スタスタ

「バス乗り場どっち?」

紬「?」

梓「?」

「バス乗り場」

紬「あ、北上さん」

梓「バス乗り場・・・ですか」キョロキョロ

緑「知らないならいいの・・・じゃ」

紬「あ、あっちじゃないかしら?」

梓「そうです」

緑「そう・・・」

紬「・・・」

梓「・・・?」

緑「これ・・・」

紬「乗車証?」

梓「あ、さっききぐるみ脱いだとき外れたんですよ、むぎ先輩」

緑「・・・」

紬「あ、ありがとうございます」

梓「・・・」

緑「・・・じゃ」

スタスタ

紬「よかった~」ホッ

梓「・・・それを渡すために声をかけてくれたんですかね」

紬「ふふ、そうかも」

梓「・・・」

紬「さぁ、行きましょう~」ニコニコ



―――――銀閣寺

梓「いぶし銀!?」

紬「うまい喩えね~」

梓「いいですね、自然と調和しています」

紬「そうね。金閣寺のような華やかさはないけど、落ち着かせる風景ね」

梓「おぉ、境内が広いです」キラキラ

紬「素敵な庭園ね」

梓「さすが国宝とされるだけありますよね。ここだけ時間が止まっているみたいです」

紬「大事に守られているのね~」

梓「あの砂の波紋もよかったですよね」

紬「銀沙灘ね。近世以降に造られたものじゃないかと云われているわ」

梓「だからですかね。あそこだけ異質な空間にも感じられました」

紬「そうね~。過去の建物なのに現代的な芸術が混ざってたようだったものね」

梓「銀閣寺・・・面白い場所ですね」

紬「うふふ」



―――――京都駅

律「しつけえな~」

唯「お兄さんたちしつこいよ!」ビシッ

「京都案内してやるって~」

「清水寺からダイビングしたつもりでさ~」

唯「説明求む!」

律「あぁ、説明はいいや。修治より寒いから・・・」

「あぁ~、人が優しくしてりゃ~」

寒い男「京都の盆地よりへこむぜ~」

律「・・・」ビュウウウ

唯「意味分かんないよ!」


修治「・・・なにやってんだよ」

「・・・」スッ

修治「ん?」


寒い男「いいじゃん行こうずぇ~」

「ビリケンさんに挨拶しなきゃな~」

「それは大阪だろ、アホ」

律「え?」

唯「ん?」

アホ「あぁ!?ってでかっ!」

寒い男「京都タワーかよっ」

「類は友を呼ぶんだね~」

寒い男改めアホ2「んだとぉ!」

律「おぉ」キラキラ

唯「りっちゃん!?」

修治「惚れたな」

唯「修治くんどうしたの!?」

修治「平沢さんテンション高いね・・・?」

アホ「あんま調子乗ってると烏丸通りだぞ!?」

アホ2「鴨川でバーベキューにすんぞ!?」

「これ以上京都を汚すこと言ってるとひねるぞ!?」ビキビキ

バカバカ2「「 すいませんでした 」」

タッタッタ

修治「おぉ」

律「かっこいいー」キラキラ

唯「かっこいい!」

「あはは、もう大丈夫みたいだね」

律「あ、姉御と呼んでいいですか」キラキラ

「は?」

修治「惚れこんだみたいです」

唯「助かりました!姉御!!」

姉御「いや・・・まぁいいか。これっきりだろうし」

律「助かりましたッス!」

唯「オス!」

修治「・・・」

姉御「・・・」

秋子「姉御さま~!」

姉御「え!?」

修治「秋子ちゃんもみてたの?」

