―――――お好み村

菜々子「あんた、紬ちゃんの教師ごっこを聞いていたんだよな?」

修治「松本の旧開智学校ですか?」

菜々子「場所は知らない。DVDで流れていた事なんだけど」

修治「あぁ、そうですよ。平沢さんと琴吹さんが教室で教師役を・・・」

菜々子「それで、紬ちゃんの授業内容を聞かせてくれ」

修治「? DVD貸してもらえばいいじゃないですか」

菜々子「いいから!」

修治「は、はい・・・。ええと、相対性理論と南国のお茶の話です」

菜々子「その南国のお茶の話を詳しく、だ」

修治「えーと、縁側にお茶の入った急須とお茶菓子が用意してあって」

菜々子「・・・」

修治「家主が居なくても勝手に飲み食いしてもいいんです」

菜々子「涼しくなったら働こうっていう内容・・・だな」

修治「なんだ知ってるじゃないですか」

菜々子「どういう事だ・・・?」

修治「どういう事ですか?」

菜々子「少し黙ってて」

修治「・・・」

菜々子「偶然で片付けられる事だけど・・・」ブツブツ

修治「・・・」

緑「・・・どうしたの?」

修治「・・・」

菜々子「分からない・・・」ブツブツ

緑「無視するのね・・・」

修治「・・・」ツンツン

菜々子「あ、緑じゃないか、どうした?」

緑「別に・・・。どうして修治くんは喋らないの?」

修治「・・・」

菜々子「喋っていいぞ」

修治「菜々子さんが黙っていろって」

バシッ

修治「いてっ!」

菜々子「忠実か!」

緑「じゃ・・・」

スタス

菜々子「まぁまぁ」

ガシッ

緑「離して・・・」

修治「お好み焼き食べるんだけどさ、北上さんもどうかな?」

緑「・・・」

菜々子「奢るから、ね?」

緑「・・・」

秋子「あ、居ました~!北上さんもいたんですね~!」

風音「あ・・・、見つかって良かった」ホッ

静花「まったく、こういう時に役に立たなでどうするんですか!木偶の坊!」

菜々子「なんだってぇ?」

修治「どうどう」

菜々子「・・・っ!」

バシッ

修治「馬じゃなかったですね、すいません」ヒリヒリ

緑「・・・」

スタスタ

秋子「紬さんと梓さんはまだですか?」

風音「もうそろそろだと・・・」

緑「・・・二人も来るの?」

修治「そうさ!」

菜々子「どうした?」

緑「・・・別に」

静花「菜々子さんの奢りと言ってましたから遠慮しないでいいのですわ」

菜々子「みんなはいいけど、あんたは自腹だ」

静花「ふん、砂漠で水を売っていたとしても、あなたの奢りでは拒否しますわ」

秋子「命が大切ですよ~!」

風音「そうですよ、水は大事です」

静花「それでもこのゴリ・・・チンパンジーに施しを受ける事は許されませんの」

菜々子「無駄なプライドって言うんだよ!誰がチンパンジーだよっ!」

静花「チンパンジーの握力は凄いんですのよ」

菜々子「だ か ら ?」

風音「300kgはあるそうですよ」

秋子「すごいです、姉御さま~!」

菜々子「あのなぁ」

静花「自他とも認めましたわ、オーッホッホッホ」

緑「・・・」

修治「あ、居てくれるんだ」

緑「・・・」

梓「あの輪に入っていくんですか・・・」

紬「・・・」

梓「むぎ先輩・・・?」

紬「まって、話しかけてはだめ」

梓「耳を塞いでどうしたんですか?」

紬「頭の中でリフレインしているの」

梓「・・・?」

紬「・・・」

梓「あ!」

紬「・・・」

梓「さわこ先生!和先輩!」

紬「あ・・・」

梓「さわ子先生ー!和先輩ー!」

紬「あらー・・・」

梓「・・・ふぅ」

紬「・・・」ギュ

梓「また塞いでる!」

紬「・・・」

梓「・・・どうですか?」

紬「だめ・・・。聞こえなくなったの」

梓「よーし!」グッ

紬「えーと、さわ子先生の愛称はなんだっけ?」

梓「さわ子先生です」

紬「唯ちゃんは和ちゃんの事をどう呼んでいた?」

梓「今自分で言いましたよ?」

紬「Repeat After Me」

梓「No」

紬「SAWACHAN」

梓「No」

緑「・・・」

紬「NODOKACHAN」

梓「No」

緑「みんな待ってるけど・・・?」

紬「もうちょっとです。さわ子先生 is さわちゃん」

梓「Yes」

紬「Glasses is NODOKACHAN」

梓「Yes」

静花「そんな訳ないですわ」

紬「口が堅いのね・・・」

梓「途中から趣旨が変わりましたよ?」

緑「・・・」

静花「みなさん中に入りましてよ」

紬「・・・」

梓「さ、入りましょう」

菜々子「お、来た来た」

紬「遅れてすいません」

秋子「いいですよ~。なにかありましたか?」

梓「電車が混んでて」

静花「そうですか・・・それならしょうがありませんわね」

菜々子「ボケ潰しとはひどいね」

静花「?」

修治「うんうん」

緑「・・・」

静花「私はうどんでいきますわ」

紬「わ、私も!」

