――――

「やっべー、遅刻遅刻!」

ドンッ

「うわっ」

先生「おっと」

ガンッ

「っつ~!!」

先生「だ、大丈夫かね?」

唯「だ、大丈夫!?修」フガッ

澪「・・・」

唯「みふぉふぁん?」

澪「私たちと鳥羽さんが知り合いだってバレちゃダメだ」ヒソヒソ

唯「わ、分かった」ヒソヒソ

律「大丈夫ですかぁ~」

「痛い痛い痛いマジで痛い!」

先生「頭ぶつけたようけど、救急車呼ぶか?」

律「あー、アイスがあるー。これで冷やせばいいんじゃないかな~」

「それは・・・溶けて・・・」

ピタッ

律「はい、どうですか~」

「痛い・・・けど治まってきたかなぁ」

先生「キミ名前は?」

「え?えぇと・・・大丈夫ですから気にしないでください」

律「何かあってからじゃ困るのはあなたですよ?」

「ぐっ・・・。ジョルノといいます」

律「グフッ」

先生「ハーフなのかね?」

ジョルノ「父がイタリアの人と再婚しまして・・・」

先生「本当にすまなかったね・・・立てるかい?」

ジョルノ「・・・もうしばらく横になったほうがいいかな?」

律「うん」

ジョルノ「分かりました」

―――

梓「あ、あれ?追って来ませんね」

さとみ「・・・ふぅ」

紬「そうね・・・」

さとみ「梓ちゃん・・・ありがと」

梓「あ、ごめんなさい」バッ

さとみ「梓ちゃんが男の人だったら落ちてるわね」

紬「かっこよかったわ~」

梓「うぅ」

さとみ「手を引っ張って走るなんて・・・中々出来ないわよ」

紬「うんうん」ウンウン

梓「・・・」ボンッ

さとみ「あらら」

紬「あらあら」

梓「・・・」プシュー

さとみ「ふふっ」

紬「うふふ」

梓「・・・」シュー

さとみ「・・・」

紬「・・・」

梓「・・・」

さとみ「こんな私を見つけるために旅に出たのだと思うの」

紬「・・・自分を見つける為?」

さとみ「・・・そう。今日の朝、名古屋で乗車して、日記を読み返してたの」

梓「日記ですか?」

さとみ「そう。和さんとむぎさんに拾ってもらった日記」

紬「あの時の・・・」

さとみ「読んでて驚いたわ。こんな私がいるのかって」

梓「・・・?」

さとみ「日記を読まれて怒っている私、ライブで盛り上がっている私、先生から逃げる私」

紬「・・・」

さとみ「修治くんに笑わされて楽しんでいる私、さわ子先生に感銘を受ける私、
    梓ちゃんとの会話で気づかされる事が増えたと驚く私、純ちゃんに対抗意識を燃やす私」

