――――

緑「どうして人を集めるの・・・」

紬「ダメですか・・・?」

緑「今まで人に聴かせるために弾いたことないから・・・」

紬「だいじょーぶ!」

緑「・・・」

紬「それでは~」

緑「・・・はぁ」


修治「・・・」ムシャムシャ

菜々子「なにを食べているんだ?」

修治「馬刺し味ポテチですよ。食べます?」

菜々子「いや・・・いい」

静花「というか、あなた制服でくつろいでいてよろしいんですの?」

菜々子「短時間ならな」

静花「サボリですわね・・・」

ポン ポン ポン ポン ポン ポン ポン

紬「まぁ~」

静花「・・・」

菜々子「いい曲じゃない」

修治「・・・」ムシャムシャ

紬「・・・」

静花「最初に聴いたときより音が柔らかくなりましたわ」

菜々子「最初?」

静花「えぇ、梓さんと話をした時に聴きましたわ」

修治「・・・そうなんだ」

紬「・・・」

・・・・・・

・・・

緑「終わりよ」

紬「素敵でした~」

修治「ブラボー」パチパチ

静花「えぇ、良かったですわ」

菜々子「音楽の事はよく知らないけど、良かったんじゃないか?」

コック「そうだな」

菜々子「・・・」コソコソ

緑「・・・ありがと」ボソッ

紬「次は私ね!」フンス!