梓「え!?」

紬「どうしたの?」

梓「焼きそば風お好み焼きなんですよ?」

紬「そうね~」

梓「えぇと・・・、焼きそばを食べたがっていたから・・・」

紬「お祭りに行くって、唯ちゃんと約束したの」

梓「あ、そうですか。その時に食べるんですね」

紬「そういう事」キラン

静花「・・・それがいいですわね」

菜々子「あんたたちは、うどんとそばどっちにする?」

風音「私はそばで」

秋子「私も~」

修治「私も」

緑「・・・そば」

菜々子「梓は?」

梓「そばで・・・」

菜々子「よし、店員さーん」

店員「はーい」

菜々子「お好み焼きのそばを6つにうどん1つ」

静花「うどんを1つ追加お願します。そこの霊長類は研究所から抜け出してきましたので計

算がまだ出来ませんの」

菜々子「ぬあんだってぇ?」

静花「なんですの!?」

店員「かしこまりましたー!」

スタコラサッサ

梓「危険だと察知したんですね」

風音「ベテランなんでしょうね」

秋子「まぁまぁ姉御さま~、お水お注ぎしますね~」

トクトク

菜々子「ありがとっ」ゴクゴク

修治「やけ水だな」

紬「ささ、どうぞ~」

トクトク

静花「ありがとう」ゴクゴク

梓「なんですかこの状況は・・・」

緑「・・・」

梓「北上さんはどうしてお好み村に来ていたんですか?」

緑「・・・別に」

梓「・・・」ションボリ

緑「・・・・・・・・・昔、この辺りに住んでいたのよ」

梓「・・・そうなんですか」

修治「なるほど、記憶の掘り起こしって事ですね?」

緑「・・・」

梓「・・・」

緑「・・・そっちは?」

梓「え?」

緑「どうして広島に来たのかって事」

修治「・・・」ズドーン

梓「えぇと・・・」チラッ

紬「青森のねぶた祭りで焼きそば食べたかったんですけど、食べられなくて」

静花「・・・苦労してますのね」

梓「そういえば、観光は二の次になっていましたね・・・」

緑「・・・」

菜々子「・・・」

秋子「ピノちゃんはお留守番ですか~?」

風音「はい・・・。匂いを嗅いで走り回っちゃいますから」

修治「・・・大丈夫なの?」

風音「実は・・・少し不安で・・・」

修治「食べ終わったら戻ろうか」

風音「はい」

秋子「?」


紬「それから、松本から一緒になった和ちゃんという私たちの学校の生徒会会長が乗車して


静花「そうなんですか、楽しそうですわね」

菜々子「・・・」

梓「いつの間にかここまでの話しになってますね」

緑「・・・もういいの?」

梓「なにがですか?」

緑「・・・・・・あまり気にしていないような顔してるから」

梓「・・・あ、展望車の話ですね」

緑「・・・」

梓「いいという訳ではないですけど、私たちは待つだけですから」

緑「・・・」

店員「はいおまたせしました~」

静花「待っていましたわ・・・菜々子さん分かっていますわね」

菜々子「あぁ・・・負けらんないね」

梓「変な空気にしないでください」

修治「中野さんすげえ・・・」

秋子「私たちはゆっくりたべましょう」

風音「それがいいですね」

紬「・・・」

菜々子「さー、焼くぞー!」

静花「声を張り上げないと料理できませんの?」

ジュージュー

緑「・・・」

秋子「いい香りです・・・」

梓「あ・・・、浅草でも同じ様な事しましたよね。むぎ先輩」

紬「え、えぇ・・・」

静花「どうなさいましたの?ボーッとして」

紬「懐かしい気分になったから・・・。浅草の事だったのね~」

菜々子「・・・」

静花「浅草で何を食べましたの?」

紬「もんじゃ焼きを~」

修治「そろそろいいんじゃないか?」

秋子「修治さん、肉が焼けてないですよ」

修治「へぇ~、料理得意なの?」

秋子「もちろんです~!掃除洗濯も得意なんですよ!」

風音「秋子さんはそんな雰囲気ありますよ」

秋子「ありがとうございます~!」

菜々子「弟子入りしてこれば?」

静花「うるさいですわよっ!」

梓「弟子入り?」

菜々子「コイツ料理とか家庭的なこと一切できないんだよな」ニヤニヤ

静花「・・・ふんっ」

菜々子「令嬢のくせに、うどんとか庶民的な物には弱いんだよ」

静花「・・・!」

紬「分かりますっ!」

梓「高級なものばかりが美味しいわけではないですよね」

静花「その通りですわ」

菜々子「・・・」

修治「そうだよな~、キャビアよりイクラの方がおいしいもんな」

風音「私キャビアなんて食べた事ないです」

修治「俺も」

菜々子「・・・」

修治「・・・あれ?」

秋子「もう焼けてますよ~」

風音「いただきます」

梓「いただきます」

紬「いただきまーす」

静花「いただきますわ」

緑「・・・」モグモグ

修治「な、菜々子さん?」

菜々子「・・・食べるよ」


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