律「卒業式まであと1週間かぁ……」

紬「ほんと……とうとう来たって感じがするわ」

澪「色々、あったからな……」

唯「うん……」

梓「……」

律「私達で、目標を決めよう!」

唯「え、なんの?」

律「どうやって卒業するかだよっ!」

澪「どうやって?意味がわからん……」

紬「そうねぇ……」

律「私はもう決めてるぞ?」

澪「そ、そうなの?」

唯「なに?言って言って!」

律「多分、お前らには無理な目標だと思うけど聞くか?」

唯「笑って卒業?」

律「そうっ!卒業式と卒業ライヴが終わって、帰宅して、お風呂に入るまで泣かないっていう目標だよっ」

澪「笑って卒業……」

紬「笑って卒業……」

律「ん……どうした……?なんだよ?」

唯「私も……っ……笑って卒業したい!」

律「えっ?」

澪「私も……卒業の時くらいかっこよく……」

律「なっ……」

紬「はいはいっ、私もっ!私も笑って卒業したいですっ!」

律「な、なんだってぇ……」

梓「笑って卒業……じゃあ私は笑って先輩方を見送ります!」

律「できるのかよ……お前らに」

唯「だってそっちのほうがかっこいい!かっこいいから!」

律(だめだこりゃ)




唯「憂~」

憂「な~に?」

唯「私がいなくなると寂しい?」

憂「当たり前だよ~、寂しいよっ?」

唯「そっか……」

憂「卒業だね……とうとう」

唯「だね~」

唯「憂は私に卒業してほしい?」

憂「そんなわけないよっ!ずっと一緒にいたいっ!」

唯「そっかぁ……」

憂「お姉ちゃん……?」

唯「うい~、塾とかいかないでね」

憂「へ?」

唯「私、家の中で一人ぼっちになっちゃうから」

憂「い、いかないよっ?だってお姉ちゃんと一緒にいたいんだもん」

唯「よかった」

憂「えへっ」

唯「ういっ!」

憂「へっ?」

唯「今日、お姉ちゃんのお布団でねないか!?」

憂「ど、どうしたの急に」

唯「お姉ちゃんに甘えていいからねっ!私は憂のお姉ちゃんだからっ!」

憂「あははっ、なんかおかし~」

唯「どういうこと~なにそれ~」

憂「じゃあお言葉に甘えて、お姉ちゃんのお布団にお邪魔しよっかな?」

唯「そうかっ!じゃあお姉ちゃんに甘える権利を与えよう!今日限り!」

憂「わ~い、万歳~」




唯「いよいよ明日だねっ」

律「卒業だな」

澪「私、絶対笑って卒業するからな」

律「なんでそんなに気合はいってんだよっ」

紬「私もっ!毎日口角を上げるマッサージやってるんだからっ!」

律「意味あるのか、それ」

唯「とうとう最後の部活だよ」

律「そうだな……」

澪「律が暗くなってどうするんだ~?」

律「く、暗くなってないわい!」

唯「えへへ、しつれいしま~……」

律「……」

澪「……」

紬「……」

梓「……」

唯「あ……れ?」

澪「ま、まって」

紬「ティーセットは……?食器棚は……?」

律「ホワイトボードも……机も……椅子も……」

梓「全部なくなってる……」

さわ子「やっぱり来みたいね、みんな」

唯「さ、さわちゃん」

澪「ど、どういうことですか?なんでなにもかもなくなってるんですか……?」

さわ子「それがね……この教室、合唱部が使うことになったの」

唯「えっ……」

梓「じゃあ私は……けいおん部はっ……!」

さわ子「それは安心して、けいおん部はまた別の教室に移ったから廃部じゃないわ」

唯「……」

唯「でも……私達の部室……」

唯「……」

唯「みんなで……お菓子食べた机が……なくなってる……」

澪「……」

唯「武道館ライヴ……書いてあったホワイトボードも……とんちゃんも……」

律「……」

唯「……」



――――――――

「あんまりうまくないですねっ、でもっ……すっごく楽しそう……!」

「私、この部に入部しますっ!」

「本当!?ありがとう!!」

「これから一緒に頑張ろう!」

「うんっ!よろしくっ!」

「ほらほら写真撮るぞ~、はいチーズっ」

――――――――



唯「……」

唯「写真も……なくなってる」

さわ子「……」

律「……」

澪「……」

紬「……」

澪「出よう……私、ここにいたくない」

唯「……」

澪「ここはもう……私達の部室じゃないんだ」

律「……」

唯「……」

唯「そうだね……うんっ」

唯「なんてったって明日、卒業なんだからね」

澪「うん……行こう……」

唯「……」



唯(本当に……卒業なんだね……)

唯(あんまり実感なかったけど……明日にはもう、私達のけいおん部は活動してないんだ……)

唯(明日、ライヴしたら……本当にこれでこの学校とはさよならなんだね……)

律「緊張してきた~……うまく歌えるかな……あえいうえおあお~」

紬「りっちゃんと私と梓ちゃんはライヴで歌ったことないから緊張して当然よ」

梓「私、絶対裏返りそう……」

澪「ほら、もういっかい合わせるぞ、明日が本番なんだからなっ」

律「はいはい、わかったってば」

唯「……」

唯(これが最後の練習……本当に最後なんだね)

唯「……」

唯「……」


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