憂「はい、そばっ。とうとう年を越しちゃうね」
唯「だね~」
憂「あっと言う間だったなぁ……本当にあっと言う間」
唯「ほんとだよ、時間なんていらないのにね」
憂「あっ話変わるけどね、塾の私の友達がね、桜ヶ丘にいかないって言ったの、なんか寂しかったなぁ」
唯「そうなんだ~、でもういさえ受かってくれればいいよ」
憂「けいおんがどうのこうの言ってたけど、吹奏楽で有名な高校に行くって」
唯「音楽熱心だね~、いいことだよ」
憂「だねっ、だから私、応援したくなっちゃって」
唯「……」
唯「うい……ちょっと待って……」
憂「ん?なあに?」
唯「その子って今日、玄関に来てた子?」
憂「うん、そうだよ?」
唯「……」
唯「なんて子……?」
憂「夏くらいに塾で知り合ったの、中野梓ってちいっちゃくて可愛い子だよ~」
唯「……」
憂「お姉ちゃん達の演奏見たかったって言ってたけど、やっぱり実力が物を言うんだね、桜ヶ丘は受けないって」
唯「……」
憂「お姉ちゃん?どうしたの?」
唯「……」
唯「あ、あずにゃんが……来ない……そんな……」
唯「えっ……えっ……?」
憂「どうしたの?えっ?お姉ちゃん?」
唯「嘘だよッ!来るよッ!」
憂「え……っと……」
憂「知ってるの?知り合いだったとか?」
唯「そうだよ!?私と……あ、あっあずにゃんは友達で……けいおん部の後輩で……リードギターで……」
憂「お、落ち着いてっ、お話聞かせて……」
唯「……」
唯(ボロ出しちゃった……落ち着いて私……今ならまだ間にあうよ……)
憂「どんな友達なの?梓ちゃんお姉ちゃんの事、一度も話題にしてこなかったけど……」
唯「え、えへへ!間違っちゃった~っ、いや~勘違いしちゃったよぉ!梓ちゃんっていうの?じゃあ間違い!私の間違いだよ~!ごめんごめん!えへへっ!」
憂「あ、そ、そう?なら……いいけど……」
唯「うん……お恥ずかしい、へへ……」
憂「……」
唯「……」
◇お風呂◇
唯「……」
唯「……」
唯「……私のせいじゃないもん」
唯「私は頑張ってるもん……みんなと……一緒に……前みたいに一緒にお菓子食べて……ライヴできるようにがんばってるもん……」
唯「こんなのおかしいよ……いくらなんでも難しすぎるよ……文化祭でライヴしたら、あずにゃん来たの?おかしいよ……」
唯「じゃあ私のせい?みんなとの高校生活をいけない方向へ向かわせたのは私のせい……?おかしいよ……」
唯「……」
唯「あずにゃんを連れてくればいいんだから……誘えばあずにゃんだってすぐ来てくれるよ……」
唯「……」
唯「あずにゃんは他の高校に行かせない……そうだよっ、私が絶対いかせないっ」
唯「……」
唯「よしっ!」
澪「おまたせ~っ……てあれ?り、律……私服?」
律「あらあら気合入ってますわねえ、晴れてるわよ澪ちゃん」
澪「騙したなあぁあ!!律!」
律「私は着ていくかどうか聞いただけですわ、なにか文句でも?」
澪「んぎいいい、あ、頭だせっ!ほらっ!」
紬「ごめ~ん、遅くなっちゃっって~」
律「あっ、ムギっ!みてみて澪の奴~、こんな気合入れてるんだぜ~」
紬「あら、澪ちゃん!すご~い、かわいい~」
澪「あ~もう!!」
律「ところで唯は?遅いな」
紬「もうちょっとしたら来るわよ、唯ちゃんの事だし寝坊してるんだと思うけど」
律「あ、もしもし?平沢さんのお宅でしょうか」
憂「あっ、はい」
律「なんだよ唯か、はやくしろ~もうみんな集まってるぞ~、ていうか携帯出ろよ~」
憂「あ、私、平沢唯の妹の憂と申します」
律「あっ、ほんまですか、失礼しましたっ!」
澪「どうだった?」
律「びっくりした~、唯の妹が出てきてさ~、切っちゃった」
澪「それじゃ意味ないだろ!?はい、かけ直して!」
律「ええ~っ、緊張すんなぁ……」
唯「あ、はいもしもし~?」
律「あっ、まことに申し訳ございません、貴殿様が電話に出られて吃驚しまして切っちゃいまして、ええと、かけ直させてもらった次第であります田井中律ですが……」
澪「……」
唯「あっ、りっちゃん?ちょっと待ってて~」
律「え?唯?」
唯「うん」
律「唯がさ~、遅れるって。なんか初詣済ませててって~」
紬「ててって~、うふっ」
澪「どうしたんだろ……昨日帰ったこと怒ってるのかな……」
律「いつものほーげーとした調子だったし、それはないんじゃないかな」
澪「じゃあ、3人だな……」
紬「どうしたのかしら……」
律「な~に、考え込んじゃってるんだよっ!はやく済ませようぜ~」
律「で、唯を誘ってもっかい行けばいいことだろ?」
澪「ま、そうだな」
紬「そうね」
唯「あずにゃん……あずにゃんの家はここだね」
唯(出てくるまで待機して……)
唯「……」
唯「最初なに喋りかけたらいいんだろう……」
唯「う~ん……」
唯「けいおん部にっ、けいおん部で熱い青春を共にしましょう!!……う~ん」
唯「……」
唯「げへへ、お嬢ちゃん、おばさんと遊ばない?げへへ」
唯「……」
唯(決めてからくるべきだった……)
唯(どうしようどうしよう……!一応あずにゃんは初対面だし……)
あずママ「気をつけていってらっしゃい」
梓「は~い」
唯(きたっ!)
