8月9日




愛「律さん・・・本当にありがとうございました」

律「いいけどさ、みんなに挨拶しなくていいのかよー」

愛「はい、みなさんにはこれからライブがありますから。寝かせてあげたいです」

律「そっか」

愛「澪さんには・・・」

律「大丈夫だ、もう澪は怒ったりしないよ。納得するって」

愛「・・・そうだと嬉しいです」

律「・・・」

愛「律さんといると・・・いつも晴れた気分になれました」

律「へへっ」

愛「わ、わたしも・・・憧れていいですか?」

律「あー・・・あれね」

愛「はい」

律「い、いいんじゃないかなー」

愛「ありがとうございます」

律「このお守り・・・、ありがとな」

愛「・・・いえ」

律「はい、返すよ。ご利益あったみたいだぜー」

愛「それ、律さんが持っててください」

律「え?」

愛「残りの旅路を守ってくれるように・・・です」

律「そっか・・・、分かった。ありがと」

愛「・・・」

律「・・・愛ちゃんとめぐり会えてよかったよ」

愛「・・・っ」

律「風邪ひいたらみんなが心配してくれてさ」

愛「・・・」

律「転んだときは誰かが、手を差し伸べてくれるんだ」

愛「・・・」

律「水かけられたとき、むぎと修治がハンカチ差し出してくれたし」

愛「あ、あれは・・・」

律「まぁ、その後に遊びもあったけどさ。それも嬉しいし楽しいじゃん」ニカッ

愛「・・・はい」

律「それを断るのも断られるのも寂しいよ」

愛「・・・」

律「だから迷惑かけるのも心配かけるのも友達だから」

愛「・・・っ」

律「それでオッケーだ!」

愛「・・・」

律「愛ちゃんの不幸が私に災いしたとしても、それに気付かせてくれたのは・・・
  他ならぬ愛ちゃん自身だから・・・・・・あえて本当によかった」

愛「・・・っ」グスッ

律「なんつって」ウシシ

愛「・・・」

律「・・・」

愛「私・・・自分を好きになろうと思います」

律「うん」

愛「人を好きになる自分を・・・好きになりたいと思います」

律「・・・愛ちゃんっ!」ダキッ

愛「り、律さん!?」

律「愛ちゃんみたいないい子が幸せになれないハズがないから!」

愛「・・・っ」

律「絶対に幸せになれるから!頑張って幸せになってよ!」

愛「・・・はい」

律「・・・よしっ!」

愛「・・・」グスッ

律「へへ、愛ちゃんをこれ以上不幸にしたら私が神様に説教してやるよ!」

愛「ふふ・・・心強いです」グスッ


prrrrrrrrrrrrrrrrrr

律「それじゃ、元気でな!」

愛「はい・・・みなさんによろしくお伝えください」

律「・・・うん」

愛「・・・」

律「・・・」

愛「・・・」

律「・・・?」

愛「扉・・・閉まりませんね」

『東京行き急行列車、只今電気系統のトラブルにより運転を見合わせています。
 もうしばらくそのままでお待ち下さい』

愛「あ・・・」

律「へへ、ラッキーだな」

愛「・・・はい」

紬「まって~」

テッテッテ

律「あ、むぎ・・・」

愛「紬さん・・・」

紬「ふぅ、よかった」

律「どうして・・・?」

紬「車掌さんから聞いたの。はい、借りてた本。お返しします」

愛「読み終えました?」

紬「えぇと・・・」

律「昨日寝るまで練習してたからなぁ」

愛「ふふ、それ差し上げます」

紬「いいの?」

愛「はい、私何度も読んでいますので」

紬「そうなんですか。それじゃ大切にしますね」

愛「はい!」ニコ

律「・・・!」

愛「律さん・・・説教する必要ないみたいです」

律「え?」

愛「私・・・気付きましたから」

紬「・・・?」

愛「最後までみなさんの練習を聞いてて思ったんです