修治「あらびき肉でしたっけ?」

静花「・・・っ!」

ゴスッ

修治「本当にごめんなさい」シクシク

静花「ったく!」

緑「・・・」

紬「あら、菜々子さんが・・・」

静花「料理長に連行されましたわ」

紬「・・・」ションボリ

修治「俺にまかせろー!」

タッタッタ

緑「・・・?」


修治「料理長!俺が菜々子さんの変わりに・・・あれ?」

コック「変わりになんだ?」

修治「菜々子さんは?」

コック「着替えに行ったが・・・?」

修治「へ・・・?」

コック「制服でくつろいでいる所を他の客に見られるわけにはいかんからな」

修治「あ・・・そうですか・・・」

コック「津山の変わりになんだ?」

けさみ「手伝ってくれるんですね!」

修治「はは、そんな・・・」

コック「・・・」

修治「無言の圧力!」



菜々子「あれ、修治は?」

静花「あなたの変わりに行ったのではなくて?」

菜々子「はぁ?なんだそりゃ」

緑「・・・・・・報われないわね」

紬「それでは・・・」

菜々子「修治はいいのか・・・」

静花「青森から仙台での演奏会で披露したそうですから、よろしいですわ」

緑「・・・そんな事も・・・・・・」

ポン ポロロ ポロ ポロ ポン ポロ ポロロン

・・・・・・


ポロロロロン

紬「・・・」

静花「・・・」

菜々子「・・・」

緑「・・・」

紬「・・・」

静花「・・・」

菜々子「終わったんでしょ?」ヒソヒソ

緑「えぇ・・・」

菜々子「どうして喋らないの?」ヒソヒソ

緑「・・・さぁ」

紬「・・・」

静花「どうなさいました?」

菜々子「・・・?」

緑「・・・」

紬「この曲から始まったんですね」

静花「・・・そうですわね」

菜々子「青森からの演奏会の事?」

緑「・・・」

紬「・・・」

静花「そうですわ」

紬「・・・っ」

菜々子「・・・」

静花「きっとそこからつむぎさんの旅が」

紬「違います・・・」

静花「・・・」

紬「私が4歳の時・・・静花さんの曲を聴いた時から・・・この旅へと続いていたんです・・・」

緑「・・・」

静花「そうですか・・・」

紬「はい・・・」

静花「それももう終わりますわね」

紬「っ!」

菜々子「静花・・・?」

緑「・・・」

静花「始まりがあるなら終わりがあるのは当然の事」

紬「でも・・・、もう・・・」

静花「もう・・・終着駅はすぐそこですわ」

紬「・・・っ」

緑「・・・」

静花「あなたは・・・旅がずっと続くと思っていますのね」

紬「・・・はい」

静花「自分を隠さないのがつむぎさんのいい所ですわ」

菜々子「・・・」

紬「もう・・・別れるのは・・・」

静花「・・・」

紬「いや・・・です・・・」

緑「・・・」

静花「強くなったり、脆くなったり、不思議な子ですわね」

紬「・・・」

菜々子「あんたの前だからだろ・・・」

緑「・・・・・・うん」

静花「そうですか・・・」

紬「・・・」

静花「・・・」

スタスタ

紬「?」

静花「ここで立ち止まっていたら、あなたの帰りを待つ人たちと再会できませんわ」

紬「でも・・・ここにいないと・・・」

静花「あなたがここにいても、菜々子さんも緑さんも私も降りますのよ」

紬「・・・」

静花「さ、手をとって」

紬「・・・はい」

ギュ

静花「・・・」

グイッ

静花「あなたの手を引くのはこれが最後ですわね」

紬「・・・っ」

静花「変わりに手を引っ張ってくれる人がたくさんいましたわ」

紬「・・・」

静花「私の気のせいでしたか?」

紬「いえ・・・っ」

静花「・・・」

紬「でも・・・みんなと一緒にいたいと思うくらい・・・静花さんとも一緒にいたい・・・んです」

静花「もう私とあなたは一緒にはいられないのですわ」

紬「・・・っ」

静花「もう私のために振り返らなくていいのですわよ」

紬「どうして・・・っ・・・そんな・・・っ・・・寂しい・・・」グスッ

静花「・・・」

紬「どうして・・・っ・・・手を離そうとするんですか・・・っ・・・」グスッ

静花「・・・」

紬「私が・・・忘れて・・・いたから・・・ですか・・・?」グスッ

静花「・・・ごめんなさいね。人を突き放す事に慣れていたせいで、あなたにまでこんな言い

方をしてしまって」

紬「・・・っ」グスッ

静花「あなたにはあなたの世界があって、私を必要としない世界であってほしいと思いまし

たの」

紬「嫌です」グスッ

静花「あなたにはこれからも仲間と一緒に進んでいて欲しいのですわ。私のせいでつまづい

ていて欲しくないのです」

紬「つまづきそうになったら支えてもらいます」グスッ

静花「時には自分を誤魔化しながら生きるのも大事な事ですのよ。それが強さになりますわ


紬「弱いままでいいです」グスッ

静花「あなたが出会って別れた人たちはみんな強そうに聞こえましたわ。あなたが一緒にい

たから、旅を終える事ができたと思えますが
   ここであなたが旅を終えなければ、その人たちも本当の意味で終える事ができません

のよ」

紬「私の旅の終わり・・・」グスッ

静花「あなたが一人で降りることですわ。私とではなく」

紬「違います。みんなは悩みを持っていたから、自分を見つめなおしていたから強く旅を続

けていたんです。私は何もしていません」グスッ

静花「一緒にいることが重要ですの。一緒に景色をみて、一緒に歩く事が大事なのですわ。

その役目はもう私ではありませんの」

紬「それなら私のために一緒に歩く事はダメ・・・ですか・・・?」グスッ

静花「それはあなたのわがままですわね」

紬「頑固だと言われます」グスッ

静花「みんなの前で脆さを見せなければ、耐えかねて自分を失ってしまいますわ。それを心

配していましたのよ、唯さんも澪さんも律さんも梓さんも」

紬「私自信が脆い人間だと気づかなかったから・・・です。でも、そんな自分を出せる人と出

会えましたから」グスッ

静花「・・・」

紬「・・・」グスッ


緑「・・・・・・諦めたら?」

菜々子「そういう子だと知っていただろ?」

静花「・・・・・・知りませんでしたわよ」

紬「・・・」グスッ

緑「・・・・・・人を繋げる子だって事」

静花「!」

菜々子「・・・やれやれ」

紬「一人じゃなくみんなで・・・、出会ったみんなと一緒に旅を終えたいです・・・」グスッ

静化(人と歩く事もまた・・・強さ・・・でしたわね・・・)

