃん達のようにライブ活動をしないのはなぜか?

晶ちゃんや先輩たちも不思議に思っています。

もちろん私たちも活動はしたいのですが4人ではだめなんです。

次の4月になればわかります。

あずにゃんが高校を卒業して、(できれば)N女に進学してくれたら本格的に活動します。

憂や純ちゃんもN女に進んでくれたら楽しいと思いますが、そうなればあずにゃんが大変でしょう。

唯(もし純ちゃんや憂とバンドを組むとしたら、あずにゃんはかけ持ちになるからなぁ~

私達が卒業後のことを考えてなかったことを憂や純ちゃんはカバーしてくれたけど、

それが全員N女に来るとなるとバランスが崩れちゃうんだよねぇ~

このことは、律ちゃんも澪ちゃんもムギちゃんも知っています。

律「みんなN女に入ってくれたら楽しいんだけどなぁ~」

律「でも音楽ってところではバランスが悪いしなぁ~」

一同「..........」

さてさて、後期試験も終わり入試の時期が来ました。

結果だけを書くと

純ちゃんはなんとK大に受かりました。

和ちゃんの後輩です。

あずにゃんは

梓「人類の未来は今日で終わった」

とか言っていましたが、内心はとてもうれしそうでした。

あずにゃんはN女に受かり、N女に進学が決まりました。

唯(よかった~、これでようやく5人で活動できる)

と、ここで予想外のできごとが!!

なんと憂がK大に受かり進路をK大に決めました。

こればかりは私も驚きました。

てっきり N女一本だと思っていたのですが、K大を狙えるということで受験したら受かったとのこと。

憂「お姉ちゃんごめんね?」

憂「でも、そろそろ私も自立しなきゃいけないし...純ちゃんも一緒だし...」

憂の気持ちは痛いほどわかります。

私やあずにゃんと一緒の大学にも進みたいけど、N女に進んでも一緒にはいられないこと。

K大なら中学からの友達の純ちゃんもいるし、なにしろ和ちゃんがいるし。

高校3年生と大学1年生

たった1年の差がこれほど人生を左右するとは...

でも、一見、バラバラになったような憂たちだけど、

これが結果的には良かったようです。

私たち+あずにゃんは高校時代と同じように音楽活動ができます。

一方、憂と純ちゃんは大学生活を楽しんでいるようです。

さてさて、あずにゃん達が卒業して存亡を危ぶんでいた桜ケ丘軽音楽部ですが、

昨年の文化祭ライブ以降に入部希望者があり今年度も継続できているそうです。

そんな軽音部の将来のために、ムギちゃんが一肌脱ぎました。

お父さんに頼んで、

紬「1年分の生活費はバイトでまかなったんだから、その分の楽器を高校の軽音部に寄付してください。」

というわけで、25万円分の楽器を寄付してもらったそうです。

ギター2本、ベース1本、ギターアンプ2台、ベースアンプ1台、マルチエフェクターを2個

全て、入門・中級レベルの楽器らしいです。

紬「本当に好きなら、自分でもっと良い楽器を手に入れると思うわよ。」

紬「もちろん、私に声をかけてくれたら、少しはやすくなると思うわ!!」

唯「ふーん」

と無関心を装いつつも

唯(ムギちゃんが値切れば、入門機の値段で一流品が手に入るよね?)

斎藤菫ちゃんというムギちゃんの知合いが後輩にいるので楽器の入手は簡単でしょう。


私たちも回を重ね、いよいよ4回生です。

進路に悩むところですが、すでに目指す所は決まっていました。

律ちゃんはキャリアウーマン、澪ちゃんは出版関係、ムギちゃんは帝王学を学ぶべく系列の筆頭の総合職。

そして私は高校教員をしかも桜ケ丘高校の音楽教師を目指しています。

いろいろなことを経験しました。

恋愛、恋愛、恋愛...そして音楽...恋愛...恋愛...恋愛

私たち4人は入学時にくらべたらずいぶんとたくましくなりました。

もし私が志望通りに桜ケ丘高校に教員として赴任できたとして、生徒から相談ごとを浮けたとしたらまずは

唯「ふーん」

と聞き流してから、親身に相談に乗ることにします。

唯(経験がないから苦しいことかもしれないけど、経験があるものからしたら解決策はあるんだよ)

でも...

できれば、

生徒「...妊娠しました...」

だけは勘弁して欲しいなぁ~

...もちろんムギちゃんに頼めば秘密裡に事は収まるけど...

おわり



OGが正しいのはわかってるけど、卒業生=OBという風潮もあるんで...

でも、桜ケ丘女子高だと OG なんでしょうね。

余談)近所に桜ケ丘って地名があるから、「けいおん」って身近なんです。