―――

紬「もみじ饅頭ですよ~」

美弥「広島の名物ですね」

紬「あずさちゃんと買ってきました~」

ちひろ「もぐもぐ」

しのぶ「ほら、こぼしてるから」

ちひろ「うん」モグモグ

けさみ「あ~、くつろげる~」

その子「ほんと~、展望車でくつろぐなんて思ってもいなかった」

けさみ「手伝ってくれてほんとーにありがと!」

その子「紬さんに言ってね」

秋子「でもよろしいんですか?店員が揃いも揃って・・・」

美弥「私はまた業務がございますから、着替えて仕事に戻りますよ」

紬「安全に過ごせるのは車掌さんのおかげです」

美弥「ふふ、当然の事ですよ」

けさみ「食堂車閉めましたから~」

ちひろ「売店車もです」

秋子「そうなんですか、乗客少なくなってきましたからね!」

美弥「そうですね。あと3日で終点ですからね」

紬「あ・・・そっか・・・」

ちひろ「もぐもぐ」

しのぶ「こぼしてるって・・・」

けさみ「どっちが」フガッ

その子「それは禁句です」

けさみ「うんうん」アセアセ

紬「どうしたんですか?」

秋子「気になります!」

けさみ「えーと、ですね」

その子「ちひろさんとしのぶさんは仲の良い姉妹のようですね~と」

ちひろ「ごめんね~、しのぶちゃん」

しのぶ「別にいいけど・・・」

紬「姉妹というより親子に見えますね~」ニコニコ

けさみ「あ・・・」

しのぶ「そうですよね・・・、私が親ですよね・・・、老けていますもんね・・・」ズドーン

紬「えぇと・・・」オロオロ

その子「しのぶさんの方がしっかりしているという意味ですよ~」

ちひろ「そうだよ~」

しのぶ「あんたはそれでいいの・・・?」

紬「どういう意味ですか?」

美弥「そ、それは・・・」


―――

梓「なにやら複雑な人間模様に・・・」

緑「・・・」

梓「むぎ先輩の周りにみなさんが居てくれるから、安心できます」

緑「・・・そう」

梓「・・・」

緑「・・・分かったわ、それじゃ」

梓「私も聞きたいです」

緑「・・・なに?」

梓「どうしてひっかかったんですか?」

緑「・・・」

梓「・・・」

緑「別に・・・どうでもいいでしょ・・・」

梓「私は答えましたよ」

緑「・・・いき」ボソッ

梓「?」

緑「・・・どうして?」

梓「え?」

緑「どうしてその質問をするの?」

梓「その疑問が分かりませんけど・・・」

緑「・・・」

梓「北上さんも・・・その二人と」

紬「あずさちゃん?」

梓「あ・・・」

紬「北上さんとお話していたのね~」

梓(車掌さん言ってなかったんだ・・・)

緑「・・・」

紬「どうしたの?」

梓「えぇと・・・」チラッ

緑「・・・私がヴェガに乗った理由」

紬「・・・」

梓「・・・」

緑「小さい頃に別れた親友を探すため・・・」

チクッ

紬(・・・・・・また・・・痛みが・・・)

