さてさて

......

澪ちゃんとムギちゃんはバイトが見付かりました。

澪ちゃんは「澪ファンクラブ」つながりで、ムギちゃんはピアノ演奏の才能で...

二人にぴったりなバイトがみつかりました。


一方、バイトがなかなか見付からないのが...

律ちゃんと私です。

律「うーん...」

唯「うーん...」

律・唯「なあ唯」「ねぇ律ちゃん」

いとせぬユニオン!!


律「私ら二人ってなにか才能がないのか?」

律「このままだと、二人とも搾取されるだけの労働階級で終ってしまうぞ!!」

唯「うーん...とは言ってもねぇ...」

唯「澪ちゃんやムギちゃんのような『だれでもわかる才能』が私たちにあるのかな?」

律「そうだな~...」

律・唯「う~ん...」

唯「あっ?」

律「ん?なんだ?」

唯「見た目だよ!!律ちゃん!!私たちは見た目でバイトを見つけたらいいんだよ!!」

律「おいおい!!それは校規違反になるって!!」

律「それに見た目以外の才能がないのかよ!!」

律「先が無いにも程があるってもんだよ!!」

唯「だめ?」

律「だめ!!」

唯「じゃあ、私たちのアピールポイントってなんだろ?」

律・唯「.............」

祖父・祖母世代の「クラブ回り」を思いつき、律ちゃんと二人でライブハウスなどをまわってみたけど...

マネージャ「ダメダメ!!そんな子供みたいな声だと落ち着いて酒も飲めない!!」


マネージャ「でも、面白いからハイティーン向けのライブハウスを回ってみたら?」

私と律ちゃんはマネージャに教えられたところを回ってみたけど、どこもノルマありきでした。

律「うーん...ノルマがあるときついなぁ~」

律「やっぱり、音楽をバイトにするのは無理みたいだから、ウチら二人の元気さを活かすバイトを探そう!!」

律ちゃんは迷いません。

だから頼もしいんです。

かくして二人はフリダシに戻ってバイト探しです。

私と律ちゃんの共通点は

  • 詰めがあまい
  • 細やかなことは苦手

となると、高給なバイトは期待できません。

でも、人並なバイトならそれなりにこなせそうです。

かくして、二人は無理をせずにバイト探しをして、無難なファーストフード店に決まりました。

澪ちゃん、ムギちゃんとは時給は違いますが、時間に余裕があるところが私たちには合ってます。

唯(ちょっとくらい遅刻しても許してもらえるところは、澪ちゃんやムギちゃんよりも楽かな?)

なんとか、部費とお小遣いのメドはつきました。

唯(やれやれ...でも世の中って本当に難しいんだなぁ~)

唯(もし、突然両親がいなくなったら私は生きていけないよなぁ~)

なんとか部費と合宿費のメドがついて一息ついた頃は前期試験の目前でした。

先輩(一回生の前期はあっという間に時間がすぎるよ)

まさにその通りです。

試験は大変でしたが、

先輩(授業にでていればなんとかなりそうな問題ばかりだよ)

まさにその通りでした。

でも、私たちは

律「来年は特別奨学生で授業料免除を狙おう!!」

ということで頑張って勉強しました。

私たち4人は学部が異なるので各学部での特別奨学生が狙えます。

最優秀なら学費全額免除、優秀なら半額免除。

ただ、ムギちゃんだけは

紬「たとえ私が該当しても私は辞退するつもりなの。」

まぁ。自薦しないかぎり選ばれないから、ムギちゃんは自薦しないだろうから、ムギちゃんの意向は通るでしょう。

ところで大学って、高校の延長だと思っていたけど...

全然違う!!

