律「おー!うまそー!」

澪「最近話題になってるよな」

紬「食べてみたくて買っちゃったの~♪」

律「さっそく食おうぜー!ほら、唯と梓も」

唯「・・・」

梓「・・・」

律「ん?どーした?」

唯「ムギちゃん、今なんて・・・」

紬「え?」

唯「だからムギちゃん、今なんて言ったの?」

紬「え?だから今日のおやつはロールケーキって・・・」

唯「違う違う、どこのロールケーキ?」

紬「ローソンのロールケーキだけど・・・」

律「唯?」

唯「し、信じられない・・・ねぇあずにゃん」

梓「はい・・・まさかあんなのを買う人がいるなんて・・・」

紬「ど、どういうこと?」

唯「ローソンのロールケーキなんてまずくて食べられないよ!!」

律「!!」

唯「あんな安物のくせに150円なんて、馬鹿にしてるよね」

梓「そうですよね唯先輩!あれはマスコミがごり押ししてるだけの糞商品です!」

律「な、何言ってんだお前ら!ローソンのロールケーキは最高にうまいだろうが!」

唯「りっちゃんあんなの食べてるの?信じられないよ・・・」

梓「律先輩見損ないました・・・」

律「お、お前ら・・・!」

唯「それに比べてファミマのWクリームエクレアは美味しいよね~♪」

梓「そうですよね!150円であのクオリティは馬鹿にできません!」

律「はぁ・・・?ファミマだって?」

唯「どうしたの?りっちゃん」

律「あんな糞コンビニのどこに美味しいものがあるんだよ!?なぁムギ!」

紬「そうね・・・ファミマはちょっと・・・」

唯「そんな・・・ムギちゃんまでそんなこと言うの?」

梓「律先輩とムギ先輩がローソン厨だったなんて・・・」

律「それはこっちの台詞だよ。お前ら二人がファミマ厨だったなんて信じられない」

紬「ファミマの何がいいのかしら、ねぇりっちゃん」


澪「お、おいみんな・・・?」


唯「澪ちゃんはどっち派?」

澪「わ、私は別にどっちでも・・・」

梓「第一ローソンってなんか安っぽいんですよね」

唯「それに比べてファミマのSweets+シリーズと言ったらもうね・・・」

律「プw Sweets+とかネーミングセンスからねーからw」

紬「ローソンのUchiCafe sweetsのほうが素敵な名前よね~」

唯「ウチカフェww 家がカフェになるわけないじゃんw」

梓「少なくともローソンのスイーツではなりませんねw」


唯「でもファミマならカフェ並になるよね~」

梓「はい!ファミマのあじわいファミマカフェなら種類も豊富ですしね!」

律「何言ってんだよ、あれ中途半端に高いじゃん。その割に味もイマイチだしさ」

紬「味を求めるときは本格的カフェで飲むし、安く済ませたいときはペットボトルで十分よね」

唯「何言ってるの!中途半端と言ったら、それこそからあげクンのことじゃん!」

梓「私も思いました!あんなバイトが作ったからあげ5個で210円って、誰が買うんでしょうかね」

紬「唯ちゃんも梓ちゃんも酷いわ!私からあげクン大好きなのに!」

律「私はからあげクンも好きだけどやっぱりLチキだなー」


唯「Lチキとかパッサパサのまずい肉だよねーあずにゃん」

梓「私は断然ファミチキですね。ジューシーさが段違いです」

唯「あとはスパイシーチキンも美味しいよね~」

律「ファミチキは160円とか高すぎじゃん。Lチキのほうがコスト質ともに優秀だし!」

紬「ねぇねぇりっちゃん、ファミマのスパイシーチキンが150円から128円になった理由知ってる?」

律「もちろん!ローソンのLチキが流行りだして売り上げが落ちたからだろw」

唯「ち、違うよ!あれはお客さんにお求めやすいように値下げしたんだよ!!」

梓「そうです!上手にコストカットした結果、あの質であのお値段なんです!」

唯「大体ローソンは経営がずるいよね。フライフーズだって最初はファミマが売りだったのに、ローソンが真似したんだよ」

梓「なんかこう、プライドというものが感じられませんね」

律「真似じゃねーだろ!お客のニーズに合わせた結果だし」

紬「この前ローソンね、『フライドポテトを買いたいコンビニランキング』で一位だったのよ」

