ピノ「ピピッ」

風音「ほら、行くよピノ」

澪「中々離れてくれないな」キラキラ

唯「おいでピノちゃん」

ピノ「ピッ」

ピョン

唯「おぉ」キラキラ

梓「風音さんが困るじゃないですか」

律「風音はどこ行くんだー?」

風音「海遊館に行こうかと」

唯「それならcome with we!だよ」

紬「北上さんは・・・」

澪「さっき歩いていったな」

律「はは、マイペースだな」

唯「それじゃ、放課後ティータイム最後の観光地へ行ーくぞー!」

紬「おぉー!」



―――――海遊館

風音「世界最大級の水族館らしいですよ」

唯「わくわくだよ!」

律「結構大きいんだなー!」

澪「この中にジンベイザメがいるから当然といえば当然だけど」

梓「5m近くあるそうですからね、ビックリです」

紬「うんうん」

ピノ「ピッ」

唯「でも大丈夫かな、ピノちゃん・・人が多いけど」

風音「そうですね・・・」

ピノ「ピピッ」

律「よし、じっとしてるんだぞ」

澪「ぬいぐるみと思うだろうな」

風音「そう・・・ですね」

梓「そうです、入りましょう!」

紬「うんうん」

唯「むぎちゃん・・・?」

紬「・・・いたっ!」

律「あれマンボウだ・・・」

澪「あっちの大きいほうはいいのかむぎ・・・」

梓「ジンベイザメよりマンボウなんですね」

唯「おぉー!でっかいどー!」

梓「・・・」

風音「海の中にいるみたいですね」

ピノ「ピッ」

唯「そうだね~、おいしそうな魚がいっぱいだよ~」

梓「食物としてみるんですか」

風音「海の生物って面白いですね。私山で育ったから、海は新鮮です」

唯「そうなんだ~、ここにきたら海が好きになるね!」

風音「はい・・・」

紬「山もいいわね~」

風音「私の住んでいた所は田舎ですけど、自然が多くてよかったです」

律「それにしても人が多いな」

風音「そうですね・・・子供が多いです」

紬「にぎやかね~」

梓「ちょっとうるさいですね。はしゃぐ気持ちは分かりますけど」

澪「分かるんだ・・・」

梓「童心に戻るって意味です。そうです」

律「自分に言い聞かせてるみたいだぞ」

ピノ「ピピッ」

紬「あっ、うなぎよ」

風音「にょろにょろしてる」

唯「10人前くらいかな」

律「そうだな・・・」ジュル

紬「うな重が?」

唯「そうだよ」ジュル

梓「お腹空いたんですか?」

澪「さっきたこ焼き食べただろ・・・」

風音「ふふ、みなさんといるととても楽しいです」

ピノ「ピッ」

唯「でっへっへ」


ドン

澪「おっと」

律「人が増えてきたな」

唯「あずにゃーん」

梓「ここですよ~」

ギュ

唯「離れないように手をつなごう」

梓「そうですね」

律「・・・もう少し眺める?」

風音「私は戻ります。待ってると思うので」

紬「?」

風音「え、えぇと。なんでもないです。それじゃ行きましょピノ」

ピノ「ピッ」

唯「じゃーねー」

澪「じゃあね」

ドンッ

紬「っとっとぉー」

澪「むぎっ」

ギュ

紬「ありがとー」

澪「い、いや・・・」

唯「あずにゃん、かめだよ」

梓「そうですね・・・。優雅に泳いで気持ち良さそうです」

律「・・・」

紬「澪ちゃん、あっちにマンボウよ」

澪「さっきも見たよ」

律「・・・もう少しのんびりしていくか」



―――――ヴェガ

紬「・・・」

唯「車掌さん・・・」

澪「・・・どうぞ」

車掌「はい。お二人の乗車証、確かに受け取りました」

紬「・・・」

唯「・・・」

澪「・・・」

車掌「・・・」

紬「・・・」

唯「・・・っ」

澪「それでは・・・」

ダダダッ

修治「秋山さん!」

澪「鳥羽・・・さん・・・?」

唯「修治くん?」

紬「?」

修治「ごめんっ!!」

澪「ど、どうして謝るんだ?」

修治「・・・これを持って、改札口に行って」

澪「?」

唯「手紙・・・?」

紬「どういう・・・事・・・?」

修治「エレナと小麦が・・・大喧嘩してる」

澪「!」

バシッ

タッタッタ

紬「待って澪ちゃん!」

タッタッタ

修治「ごめん・・・」

