修治「え・・・」

緑「え・・・」

風音「え・・・」

菜々子「そんだけ?」

静花「それだけとは失礼ですわね。動物園に連絡しますわよ」

紬「そうですよ?」

菜々子「そうですよ。って、4回?」

修治「4日?」

風音「一年に一回?」

緑「・・・呆れた」

静花「呆れる要素ございまして!?」

紬「うふふ」

菜々子「・・・」

修治「・・・」

風音「・・・」

緑「・・・」

静花「この沈黙はなにかしら」

紬「そうです。気になります」

菜々子「いや、なんでもない」

静花「プレゼント今でも持っていますわ」

紬「嬉しいです」ニコニコ

菜々子「プレゼント?」

静花「えぇ、ガラス細工のキツネですわ」

紬「はい!」

菜々子「ブフッ」

静花「なんですの!?」

菜々子「待て待て。紬ちゃんどうしてキツネ?」

紬「静花さんのイメージです」

菜々子「毒舌女狐!あーっはっはっは!」

静花「今度という今度は許しませんわ」

紬「・・・?」

静花「・・・」ギリギリ

菜々子「ふぁふぁふぇ!」ギリギリ

静花「ふるふぃふぁふぇんふぁ!」

ギリギリ

修治「・・・」ボソッ

菜々子「ふうふぃをふぁ」ギリギリ

静花「ふぁんふぇふふぉ」ギリギリ

修治「ふふぃふぁふぇん」

風音「紅茶おいしいですね」ズズー


緑「・・・」

紬「・・・?」

緑「・・・聞かないの?」

紬「顔見れば分かります」

緑「・・・勝手に理解しないでほしいわね」

紬「うふふ」

緑「・・・・・・・・・思い出してくれた・・・」

紬「・・・」

緑「・・・・・・『またね』・・・って・・・・・・・」

紬「・・・うん」

緑「・・・」

紬「・・・」


修治「・・・」モグモグ

菜々子「いやー、紬ちゃんの紅茶は本当においしいやね~」

静花「あなた、仕事は?」

菜々子「これ飲んだら行くよ」

紬「それじゃ私も行きます」

静花「どうしてですの?」

紬「コップを洗いに、です」

静花「今までもなさっていたんでしたわね」

風音「紬さん、ごちそうさまです」

紬「いえいえ・・・」

風音「私、降りる準備をしてきますね・・・」

スタスタ

紬「・・・」

修治「ごちそうさま~」

紬「・・・」

菜々子「ごちそうさま」

紬「・・・」

修治「まったね~」

菜々子「後でな紬ちゃん」

紬「はい・・・」

緑「私もごちそうさま・・・。じゃ」

スタスタ

紬「・・・」

静花「・・・」

紬「・・・」

静花「・・・さ、洗いに行きますわよ」

紬「あ・・・」

静花「限られた時間を大切にしましょう」

紬「・・・はい」


ガタン ゴトン

ガタン

プシュー

風音「よいしょっと」

紬「よいしょ」

ピノ「ピピッ」

菜々子「あんた皿洗いもできないんだな!」

静花「ちゃんとできましたわ!」

修治「洗剤使いすぎですよ!」

菜々子「皿拭きも出来てなかったよ!」

静花「あなたがちゃんと見てなかったのですわよ!」

修治「乾いたタオルは使ったら湿るじゃないですか!」

菜々子「便乗するな!」

静花「まったくですわ!」

修治「・・・はい」

風音「クスクス」

緑「・・・」

紬「・・・」

菜々子「ったく」

静花「・・・ふんっ」

風音「みなさんに見送りしてもらえるなんて、嬉しいです」

紬「もちろんですっ」

菜々子「元気でな」

風音「はい。菜々子さんの料理とってもおいしかったです」

菜々子「へへっ、ありがと」

修治「ピノも元気でな」

ピノ「ピピッ」



修治「元気でね。風音さん」

風音「修治さんにもたくさん助けてもらって・・・」

修治「あはは、たいした事できなかったけどねー」

風音「いえ、心強かったです。ありがとうございました」

修治「・・・」カァ

緑「・・・元気でね」

風音「ゴロウの件・・・。本当にありがとうございました」

緑「・・・・・・気にしないで」

静花「ゴロウ?」

修治「熊の子ですよ」

紬「そうです。熊の子です」

静花「・・・?」

ゴロウ「・・・グァ」

静花「・・・」

菜々子「びっくりしてやんの」

風音「菜々子さん、知っていたんですね・・・」

菜々子「車掌もね」

風音「そうですか・・・。知らないフリをしていてくれたんですね」

紬「・・・みんな風音さんを支えているわ」

ピノ「ピピッ」

風音「・・・っ」

静花「・・・そうでしたか・・・。あなたは頑張っているのですわね・・・」

風音「・・・そんなこと」

静花「私もあなたに負けないよう、頑張りますわ」

風音「・・・っ・・・はい」

紬「・・・」

風音「私・・・、この列車に乗る事に決めてからは、不安で憂鬱で最低の気分だったんです」

紬「・・・」

風音「うつむいて歩いている時、ピノが勝手に走って行ったんです」

紬「名古屋城の・・・」

風音「そうです。今までそんな事しなかったピノが・・・です」

ピノ「ピピッ」

風音「バンドの曲に縁が無くて・・・困っている時に・・・あの曲が流れたんです」

紬「そう・・・」

風音「ピノをハラハラしながら見ていたら・・・隣で楽しそうに演奏している紬さんがみえて


紬「・・・私?」

風音「はい。それからは初めて聞いた曲なのに、吸い込まれるようで・・・」

紬「・・・」

風音「前を向いている自分に気づいて・・・ちょっと元気な自分がいて・・・」