律「おっ、マジで?やっぱりローソンは偉大だよなー」

唯「そんなこと言ったらファミチキは毎回チキンの美味しさで一位だし!」

梓「やっぱりフライフーズと言ったら、チキンですよねー」

唯「なんかファミチキ食べたくなってきちゃったねー」

梓「ファミチキもいいですけど、今はフライドチキン(骨付き)の気分です」

唯「おっ、いいねぇ。ファミマのフライドチ・キ・ン~♪」

梓「こういった曲も、ローソンにはありませんからね」

律「何言ってんだ!ちゃんとローソンにもからあげクン音頭があるし!なぁムギ!」

紬「ぱっくんぱっくん からあげクン おんどぉ~♪」

律「そうそれそれ!いい曲だよな!私iPodに入れてるし」

唯「・・・あずにゃん、知ってる?」

梓「いいえ、全然」

律「えっ!?お前ら知らないの?遅れてるなぁ」

梓「まぁファミマのフライドチ・キ・ンとは知名度が違いすぎますよね」

唯「文字だけ見て脳内再生できた人、どのくらいいるんだろうねw 澪ちゃんも知らないよね?」

澪「え?・・・ごめん、聞いてなかった」

唯「ほら、澪ちゃんもからあげクンの曲なんて興味も無いってさ」

律「うるせー!ファミマの曲とは違ってワンフレーズじゃねーし!」

唯「あ、あずにゃん、そういえばこの前のなでしこJAPAN戦見た?」

梓「見ました!すごい試合だったですね!」

唯「だよねー!なでしこJAPANってファミマとスポンサー契約してるから強いんだね!」

梓「そうですね!ファミマのおかげですね!」

律「はぁ?関係ないだろ。これだからファミマ厨は・・・」

紬「りっちゃんりっちゃん、これ食べない?」

律「おっ!けいおんチョコじゃん!食べる食べるー!」

梓「うわぁ・・・けいおんとか気持ち悪い・・・」

唯「オタクだよね・・・」

律「ファミマだってマクロスとコラボとかしてんじゃねーか!あっちのほうが気持ち悪いわ!」

紬「けいおんはもう社会現象にもなってるもんね~」

唯「うわー出た、けいおん厨の勘違い発言」

梓「あんな萌豚御用達のアニメが社会的に認められるわけないじゃないですか」

唯「あとローソンってまどマギとかアイマスとかエバともコラボしてるんでしょ?」

梓「うわ・・・ローソンって店内がオタクばっかりで臭そう・・・」

律「ぷぷぷw お客を取られていつまでもコンビニ業界3位のファミマさんが負け惜しみですかww」

紬「ローソンの実力に嫉妬してるのかしらね」

律「ローソンは店内放送も面白いよな!ローソンほっとステーション!」

紬「私毎日聞いてるわ!昔は声優の皆口裕子さんもパーソナリティやってたのよね~」

唯「また声優とかオタクくさい話を・・・それしかすがるところがないんだねw」

梓「それに比べてファミマは朝昼晩と店内放送が変わるんですよね!」

唯「あ、私DJ ARCHEさんが好きだよ~」

梓「私は亀井佐代子さんと藤沢香苗さんが好きです!」

律「ファミマの店内放送って一時間弱の音源使いまわしてるだけじゃんw」

紬「ローソンは実際のラジオみたいにニュースも放送するのよ~」


澪「み・・・みんな・・・今日はもう日が暮れそうだし、とりあえず帰らないか?」

律「ん?もうそんな時間か」

唯「あずにゃーん、帰りにファミマ寄らない?」

梓「いいですね!ボクのおやつシリーズでも買いましょう!」

紬「りっちゃん、おやつごろの新商品が出たからローソンに買いに行かない?」

律「いいね!今すぐ行こうぜー!」

唯「じゃーまた明日ね、澪ちゃん、あずにゃん行こ~」

律「じゃーな澪ー、ムギ行こうぜー」

澪「えっ・・・あっ・・・」


澪「・・・」ポツーン



翌日


律「お、澪おーっす」

澪「おはよう、律」

澪(どうやら昨日のコンビニ熱は収まったみたいだな・・・)

紬「二人ともおはよ~♪」

律「お、ムギもおはよー、校舎前で会うなんて偶然だなー」

紬「あら・・・?」

律「どうした?ムギ」

紬「りっちゃん、音楽室から何か聞こえない?」

律「この曲は・・・まさか!」



音楽室


バタンッ!!

