◇夏休み◇
唯「はあ……おいーす」
澪「唯っ、大変だ!!」
唯「わっわっ、なに?」
澪「馬鹿律がクラブ申請書を出してない……このままじゃ……」
唯「……」
紬「廃部……」
唯「……」
唯(わちゃんにお願いすれば大丈夫だったっけ……でも二週目はどうだろう……うまくいくかな……)
唯「和ちゃんのところ行こう!生徒会だからなんとかしてくれるよ!」
澪「和ちゃん?」
紬「ああ、生徒会のあの子ね」
唯「和ちゃんならなんとかしてくれるよ、いこいこ」
唯(なんかワクワク感がないなあ……)
和「うん、クラブ申請用紙出されてないわ」
唯「澪ちゃん、りっちゃんいま世界中を無意味に渡り歩いてるんだよね?」
澪「だな、あの馬鹿は……」
紬「あの……なんとかならないかしら」
和「う~ん……私が作る分には問題ないけど、多分顧問が絶対条件になると思うわ」
唯「あっ、うん!そうだ!そうだよ!」
唯(なにか物足りないと思ったらさわちゃん先生が居なかったんだよ!)
澪「顧問……誰かいるかな……」
唯「私に任せて澪ちゃん!適材な顧問の先生知ってるよ!」
紬「本当、唯ちゃん?大丈夫かしら……」
唯「わかんないけど……とりあえず行こう!」
唯「失礼しま~す、山中先生はいらっしゃられるでしょうか~?」
澪「いらっしゃる、だろっ馬鹿っ」
唯「あっ、いらっしゃるでしょうか~」
さわ子「はい?なんでしょう」
唯「あっ、さわちゃん先生、けいおん部の顧問になってください」
澪(さわちゃん先生……だって?)
さわ子(さわちゃん……先生……?)
唯「この紙にハンコ押すだけでいいですからお願いします!」
澪「危ないセールスマンかお前はっ!いいから先生に謝れって、まずいぞ……」
唯(さわちゃんはまずかった……)
唯「山中先生、ごめんなさい!それとお願いします!顧問に、顧問になってくれませんかっ!」
さわ子「いいわよ、ここに押すの?」
紬(かるっ)
唯「あ、はい!そこに押すだけで顧問です!」
さわ子「じゃあ私がけいおん部を受け持つから、みんなよろしくね」
さわ子「ふーん文化祭でるの。やる曲出来上がったの?」
唯「あ、はい、ふわh」
唯「……」
唯「あ~、やる曲は出来てないです」
澪「私、歌詞作ってきたんだけど……」
唯(仕事が早いね、澪ちゃんは)
さわ子「どれどれ見せて……ふむ」
澪「ど、どきどきするな……みんなは見ちゃだめだからな」
唯「え~、見たいよー」
紬「私も見たいなあ」
澪「ダメだって!絶対だめ!」
澪「ふわふわ時間……っていうんだけど……」
唯「うん」
唯(わたしもう弾けるし歌えるよ、澪ちゃん)
紬「へえ~、素敵ね」
さわ子「う~ん……なんかいまいちね……」
澪「ええっ……そうですか……?」
さわ子「ボーカルは?」
唯「はいはい、私で~す」
澪「う、うんうん!唯がボーカルだな!」
唯(あ、そういえばこの時澪ちゃんボーカルだったっけ……)
唯「澪ちゃん、ボーカルお願いします」
澪「はええっ!?なんで私がb」
さわ子「うん、私も澪ちゃんがいいと思うわ」
◇夏休み明け◇
憂「ただいまお姉ちゃん~!」
唯「う゛~~~~い゛~~~~」
憂「えっ、どうしたの!ちゃんとご飯食べたのお姉ちゃん!」
唯「ずっと……澪ちゃんの家にいた……寂しかったよおおおおおお!!!」
憂「わっ、あ、あはは、ごめんお姉ちゃん、私も会いたかったよっ」
唯「うううう、一人ぼっちにするなんてひどいよ……」
憂「ごめん、ごめんね……なんかつくろっか?」
唯「ぐじゅ……あいす……」
憂「それなら冷蔵庫っ」
唯「立てない取ってきて~」
憂「もう、お姉ちゃんったら」
唯「えへへへへ」