秋子「はい~。かっこよかったです~」キラキラ

律「感謝してるッス」

唯「そうッス」

姉御「うわぁ・・・」

修治「面白い・・・」プクク

姉御「じゃ、じゃあね」

タッタッタ

秋子「まって~、姉御さま~」

タッタッタ

修治「さわ子先生の次はあの人か・・・」

律「じゃ、行くか」

唯「金閣寺!」

修治「・・・」

律「修治はどうしてここに?」

修治「適当に歩いていただけ・・・」

唯「駅前を?」

修治「あー・・・うん。俺も金閣寺に行っていいかな?」

唯「もちろんだよ!カムオーン!」

律「しゃあねえな」

修治「よっしゃ行くべさ!」

唯「行くべー!」

律「うるさいの追加」



―――――草津

「ごゆっくりどうぞ~」

唯「どうして喫茶店に入ったの?」

みらい「降りる前に電話があって、ここで待っていろ・・・と」

律「誰から・・・?」

みらい「前の事務所で一緒に活動していたプロデューサーです」

唯「・・・どうして今頃?」

みらい「お話があるそうで・・・。近くにきているそうです」

律「ふ~ん・・・。これはいい感じに流れてきてるのかな・・・」

唯「ど、どんな人!?」

みらい「とても厳しくて・・・とても気配りができて・・・とても優しい人・・・です」

律「ほぅ・・・」キラン

唯「どんな活動してたの?」

みらい「一緒にボイトレしたり・・・。ダンスのレッスンしたり・・・。お仕事もほとんど一緒でした」

律「歌詞書いたのもその人だよな」

みらい「はい、そうです」

唯「・・・ふむふむ」

みらい「芝居の稽古もつけてくれて、厳しかったですけど・・・その人のおかげでとても充実していました」

律「・・・恋する乙女みたいだな」ニヤニヤ

唯「まったくですな~」ニヤニヤ

みらい「・・・」

「おまたせ・・・みらい」

みらい「お久しぶりです」ガタ

「そのままでいいわ」

唯「女の人じゃん!」

律「なんだよ~」

みらい「ふふっ」

「どうしたの?」

みらい「なんでもありません」クスクス

「・・・。初めまして、私はこういう者です」スッ

律「あ、名詞までくれて・・・。秋月さんですね」

唯「初めまして・・・私はこういう者です」スッ

律「それはこの店のアンケート用紙だろ」

みらい「ブフッ」

秋月「・・・」

唯「他になかったんだもん」

律「無理しなくてもいいんだよ。私ら高校生なんだから」

唯「それで・・・お話の続きを聞かせてもらいませんか?」

律「始まってすらねえよ」

みらい「ふふ」

秋月「楽しそうに笑うようになったわね」

みらい「え・・・?」

秋月「時間がないから単刀直入に言うわ。うちに戻ってきなさい、みらい」

律「・・・」

唯「おぉ・・・」

みらい「えぇと・・・」

秋月「・・・どうかしら?」

みらい「・・・」

律「一つお聞きしたいのですが、いいですか?」

秋月「なんでしょうか?」

律「どうして事務所を移籍させたんですか?」

唯「・・・」

秋月「・・・」

律「あなたの事信頼してたみたいです・・・」

秋月「・・・」

唯「・・・」

みらい「・・・」

律「どうしてですか?」

秋月(・・・なるほど、あの曲が生まれた理由が分かった・・・)