さぼろうと思えばいくらでもさぼれるけど、サボった分だけ自分に跳ね返ってくる。

厳しいです!!。

和ちゃんにメールをしたら、

和「あら?それが当然でしょ?」

和「実力第一主義と出席率に対する謙虚さって相反するものだけど、1回生のうちはなかなか才能は認められないものよ」

和ちゃんは相変わらず冷静です。

日本有数の大学にストレートで入学しながら「私なんて凡才凡才」とメール越しに伝えてくる和ちゃん。

ほんの少しだけ腹立たしく思う時があります。

そんなことはさておき、私たちは寮の門限の午後9時(事前に連絡したら午後11時)を守りつつ、
学生生活を送ることができています。

2ヶ月に一回の軽音部のライブにも出ることがでていますが、どうも私達の曲は盛り上がりません。

先輩たちの声は

先輩A「曲はいいんだけど、歌詞が子供なんだよねぇ~」

先輩B「そうなんだよ。夢見る乙女の歌よりもリアルな恋愛が必要なんだよ」

あらあら、急に高い高い壁が立ち塞がりました。

私たち4人、真剣な恋愛をしたことがありません。

澪ちゃんの歌詞は想像上のものであって追体験ではありません。

唯(ふーん...リアリティかぁ~)

まだまだ無理です。

澪ちゃんはスランプに陥りました。

澪「わたしは本当の恋愛をしたことがないし...本当の恋愛って怖いし...」

私たちは励ましようがありません。

なんせ、誰一人として恋愛経験がないんですから...

と思っていたら...

ムギちゃんがいきなり仰天なことを言いました。

ムギ「あら?恋愛なんて結構簡単なものだとおもうわよ。」

ムギ「澪ちゃんの歌詞は片想いなだけなのよ。」

ムギ「片想いを越えて、恋人関係になったときの甘え・期待・不安を歌詞にしたらいいのよ!!」

ムギちゃんは簡単に言うけど、澪ちゃんにとってはどれだけ高い壁かということ...を?

ん?澪ちゃんの様子がおかしい

澪ちゃん?それってもしかして?

ムギちゃんと澪ちゃんの間には不思議な関係があることはわかります。

変な関係ではなく、作詞・作曲という創作面を担う関係だからこそ...
ふと、律ちゃんをみると

律「...」

律ちゃんも何かを感じているんでしょう。

澪ちゃんに聞きたいことはあるけど、もうちょっとしたら澪ちゃん自身が話をしてくれることでしょう。

澪ちゃん自身はわかっていないんだろうけど、ムギちゃんと律ちゃんはうすうすわかっているんでしょ。

律ちゃんの表情は複雑でわかりづらいけど、うれしそうな気持ちはわかります。

唯(りっちゃん、なんとなくその気持ちはわかるよ。)

唯(もし、和ちゃんや憂に特別な人ができたら私も同じ気持ちになると思うよ」

唯(うれしいんだけど、どこかで反対したい気持ち...)

唯(相手を紹介されて、その素性が酷かったら反対もできるんだけど...)

唯(まだ、その段階なんだよね?)

精一杯の強がったとしての私の言葉は

唯「ふーん」

心臓をドキドキさせながら、精一杯冷静さを装うにはこの短い言葉が限度です。

この複雑な心境を含んだ短い言葉を理解してもらうのは無理でしょうね。


だれも澪ちゃんのことには触れません。

だって、不思議過ぎるんだもん。

律ちゃんですら言葉を濁すんだから、私やムギちゃんが余計な事は言えません。

でもでも...

唯(今の澪ちゃんの気持ちとかってどうなんだろ?)

唯(高校の時の歌詞のままなのかな?)

唯(どうなるのかわからないけど...澪ちゃんが楽しいと思うのならそれでいいかな?)

曽我部先輩は家庭教師派遣センターでなにかしらの出会いがあったのかもしれないけどって言ってたけど..

恵「一途な澪さんも素敵!!」

と言ったまま遠くに行ってしまい、帰ってこなくなりました。

紬「虚実交えて世界がビッグバーンなのねぇ~」

ムギちゃんはさらに理解不可能なことを言い出しました。

私が知ったかぶりをして

唯「ふ~ん」

というのが精一杯です。

澪ちゃんのこれからはさておき、大事なのは部費と合宿費と定例ライブの曲の事。

定例ライブに関して部費に含まれているのでノルマはないけど先輩達には

先輩A「ステージに立つんだから、それなりのパフォーマンスはしてよね!!」

と、強くいわれています。

歌詞が幼いとかいわれて、澪ちゃんはちょっとショックを受けたみたいだけど...

唯(今の澪ちゃんなら、もう少し大人の歌詞が書けると思うよ!!)

それと不思議なのはムギちゃんです。

お嬢様で恋愛経験もないに等しいのに、なぜ澪ちゃんの歌詞にぴったりな曲を書けるんだろう?