梓「~♪」
唯(どうしようどうしよう……)
唯(もうこうなったら強行突破あるのみ!)
唯「な、中野梓ちゃん……?」
梓「え……はい?」
唯「私ね、平沢唯っていうんだけどっ、今から憂の所いくんだね?」
梓「えっ、お姉ちゃんですかっ?ど、どうも憂ちゃんとは仲良くさせてもらってます」
唯「その、ここで私と会ったこと……言わないでほしいの。秘密にしてくれる?」
梓「はいっ、大丈夫ですよ」
唯「そっか、よかった」
唯「……」
梓「えっと……あの……」
唯(あずにゃんだ……あずにゃん……)
梓「用件って……」
唯「うん、あのね……」
梓「はい……」
唯(久しぶりだね、元気にしてるみたいでなによりだよ)
唯「……」
梓「……」
唯「私、桜ヶ丘……けいおん部のボーカルをやっててね、文化祭にはでれなかったけどいっぱい練習して、これからいっぱいライヴとかするの」
唯(あずにゃん私がいなくて寂しくなかった?私は寂しかったよ?あずにゃんも私たちのけいおん部だもん)
梓「はい」
唯「……文化祭のライヴ、あずに……梓ちゃんに見せたかったなぁってすごい後悔して……」
梓「……」
唯(澪ちゃんも待ってるよ、りっちゃんもムギちゃんも待ってるから、おいでよ)
梓「私も……みたかったです……」
唯「うん、見せたかったよすごく。でも見せれなかったんだよね……」
唯(一緒に合宿行こうね、放課後ティータイムでライヴハウスに行ってはやく演奏したいよ、夏フェスにもいってさ)
梓「はい……いろいろな高校の文化祭をみて、私高校を決めたんです」
唯「うん、知ってるよ」
唯(でも……)
梓「それで、有名な高校なんですけど……音楽の検定が影響して、もう内定もらっちゃって、
手続きも済ませたんです。 だから桜ヶ丘はやめることにしました……来月には他県に引っ越します」
唯「知ってるよ、憂から聞いた」
唯(もうダメなんだよね、みんなで演奏はできないんだよね)
唯「うん、私は梓ちゃんがそれでいいと思ったんならそれでいいと思う」
梓「ありがとうございます、わざわざすいません」
唯(私はやだよ……私は良くないよ……)
唯「うん……あ……あずっ、さちゃんも……頑張って……バ、バンドとか……私たちにまけな、いくらい……」
梓「えっ……」
唯「……っ」
梓「えっ、どうして……泣いてるんですか……?」
唯「ちょっと……先輩と重なっちゃっ、て……えへ……ううっ」
梓「……そうですか」
唯「っ……へへ……うんっ!負けちゃだめだよっ?私たちにっ!」
梓「……」
唯「私たちの放課後ティータイムより…っ…ずっと……ずっと楽じいバンド……っ……約束してっ……」
梓「……先輩……」
唯「ぐじゅ……ほ、ほらっ、ゆびきりっ!」
梓「……」
梓「指きり……」
唯「ゆびき~りげ~……っ……んまんっ」
梓「……」
唯「う~そついたら~はりせんっぼんの~ますっ!」
梓「……」
唯「ほらっ」
梓「……」
唯「ゆびきった!だよ?」
梓「……」
唯「ほらっ……ゆ、ゆびきった……って言゛ってよ……」
梓「……」
梓「ゆび……きった……」
梓「……」
唯「うんっ、約束だからっ!破ったら私が連れ戻しに行くからね!」
梓「……」
唯「じゃあ……」
梓「……」
唯「またね……」
梓「……」
梓「……」
梓「……」
梓「……」
梓「……」
最終更新:2011年09月25日 01:58