みらい「はい。律さんには背中を押してもらって・・・とても頼りになりました」

律「へへっ、楽しかったよ」

みらい「忘れられない思い出がたくさん出来ました」

さとみ「なにもしてあげられなかったけど・・・。元気でね」

みらい「ふふっ、一緒に色々な場所観光したじゃないですか」

さとみ「そうね、楽しかった」

紬「・・・それじゃ、元気でね」

みらい「紅茶とってもおいしかったです」

紬「嬉しいわ~」

みらい「・・・とっても」

唯「むぎちゃん、これ・・・いいかな?」

紬「それは唯ちゃんのものよ」

唯「うん、ありがとー」

梓「あ、それは・・・」

唯「はい、みらいちゃん」

みらい「ガラス細工の・・・チキンちゃんですよね。いいんですか?」

唯「うん!」

澪「むぎが小樽で買ったヤツ・・・」

紬「そうなの」

みらい「大事なものなんじゃ・・・」

唯「みらいちゃんこれみて欲しがってたでしょ~?」

みらい「買いに行こうと思ってただけですよ・・・?」

唯「小樽にしかないんだよ?」

律「それを渡す意味も分からんけどな」

梓「確か・・・それを選ぶと敬愛する人っていう話でしたよね」

律「へー」

澪「なるほどな」

律「・・・なんだよ」

澪「なんでもない」

紬「うふふ」

みらい「ありがとうございます・・・。私のと交換しましょう」

唯「あ、輪島の・・・。ありがと~」

みらい「大事にしますね」

唯「うん!」

秋月「そろそろいくわよ」

みらい「はい。・・・HTTFが復活できれば・・・いいなと思ってます」

梓「そうだね」

律「気が向いたらな~」

澪「大物だなぁ」

紬「うふふ」

みらい「・・・」

唯「・・・」

みらい「・・・太陽が照らし続けてくれる限り・・・私はわたしでいられるの」

唯「あ・・・。そうか・・・それじゃずっと照らしててあげ・・・えと、ずっと光を送り続けるよ」

みらい「・・・ありがとう」

唯「月があるから太陽も認められるんだ」

みらい「そうね・・・。それじゃあ・・・わたしは行くわ」

唯「うん」

みらい「・・・」

唯「じゃあね!みらいちゃん!」

みらい「はい!ありがとうございました!」



さとみ「行ったわね~」

律「これからが正念場なのに」

澪「それなのに笑顔を崩さなかったな」

さとみ「・・・負けてらんないな~」

律「お、なんかあるのか?」

澪「探るなっ」ビシッ

律「あいたぁ」

さとみ「ふふっ、みんなが眩しいわ」

澪「前髪下ろしたほうがいいぞ、律」

律「そうだな。って何度目だよこのネタ」

さとみ「前髪後ろに持っていったらどうかしら」

澪「それでは意味がないよ」

律「じゃあどうすんだよー」

さとみ「・・・」

澪「・・・」

律「・・・」

さとみ澪「「 無いかな 」」

律「ぐっ・・・」

―――

唯「・・・」ボー

梓「・・・」

紬「・・・」

唯「へへ、やっぱり慣れないや~」

梓「唯先輩・・・」

唯「四葉ちゃんと別れるときは、大丈夫だったんだけどな~」

紬「ううん。大丈夫そうな顔してなかったわ」

唯「そっか~」

梓「はい。唯先輩は唯先輩ですから」

唯「えへへ」

紬「別れに慣れない唯ちゃんが、私は好きよ」

唯「! むぎちゃぁん」

ガバッ

紬「唯ちゃん・・・」

唯「今までの・・・別れも頑張っ・・・てきたけど・・・っ」グスッ

梓「・・・」

唯「やっぱり・・・寂しい・・・よぉ・・・」グスッ

紬「うん・・・」

唯「もう・・・会えない・・・なんて・・・っ・・・さびしい・・・よ・・・」ボロボロ

紬「うん」


ギュウ

唯「こんなに・・・辛い・・・なんて・・・っ・・・思わなかった・・・っ」ボロボロ

梓「・・・」

唯「もっと、お喋りしたい・・・もっと時間が・・・ほしいよ・・・」ボロボロ

紬「・・・うん」

梓「・・・っ」グスッ

唯「でもでも・・・」グスッ

紬「・・・」

唯「わたし、ヴェガに・・・乗ってよかった・・・よ」グスッ

紬「うん」

唯「たくさんの・・・っ・・・人と出会えて・・・よかった・・・」グスッ

梓「・・・」

唯「あり・・・がと・・・う、むぎ・・・ちゃん」グスッ

紬「・・・っ」

唯「へへ、むぎちゃんに甘えちゃった」

梓「・・・しょうがないですね」

紬「ふふ」


―――

澪「・・・」

さとみ「・・・」

律「・・・よぉーし・・・っ・・・ご飯食べにいくべー」

スタスタ

さとみ「・・・そうね。食堂車?」

律「ん~、せっかくだから外で名物食べようぜー」

さとみ「賛成~」

澪「・・・」

梓「ご飯ですね」

律「なに食べる?」

唯「どこ行くの!?」

さとみ「まだ決めてないんだけどね~」

澪「・・・また先を行かれた、な」

紬「・・・澪ちゃんも一緒にいるわ」

澪「うん・・・」

唯「澪ちゃ~ん、なに食べよっか~?」

澪「そうだな・・・」

さとみ「梓ちゃんは決まった?」

梓「京都ラーメンを食べます」キリ

紬「私は、にしんそば~」

唯「生八ツ橋」

澪「食べろよな」

唯「冗談です!」

律「じゃ、私は湯豆腐にしよっかな~」

さとみ「・・・私もにしんそばにしよう」

澪「京野菜が食べたい!」

唯「わたしもあずにゃんと一緒でいいや」

梓「唯先輩、そんな心構えで食べたら後悔しますよ」