曽我部先輩以上に遠い宇宙の果てをトラベルしているのかな?

大学は高校の延長と考えていたけど...

実際は全然違いました。

流されるようにしていれば、4年間はあっという間に過ぎてしまいそうです。

でも、私には音楽と仲間が居るので、充実した日々を過ごせています。

ちょっとしたことが、

  • 例えば部費の事。
  • 例えばバイトの事。
  • 例えばライブでの選曲の事。
  • 例えばみんなの恋愛事情。
  • 例えばもう少し将来の事。

ちょっとわからないことは

「ふ~ん」

と、ちょっとだけ背伸びをした相槌を打ってます。

みんなも同じです。

澪ちゃんのことは公然の秘密だけど実は...

バイト先が一緒の律ちゃんもちょっと最近...

唯(もう律ちゃ~ん!!可愛いよぉ~)

です。

本員以外はみんな気がついているところがポイント!!

律ちゃんってツンデレっぽいけど、実は本当に乙女なんです。

私とムギちゃんはそんな二人に恋バナを振って、赤くなるところを楽しんでます。

でも、ムギちゃんと私は

紬「うらやましいよねぇ~」

唯「うん!!」

唯「私にもそんな経験できるかな?」

紬「できるわよ!!だって唯ちゃんは可愛いもん♪」

ムギちゃんはニコニコしながら(ムギちゃんの笑顔って本当に裏がないから心地良いなぁ~)答えてくれます。

私だけでなくムギちゃんもそんな体験をしてもらいです。

ムギちゃんは家の事とかがあるからいろいろと難しいと思うけど、

唯(家の事情が些細な事に思えるくらいの恋愛をして欲しいなぁ~)

ってつくづく思います。

さてさてバイトも決まり、ほっと一息つけたら前期の試験が始まりました。

教育学部に在籍する私は晶ちゃんに頼りっきりです。

晶ちゃんは見た目によらず頼りになります。

そういえば...

唯(和ちゃんはどうしてるのかな~?) 

唯(夏休みになって自宅に帰省したら、まっさきに和ちゃんに会おうっと!!)

もちろん桜ケ丘軽音部OB(OG)としての立場があるけど和ちゃんは特別なんです。

メールなどのインターネットを通じたやりとりはしてるけど、やっぱり顔を見て話をしたいです。

「元気だよ」ってメールを受け取っても顔を見ないと不安でなりません。
...憂になにかあったら両親から連絡があるけど、和ちゃんは本当に顔を見ないとわからないし...

そんなことを考えていたら夏休みに入りました。

大学の軽音楽部の合宿は思った程費用はかかりませんでしたが、

ムギちゃん家の別荘を使えてた事がどれだけ恵まれたことか...

律ちゃん、澪ちゃん、私はつくづく感じました。

律「そうだよな~、この辺りだと三○県か滋○県のスタジオだよなぁ~」

時間も厳密で自由時間もあんまりないし...

先輩方曰く、

「(表向きは)合宿はお互いに刺激を与えあって、より技術を高め合うもの」

とかおっしゃています。(表向きは...)

それなりに解放感はありますが、1回生の身分ではやっぱり窮屈でした。

それがますます桜ケ丘軽音部OBとしての合宿と帰省に対する期待を盛り立てます。

ムギちゃんはそういったことを見越していたのか、あずにゃんに進言したのかわからないけど、

桜ケ丘軽音部の夏合宿のために別荘を一つ押さえてくれました。

紬「一番広いところは無理だったけど人数も多いから今までで一番大きい所を押さえたわよ!!」

嬉々としているムギちゃんを見ていると、憂やあずにゃんといっしょに合宿できることが夢のように感じられます。

でも

唯(なんなんだろ?たった一年の差なのに高校時代が羨ましいって?)

唯(大人になったと思ったのに、まだまだ子供でいたいのかな?)

唯(それとも高校時代があまりにも恵まれていたの?)

