その場にいる全員が言葉を失いました


憂「お、お姉ちゃんは人より物を大事にするんです」

憂「人は裏切るけど、物は裏切らない」

憂「お姉ちゃんがよく言ってました」


何故か憂が唯先輩をフォローしてたけど、誰も聞いていません

呆然としているとラジオから音声が流れ始めました


『桜町○丁目で暴走トラックを見たと住人から通報がありました』

『乗員は5名。その内4名が全裸とのことです』

『この中には凶悪な殺人鬼が3名、それと強姦魔が1名乗り合わせており……


紬「………」

梓「ム、ムギ先輩……」

紬「近所の女の子を集めてちょっとね……」

紬「お父さんが琴吹家に犯罪者は必要ないって言われたの」

憂「………」

紬「わたしのお父さんがたかが30億程度を出し惜しみすると思う?」


得意気な顔をしながらムギ先輩は言いました


律「みんな逃げよう!しっかり捕まってろ!」

唯「うぇぇえええええん!!!」


唯先輩を助手席に座らせトラックを走らせました

けど、ものの5分もしない内にパトカーが10台追いかけて来ました

空にはヘリコプターが4機います


律「くそっ!」

憂「どうしよう……」



その時でした

憂(唯)「お巡りさん助けてー!!!!律っちゃんに殺されちゃうよー!!!!」



律「この野郎…!顔出すな!」グイ!

憂(唯)「わぁぁあああああああん!!!!」


『あーっと!凶悪犯が人質の女の子の髪を引っ張りました!!』

『女 の 子 は 泣 い て い ま す ! ! !」


憂紬梓「………」

律「生中継かよ!ふざけんなっ!!!」

梓「も、もしかして、これ日本中に放送されてるんじゃ……」

憂「きゃああああっ///」

紬「ど、どどどどどうしよう……」プルプル

律「どうしよう!どうすれば…!」

憂(唯)「グスッ……ぶふっww」

律「!」

憂(唯)「わたし逃げ道知ってるよ!」

律「教えろ!今すぐ教えろ!教えないと電柱に助手席側から突っ込むぞ!!!!」

憂(唯)「やだよ~!律っちゃんざまあww」

梓「教えてください!唯先輩!みんな捕まっちゃいますよ!」

憂(唯)「ちょっとは自分たちで考えてよ!」

紬「唯ちゃんお願い…!」

憂「お姉ちゃん!!」

憂(唯)「もう!あとちょっと行けばホコテンがあるでしょ!」

憂(唯)「ホ コ テ ン が !」


梓「ホコテン!?」

憂「お姉ちゃんの言う通りホコテンならパトカー来ないかも!」

憂(唯)「これくらい常識だよ!」

律「クズの唯くらいにしか思いつかないな」

紬「ふふっ……」


わたしたちのトラックはホコテンに入って行きました

心なしかみんな笑顔です

久しぶりに軽音部が1つにまとまったような気がします


律「どけどけ~!!」


ブー!ブー!

律先輩は被害者を出さないようにクラクションを鳴らしながら進みました


律「!」


キキィィィィィィ!!!ドンッッッ!!!!


ID:vhuRY8sC0「うげ」

律「バカ!一匹跳ねちまった!」


憂(唯)「律っちゃん!ちゃんと、前を見て運転してよね!」

憂(唯)「これ以上、手配度が上がったら戦車が来ちゃうよ」

律「唯……」

憂(唯)「ふぇ?」

律「ありがと、みんな助かりそうだ」

憂(唯)「………」


唯先輩は何も喋りませんでした
もしかしたら、憂以外の人間から初めて褒めらたのかもしれません

唯先輩の中で何かが変わったと信じたいです


憂(唯)「律っちゃんの分際で生意気だよ!上から目線はやめてよね!もう!」


唯先輩は素直じゃないです


憂「お姉ちゃーん!この後はどうするのー?」

憂(唯)「当分まっすぐ進むよ~」

憂(唯)「もう回り道は疲れちゃうもん」

梓「唯先輩!助手席で寝ちゃったりしないでくださいね!」

憂(唯)「わかってるよ~」

紬「唯ちゃん!律っちゃん!もっとスピード出そ!」

紬「お巡りさん来ちゃうよ?」

憂(唯)「うん!」

律「よぉーし!とばすぞーーー!」


ブォォオオオオオオオン!!!!!!






そして2年後――――


遠い異国の地

唯先輩は運送会社を設立しました

日本に居れなくなったわたしたちは唯先輩について行ったのです

唯先輩はベテランのトラッカーなので仕事熱心です


『律っちゃん!服装の乱れは心の乱れだよ!」

『ムギちゃん!昨日もお酒飲んで運転したね?クビにするよ?』

『あずにゃん!明日やろうはバカ野郎だよ!』

『憂!今日の夜は徹トラだよ!』


今日も唯先輩の教育は厳しいです


唯「ふわぁああ!今日も良い天気だよぉ……」

梓「唯先輩!居眠り運転はやめてくださいよ!」

唯「大丈夫だよ~!ちゃんと前を……!!!!!


キキィィィィィィ!!!ドンッッッ!!!


唯「あ」



FIN.