唯「ま、まって」

車掌「平沢さん」

唯「え?」



澪「・・・りつ」

律「澪・・・?」

澪「・・・っ!」

タッタッタ

梓「澪先輩っ!?」

律「どこ行くんだよ!」

タッタッタ

紬「・・・っ!」

律「む、むぎ?」

梓「ど、どうしたんですか!?」

紬「唯・・・ちゃんを・・・っ・・・待ってて」

律「え?」

紬「・・・っ」

タッタッタ

梓「二人とも走っていきましたね・・・、どうしたんでしょうか」

律「・・・あの紙はさっき修治が持ってたやつか?」


――――

小麦「・・・そんなの酷いよ!どうしてそういう事いうの!?」

エレナ「仕方ないネ!これ以上、小麦をついてこさせるわけにはいかないヨ!」

小麦「あたしが行ってどうしていけないの!」

澪「どうしたんだ二人とも!」

エレナ「あ・・・」

小麦「澪ちゃん!あのね、エレナが・・・エレナがここでもう別れようって言うの!」

澪「え・・・」

小麦「まだ、あたし一緒に旅行したいのに!」

エレナ「小麦は分かってないネ!海外に行くっていうのは日本とは全然ちがうヨ」

澪「・・・!」

紬「・・・」

エレナ「今までみたいに何とかなるものではないネ!」

小麦「やだやだやだっ!あたし絶対やだもん!」

澪「小麦・・・」

紬「・・・」

エレナ「・・・」

小麦「~っ!」

澪「何とかいってあげてよ・・・エレナ」

エレナ「ではハッキリ言うネ!これ以上ついてこられても足手まといですネッ!
    だから、おとなしくここに残って欲しいヨ・・・!」

紬「エ、エレナさん!」

澪「エレナっ!」

小麦「そんな・・・そうなの?やっぱりあたしみたいじゃダメなの?それでも
   ・・・・・・それでもあたし今まで・・・・・・」

ダダダッ

澪「小麦!」

エレナ「ミオさん・・・それを小麦にお願しますワ」

ダダダッ

紬「エレナさん、待って!」

タッタッタ

澪「・・・っ」

『それを、自分を信じろよ』

ギュッ

澪「・・・」


――――

律「唯・・・」

梓「なにがあったんですか?」

唯「うん・・・」

修治「・・・」

律「・・・」

唯「エレナちゃんと小麦ちゃんがここで降りるって・・・」

修治「・・・」

唯「二人はここで別れるって・・・」

梓「え・・・」

律「・・・」

梓「・・・二人は・・・これからも一緒にいるものだと・・・」

唯「・・・うん」

修治「・・・」

律「なんで澪なんだよ、修治」

梓「律せん・・・ぱ・・・い?」

修治「・・・あの二人をよく見てたから」

唯「・・・」

律「そうじゃねえ!なんでお前が行かないで、澪に行かせたかって事だよ!」

梓「っ!」ビクッ

修治「俺じゃ・・・。俺には資格が無いからだよ」

唯「資格・・・?」

律「なんだよそれ」

修治「俺は・・・エレナがここで、小麦と別れようとしている事知ってたから」

梓「・・・」

唯「・・・」

律「だから澪に手紙持たせたのか・・・」

修治「・・・うん。俺の声より・・・秋山さんの声の方が届くと思ったから」

律「・・・」

修治「平沢さんにも迷惑かけた・・・ごめん」

唯「ううん。大事な事だから迷惑だと思ってないよ」

梓「・・・」

律「・・・だから、比叡山で澪を呼んだのか・・・」

修治「・・・」

唯「・・・」

律「怒鳴って・・・悪かった」

修治「いや、俺にはあの二人を繋げたまま別れさせる事ができないと思った」

梓「・・・」

唯「澪ちゃん・・・なら・・・?」

修治「・・・うん。・・・でも、エレナの頼みを秋山さんに押し付けた」


―――

澪「小麦っ!」

小麦「み、み・・・お・・・ちゃん・・・っ・・・う、うぅっ・・・」ボロボロ

澪「・・・」

小麦「ひどいよ・・・こんな大事な事・・・勝手に決めて・・・あたしにもちゃんと言って欲しかったのに」グスッ

澪「・・・エレナも辛かったと思うよ」

小麦「ぅん・・・ごめんね・・・っ・・・ごめ・・・っ」ボロボロ

澪「ううん・・・。エレナがあんな事言うなんて、きっと理由があるんだよ」

小麦「っ・・・」グスッ

