唯「そう!鍋!」

律「なぜまたこんなあったかくなってきた時期に…」

唯「新しい鍋を開発したんだ~」

梓「人間の食べられるレベルなんですか?」

唯「あずにゃんは猫だから大丈夫だよ!」

澪「そういう問題じゃないだろ」

紬「楽しみだわあ」

唯「じゃあ明日、一時に私の家に来てね!」



翌日!

ぴんぽーん

みんな「おじゃましまーす!」

唯「お~みんな~!はやく座って~」

憂「みなさんこんにちは!」

唯「今日の鍋は憂が作ってくれたんだよ~!」

澪「それなら安心だ」

憂「じゃじゃーん!」カパッ

唯「おーーーっ!おいしそう!!\(^q^)/」

律「唯…その顔はやめといた方がいいぞ…」

紬「いいにおいね~」

梓「アレ?この鍋って普通の鍋ですよね?」

唯「憂が作った鍋はそこらの鍋よりおいしいもん!」

唯「って…アレ?チョコとマシュマロとカルーアミルクが入ってない!」

憂「ごめんねお姉ちゃん。カルーアミルクがちょうど品切れで…」

憂「だから今度一緒に作ろうね!」

唯「なんだぁ~」

澪「(憂ちゃん、ハナっから入れる気なかったな…)」

梓「(さすが憂…))

憂「そのかわりにお肉いっぱい入れたからね!」

唯「わーい!!」

憂「それじゃあ食べよっか!」

みんな「いただきまーす!!」




………


私(律)はいったい何が起きたのかわからなかった。

唯一見えたものは二対の細長い槍と飛び散る鍋の汁のみだった。

ふと横を見ると、同級生の澪、紬、後輩の梓が私と同じように固まっている。


唯「白滝おいしいー♪」

憂「今回の味付けもバッチリ!」


さっきまで湯気をあげていいにおいを放っていた鍋にはもう、何も残っていなかった。

そう、唯と憂が一瞬にして鍋の具を取り合い、食べ尽くしたのだ。


唯「暑いもの食べたら汗が出てきた~」ボタボタ

憂「はい、ハンカチ」

唯「ありがと~憂~」


二人の顔は飛び散った鍋の汁でビショビショだった。


唯「みんなちゃんと食べてたー?私食べるのに夢中で見てなかったけど」

律「…うん…なかなかいい味だったなあ…なぁ澪ー…」

澪「あ…ああ…とてもおいしかったよ…」

憂「良かった~♪」

唯「じゃあまた来週も鍋しようよ~!いいよね憂?」

憂「でもみなさんの予定は?」

律「あ…特にないです…」

唯「決まりだね!」

紬「…」

梓「…」




来週!


ぴんぽ~ん

唯「おーっすみんなー上がって上がってー♪」

憂「みなさんこんにちは!」

唯「さぁみんな席について!」

憂「今日もカルーアミルクなかったからお肉たっぷりだよ!」

唯「お肉お肉~♪」

澪「…」

紬「…」

梓「…」

唯「それじゃあ食べよっか!」

みんな「いただきまーす!」



今回はこの戦をしっかりと見ていよう。

唯と憂が素早い箸さばきで具を口に運ぶ。

いや、今回は他の三人も参加していた。

みんなこれまでに見たことのない鬼の形相をしている。

澪は私に拳骨をする時に見せる表情が、幼児がぶすっと拗ねる表情に思えるくらいに、

限りなく鬼に近い表情をしていて、

紬は無表情の殺し屋が人を殺める時の顔をしている。

そして梓は猫には似ても似つかない猛獣のような顔をしていた。

眉間にシワを寄せ、よだれを垂らし、唸り声を上げていた。

私は怖くなって後ずさりした。

このおかげで視野がひろくなった。

いつの間にか、唯と憂は立ち上がり、肉の固まりを箸で引っ張り合っていて、
空いた手で鍋の中のキャベツや茸を鷲掴みして口へつめし込んでいた。

澪は両手で鍋に近寄る手を払いながら手も使わず白滝をすすっていた。

梓は鍋の中に頭を突っ込み、犬がドッグフードを食べるかの様にがっついていた。

そして紬がその怪力で鍋に群がる人々を払いのけ、鍋を掴み、残った具と汁を音を立て飲み干した。



唯「ぷはぁ~おいしかった~」

梓「久しぶりに沢山食べました!」

澪「太らなきゃいいけどな」

紬「憂ちゃんって本当にお料理上手なのね!」

憂「いえいえ、母よりはまだまだダメですよ」

唯「来週もまたやろうよ鍋!」

梓「いいですね!」

紬「やろうやろう!」

ガヤガヤ


律「(みんなこの一週間で鍋を食べれるように修行したんだろうな…)」



律「(この戦い、負けられない!)」



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