梓「・・・」

さとみ「和さんと打ち解けて弾む私、律さんに振り回されて喜んでいる私、澪さんに憧れつつ可愛いと和む私」

紬「・・・」

さとみ「憂ちゃんの献身的な心に癒される私、唯ちゃんの純粋さに心が動かされる私」

梓「・・・」

さとみ「どれを読んでいても私じゃない私がいたの。その中心にいたのはむぎさん・・・」

紬「・・・!」

さとみ「たくさんの私を繋いでいるのがむぎさんだったの」

梓「むぎ先輩が・・・」

さとみ「むぎさんと出会って、そんな私と出会う事が・・・私の旅の意味」

紬「・・・」

梓「・・・」

さとみ「・・・」

梓「・・・旅行じゃなく、旅と呼ぶ理由分かりました」

さとみ「え・・・?」

紬「・・・?」

梓「唯先輩が受けた寂しい事も、さとみさんが見つけた楽しい事も・・・、時間が過ぎれば忘却の彼方です」

紬「そう・・・ね・・・」

さとみ「・・・」

梓「それはとても切なくて、苦しくて、大切だから取り戻したくて・・・」

紬「・・・」

梓「だから人は、新しい時間を見つける為に・・・、旅をするんです」

紬「時間は・・・、人、場所に変わりえる・・・のよね」

梓「はい!」

さとみ「そっか~。なるほどなぁ~」

紬「見つけちゃった~」

梓「見つけちゃいましたね~」

さとみ「見つけてしまったわね~」

紬梓さとみ「「「 ププッ 」」」

紬「うふふ」

梓「あはは」

さとみ「ふふっ、変なの~」

紬「到着場所なのに」

梓「終わってしまったのに」

さとみ「スッキリして気持ちが飛んで行った気分ね~」

紬「・・・」

梓「・・・」

さとみ「うん、よかった。辿り着けた!」

紬「・・・」

梓「・・・」

さとみ「さ、戻りましょうか。今なら東京へ帰れるわ」

紬「やっぱり・・・」

梓「帰っちゃうんですね・・・」

さとみ「そういう約束だから、ね」

紬「・・・」

梓「・・・」

さとみ「むぎさんが日記を書くとしたらどんな内容になるのかしら」

紬「私が・・・?」

梓「そうですね・・・」

さとみ「毎日が大きく進化してるんじゃない?」

紬「大きく・・・?」

梓「強く・・・」

さとみ「どんどん強く大きく?」

紬「フォルテシモなDiary・・・ね」キラン

さとみ「答えは過去、旅の途中にあったのよ」キリ

紬「・・・」

梓「そうですか」

さとみ「えぇと、・・・はい」

紬「わ、私も旅に出た意味を探してみる!」フンス!