梓「・・・」

緑「異人館とお好み村の周辺に住んでいたらしくて・・・その子の手がかりを・・・」

紬「あ、だから・・・」

梓「・・・」

緑「・・・・・・それだけよ」

紬「探していたのは・・・あの写真の・・・?」

緑「・・・そう。・・・もういいでしょ・・・行くわ」

スタスタ

梓「北上さんも一緒に・・・!」

緑「・・・・・・・・・いい・・・」

スタスタ

紬「あ・・・」

梓「・・・」

紬「・・・」

梓「一緒にのんびりしたかったです・・・」

紬「・・・うん」

梓「さ、戻りましょう!」

紬「・・・そうね」


――――

梓「店員さんが並ぶのは凄い光景だと・・・」

紬「うふふ」

梓「・・・」

その子「料理長は昔どこかの国の工作員だったとか・・・」

秋子「ほ、本当ですか・・・」ゴクリ

ちひろ「や、やっぱり・・・」ゴクリ

美弥「・・・噂を広めてはいけませんよ」

けさみ「噂なんですか~、じゃあ昔バンドをしていたという線が強いですね」

梓「そうですね。やたら詳しかったですから」

しのぶ「ギタリストがそう言ってるんだから間違いないわね」

梓「ギ、ギタリスト・・・」テレッ

美弥「実は、とある国の戦線で料理係として配属されてないとか」

梓「されてないじゃないですか!」

けさみ「車掌が・・・ツッコミ入れられた・・・というかボケた!」

修治「やっぱすげえな、中野さん・・・」

紬「あら、どこへ行ってらしたんですか?」

修治「ちょっとね、静花さんと菜々子さんを部屋に放り込んできた」

秋子「どういう事ですか?」

修治「外を散歩してたら酔っ払って帰ってきてさ~」

紬「え・・・」

秋子「まぁ・・・」

修治「歩くのもままならないから、支えて部屋へ送り届けたって訳ですたい」

紬「・・・」

秋子「ん~」

修治「どうしたの秋子ちゃん?」

秋子「いえ、なんだかんだで仲がいいな・・・と」

紬「うふふ、そうですね~」

修治「・・・そうだね」

紬「静・・・花さんは大丈夫でした?」

修治「酔いつぶれていたな・・・。菜々子さんと二人で支えるくらいにね」

紬「そんなに・・・」

修治「菜々子さんは会話ができるくらいだったけど、静花さんは呂律が回ってなかった」

秋子「どうしたんでしょうね」

修治「・・・なんだかんだで仲がいいんだよ」

紬「・・・」

秋子「・・・どうして、静花さんだけ気遣ったんですか?」

修治「・・・」

紬「・・・」

秋子「・・・」

修治「いや、琴吹さんに聞いているんだと思うけど・・・」

紬「え?」

秋子「二人が酔って帰ってきたとしか聞いてないじゃないですか~」

修治「・・・」

紬「・・・分かりません」

秋子「・・・?」

修治「・・・」

梓「・・・」

しのぶ「聞いてます・・・?」

梓「え・・・?」

しのぶ「ライブの経験は何度あるのかなって・・・」

梓「えぇと、学園祭、ライブハウス、新歓、展望車、名古屋城の5回・・・です」

しのぶ「おぉ・・・、それであの落ち着きだったんですね!」

ちひろ「しのぶちゃん、よくライブ行くから。興味津々なんですよ~」

梓「そうなんですか・・・」

しのぶ「そ、それで持ち歌はあの名古屋城で歌った曲だけですか!?」

けさみ「それは私も興味あります!」

美弥「そうですね」

紬「うーん・・・?」

梓「む、むぎ先輩・・・、Honey Sweet Tea Timeの曲は完成してますか?」

紬「え・・・?」

梓「Hony Sweet Tea Timeの曲です」

紬「えぇ、完成してるわよ~」

けさみ「甘そうな曲名ですねー」

梓「う・・・」

紬「あと、ときめきシュガー、いちごパフェが止まらないがあります」

修治「・・・」

秋子「あまあまですね~!」

ちひろ「甘すぎます~」

しのぶ「・・・」

美弥「どうしてテンションが下がったんですか?」

しのぶ「曲を聞かないと・・・判断できないなぁ・・・って」

梓「いい曲ですよ!はい!」

修治「・・・そうなんだ」

梓「どうしてひいているんですか!?」

修治「いや・・・、その・・・乙女だなぁ・・・と」

バシッ

修治「いった!中野さん!?」

梓「律先輩の代わりです」

修治「引き継いでるのかぁ・・・」

