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隊1「あなたは―平沢…?」

俺「崇之です」

隊1「はぁ…?」

俺「で、平沢憂です、」

隊2「近くのxx病院まで搬送します」

俺「お願いします」

隊1「えっと」

俺「はい、一緒にいきます」

俺「唯、いくよ!」

唯「うい…」ガクガク



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ピーピーピー

唯「なんで…」

俺「…」

俺「大丈夫だよ」ナデナデ

唯「うっ…」

唯「あんなつらそうな憂はじめてみたから…」

スタスタ

医「平沢憂さんのご家族の方はー」

俺「は、はい」

医「えーと憂さんですが、」

医「検査の結果を見ましても特に気になる点はありません」

俺「はい」唯「」

俺「それで」

医「はい、恐らく急な発熱が原因の痙攣でしょう」

医「おうちでお薬をとって、しばらく安静にさせて様子をみてください」

俺「分かりました、ありがとうございます」

医「あ、あとですね」

俺「は、はい」

医「憂さん、吐き気をとても我慢されていたみたいなんですが、」

医「背中をさすってあげて、嘔吐させてくださっても」

医「本人にとっても楽ですから」

俺「はぁ」

医「ただし脱水症状にならないよう水分の補給も怠らずにさせてください」



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俺「…急な発熱っていうのは…じゃあ風邪かな?」

唯「うつしたやつめ…」

俺「なにはともあれ…安心だな」

俺(んー憂は周りに気を遣ってため込むから)

俺(よく様子をみてあげないと)

唯「憂はもう帰れんの?」

俺「点滴して、ちょっとしたら帰れるよ」

唯「よかったぁ~」フゥー




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男2「人間みな持っているもの」

男2「いや、持つことになる、の方が正しいな」

男2「一度生まれたそれは、永久に形を変えない」

男2「尤も、それの持つ“意味”は変えることが出来るが…」

男2「これ、なんだと思う?」

男1「…?」




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ウィーン

唯「うい!!」 ペトー

唯「ごめんね…ごめんね…」

憂「なんでおねえちゃんが謝るの…」

憂「…」

憂「んとね、おねえちゃんに謝らなくちゃいけないことが…」

唯「?」

憂「おねえちゃんがね」ウルウル

憂「せっかく作ってくれたハンバーグ…」

憂「吐いちゃったんだ…」

唯「…」

唯「うい!!」


バチン


俺「!?」

唯「そんな報告…」ウルウル

唯「いらないよ…!」

憂「エヘヘ…」

唯「そんなこと、ういのからだに比べりゃくずだよ!」

憂「おねえちゃん…」

唯「うい、ういに喜んでもらいたから作ったのに…」

唯「ういを苦しめることになるなんて…」

唯憂「ウエーン…」ボロボロ


俺「あ、もしもし?タクシー一台お願いします、はい」



俺「よし、2人とも帰ろう…」

俺「憂が無事で良かったよ」

唯「まだうい、ちょっと熱あるから」

唯「明日もおうちでゆっくりしないと」

憂「う、うん…」

俺「唯は…」

唯「憂が心配だから学校休むよ」

俺「俺がいるから無理して休むことはないぞ?」

唯「うん…ありがと」



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男2「これがさ、厄介なもんで」

男2「昔から人々を苦しめてきてるんだ」

男2「100%ってわけじゃない」

男2「でもある人は、これのせいで生きる希望すら失ってる」

男2「これのせいで、汚い争いは無くならない」

男1「あぁ…」




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唯俺「ただいまー…」

スタスタ ガチャ


俺「」そーっと

憂「…zz」スゥー

俺「唯?」

唯「うん、今日はここで」

唯「憂が心配だし…」

俺「そっか…」

俺「おやすみ…」




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ピー ピー ピー

男1「記憶、ですね…」

男2「思い出、とかいったりもするけどね」

男2「でもさ、それの意味を変えることってやっぱり難しいんだよね」

男2「愛する人を失くした、そんな記憶は意味の変えようがない」

男1「で、特効薬ってのは…」

男2「そう、もうすぐ終わる」




---じしつ

俺「どうなることかと思ったよ」

俺「疲れた…」

俺「そろそろ寝るか…」

俺「多分明日も大丈夫だろう、根拠ないけど」

『着信アリ』

俺「お?」




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ピーピーピー

男2「失敗だ…」

男2「まだまだ研究が必要なんだ」

男2「不安定でね…」

男1「で、今日からやるってのは」

男2「そう、これの開発」




俺「そうか、そうだったのか…」

ハァハァ

俺「思い出した」



サクサクサク

俺「ははは」



バンッ

唯「……zz」

憂「…zz…」

俺「ひひ」


グサ




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ピー パカ

俺「はぁはぁ」

男2「おつかれさまでした」

男1「この方は?」

男2「ただのモルモットだよ」

男2「まぁ、可哀想だからな…」

バタン



男1「これは何なのですか?」

男2「簡単に言えば記憶を改変する薬」

男2「自分の記憶を、思い通りに改変できるんだよ」

男2「たださっきの男の顔を見たろ?」

男1「とても恐ろしい夢、をみたような…」

男2「そう、これを実用するには」

男2「改変部分とその前後を接合する画期的な方法が必要なんだ」

男2「全てを改変することを選んだ人間は一生その妄想の中で生きつづけることになる」

男2「それもまた、ひとつの生き方かもしれないけどな」



男1「この方は気持ち良さそうに寝てますね…」

男2「ああ、後者を選んだんだ」

男2「彼は夢の中で生きていくことを決めた」

男1「じゃあ、このカプセルの中にいる方の身体は?」

男2「夢の中に眠って、一生起きないのが普通だ」

男2「実験は失敗だが」

男2「そう、こんなことは初めてだ」

男2「だからもう少し様子を見てみたい」

男2「夢の中で得た何かが彼に何をもたらすのか」




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俺「お?」ぬく

樋口「そう、ここは平面のベクト…」

俺「」

俺(なんでここにいるんだ…?)

俺(病院から帰ってきて、憂を部屋に戻して、)

俺(その後が思い出せない…)



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俺「終わった」

俺「帰ろう」

スタスタ



俺「俺の家」

ガチャ





俺「ただいまー」

憂「おかえり♪」



第3部 完


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