  こんなに素敵な仲間がいるなんて、律さんは幸せそうだなって」

律「・・・」

愛「でも、私の本を大切にしてくれると言った紬さんの言葉で気付けました」

律「え・・・?」

愛「私にも大切な仲間が待っていてくれてるんです」

紬「・・・」

律「そっか!」

愛「だから・・・私幸せなんです」ニコニコ

律「・・・っ」

紬「愛さん・・・」

『大変長らくお待たせしました、東京行き間も無く発車します』

律「そ、それじゃあ元気でな!」

紬「元気でね愛さん」

律「ほ、ほら行くぞむぎ!」

紬「り、りっちゃん?」

愛「ありがとうございました、お元気で!」

律「じゃーなー!」

紬「バイバイ、愛さん!」


――――

律「最後・・・笑ってくれた・・・」

紬「りっちゃん・・・」

律「本当に、幸せそうに・・・笑ってく・・・・・・れたぁ」グスッ

紬「・・・うん」

律「あ・・・ありが・・・と・・・むぎ」グスッ

紬「愛さんに笑顔を出させたとしたら、りっちゃんよ」

律「・・・ぅ・・・っ・・・」ボロボロ

紬「いつも愛さんを気にかけていたものね」

律「・・・あ・・・あり・・・がと・・・っ」ボロボロ

紬「・・・っ」

律「へへ、すっごく嬉しかったから・・・堪えきれなかった」グスッ

紬「・・・」

律「私が泣いた事・・・みんなには内緒・・・な」グスッ

紬「ふふ、分かったわ」

律「みんなを叩き起こすぞー!」

タッタッタ

紬「まって~」

タッタッタ

律「100%幸せになれ!」


コンコン

「はい」

ガチャ

紬「あずさちゃん起きてる?」

梓「バッチリ覚めてます!」

紬「それじゃ、食堂車行きましょう?」

梓「そうですね。自分の部屋なんですから、ノックしなくてもいいのに・・・」

紬「ふふ、そうね~」

律「なんでむぎの部屋に梓がいるんだよ?」ヒョコ

梓「先生をベッドで寝かせたほうがいいと思って」

紬「優しいのね」

律「本音は?」

梓「むぎ先輩とお話したかったからですよ!」

紬「あらあら」ウフフ

律「意外と素直だな・・・私さわちゃん起こしてくるよ」

紬「お願いね~」

バタン

律「えーと・・・ここか」

コンコン

・・・

律「えぇー・・・まだ寝てるのかよ」

澪「どうした?」

律「あぁ、澪か・・・さわちゃんが起きなくてな」

コンコン

澪「なんで梓の部屋・・・?」

律「梓はむぎと仲良く眠ってたらしい」

唯「な、なんですと!?」

律「あ・・・」

唯「真偽を確かめてくるよ!」

テッテッテ

律「テンション高いな~」

澪「・・・」

コンコン

律「開けるぞ、さわちゃん!?」


澪「・・・りつ?」

律「ん、なに?」

澪「なにかあった・・・?」

律「・・・・・・愛ちゃん降りたよ」

澪「・・・そっか」

律「うん」

澪「・・・私も挨拶したかったのにな」

律「ごめんな」

澪「いいよ・・・律がちゃんとお別れしてくれたんだろ?」

律「そうだぞ!」

澪「・・・まだ、目が赤いよ」

律「うそっ!?」

澪「うそだ」

律「謀ったな小娘!」

澪「出た、武田信玄」

律「へへっ」

澪「ふふっ」

ガチャ

さわ子「うるさいわねぇ・・・青春なら河川敷でやりなさいよぉ」

律「やっと起きたか・・・」

さわ子「今何時ぃ?」

澪「7時になりますけど」

さわ子「あと3時間寝かせてよ・・・ふぁ」

澪「間に合わないっ!」

さわ子「早寝はしても早起きはNO NO NO」

律「惰眠貪ってるだけじゃねーか!」

唯「あずにゃん、次は私と一緒に寝ようよ!」

梓「まだ曇ってますね」

紬「雨降らないといいけど・・・」

梓(来るっ)サッ

唯「あ~ず~にゃん!」ダキッ

梓「し、しまった」