唯「そうなんだ!?」

律「・・・」


さとみ「おいしかったわね~」

紬「おいしかった~」

さとみ「みんなで食べるご飯っておいしいのね」

紬「そうよ~。ご飯は笑顔でいただかなくっちゃ~」

さとみ「友達とこんな風にくだけて食べた事なかったから・・・余計に美味しく感じたの」

紬「ふふっ、嬉しいわ」

さとみ「・・・わたし」

紬「・・・?」

さとみ「唯ちゃんの言葉を聞いてて分かった事があるんだ」

紬「分かったこと?」

さとみ「うん・・・旅に出た意味・・・かな・・・」

紬「もう見つけたの?」

さとみ「とっても近くにあったわ」

紬「・・・そうなの」

さとみ「みんなに聞いて欲しいな」

紬「それを言ったら、帰っちゃうの・・・?」

さとみ「旅と呼ぶようになった理由が見つかってないわ」

紬「そうね~」

さとみ「どうして嬉しそうなのよ~」

紬「そんな顔してた?」

さとみ「えぇ」



律「すっげえうめえの、湯豆腐」

唯「あずにゃん、おいしかったね!」

梓「はい!」

澪「京野菜おいしかった~」

律「湯豆腐うまかった~」

唯「ラーメンに乗ってた野菜も京野菜なの?」

梓「そうですよ、ネギが甘くてしゃきしゃきで・・・」

グゥー

唯「私じゃないよ?ご飯食べたばっかりだもん」

梓「ですよね。私でもありません」

澪「・・・」

律「心温まる湯豆腐だったな~」

澪「食堂車で何か食べる?」

律「・・・うん」

修治「やっときたか。・・・待ってたぜ」

律「な、なにかあったのか?深刻な顔して・・・」

梓「どうしたんですか・・・」

修治「アイスが溶けちゃった」

唯「え~!」

澪「どうして今買ったんだ・・・」

修治「これ律の分な」

律「・・・アホ?」

唯「修治くん、脈絡の無い事するよね」

澪「・・・」

修治「冗談だよ・・・」

澪「捨てたらダメだ」

修治「捨てないよ・・・食堂車の冷蔵庫借りる」

律「・・・アホ?」

修治「これはネタです。マスコミいなくなったから大丈夫だよ」

唯「マスコミ?」

澪「あ、もう9時か・・・」

梓「そうですよね。こんな時間まではいませんよね」

修治「・・・さとみちゃんは?」

律「・・・アホ?」

修治「壊れた再生機か・・・」

梓「むぎ先輩ともうそろそろ着くと思いますが・・・どうしてですか?」

修治「んー・・・。車掌さんに聞いたんだけど、学校関係者が探してるんだと」

梓「!」

律「・・・どういう事だ?」

修治「俺とさとみちゃん、昼の生放送に出たからさ・・・。そのせいかも」

澪「あの時の?」

唯「テレビに出たの?」

修治「マスコミが来ててさ、インタビューを受けたんだよ」

梓「私たちから注目を逸らせるため・・・です」

澪「・・・私たちのせい・・・かな?」

修治「それは本人に聞いてみよう」

律「あ、来たか・・・」

紬「ヴェガに戻らないの?」

さとみ「・・・みんなに聞いて欲しい事があるんだけど」

唯「なに~?」

梓「あ、あの」

「千歳!」

さとみ「せ、先生、どうして!?」

唯「先生?」

先生「この馬鹿者がっ!」

バシィン

さとみ「っ!」

紬梓「「 っ! 」」

唯「!」

律「ちょ、ちょっと!いきなり叩くなんて!」

先生「部外者は黙っててもらおうか!」

澪「部外者・・・」

さとみ「・・・」

先生「無断欠席したと思ったらテレビなんぞに出やがって・・・。自覚が足りんのか!」

さとみ「すいませんでした・・・」

先生「まったく!どれだけの人に迷惑をかけたと思ってる!」

さとみ「はい・・・」

先生「校長先生が直々に頼んでくれたおかげで推薦枠はまだ残ってる。明日の朝会うんだ!」

さとみ「・・・」

先生「私からもお願いしてやるから。分かったな!」

梓「そんな・・・一方的な・・・」

紬「・・・」

先生「さ、帰るぞ!」

梓「ちょっと待ってください!」

紬「ま、まだ話したい事が」

さとみ「いいの、今までごめんなさい。・・・私帰る事にする」

律「・・・」

唯「そんな・・・」

澪「・・・」

梓「で、でも・・・」

紬「理由を・・・見つけてないわ・・・」

さとみ「うん・・・延長時間が過ぎちゃったの・・・ね。こんな最後でごめんなさい」

梓「い、意味は見つけたんですか!?」

さとみ「うん・・・見つけたと思ったんだけど・・・それを話したかったんだけどね」

紬「あ・・・」

先生「もう、その辺でいいだろ」

さとみ「みんなは旅を続けてください・・・そして」

唯「や、やだ」

さとみ「さようなら」

スタスタ

律「・・・」

澪「・・・」

唯「やだ・・・よ」

梓「唯先輩・・・」

紬「・・・」

唯「こんな別れ方・・・嫌だよ・・・」

紬「!」

タッタッタ

紬「まって!」

さとみ「むぎさん?」

紬「こんな旅の終わり方はダメだと思うの!一生後悔すると思う!」

先生「おい、キミ!」

さとみ「わ、わたしは!」

紬「まだ終わらせられない」

ガシッ

梓「行きましょう、さとみさん!」

さとみ「あ、梓・・・ちゃん」

紬「行きましょう!」

さとみ「うん!」

タッタッタ

先生「待ちなさい!」


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