唯「・・・」

みらい「・・・」

秋月「・・・飯山みらいは私が担当した初めての子でした」

律「・・・」

秋月「これだけの素材を埋めてしまうんじゃないかって。不安もあって・・・」

みらい「・・・」

秋月「それでも一緒に活動していましたから・・・頑張るつもりでした」

唯「それなら・・・どう・・・して」

秋月「移籍の話が上がったとき、みらいに運が転がり込んできたと思いました
   この業界は運を掴めないと上へはあがれません」

唯「実力や努力だけでは・・・」

秋月「そういう事です」

みらい「・・・」

律「なるほど・・・」

秋月「TVで頑張っているみらいをみて、これでよかったと納得させていました」

みらい「・・・」

律「自分を偽っていたのに?」

秋月「人を楽しませる嘘・ハッタリはアイドル、いえ芸を持つ人たちには必要な事だと考えています」

唯「・・・」

秋月「解雇されたと聞いても、うちの事務所が・・・私がみらいを受け入れる資格なんてないと思っていました」

律「それならどうして?」

秋月「昨日、名古屋城に私もいました」

みらい「えっ?」

唯「・・・」

秋月「あの曲を聴いて後悔しました」

律「後悔・・・?」

秋月「えぇ・・・、自信を持って支えてあげればよかったと、手放すべきじゃなかった・・・と」

みらい「・・・」

唯「・・・気づくの遅いよ~」ブー

律「そうだぜ~」ブー

秋月「・・・」

みらい「唯さんは・・・この話に反対ですか?」

唯「ううん。秋月さんなら人を傷つけさせる嘘をつかせないと思うから・・・」

律「うむ」

秋月「・・・」ホッ

唯「秋月さん、みらいちゃんをよろしくお願いします」

みらい「・・・っ」

律「唯・・・」

秋月「はい、任されました」ニコ

唯「やった、やったよりっちゃん!」

律「あぁ、やったな唯!」

みらい「・・・っ」

秋月「そうと決まったら行くわよ、みらい」

唯「え?」

律「ど、どこへ?」

みらい「・・・」

秋月「ここの近くで白澤監督の撮影があるので・・・って、あなたたちもしかして」

唯「私たちも行くよ!」フンス!

律「そうだぜ、その為にここで降りたんだからな」

みらい「・・・」

秋月「申し訳ないけど遠慮して下さい」

律「ど、どうしてだよ!」

秋月「放課後ティータイムにはまだ謎でいて欲しいので」

唯「謎・・・?」

みらい「・・・話題を作るためですね」

秋月「そういう事。撮影現場にマスコミがいれば危ないですから」

律「マスコミ?」

秋月「ネットの動画サイトにHTTFの動画流しておきました」

唯「・・・」

秋月「安心して下さい、みらいと曲しか拾っていませんから」

みらい「・・・」

秋月「もしみなさんが、うちからデビューするっていうのなら話は別ですけど」

唯「我慢します!」

律「はは・・・」

秋月「それじゃ、私たちはこれで失礼します」

唯「うん・・・。頑張ってねみらいちゃん!」

律「あぁ、私たち応援してるからな!」

みらい「唯さん・・・律さん・・・っ」

秋月「・・・」

みらい「み・・・っ・・・みな・・・っさんにはっ・・・」

秋月「ダメよ、みらい」

みらい「・・・っ!」

秋月「・・・」

みらい「・・・・・・後でヴェガに・・・行きますね」

唯「うん!」

律「じゃあ後でな!」

秋月「お世話になりました」

みらい「それでは」

唯「うん」

律「・・・」

唯「・・・」

律「意外とあっさり物事がすすんだな・・・」

唯「そうだね~。京都に行こうかりっちゃん!」

律「そうだな!」


~~~~

律「って訳だ!」

唯「やったよ!」ブイッ

梓「よかったです!」

澪「あぁ、よかった」

紬「えぇ・・・よかったわ」

さとみ「うん」

修治「・・・」

唯「あずにゃんの帽子姿かわいいよ~!」

律「澪までメガネかけて・・・どうしたんだよ?」

澪「ちょっとな」

紬「ちょっとね~」

律「まぁ、いいけども」

唯「さぁ、金閣寺だよあずにゃん!」

梓「は、はい!」

澪「ゆ、唯」

律「みお」

澪「・・・?」

律「・・・」フルフル

澪「・・・」コクリ

紬「・・・」

さとみ「・・・」

修治「・・・」

唯「みんななにやってるのー!」

梓「一緒にみましょー!」

律「よっしゃ、行くか!」

澪「あぁ!」

紬「そうね!」

さとみ「そういえば私も初めてみるのよね!」ワクワク

修治「ふむ」


唯「あずにゃん、さとみちゃん、ここを越えると金閣寺が見えるんだよ」

梓「・・・」ゴクリ

さとみ「・・・」ゴクリ

修治「どんな反応するのやら」

律「見ものだ」ウシシ

梓「さ、さとみさん用意はいいですか?」

さとみ「えぇ・・・出来てるわ」

梓「3,2,1で飛び出しましょう」

さとみ「了解よ」

律「3」

紬「2」

澪「1」

唯「ゴー!」

タッタッタ

梓さとみ「「 あ、意外とこじんまりしてますね 」」

修治「なんてこった・・・」


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