紬「・・・」グスッ

静花「・・・まったく・・・・・・いつまでそんな顔をなさっているの」フキフキ

紬「・・・っ」

静花「そんな顔のままで終わらせられませんわね・・・」

紬「・・・はい」

静花「・・・しょうがないですわね」ナデナデ

紬「!」

静花「懐かしいですわ・・・」

紬「・・・はいっ」

ダキッ

静花「・・・・・・・・・はぁ」

紬「しょうがないですっ」

ギュウウ


緑「いいの?」

菜々子「いいって、気にすんな」

緑「・・・ありがと」

菜々子「へへっ、緑も素直になってきたな」

緑「・・・・・・別に」

修治「まったくもぅー、無駄骨だったじゃないですかー」

スタスタ

菜々子「修治もゆっくりしていけよ。じゃーな」

緑「・・・」パクッ

修治「おいしそうなアイスですねー」

緑「えぇ、・・・おいしい」

修治「皮肉を込めたんですけど・・・。って琴吹さんと静花さんは?」

緑「展望車にいるんじゃない?」

修治「ふーん・・・」

その子「修治さんもアイスどうぞ」

修治「ひゃっほ・・・う・・・。ってこれ真っ赤なのはなぜです?」

その子「菜々子さんのアイディア商品ですよ。激辛アイス」

修治「あの・・・」

その子「長い旅おつかれさまでした~」

タッタッタ

修治「・・・マジか」

緑「よかったわね」

修治「そうだね、元気になるね」パクッ

緑「・・・」

修治「!!!!!!!」

緑「水・・・」

修治「ありふぁおっ」ゴクゴク

緑「これ食べる・・・?」

修治「いや、いい・・・。辛いッ」ゴクゴク

緑「・・・そう」パクッ

修治「すいませーん!」

タッタッタ

けさみ「はーい」

修治「菜々子さんに伝えてください、商品にできませんとね!」

けさみ「それ商品にしませんよ。菜々子さんが静花さんに作ったものですから」

修治「・・・あ、そう」ヒリヒリ

けさみ「辛味素材全部入れて料理長に怒られていましたからね~、消費するのに困っていた

みたいですよ」

緑「・・・よかったわね」

修治「菜々子さんのお役に立てたねって、ふざけるなー!」

緑「・・・」

けさみ「しょうがないですね、カキ氷シロップ抜きをお持ちしますから少々おまちください


タッタッタ

修治「それただの砕いた氷・・・」

緑「・・・・・・この旅が終わればもう夏も終わりに近づくのね」

修治「・・・突然しんみりですか」

緑「もっと早くに出会いたかった・・・」ボソッ

修治「・・・」

緑「・・・」パクッ

修治「あのさ・・・」

緑「なに?」

修治「広島で琴吹さんが絡まれそうになっている時どうして・・・」

緑「よく電話してるでしょ・・・」

修治「・・・」カァ

緑「・・・」パクッ

修治「・・・」

緑「・・・」

修治「出会ったタイミングが重要なんじゃないかな・・・」

緑「・・・?」

修治「今出会えたことに意味がある。理由がある。そんな気がする」

緑「・・・」

修治「過去を塗り替えることは出来ないけど・・・、旅は終わっちゃうけど」

緑「・・・」

修治「それでも一緒にいたいと、思える人に出会えたことが嬉しいことだと思う」

緑「・・・ご馳走様」

修治「ちがっ!惚気として受け取らないで!」

緑「ふふっ、冗談よ」

修治「はぁ・・・」パクッ

緑「繰り返すのね」

修治「!!!!!」

緑「そんなに辛いの・・・?」

修治「どうぞっ・・・氷まだ!?」

緑「じゃあ・・・」パクッ

修治「けさみさーん」

緑「・・・っ」

修治「顔が歪んだよ」

緑「・・・」

けさみ「おっまたせ~」

コト

緑「・・・」ヒョイ

修治「ちょっと、それ俺の氷・・・」

けさみ「あらら、北上さんも食べちゃったんだ」

緑「・・・コホ」

修治「・・・」パクッ

けさみ「どうして辛い方を・・・」

修治「!!!!!!!」


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