唯「ファミマのフライドチ・キ・ン♪」

梓「あなたとコンビにファミリーマート♪ って律先輩じゃないですか」

律「お、お前ら何演奏してんだよ!」

梓「何って次の学園祭の曲ですよ。今年はこれで行くことにしたんですよ。ね、唯先輩」

唯「うんうん、オリジナル曲もいいけど、やっぱりみんな知ってる曲が盛り上がるしね~」

律「そんな曲を舞台でやったらファミマ厨しか集まらないだろ!」

紬「私、ファミマの曲を演奏なんて嫌だわ!」

澪「お、おいお前ら落ち着けって・・・」

唯「だいたいローソン好きなんてこの学校でりっちゃんとムギちゃんしかいないもん!」

梓「日本中でも先輩くらいしかいません!!」

律「なっ・・・んなわけねーだろ!ファミマなんて韓国に出店してばっかじゃねーか!」

紬「北朝鮮にも出店してるって聞いたわ!私たちは日本人だからローソンを支持するのは当然よ!」

唯「じゃあ実際みんなに聞いてみようよ!ファミマとローソンどっち派かって」

律「望むところだ!ローソンの実力を見せてやる!」

バタバタバタ・・・


澪「・・・」ポツーン


梓「あ、純!ファミマとローソンどっちが好き?」

純「え?いきなり何?あ、先輩方おはようございます」

梓「いいから」

純「え、うーん、近所にファミマがあるから、使うのはファミマかなぁ・・・」

梓「ほらーやっぱり!純、一生友達でいようね」

純「え?あ、う、うん・・・///」

紬「純ちゃん・・・見損なったわ・・・」

唯「あ、憂があっちにいる!おーい!」

憂「あ、お姉ちゃん!」

唯「憂ーちょっと質問があるんだけどー」

憂「何?お姉ちゃん」

唯「憂って好きなコンビニどこ?やっぱりローソンじゃなくてファミマだよね?」

憂「えっ、お姉ちゃんもしかして、ファミマが好きなの・・・?」

唯「え・・・」

憂「私はファミマなんて入ったことないよ。コンビニ行くときはいつもローソンだよ・・・」

唯「そ、そんな・・・」

憂「お弁当とかお惣菜もローソンでよく買うよ。お姉ちゃんいつも美味しそうに食べてたけど・・・」

唯「・・・うっ、何か気持ち悪くなってきた・・・」

梓「唯先輩、大丈夫ですか!?」

姫子「私はローソンで働いてるけど・・・」

エリ「ファミマの和菓子美味しいよね~」

しずか「私はローソン派かな・・・」

いちご「・・・・・・ポプラ」

三花「ファミマもいいけどバレー部もよろしく~♪」

和「コンビニ?そうねぇ・・・私は平和堂とかよく利用するかしら」

さわ子「私は長崎屋が好きよ~」

律「後半もうコンビニじゃねー!!」


こうして桜高全体で、次第にローソンとファミマの対立構造が出来上がっていった。
ローソン派はファミマを、ファミマ派はローソンを糾弾し、戦場は泥沼化した。
この争いは生徒だけではなく教職員をも巻き込み、事態は拡大の一途を辿った。

ローソンとファミマ、どちらにも属さない中間層は双方から迫害を受けた。
事態を重く見た校長は休戦を提案するも両軍ともに拒否。戦況は悪化していった。


迫害を受けた少数派は、迫害から逃れるため徐々に桜高を後にしていった。
軽音楽部部員の秋山澪も、その一人となった――




半年後


友達A「澪ちゃん、帰ろー」

澪「うん」


こんにちは、秋山澪です。
元は桜高の生徒でしたが、現在は隣町の学校に通っています。
ここでは抗争に巻き込まれることもなく、平和に学校生活を送ることができます。

友達B「ねぇねぇ、帰りにコンビニ寄ってかない?」

友達A「いいね!ミニストップに新しいスイーツが出たんだって!」

友達B「澪ちゃんも行こうよー」

澪「あ、ごめん、私帰りに寄るとこあってさ・・・」

友達A「そっかー、残念」

友達B「じゃあまた明日ね、澪ちゃん」

澪「うん、また明日」



もう私は友達とコンビニには行きません。
抗争に巻き込まれると面倒だから。
それに、私が帰りに寄るところは、いつも決まっているから。

店員「いらっしゃいませー」

澪「これください」

店員「はい、105円になります」


澪「ふぅ・・・」

澪「セブンプレミアムって、便利だな」



終わり



最終更新:2011年09月16日 20:28