――――

律「消すぞー」

純「はーい」

律「よし」モゾモゾ

純「いや、消してくださいよ」

カチッ

律「おつかれ」

純「無駄な手間だと思いません?」モゾモゾ

律「くかー」

純「うわ・・・くかーって寝息初めて聞いた」

律「・・・」

純「・・・」

律「りこぴーん」

純「ブフッ」

律「しずかにしてくれない?」

純「ひどい・・・」

律「・・・」

純「・・・」

律「りこぴんぴん」

純「・・・」

律「ザーサイ」

純「ブフッ」

律「あのな佐々木・・・」

純「なにがしたいんですか・・・鈴木です」

律「・・・」

純「・・・」

律「なにがしたいのか分からない鈴木です」

純「くっつけないでください」

律「・・・」

純「・・・・・・」

律「・・・・・・」

純「あれ?」

律「・・・ん?」

純「ネタぎれですか?」

律「眠りの妨げになってるんだぞ?」

純「・・・」

律「まったく」

純「・・・ひどい」

律「・・・」

純「・・・」

律「ザーサイ二つ」

純「ブフッ」

律「そうか・・・そんなに私とおしゃべりしたいのか」

純「・・・」

律「・・・」

純「・・・」

律「ザサーイ」

純「・・・ッ」

律「ふむ・・・」

純「・・・」フゥ

律「ザーサ」

純「ザーサイから離れてくださいよ」

律「・・・」

純「・・・」

律「・・・」

純「・・・・・・」

律「」ウトウト

純「・・・律先輩」

律「ぅん、ん?」

純「あ、すいません。起こしちゃいました?」

律「眠りに落ちる所だったけど。何?」

純「・・・少し話していいですか?」

律「いいぞー・・・、ふぁ」

純「ちょっとだけ・・・律先輩はどこから乗車したんですか?」

律「仙台から」

純「列車の旅行ってどうですか?」

律「・・・すっごい楽しい」

純「・・・」

律「乗ったそうそうドラム叩いたんだぜ」

純「・・・」

律「東京で梓が一旦降りて代わりに憂ちゃんが乗ってきて、松本で降りて、和が乗って」

純「・・・」

律「金沢で降りて、さわちゃんが乗ってきて・・・名古屋でみんな乗った」

純「・・・」

律「そして今日、ライブまでしたんだ」

純「・・・」

律「乗客のみんなとも仲良くなれた。これで楽しくないわけが・・・あれ?」

純「聞いてますよ」

律「・・・」

純「・・・・・・」

律「つまんなかった?」

純「いえ・・・なるほどーと思いました」

律「・・・」

純「梓も憂も真鍋先輩も楽しそうにヴェガの話をしていて」

律「・・・」

純「それで、今日一日みなさんと一緒にいたことを思いなおしていたら」

律「・・・」

純「なるほどーって」

律「そっか」

純「はい」

律「寝るのがもったいねーってなるよな」

純「さっき眠りかけてましたよね」

律「はは、さすがに体がなぁ」

純「そうですね。それなのにベッド譲ってもらってすいません」

律「いいって・・・」

純「・・・」

律「おやすみ・・・」

純「はい・・・おやすみなさい」

律「・・・」

純「・・・」ゴロン

律「」ウトウト

純「・・・」ジー

律「」スヤスヤ

純「・・・」

律「」スヤスヤ

純「なるほどなー」ボソッ


――――

梓「消しますよ?」

さわ子「ちょっとまって」モゾモゾ

梓「・・・」

さわ子「いいわよー」

カチッ

梓「・・・ふぁ」

さわ子「・・・」

梓「唯先輩寂しがってますかね」

さわ子「多分・・・ね」

梓「ですよね」

さわ子「・・・」

梓「・・・」モゾモゾ

さわ子「気になるの?」

梓「・・・はい」

さわ子「様子見に行く?」

梓「いいですよ。ギターの練習してそうですから」

さわ子「そうよねぇ」

梓「・・・」

さわ子「本音は?」

梓「行きたいです」

さわ子「ほぅ」

梓「でも他の乗客にも迷惑かかりそうで」

さわ子「じゃ、そっとしておきましょう」

梓「・・・」モゾモゾ

さわ子「素直なのかそうでないのか分からない子ねぇ」

梓「うっ」

さわ子「来たら部屋に入れたらいいじゃない」

梓「そうですね」

さわ子「・・・」

梓「・・・」

さわ子「さとみちゃん、悩みの事言ってた?」

梓「知ってたんですか?」

さわ子「ちゃんとは知らないわ」

梓「・・・」

さわ子「・・・誰かにそれを言ったのならそれでいいのよ」

梓「・・・でも、時間切れで明日の朝降りちゃうそうです」

さわ子「そう・・・」

梓「・・・」

さわ子「自分で決めたんならしょうがないわ」

梓「・・・」

さわ子「・・・」

梓「・・・」モゾモゾ

さわ子「納得してないみたいねぇ」

梓「うぅ」

さわ子「・・・どうしてそんなに気にかけるのよ」

梓「さとみさんがいい人だから・・・です」

さわ子「昨日会ったばかりじゃない」

梓「私たちの曲を楽しんでくれた人です」キリ

さわ子「あら・・・」

梓「冗談です」

さわ子「あらら」

梓「むぎ先輩たちとの接し方をみればそうなんじゃないかって」

さわ子「・・・」

梓「・・・」

さわ子「来て正解だったわ」

梓「え?」

さわ子「あなたたちの成長ぶりを間近でみられたもの。これ以上の」

梓「・・・?」

さわ子「なんでもない・・・忘れて」

