回想

3年前、中学校の修学旅行にて

自由行動は班で一緒に動くことになっていた
唯が属していたのは和と仲のいいオタたちのグループであった


オタ子『ついに念願の自由行動ですなwwww
    まずどこに行きますかなwww』

オタ美『んんwwwwwまずはお土産を買うのがセオリーといったところwwwww』

和『そうねえ……唯はどこに行きたい?』

唯『んーっとねえ……あー。私あのアイス食べたーい』

和『えー、アイスー?』

唯『ねえーいいでしょ和ちゃーん、
  オタ子ちゃんもオタ美ちゃんもアイス食べたいよねー』

オタ子『オウフwwwwその上目遣いたまりませんぞwwwww
     さすが我がクラスのナチュラル萌えリストwwww』

オタ美『唯氏がおれば我が班の戦力もうなぎのぼりですブッフwww』

唯『えへへー、なにそれー』

和『ふふ、唯が羨ましいわ……
  その萌えでどれだけの男を惑わしてきたのでしょうね』



唯『アイス美味しー』ぺろぺろ

オタ子『ムホwwwその舌使いむらむらきますなwwww』

オタ美『真鍋氏は羨ましいですなwww
    こんな可愛い唯氏と幼い頃から一緒だったのでござろうwwww』

和『うふふふ、小さい頃は今の比じゃないくらい可愛かったわよ。
  ねえ唯』

唯『ええー、和ちゃんも可愛かったよぉー』

オタ子『ムッフこれはwwwこれは百合フラグびんびんでござるwww』

オタ美『しかも幼なじみときますたwwwwwwww』

オタ子『薄い本はwwまwwだwwでwwすwwかww』

唯『みんな楽しそうだねえ』



和『ん、あれは……』

オタ子『どうしたのですかな真鍋氏wwww』

和『こんなところにメロンブックスがあるわ』

オタ美『ファーwwwこれは大発見ですなでかしましたぞ真鍋氏www』

オタ子『ブホオwwwwこれは凸せざるをえないwwww』

唯『あれー、みんなどこいくの? おみやげは?』

和『その前にちょっと寄りたいところがあるの』

オタ子『しかし修学旅行にメロブとはwwww』

オタ美『なにをおっしゃるwwww我々生粋のオタクですぞwwwww
    眼の前にエサがあるなら食いつくのが生き様wwww』

オタ子『いかにもwwwww』

和『ふふふ、掘り出し物のにおいがぷんぷんするわ』

オタ子『真鍋氏www狩人の目をしておられるwwww』

オタ美『はやくいきますぞ唯氏wwwww戦いはすでに始まっておりますゆえwww』

唯『あーん、待ってよー』



ウィーン

店員『いらっしゃいませー』

和『そういえばメロブに入るのは初めてね』

オタ子『地元にはとらのあなしかありませんでしたからなwww』

唯『わー漫画がいっぱーい』


オタ子『ブフォwwwwこwwwwこれwwwwはwwwwwwww』

オタ美『どうしたでござるかwwwww』

オタ子『ずっと探していたデジモンの同人誌でござるwwwwwww
    まさかこんなところで巡り会えるとはまさに運命フォカヌポゥwwww』

オタ美『ファファファアwwwそれは確保するべきですぞ迷わずにwwwwwwwwww』

和『ちょっと、それ18禁じゃない。
  私たちじゃ買えないわよ』

オタ子『案ずるないさーwwwwwww
    我々は中学生といえど今は私服wwwwww
    堂々としてれば案外ばれないもんですてwwwwww』

和『身分証明求められるわよ』

オタ子『忘れたって言えば問題ございませぬwwww
    そもそもこの手の店での年齢確認など
    ただの建前でしかないわけでwwwwホホウwww』

唯『よく分かんないけど、買っちゃいけないものは買っちゃだめだよぉ~』

オタ子『唯氏www唯氏はまだ穢れ無き乙女であらせられるから
    まだおわかりでないかも知れませんがwwww
    時には悪の道へと踏み出すことも重要なのですぞwwww』