紬「そうだったの・・・」

ピノ「ピピッ」

風音「本当にありがとう・・・紬さん・・・」

紬「・・・っ」

風音「それでは、行きます」

紬「えぇ・・・。さよならピノちゃん」

ピノ「ピッ」

紬「さよならゴロウちゃん」

ゴロウ「・・・」モゾモゾ

紬「さようなら・・・風音さん・・・」

風音「さようなら、紬さん」

紬「・・・」

静花「ん~・・・」ノビノビ

緑「・・・」

菜々子「最後の発車ベルだな・・・」

静花「まぁ・・・、感傷的な事をいいますわね。菜々子さんの仮面を被った一般人ですわ」

菜々子「うるさいよ!」

修治「次で終わりかぁ・・・」

緑「・・・楽しかった?」

修治「もち!」

菜々子「確かに楽しそうだったな修治は」

修治「このメンバーで楽しめないなんて罰が当たりますよ」キリ

緑「・・・そう」

静花「・・・」

紬「・・・」

修治「北海道からここまでよくこれたもんだ」ウンウン

菜々子「修治は北海道出身なのか?」

修治「そうですよ。食べ物がおいしいです」

紬「カニおいしかった!」

修治「えっへん」

静花「あなた獲って来ましたの?料理なさいましたの?」

修治「・・・」ションボリ

菜々子「嫌なやつだね。あんたは」

緑「・・・」

紬「にしんそばおいしかったです!」

静花「ふふん」

菜々子「修治言ってやれ」

修治「静花さんが獲ってきたんですか!?料理したんですか!?」

静花「地元の料理を絶賛されたのに、なにを小さいことに囚われているんですの?」

緑「・・・負け」

修治「・・・」

菜々子「修治では静花の相手は無理だな」

紬「うふふ」

静花「・・・」

修治「あれ、静花さんはうどん派ですよね?」

静花「今は、いえこれからは麺派ですわ」

菜々子「はいはい」ヤレヤレ

静花「癪に障る反応ですわね」

菜々子「説明していいのか?」ニヤニヤ

紬「どういう意味ですか?」

緑「・・・・・・そばも食べるって宣言なんじゃないの?」

静花「なっ!?」

菜々子「ブフッ」

修治「もう少し説明を・・・・・・」

紬「?」

静花「先に乗りますわっ」

ソソクサッ

菜々子「へへっ、アイツのいいからかい方発見したよ」ニヤニヤ

スタスタ

修治「嬉しそうだね・・・」

緑「・・・」

紬「・・・」

修治「よぉーし!最後の挨拶してくるかな!」

スタスタ


緑「・・・」

紬「・・・旅をしていると、大切な時間なんだと実感できる時があるんです」

緑「・・・そう」

紬「それは忘れてしまう事もありますけど・・・」

緑「そうね」

紬「きっと・・・私の心の底で眠る事になるんです・・・」

緑「・・・」

紬「そして目を覚ましたとき・・・宝物になっているんだと・・・思います」

緑「・・・羨ましいわ」

紬「緑さんも・・・、あったのではないでしょうか・・・?」

緑「・・・私は・・・今まで時間を潰して来た・・・。あなたのように歩いてこなかったから・・・」

紬「・・・・・・それじゃあ、最後になにかしましょう!」

緑「・・・?」

紬「うーん・・・」

緑「別に・・・、無理に探す必要はないわ・・・」

紬「・・・考えておきます」

緑「ふふっ」

紬「あ、また!」

緑「・・・」シーン

紬「ジムノペディ・・・聴かせてもらえませんか?」

緑「その後にアラベスクお願いね」

紬「えぇ」ニコニコ

prrrrrrrrrrrrrrrrrrr

緑「最後ね・・・」

紬「はい・・・」

緑「行きましょ」

紬「はい!」

プシュー


紬「あ、菜々子さん・・・」

菜々子「おや、どうした?」

紬「車内販売で忙しいですか?」

菜々子「・・・乗客が少ないから忙しくはないな」アハハ

紬「そうですか・・・」

菜々子「用事?」

紬「緑さんがピアノを弾くので・・・」

菜々子「おっけ~、ヒマが出来たらいくよ」

紬「はい」

紬「鳥羽さん・・・」

修治「なんでしょ?」

紬「時間が空いていたら緑さんのピアノを・・・」

修治「あぁ、みんなに挨拶し終わったからヒマだぜ~」

紬「みんな?」

修治「そう、店員さんと車掌さん!」

紬「そうですか・・・」

修治「今行ってもいいの?」

紬「はい」

紬「あ・・・」

静花「えぇ・・・。では、明日・・・」

紬「・・・」

静花「・・・」

プツッ

紬「静・・・花さん・・・」

静花「あら、どうなさいました?」

紬「・・・」

静花「・・・電話の相手は父ですわ」

紬「え・・・」

静花「私ちょっとした目的を見つけましたの」

紬「そうですか・・・」

静花「それより・・・なにかありまして?」

紬「・・・」

静花「・・・?」

紬「・・・」

静花「どうして何もおっしゃらないの?」

紬「雰囲気が・・・」

静花「雰囲気?」

紬「どこか遠くへ行ってしまいそうな・・・顔を・・・」

静花「そういう所は読み取ってしまうのですわね・・・」

紬「・・・」

静花「遠くへ行くからではなく、近づくため・・・ですわ」

紬「え・・・?」

静花「それより用があったのではありませんか?」

紬「は、はい・・・展望車で緑さんが・・・」

静花「それでは行きましょうか」

紬「はい・・・」


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