梓「これ以上のなんですか?」

さわ子「寝るわよ」

梓「気になって眠れません」

さわ子「読み取りなさいよ」

梓「・・・」

さわ子「・・・」

梓「読み取れませんでした」

さわ子「古いデータじゃないんだから」

梓「・・・」

さわ子「・・・ふぁ」

梓「さわ子先生」

さわ子「教えないわよ」

梓「いえ、どうしてみらいのプロデュースしたんですか?」

さわ子「・・・」

梓「・・・」

さわ子「・・・そうね。梓ちゃんはヴェガの乗車証を貸してくれたから・・・教えてあげるわ」

梓「・・・」

さわ子「私の生徒が傷つけられたからよ」

梓「・・・!」

さわ子「許せないと思ったけど・・・」

梓「けど・・・?」

さわ子「あの子は・・・あの子たちは自分で立ちあがったわ」

梓「・・・」

さわ子「それ見てたら、そんなのどうでもよくなって、応援したくなったって訳」

梓「・・・」

さわ子「らしくないわね。今のも忘れてちょうだい」

梓「・・・はい」

さわ子「・・・やけに聞き分けいいわね」

梓「先生ですから」

さわ子「・・・」

梓「おやすみなさい」

さわ子「そうね・・・もう一つだけ教えておくわ」

梓「・・・?」

さわ子「さとみちゃんはむぎちゃんがなんとかするみたいよ」

梓「なんとか・・・?」

さわ子「それは知らないけど、さっき何か考えていたわね」

梓「・・・気付かなかったです」

さわ子「・・・その時、むぎちゃんと手助けしてあげなさい」

梓「?」

さわ子「とても楽しかったわ。ありがとね梓ちゃん」

梓「・・・!」

さわ子「おやすみ」


――――

紬「消しま~す」

唯「はいよー」

カチッ

紬「おやすみなさ~い」

澪「おやすみ・・・」

紬「・・・」

澪「・・・」

唯「・・・」モゾモゾ

紬「・・・」

澪「唯・・・狭くないか?」

唯「ううん、澪ちゃんあったかいよ?」

紬「まぁ・・・」

澪「今、夏の夜なんだけど」

唯「そうだね」

紬「・・・」

澪「・・・」

唯「寝ちゃうの?」

紬「さっきまでお喋りしてたじゃない」

澪「そうだぞ」

唯「そだね」

紬「・・・」

澪「・・・」

唯「ガスの元栓閉めたっけ?」

紬「コックさんを信じましょう」

澪「・・・」

唯「戸締りは大丈夫かな?」

紬「車掌さんのセキュリティは完璧よ」

澪「・・・」

唯「花火キレイだったね」

紬「観覧車から観るなんて素敵だったわぁ」

澪「・・・」

唯「夜景もキレイだったよね~」

紬「そうそう、目の前には花火、その下に広がる街灯も綺麗で」

澪「唯ちょっと来て」グイッ

唯「あ~れ~」

ガチャ

紬「どこ行くの?」

澪「専門家に頼んでくる」

バタン

唯「専門家って?」

澪「・・・」

コンコン

「あ、来た」

澪「私だけど」

「澪?」

ガチャ

唯「おいっすー」

澪「お願い」

和「連れてこられるなんて予想外だったわ」

憂「ほんとだね」

澪「むぎが眠れそうに無いから」

和「それはいけないわね」

唯「お邪魔します」

澪「よろしく」

憂「はーい」

和「おやすみ」

澪「おやすみ」

バタン

澪「・・・はっ」

シー・・・ン

澪「・・・」

スタスタスタスタ

ガチャ

バタン

澪「・・・」モゾモゾ

紬「どうしたの?」

澪「な、なんでもない」ガクガク

紬「・・・」

澪「・・・」フゥ

紬「・・・」ジー

澪「・・・ふぁ」

紬「・・・・・・ふぁ」

澪「・・・」

紬「・・・」

澪「ん?」

紬「ん?」

澪「・・・?」

紬「・・・」ジー

澪「ど、どうした?」

紬「・・・・・・澪ちゃん変わったなぁ、と思って」

澪「わ、わたしが?」

紬「・・・うん」

澪「そう、かな・・・」

紬「うん」

澪「多分・・・」

紬「・・・?」

澪「私が変わったんじゃなくて・・・みんなが変わっていってるんだよ」

紬「・・・」

澪「私は・・・まだ・・・律に、みんなに手を引っ張ってもらってるだけだ」モゾモゾ

紬「ホッチキスのアレンジ・・・は?」

澪「あれは・・・」

紬「・・・」

澪「正直、自信がない・・・」

紬「さわ子先生は」

澪「ああ言ってくれたけど・・・私は」

紬「・・・」

澪「私はただ・・・」

紬「・・・」

澪「エレナさんと小麦がお互いを引っ張りあっているのを羨ましく思って・・・」

紬「・・・」

澪「私も律を引っ張りたいって、ただそれだけなんだ」

紬「・・・」

澪「律が抑えていただけなら、それは引っ張っていたんじゃないから」

紬「・・・そう」

澪「みんなの横を歩いているつもりだけど・・・」

紬「・・・」

澪「それでもみんなが先へ行ってしまうから・・・」

紬「・・・」

澪「みんなの視野が変化しただけで・・・」

紬「・・・」

澪「わたしは・・・なにも変わってないんだ」モゾモゾ

紬「・・・」

澪「梓も、唯も、律も、むぎも・・・先にいるんだ。私も・・・追いつきたい」

紬「わたしも・・・?」

澪「うん・・・。さとみさんとホームで話しているの見てて」

紬「あの時?」

澪「あ、ごめん」

紬「ううん」


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