唯「やっぱ憂の作るご飯は最高だね~最高だよ~」
憂「そうっ!よかった!」
唯「楽しんできたかい?」
憂「うん、楽しんできたよっ!すっごい楽しかった」
唯「お友達と一緒にお受験するお約束はしてきたかい?」
憂「えへへ、それはできなかったけどすごい仲良くなれたよっ」
唯「それはよかったねえ」
憂「もうお姉ちゃんったらお年寄りみたい」
唯「あんたが幸せだったらあたしゃ、もう満足だよ」
憂「あはは」
憂(お姉ちゃん、それちび○子ちゃんにしか聞こえないよ……)
律「はろーえヴりでい!!あたいが居なくて寂しかったろっ!」
澪「ぼちぼち」
唯「いうほど」
紬「そうね」
律「ちょっと待ておい!冷たすぎるだろお前たち!」
澪「みんなで冷たくしようって決めたんだ、お前一人変な旅にでるから……」
律「ごめんなさい、もうしません」
紬「りっちゃんも帰ってきたし、みんなでぱーっとね?紅茶でも」
律「紅茶かよ」
唯「りっちゃん、文化祭出場だよっ、私達!」
律「な、なに!?」
律「私、全然練習してないぞ?」
澪「私はまあ、なんとか」
紬「私も一応弾けるわ」
唯「りっちゃんだけだね~」
律「なにおう!わ、私だってやる時はやるぞっ!!」
唯「まだスコアも渡してないからしょうがないよ、むきになったら負けだよりっちゃん」
律「キイーっ、頭が良いからって調子乗るなよお!よーし、見返してやるからなっ!」
紬「唯ちゃんは勉強すごいからね」
澪「はははっ、その意気だぞっ、ばか律」
唯「……」
唯(そっか……私、二週目では頭がいいって設定なんだね……忘れてた)
唯(なんか違和感があるなあ、私はお馬鹿さんのほうが性に合うね)
◇文化祭◇
律「緊張するなあ……ううう」
澪「ひとひとひとひと……」
唯「みんな緊張しすぎだよ~」
律「お前は緊張しなさすぎだっ!」
唯(もう慣れちゃったっていうか)
澪「ムギはまだなの?」
律「昨日まで、ロサンゼルスにいたらしいからなムギは……」
唯「え?行ってたっけ?」
律「聞いてないのかお前は」
唯(一周目もそうだったっけ……)
和「みんな、ちょっと来て」
律「ん?ほいほい」
澪「えっ?事故?」
律「ムギが?うそだろ……」
和「違う違う、紬さんが乗る一つ前の便が墜落したらしいのよ」
唯「えっ?墜落?」
和「今日の朝、ニュースになってたでしょ?」
唯「……」
和「で、その文化祭の事で連絡があって……残念ながら間に合わないみたいなのよね」
律「じ、じゃあ……」
和「そう、キーボード抜きでやるしかないわ」
唯「そんな……」
唯(そんな……ずるいよ……墜落事故なんか敵うわけないよ……)
澪「じゃあ辞退しよう、今回のライヴは」
唯「えっ?」
澪「ムギだけ出れないなんていやなんだ」
和「それはちょっと勝手すぎるわ、せとりもう決めちゃったんだから」
澪「でも……」
唯「……」
唯(もうなにがなんやら……)
律「私からもお願い、急いでせとり仕組んでくれないかな」
和「そんな……」
唯「……」
唯「和ちゃん、お願い」
和「……」
和「わかった、先輩に話してみる」
澪「本当!?ありがとう!」
和「本当は許されないんだからね、わかってる?」
唯「うんありがとう和ちゃん」
唯「……」
唯「……」
澪「ムギを責めちゃだめだぞ?」
律「責めるわけないだろ馬鹿澪」
澪「なっ、律に言われるなんて心外だな」
唯「でも……残念だね……」
澪「ま、来年もあるし、そんな落ち込まなくてもいいよ」
律「だなっ、これが最後ってわけじゃないんだしさ!」
唯「うん……そうだね」
唯「そうだよ……うん」
唯「……」
最終更新:2011年09月25日 01:52