和『やめときなさいって』



オタ子『これお会計お願いしますぞwwwww』

店員『いらっしゃいませ……』ジロジロ

和『……』

唯『……』

店員『600円になります、400円のお返しです。
   ありがとうございました』

オタ子『ふう……』

唯『中学生だってばれなくてよかったねえー』

和『ちょっ……!』

オタ美『ゆ、唯氏!』

店員『なっ、君ら中学生なのか?』

唯『うん、桜が丘中学の3年……』

オタ子『に、逃げるが勝ちでござる!』

オタ美『ひいー!』

和『ちょ、ちょっと待ちなさいよ!』

店員『まてコラッ!』


そこから先のことはあまり覚えていない
逃げていったオタ子もオタ美もあっさり捕まり
先生がメロンブックスまで呼び出された
そして私たちはこっぴどく叱られた
悪いのはオタ子だけだったのに
私や和ちゃんまで悪者扱い……そして変態扱い
でもそれも仕方がない
修学旅行中にホモ漫画買うなんて
変態以外の何者でもないだろうから

どこから漏れ出したのかは知らないが
この騒動はクラスのみんなが知るところとなっていた


『あいつらホモのエロ本買ってたらしいぜ……』
『マジかよ、きめえ……』『平沢じゃなくてホモ沢だな』
『真鍋さんとか平沢さん、そういう趣味が……』『オタクってほんときもちわりいなあ』


唯『……』

オタ子『あ、あの、唯氏……』

唯『近寄らないで』

オタ子『えっ』

唯『気持ち悪い』


 回想終了

―――――――――――



唯「そこからかな、私がオタクを恥ずかしいって知ったのは」

澪「……」

律「オタクっていうのは業が深い生き物なんだな」

梓「そのあとはどうなったんですか?」

唯「私はオタ子とオタ美と縁を切ったよ。
  でも卒業するまで変態呼ばわりは続いたけど……」

律「ひどい話だなあ、唯は関係ないじゃんか」

唯「仕方ないよ。
  そして和ちゃんもこの件をきっかけに
  高校では隠れオタクの道を歩むことになったのです」

澪「へえ……」

唯「和ちゃんのあのオサレメガネも高校からかけ始めたんだよ。
  カモフラージュのために」

澪「そうだったの?」

律「でもまあそんなことがあったのに
  和のオタ趣味に付き合ってやってるんだから唯は偉いな」

唯「うんまあ和ちゃんは別にオタ子みたいに気持ち悪くないし……」

律「ウルトラマンのホモ小説書くのは気持ち悪くないのか」


プルルルル

唯「はいもしもーし、あっ和ちゃん?」

和『唯、ちょっと今から私の家来てくれない?』

唯「いいよーちょうど暇になったとこだし」




真鍋家 

唯「うぃーっす」

和「ああ、早かったわね。制服?」

唯「部活から帰るとこだったから」

和「ああそう、暑いのによくやるわね」

唯「練習は全然してなかったんだけどね。
  で、なんの用?」

和「夏コミの戦利品の整理を手伝ってもらいたくて」

唯「えー、それくらい自分でやりなよぉー」

和「ちょっと自分だけじゃ捌き切れないのよ。
  山ほど買っちゃったから」

唯「そういえばそれくらい買ってたねえ、
  和ちゃんが両手いっぱいに紙袋持って
  私も6つくらい紙袋持たされたし」

和「さすがにこれだけの量を無造作に置いとくと
  親にも見られちゃいそうだから、お願い」

唯「はいはーい」



唯「うわ、ほんとにいっぱいある」

和「そっちがもう読んだやつで、こっちがまだのやつだから。
  読んだやつからそのAmazonの空き箱に詰めてって」

唯「はーい」

和「じゃあよろしくね」

唯「和ちゃんは何するの」

和「私は冬コミに向けて色々とね……今のうちからやっとかないと」

唯「気が早いなあ」

和「コスプレの衣装もまた作りたいしね」

唯「え、もしかしてまた私もコスプレやるの?」

和「あら、いやかしら。結構楽しんでやってなかった?」

唯「まーやるのは楽しかったけどー」

和「今度は何がいい? ゆるゆりか、それともセイクリッドセブンとか」

唯「あのさー和ちゃん」

和「何?」

唯「和ちゃんがアニメオタクだってことみんなにバラしちゃった」

唯「ごめんね」

和「なっ……」

和「ど、どこまで?どこまで言っちゃったの?」

唯「んー……まあ全部……かなあ」

和「ぜ……全部……?」

唯「うっかり口滑らせちゃったらみんな食いついて来ちゃってさあ」

和「……」

唯「和ちゃん?」

和「……」

唯「一応言っとくけど自分からばらしたわけじゃないんだよ、
  コミケでコスプレした時の画像がネットに上がっててさ、それを見られちゃったの」

和「コスプレ……コミケまで……」

唯「ゆるしてヒヤシンス」

和「終わった……なにもかも」

唯「和ちゃんがホモの同人誌書いたとこまで言っちゃった」

和「うわああああああ!」



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