う~ん

悩んでも答えはでないだろうから、今は帰省とOBとしての合宿に期待するとします。

ギー太を背負って、我が家(自宅)に着いたら

憂「おねぇ~ちゃ~ん!!お帰りなさ~い~:

思いっきり憂に抱き付かれました。

ギューッ

憂の抱擁はとっても力強く、とっても愛情溢れるものでした。

私も負けじと

ギューッ

と憂をだきしめました。

言葉は要りません。

むしろ不要です。

唯(姉妹っていいなぁ~)

唯(真夏なのに、こんなに温ったか、温ったかなんて!!)

唯(憂~、私は幸せだよ~~~)

憂「お帰りなさい。おねぇちゃん!!」

唯「うん!!ただいま!!」

それ以上の挨拶は不要です。

さっそく私の部屋に入って、四方山話をすることにしました。

憂「ねぇ?おねぇちゃん?」

唯「ん?なに?」

憂「おねぇちゃんは彼氏とかできたの?」

うっ!!

妹ながら鋭いところをついてきます。

その質問への解答は期待はずれなのか、期待どおりなのか...

唯「それがねぇ~」

憂「うん!!」

唯「出会いなんか全くなかったんだよ~...」

唯「大学生になっても、彼氏いない歴=自分の年齢って、悲しいよねぇ?」

憂「...」

憂「う、ううん!!おねぇちゃんを好きになる人って絶対悪い人はいないと思うよ!!」

憂「だから、今はいなくっても良いと思うよ。」

憂「待ったぶんだけ絶対良い人がいるはずだよ!!」

憂の言葉は信用してもいいかな?

唯(でも、憂が高校を卒業したら、私のことを心配していられない位にもてると思うよ。)

そんな事を考えたら、なんとなくどんよりとした気分になってしまいました。

でも

唯(明日からは、桜ケ丘軽音部の合宿に OB(OG)で参加するんだから!!」

唯(元気100%でいかなくちゃ!!)


明日から OB として...というか後輩達との合同合宿です。

今夜は早く寝ないといけないのですが、ひさびさの実家なんで憂との話もはずみます。

いつもは、明日のことを考えて早く寝ようと言う憂も今夜ばかりは一緒に夜更かしです。

このまま一晩を過ごすかと思うくらいだったけど、いつの間にか寝入ってしまいました。

...(おねぇちゃん)...

唯(ん?)

憂「おねえちゃん起きて!!朝だよ!!」

憂はいつものように起きて朝食まで準備してくれていました。

唯「憂は眠くないの?」

憂「うん!!いつもあの時間までは受験勉強してるから」

唯「勉強の邪魔しちゃったかなぁ~」

憂「ううん!!たまの息抜きだと思ったらいいし、それも含めてこの一週間は頑張って勉強してたし」

憂「だって、高校3年の夏休みに合宿に行くんだから、それくらいは計画を立ててるよ!!」

憂はいつも計画をしっかり立てて勉強をしています。

憂の言葉には嘘偽りはないんでしょうね。

明日から OB として...というか後輩達との合同合宿です。

今夜は早く寝ないといけないのですが、ひさびさの実家なんで憂との話もはずみます。

いつもは、明日のことを考えて早く寝ようと言う憂も今夜ばかりは一緒に夜更かしです。

このまま一晩を過ごすかと思うくらいだったけど、いつの間にか寝入ってしまいました。

...(おねぇちゃん)...

唯(ん?)

憂「おねえちゃん起きて!!朝だよ!!」

憂はいつものように起きて朝食まで準備してくれていました。

唯「憂は眠くないの?」

憂「うん!!いつもあの時間までは受験勉強してるから」

唯「勉強の邪魔しちゃったかなぁ~」

憂「ううん!!たまの息抜きだと思ったらいいし、それも含めてこの一週間は頑張って勉強してたし」

憂「だって、高校3年の夏休みに合宿に行くんだから、それくらいは計画を立ててるよ!!」

憂はいつも計画をしっかり立てて勉強をしています。

憂の言葉には嘘偽りはないんでしょうね。

憂に比べて私はと言えば...

のんべんだらりと学生生活を送っています。

晶ちゃんたちのバンド「恩那組」は、夏休み前にライブハウスでライブをやってたし、

ムギちゃんも澪ちゃんも律ちゃんもそれぞれ勉学や音楽にとどまらない充実した学生生活を送ってるし、

なんとなく取り残されているような気もするけれど、まぁそれが私なのです。

それよりも明日からの合宿を楽しみます。

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