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唯「昨日は楽しかったね!」

律「な!ついでだから今日も泊ってけよ~」

紬「ええっ、いいの?」

律「いいんだよ、明日も休みだし暇だからさ」

律「……それにさ、最近唯元気なかっただろ?みんなで一日中遊ぼうぜ!」

唯「りっちゃん………」

唯「ありがとう!!」

律「………」

律「ていうかさ、唯。…もうやめない?
  わかってるんだよ、唯が最近おかしいのはあれのせいだって」

律「もうあたしは飽きちゃったしさ、唯ももうやんなくてい」

唯「やめない」

律「え」

唯「やめないよ。りっちゃんが言いだしたんじゃん!」

律「唯……」



――――――――――――――――――
唯「ただいまぁ~」

憂「おかえりお姉ちゃん!お泊まり会どうだった?」

唯「すっごく楽しかったよ!でもすっごく、疲れちゃった……」

憂「お姉ちゃんてば、遊び疲れたんだね。ちょっとお部屋で寝てきたら?」

唯「ん~、そうする~~……」



唯(はあ、ほんとに疲れちゃった)

唯(二日間、お泊まりしたから日記サボっちゃったなぁ)

唯(でも、書くこと何もなくてよかった)

唯「………」

唯(何もなくて、どこか安心したわたしがいたりして…)



憂「おねえちゃーん!もう朝だよー!!」

唯「ん……」

唯「えっ、もう朝!!?」バッ

唯「ね、寝すぎちゃったよぉ!!遅刻するぅ!」

唯「……でも久々にゆっくり眠れたな…」

唯「ずっとこの調子だといいな…」



※月※日
というわけで3日くらい何もなしでした。



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澪「なあ、今日唯休みだってさ」

律「えっ?なんで?」

澪「なんか憂ちゃんは体調不良って言ってたけど…」

律「え、だって昨日は元気に学校来てたのに…」

紬「最近、唯ちゃん顔色悪かったから…」

律「………」

澪「お泊り会でちょっと元気になったと思ったんだけどな」

紬「………やっぱり、もしかしてあれが」

律「なあ」

紬「?」

律「あたしが悪かったのかな。
  あたしが軽々しく唯にあの話しちゃったから…」

澪「…律のせいじゃないよ。
  誰だってまさかこんなことになるとは思ってなかったんだ」

梓「とにかく唯先輩の家に行きましょう。唯先輩が心配です!」



※月※日
もういやです。
私のギー太がなくなりました。

犯人はもうわかっています、軽音部の奴らです。
放課後用事があったので一旦ギー太を部室に置いて、
戻ってきたらギー太がありませんでした。

唯「ねえりっちゃん、私のギー太がないよ」

律「へえ、あたしは知らないわ」

りっちゃんはこちらをちらりと一瞥すると、
金数えの作業に戻ってしまいました。

唯「……りっちゃん、そのお金どうしたの?」

律「ギター売ったんだよ」

唯「え?」

律「 ギ ー 太 、 売 っ た の 」

その瞬間、わたしはりっちゃんを刺していました。

どこから持ってきたのか、私の手には果物ナイフが握られています。
一撃じゃもの足りず、何度も何度も刺します。何度も何度も血が出ます。
怖い。

やがてりっちゃんは完全に動かなくなりました。

こんな短時間でどうやってギターを売れるんだとか、
ムギちゃんや澪ちゃん達がそろそろ音楽室に来るころだとか、
そんなことよりも私が気になることは一つでした。

どうして?
なんでりっちゃん達はこんなことするの?なんで?

だって、みんな前は優しかったのに、お泊まり会だってしたのに…






ん?
………お泊り会?

あれ?




……あれっ、お泊まり会したのって夢の中だっけ?
お泊まり会したのも、軽音部のみんなと友達だったのも全部夢だったんだっけ?

どこまでが夢で、どこからが本当の事なの?
わたしは?私は軽音部で、ギターやってて、それは夢じゃなくて…

そういえばここはどこだっけ、あ、そっか、家の中か。
今日わたしは学校を休んで、今は暇だから日記を書いてて…
あれ、でもさっきりっちゃんを刺したのは音楽室だったよね?

あれれ、なんだか訳がわかんなくなってきちゃった。
今こうして日記を書いているのは夢?現実?
りっちゃんを殺したのは?

そもそも私は今日いつから日記を書き始めた?
日記を書く前までは何してた?
よーく思い出してみよう、
今日は朝起きてご飯を食べて…あれ、これも夢の中だっけ。

ピンポーン

そのとき、インターホンが鳴りました。



モニターを覗くとそこにいたのはあの軽音部の4人でした。

澪「唯、いるかな…」

律「いるだろ。学校休むほど体調悪いのにどっか行くかよ」

紬「病院とか…」

律「病院って……」

梓「唯先輩……大丈夫かな………」

りっちゃんに澪ちゃん、ムギちゃんにあずにゃん。
いつもの顔ぶれです。

ん?でもりっちゃんて確か私がさっき殺したんじゃなかったっけ?あれれ?

じゃあそこにいるりっちゃんはまさか幽霊!?
だとすると、りっちゃんは私に復讐しにきたに違いありません。
きっと、他の3人もそのつもりなんでしょう。

どうしようどうしよう。このままじゃわたし殺される。
あいつらに、殺されちゃう!!

ピンポンピンポン。インターホンが再び鳴り響きます。

やっぱりわたしを殺す気なんだ。どうしようどうしよう…。
殺られる前に殺らなきゃ。
っていうかこれも夢かもしれないし。夢なら早く覚めないかなあ。
夢の中でも殺したり殺されたりするのなんてやだよ。

とりあえず、早く台所から包丁持ってこないと。



律「おーい唯、あたしだ!いないのか!?」

澪「唯、みんなでお見舞いに来たんだ!」

紬「唯ちゃーん!!」

梓「唯先輩、出てください!」







ガチャッ

唯「みんなごめんね、具合悪くて寝てたんだ~」





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『なあなあ唯、知ってるか?』

『なあに?りっちゃん』

『夢日記って、つけてると頭おかしくなるんだって!』

『また律はどーでもいい話を…』

『えー、でも面白そう!私つけてみようかな~』

『やめようよ唯ちゃん、なんだか怖いわ』

『そうですよ、本当におかしくなっちゃったらどうするんですか!』

『よっしゃ、
 じゃあ何日目まで唯が夢日記つけてられるかみんなで賭けよーぜっ』

『律!悪ふざけもいい加減にしろ!』

『大丈夫大丈夫、ヤバそだったら私がとめるし…



 へへ、いつまでもつかなぁ』





おわり


支援してくれた人ありがとう
わかり辛くてごめんね
あと最初の方ミスりまくってごめんね


最終更新:2011年09月19日 20:21