澪「エレナから手紙を預かってきたんだ」

小麦「手・・・紙?エレナからの手紙!?見せて!」グスッ

澪「・・・」

小麦「『小麦へ ごめんなさいでございます』」

恐らく今は小麦を傷つけてしまったネ
でも、こうしなければ小麦はいつまでもついてきてしまうと思ったヨ
小麦も高校三年生

今は旅を続けていてもいつかは自分の生活に戻る日が来る
ワタクシも世界のあらゆるところを見て廻るという自分の夢で精一杯ネ
小麦と一緒にいたいのはヤマヤマですが、旅をするのはワタクシの夢
小麦には自分の夢を見つけて欲しいヨ

小麦も自分の目的を見つけて頑張るネ

きっとまた、どこかで再会するネ
                  エレナ・ユーリ・ノーディス

小麦「エレナ・・・」

澪「小麦、エレナを一人で行かせよう」

小麦「でも、でも・・・!」

澪「小麦は・・・エレナの事好きだよな」

小麦「・・・うん」

澪「・・・だったら、エレナの気持ちを大切にしなきゃダメだ」

小麦「エレナの・・・気持ち・・・」

澪「・・・エレナが小麦を想ってくれてるように、小麦もそれに応えてあげようよ」

小麦「・・・うん」

澪「・・・」

小麦「うん、・・・分かったよ」

澪「・・・それじゃあ、見送りに行こう」

小麦「え・・・?」

澪「・・・」

ピッピッポ

小麦「どうするの・・・?」

trrr

澪「・・・・・・・・・もしもし、むぎ?」



―――――空港

エレナ「こんな所にまで付き合ってもらって・・・申し訳ないネ」

紬「気にしないで」

エレナ「ワタクシ、小麦を突き放す自信がなかったネ」

紬「・・・」

エレナ「ですが、ツムギさんとミオさんの顔をみて自分を奮い起こしましたヨ」

紬「私たちですか?」

エレナ「えぇ、二人・・・イエ、五人は・・・とてもカタイ結束で結ばれていますネ」

紬「・・・」

エレナ「そうでなければ、あの音楽は生まれないヨ。小麦とワタクシもそんな結束を結びたいネ」

紬「・・・」

エレナ「ミナサンと出会えて良かったですワ」

紬「・・・」

エレナ「思い残す事はないヨ!」ガタ

紬「ま、まって・・・」

エレナ「もう時間ネ、乗り遅れてしまうヨ・・・」

紬「・・・」

エレナ「ツムギさんの紅茶・・・温かかったですワ」

紬「・・・っ」

エレナ「みんなでノンビリオシャベリ、楽しかったデスネ」

紬「・・・エレナさん」

エレナ「・・・大切なものをたくさん貰ったヨ・・・ありがとう」

紬「エレナさん・・・っ」

小麦「エレナーーー!!!」

ダダダッ

エレナ「小麦!?」

ガバッ

小麦「エレナー!ごめんね、あたし、あたし、エレナがあんなにあたしの事
   考えてくれてるなんて思ってなかった!」

エレナ「小麦・・・ワタクシの方こそゴメンナサイ・・・」

ギュウ

小麦「これから海外に出るんだよね・・・?」

エレナ「ソウですワ」

小麦「間に合ってよかった・・・!」

エレナ「・・・ウン」

ギュウウ

紬「よかった・・・」

澪「・・・」

エレナ「ミオさん、修治サンに伝えてくれますカ?」

澪「え?」

エレナ「嫌な役を押し付けてしまってゴメンナサイ・・・ト」

澪「・・・うん」

小麦「やっぱり修治くんも隠してたんだ」

エレナ「ワタクシのワガママですワ」

紬「・・・」

澪「・・・」

小麦「エレナ・・・元気でね・・・」

エレナ「小麦も・・・」

小麦「あたし、夢見つけるから!」

エレナ「応援してるネ」

小麦「・・・うん!」

エレナ「時間が無いから行くヨ」

小麦「・・・うん」

エレナ「ミナサンにヨロシク」

紬「えぇ・・・、エレナさんもお元気で」

澪「楽しかっ・・・た・・・」

エレナ「おかげでこれからも頑張れるヨ」ニコ

小麦「それじゃあね、エレナ。体に気をつけてね」

エレナ「エェ、小麦も」

小麦「・・・」

エレナ「グッバーイ」

タッタッタ

小麦「エレナー!さようならー!!」

澪「さようならーー!」

紬「さようなら・・・」


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