秋子「聞いてみたかったですね~」

美弥「はい・・・」

けさみ「あーぁ、もう聞けないのは残念だなぁ~」

紬「それじゃ、ピアノで弾いてみましょうか?」

しのぶ「え、ほんとに!?」

ちひろ「それはいいですね~」

梓「しゃ、車掌さん・・・?」ウキウキ

美弥「ふふ、いいですよ」ニコ

紬「ありがとうございます!」

梓「ムスタング取ってきます!」

タッタッタ

紬「ショートでいいですか?」

しのぶ「もちろん!」

けさみ「やったー!」


ガチャ

梓「・・・よし」

バタン

梓「・・・よぉし」

ガチャ

菜々子「うぅ~」

梓「あ・・・」

菜々子「お・・・、梓か・・・」

梓「顔色悪いですね」

菜々子「はは、情けない顔みせちゃったな」

梓「静花さんは・・・?」

菜々子「部屋でぐっすりだよ。明日用事があるって言ってたけど、大丈夫かね」

梓「そうなんですか・・・」

菜々子「どうしてギターもってんの?」

梓「これからむぎ先輩と演奏しようと・・・」

菜々子「へぇー」

梓「どうですか?」

菜々子「・・・そうだな、行こうか」

梓「行くです!」

菜々子「・・・」

菜々子「ごくごく」プハー

美弥「大分よくなりましたね」

菜々子「はい・・・。ふぅ」

秋子「びっくりしましたよ~」

修治「まったくですよ~」

菜々子「ありがとな修治」

修治「それはいいですけど・・・」

美弥「・・・なにかありましたか?」

菜々子「はい・・・」

修治「静花さんがうわ言のように」

菜々子「修治」

修治「・・・」

菜々子「言うなよ」

修治「・・・はい」

秋子「なにがあったんですか~」

美弥「・・・」

菜々子「私の過去の話だよ」

秋子「ぜひ!」キラキラ

修治「それはね・・・」

ポカッ

修治「あいたぁ!」

菜々子「言うなっての!」

秋子「えぇ~!」

美弥「・・・」

菜々子「ほら、演奏始まるよ」


ポンポンポポポポン

ジャンジャンジャジャジャジャ

紬『はちみつ色の午後が過ぎてく
  Honey sweet tea time』

紬『マカロン飛行船 時計はラング・ド・シャ
  胸がキュンとなるほうへ出かけよう』


紬『笑顔の花咲く空の下 あふれてしまうの 好奇心マキシ
  赤道色のリボンかけた 地球はお菓子箱 夢つまってる』


梓(弾き語りで凄いな・・・)

紬『道に迷ったら お茶にしましょう 
  願いはキャンディースプーンに 切なさはティーポットに
  気持ち グルグル ユラユラ まぜて 悩みも 迷いも とけて
  きっと 明日も 晴れますように』

梓(・・・ダメだ・・・堪えきれない・・・)

紬『光の絵の具こぼした街 瞳に映る全部が 未来レシピ
  青空色でラッピングされた 世界は贈り物 開けていいよね』

ポンポンポロロンポンポン

ジャン・・・ジャン・・・

紬「あずさちゃん・・・?」

梓「ぅっ・・・っ・・・」ボロボロ

けさみ「梓さん・・・」

しのぶ「・・・」

ちひろ「・・・」

紬「どう・・・したの・・・?」

梓「ありがとう・・・ございます・・・っ・・・むぎせ・・・んぱい・・・っ」ボロボロ

紬「え・・・?」

梓「・・・むぎ先輩と・・・出会えて・・・よかった・・・です・・・っ」ボロボロ

紬「あずさちゃん・・・」

ギュウ

梓「・・・!」

紬「私も・・・ありがとう・・・」

梓「・・・っ」グスッ

ちひろ「・・・」パチパチ

しのぶ「・・・」パチパチ

けさみ「演奏良かったですよ~!」パチパチ

秋子「素敵でした~!」パチパチ

美弥「・・・」パチパチ


―――

梓「むぎ先輩・・・もう大丈夫ですよ・・・」

紬「・・・うん」

梓「さ、次はときめきシュガー・・・。あ・・・」

紬「澪ちゃんがいないわね・・・」

梓「二人で歌いましょうか・・・」

紬「ふふっそうね~」

けさみ「なんだか貴重な事みたいですよ!」

しのぶ「澪さんがメインの曲なんだ」

ちひろ「よく分からないですけど、その曲を二人が歌うんですね~」

美弥「私は時間ですので、これで・・・。後はお任せしましたよ。みなさん」

ちひろ「は~い」


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