梓「・・・」

さとみ「是非聞いてみたいわね。・・・?どうしたのかしら」

紬「鳥羽さんがベンチに寝かされているのね」

梓「遊んでいるんですかね」

さとみ「でも先生もいるし・・・」

紬「ん~?」

澪「あっ」

先生「千歳・・・」

さとみ「ご迷惑をお掛けしました」

先生「帰る事に決めたんだな」

さとみ「はい」

澪「そっか・・・」

唯「さとみちゃん・・・」

律「うん。寂しくなるけど、しょうがないな」

ジョルノ「・・・もう大丈夫ですから、行きます」

先生「何かあったら連絡してくれよ」

ジョルノ「は、はい。それでは」

スタコラサッサ

先生「気をつけるんだぞジョルノ君」

梓唯律「「「 ブフッ 」」」

さとみ「?」

先生「切符を渡しておくから、荷物を持ったらきなさい。時間はあまりないぞ」

さとみ「はい」

スタスタ

さとみ「ふぅ・・・」

澪「ジョルノって?」

律「エレナに見せてもらおうぜ~」

唯「そうだよ、さとみちゃんまだみてないもん!」

梓「急ぎましょう!」

紬「?」

さとみ「気になる!」


――――

修治「そういうのよくないよ」

律「静かにしろジョルノ」

ジョルノ「くっ・・・」

エレナ「再生するネ」

ピッ

修治『ジョルノ・・・お前はこれから一人で生きていかなきゃ行けないんだぞ』

律「ジョルノはお前だ」

さとみ「クスクス」

澪「これは・・・」

紬「あらあら」

ジョルノ「こんなに引っ張られるなんて思ってないぞ」

梓「しょうがないですよ」

唯「そうだね。しょうがないよ」

修治『悪かった』

律「和解した瞬間である」

澪梓さとみ「「「 ブフッ 」」」

エレナ「以上ですワ」

小麦「何度みても面白いよ~」

ジョルノ「一度でいいよ・・・」

唯「もったいないよ・・・ジョル冶くん」

ジョル冶「混ぜないで」

律「もう外国行ってしまえよ」

さとみ「そ、そうね」ブルブル

澪「な、名前だけで暮らしていけそうだ・・・」ブルブル

紬「そうよっ!」

修治「行かないよ!」

エレナ「残念ですワ」

小麦「行けばいいのに」

梓「止めませんよ」

修治「もう一度繰り返す。行かないよ!」

さとみ「・・・ふぅ。最後まで楽しめたわ。ありがとう」

小麦律「「 いえいえ 」」

修治「・・・」

車掌「千歳さとみさん」

さとみ「あ、車掌さん」

車掌「当特急ヴェガへのご乗車誠にありがとうございました」

さとみ「こちらこそ、突然の乗車を快く受けてくださって感謝しています。ありがとうございました」

車掌「いえ・・・」

さとみ「乗車証を・・・お返しします」

車掌「はい、確かに」

エレナ「寂しくなりますワ」

小麦「うん・・・」

さとみ「二人とも元気で・・・。あなたたちには元気をたくさんもらったわ」

エレナ「そういってくれると嬉しいですワ」

小麦「うん!」

さとみ「ありがとう」

澪「・・・」

さとみ「むぎさん・・・、これ和さんが取った景品だけど・・・」

紬「いいの?」

さとみ「うん、大事にしてね」

紬「大切にする!」

梓「・・・ここでいいんですか?」

さとみ「自分の足でヴェガから離れて行きたいの」

梓「そう・・・ですか・・・」

唯「さとみちゃん・・・」

さとみ「急でごめんね、唯ちゃん・・・」

唯「・・・二人も降りちゃうなんて」

さとみ「私にもそんな顔してくれるのね・・・ありがとう」

唯「さびしいよ・・・」

さとみ「みんながいるじゃない、大丈夫!」

澪「げ、元気で・・・ね」

さとみ「うん!ベースとってもかっこよかった。忘れないわ」

澪「あ、ありがとう」

さとみ「むぎさんに髪型変えられた事、少し恥ずかしかったけど楽しかったわ」

澪「うん!」

律「・・・」

さとみ「・・・」

律「じゃあな」スッ

さとみ「・・・宣誓?」

律「ハイタッチだよっ」

さとみ「あ、あぁ。そうね、分かったわ」

パァン

律「へへっ、元気でなっ」

さとみ「うん!」

修治「じゃ、俺も」スッ

さとみ「ありがとう、修治くん!」

パァン

修治「名前で呼んでくれたぁ」ウルウル

さとみ「空気は読むわよ~」

エレナ「ワタクシもハイタッチですワ」

小麦「私もー!」

さとみ「ふふっ」

パンパァン

澪「わ、私も!」

さとみ「もぅ・・・ちょっと恥ずかしくなってきたんだけど」

パァン

唯「じゃ・・・っあ・・・ね!」

さとみ「唯ちゃんはいつまでもそのままでいて欲しいな」

パァン

梓「さようならです!」

さとみ「少しなまいきだけど、とっても可愛い子」

パァン

紬「よし、こぉーい!」

さとみ「不思議な人ね~」

パァン

車掌「・・・」スッ

さとみ「・・・素敵な・・・旅・・・でした・・・っ」

パァン

さとみ「っ・・・みんな、バイバイっ!」

タッタッタ

梓「・・・」

律「行ってしまったな」

紬「うん」

澪「あぁ・・・」

唯「・・・」

エレナ「・・・小麦ー!明日の準備しますヨー」

小麦「・・・うん!」

修治「律、売店のアイスでいい?」

律「あぁ、いいぜ~」

修治「じゃ、駅の売店で買ってくるわ」

スタスタ

律「おいしいヤツな~」

修治「はいよ~」

車掌「なんですか?」

律「私らの事、野郎扱いした罰です」ウシシ

車掌「まぁ」クスクス

律「変に律儀だよな~」

車掌「そうですね・・・。それでは私はこれで・・・」

律「はーい」

唯「ぅ・・・っ・・・」グスッ

梓「・・・っ」

澪「・・・」

紬「・・・」

唯「あずにゃぁん」

ダキッ

梓「・・・っ・・・」グスッ

唯「・・・っ」グスッ

梓「・・・とくべつ、・・・ですよ?」グスッ

唯「・・・ぅ・・・ん」グスッ

ギュウ

律「やれやれ」

澪「・・・」

紬「・・・」

律「どうすっか~」

澪「展望車でくつろぐか」

紬「・・・うん」



修治「みたらし団子入りカキ氷と宇治金時アイスどっち?」

唯「カキ氷アイス!」

律「アイスくれ!」

澪「アイスで」

梓「カキ氷!」

紬「カキ氷を~」

修治「はい二つ、はい、はい、はい、はい。秋子ちゃんは?」

秋子「私もいいんですか~?」

修治「余るから食べてくれると助かる」

秋子「私もアイスで!」

修治「どうぞ」

秋子「ありがとうございます~!」

唯「おいしいよ!」

律「サンキュー」

澪「本当だ、おいしい」

梓「カキ氷も美味しいです」

紬「ほんと~」

修治「で、なにやってるの?」


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