◇卒業式◇

憂「~♪」

憂「お姉ちゃ~ん、そろそろ起きないと……」

憂「……」

唯「起きてるよ、うい」

憂「……」

憂「……そっかっ」

憂「ご飯できてるから食べようっ」

唯「うん、すぐ降りるね」

唯「……」

唯「さあて、ギー太っ!今日は必殺技は封印しよっ!」

唯「高校生活、最後のライヴだよっ」

唯「うんしょっと」




唯「緊張してきた~」

憂「気を抜いて頑張って」

唯「うん」

憂「こうやってお姉ちゃんと登校するの……最後だね」

唯「なに暗くなってるのさ、うい」

唯「送り迎えだったら任せなよ、大学生でもそれくらいはしてあげれるよ?」

憂「えへ」

唯「なんでも最後最後って言っちゃだめだよ」

憂「だね、お姉ちゃんの言うとおりだ」



唯「……」

憂「着いた……」

憂「……」

唯「……」

憂「入らないの……?」

唯「……」

唯「いこっ」

唯(入学式を思いだすなぁ……)

唯(今日から高校生っていう期待に胸を膨らませて、この校門から学校を眺めたんだっけ)

唯(はやいなぁ、もうお終いだ)

唯(私の高校生活はもうこの日を以って、閉じるんだ……)

唯「……」

唯(ダメだよ、暗くなっちゃ……笑って卒業なんだから)



唯「あら」

さわ子「もうっ、平沢さん遅いですよっ?みんな整列してるんですから」

澪「おはよう」

唯「すいません……おはよう澪ちゃん」

律「最後までこの調子か~?」

紬「うふっ、唯ちゃんらしいわ」

唯「えへ、みんなおはよ~」

姫子「おはよ」

唯「おはよう姫子ちゃん」

いちご「……」

唯「おはよ~」

いちご「……うん、おはよ」

唯「へへ」

さわ子「ほらっ、並んで並んでっ」




「卒業生、入場」


憂「お、お姉ちゃんがはいってくるよっ」

純「はいはい」

律「……」

憂「律さんだ……っ」

澪「……」

純「澪先輩……」

紬「……」

梓「……紬先輩」

唯「……」

憂「お、お姉ちゃんっ、足と手が一緒……っ!」

純「ロボットみたい……」

梓「唯先輩……」



唯(卒業証書授与式が始まる……)

「田井中律」

律「はいっ」

唯(りっちゃんは緊張してないみたい……)

「秋山澪」

澪「はい」

唯(みんなリラクゼーションしてるなあ)

「琴吹紬」

紬「はいっ」

唯(私、ちゃんと返事できるかな……)

「立花姫子」

姫子「はい」

唯(姫子ちゃん、卒業式くらい前止めようよ……)



「校歌斉唱、一同起立」

唯「……」

憂「う……ぐぅう……お姉ちゃ……ん」

純「ま、まだ泣いたらダメだって……」


~♪~♪~♪


澪「澄し~碧空~仰ぎ~見~て」

紬「遥け~き~理~想を~結ば~んと~」

律「香れ~る~桜花の~咲~く丘~に~」

唯「ああ 励みし~友垣が~集~う校庭~」


~♪~♪~♪





「卒業生、退場」

憂「うぐぅ、うぐぅうう、おね、えちゃゃゃん……」

梓「……」

和「みんなわかってるわね……?」

信代「わかってるって……」

いちご「うん」

和「行くよっ」

さわ子(なんとか我慢できたわ……最近涙腺が……)

さわ子「えっ、なにっ?なにっ?」

和「整列して」

律「ほいほい」

さわ子「……」

和「さわ子先生」

さわ子「……」

和「一年間、お世話になりました」

「お世話になりました~っ」

さわ子「……」

和「先生からのご恩を忘れずに、私達3年2組生徒一同はこれからもがんばっていきますのでよろしくお願いします」

「よろしくお願いしま~すっ」

さわ子「……な……なにょ……もぅ……」

ぱちぱちぱちぱちぱち

さわ子「泣かないって……決めたのにぃぃぃぃ……ううううう」

律(お~い、素が出てる素が出てる)

唯「じゃあ、私達は準備しよっ……」

澪「……うん」

紬「ああ……緊張してきた……」

憂「ぐううっうう、げほっ、ごほっ、ううっううう」

純「ちょっと……大丈夫?」

梓「……」

梓「よしっ、やってやるです……」




律「さわちゃんには悪いけどさ、最後は制服で出よう」

澪「ばかっ、当り前だっ」

紬「卒業式にコスプレはちょっと……」

唯「……」

唯「ついにきちゃったね、この時が」

澪「……」

澪「ほんとうにきちゃったな……」

律「ほ~んと、まさかくるなんて思ってもなかったよ、ははっ」

紬「今、実感がわいても遅いのにね……」

唯「……」

唯「こんな寂しくなるなら、もっとなんかやっとけばよかったね、卒業旅行とか」

澪「それは卒業してからでも行けるじゃないか」

唯「違うの澪ちゃん……高校生じゃないとダメなんだよ……」

澪「……」

律「……」

唯「大切な青春のうちに、色々と思い出をつくらないとダメなんだよ……」

律「……」

唯「私ね、学んだことがあるの……もう二度と同じ青春は訪れないって」

律「ははっ、当り前じゃないか……なにいってるんだよ……」

唯「青春ってマネできないんだね……私、もっとチープなものだと思ってて……」

唯「此処に私達がこうしているのも奇跡の連続なんだよ」

唯「もし、私達が1年の文化祭に出場していなかったら……」

梓「……」

唯「ギー太だってほとんどムギちゃんのお陰だし、合宿だって……」

紬「……」

唯「私がりっちゃんや澪ちゃんに、あの職員室で出会わなかったら……私がけいおん部を勘違いして入部しなかったらもうそこでこの今はないんだよね」

澪「……難しい話は、苦手分野じゃなかったのか……唯は」

唯「え……」

律「おまえらしくないぞ~?どうしたいきなり?」

梓「そうですよ……やめてくださいよ、いきなり……っ」

唯「そうだよねっ……恥ずかしい、私、えへ」

律「ああ、そんなの考えないで、笑って卒業しようぜ」

澪「……」

紬「うん……笑って卒業するんだからっ」

梓「……」

唯「はいっ、じゃあみんな!手を出して!」

律「うおっ、な、なんだっ?」

唯「放課後っ……うんしょっ、はい出来上がりっ!私達のしるし!」

律「……」

唯「澪ちゃんもっ!ムギちゃん、あずにゃんもっ!」

澪「……」

唯「私にも書いて……っと、出来上がり!」

唯「さ、準備は整ったよっ」

澪「……」

唯「笑って卒業するんだよっ!はい、みんな笑ってっ!」



さわ子「遅いわね……なにやってんのかしら……ぐすん」

さわ子「……」

さわ子「……」

唯「むううう」

紬「むうううう」

澪「む、むー」

律「こんなの意味あるのか?」

梓「さ、さあ……」

さわ子「なにやってんの……あんたたち……」

唯「あっ、さわちゃん!口角を手で上げてるんだよ!」

さわ子「口角……?」

唯「うんっ」

さわ子「……そ、そう」

さわ子(もうあなたたちがナンバー1よ……色々な意味で)


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