唯「うっへっへ」スリスリ

梓「朝から・・・」

紬「うふふ」

さわ子「目が覚めたわ。先に行っててちょうだい」

律澪「「 はい 」」

―――

さわ子「そう・・・」

律「・・・」

唯「・・・」ションボリ

澪「愛さんは予定があったんだからしょうがないよ」

唯「うん・・・」

梓「唯先輩・・・」

律「そんな顔してたら愛ちゃんも悲しくなるぞ」

唯「・・・うん」

さわ子「あらら」

梓「昨日の愛さんをみて気付いたんですけど・・・」

唯「?」

梓「青森で会ったときより・・・なんていうか、顔つきが変わったというか」

律「そうなのか?」

梓「はい。失礼ですが、最初は不自然な笑顔だったんですけど、昨日は真剣に笑ってました」

唯「真剣に・・・」

紬「真剣・・・に・・・」

梓「変なこと言ってすいません」

唯「そっか。そうだったら・・・嬉しい・・・な」

律「あぁ」

澪「・・・とっても嬉しい」

紬「・・・うん」

さわ子「なるほど・・・ね」

梓「・・・」

律「むぎ、読み終わったら貸してな」

紬「もちろん!・・・というより、りっちゃんが持ってたほうがいいわ」

律「私が・・・?」

紬「えぇ、大事にしてくれたら喜ぶと思うの」

律「そっか・・・」

澪「・・・愛さんの本?」

律「そうだぞ」

唯「どんな内容!?」

紬「えっとね・・・未来を変えられた主人公が・・・」

さわ子「あ! さっさと食事済まして練習行くわよ!」

律「そうだった!」

唯「むぎちゃん後でね!」

紬「そうね!」

さわ子「成功させるわよ!」

律唯紬「「「 イエス、ボス!! 」」」

さわ子「あのねぇ・・・」

梓「ボス・・・?」

澪「エレナさんがそう呼んでるんだ」プクク


――――

律「名古屋城!!」

唯「in HTTF!!」

梓「逆ですよ」

唯「HTTF IN!!」

梓「もういいです」

紬「in 名古屋城よ唯ちゃん」

唯「そ、そうか!!」

梓「通勤ラッシュで注目されていましたね」

澪「恥ずかしかった・・・」

律「はは、これからステージに立つんだ。あれもいい練習になった」

紬「そうね~」

澪「あれ、みらいとさわ子先生はどこへ行った?」

紬「先にステージに行ったのかしら?」

唯「こうしちゃいられない!みんな行くよ!」

タッタッタ

律「待てって!」

澪「しょうがないな」

紬「うふふ」

梓「私も!」

タッタッタ

「あ、行っちゃった」

「皆さん元気ですねー」

「ふふ、緊張なんてないみたいね」

――――

さわ子「フフフ、似合うわよみらいちゃん」

みらい「この衣装・・・どこで・・・」

さわ子「貸衣装よ!」グー

みらい「・・・」

さわ子「小麦ちゃんの情報収集力は絶大ね~」

みらい「わ、私一曲だけですよ?」

さわ子「あら、そんなの関係無いわ」

みらい「・・・」

唯「うぉーー!みらいちゃん可愛いー!!」

みらい「あ、みなさん」

紬「可愛いわ~」

澪「うんうん」

律「さすがアイドルだな着こなしが違うぜ」

梓「・・・スタイルいいなぁ」ボソッ

さわ子「フフフ」

唯「ん?どうしたのさわちゃん?」

律「」ゾクッ

さわ子「あなたたちも着るのよ!」

澪「」ピキーン

唯「やったー!」

紬「まぁまぁまぁ」

律「いやいやいやいや、嫌だ!!」

さわ子「昨日私を無視した罰よ!」

梓「で、でもサイズは・・・」

さわ子「ふふふ、私が把握していないと思って?」

律「なんで把握してんだよ!」

さわ子「うるさい、早く着替えなさい」ギロ

律「・・・ぐっ」

さわ子「さぁ・・・着るのよ」ジリ

律「いくら私でも・・・これはキツイ」ジリ

さわ子「そんなことないわ・・・」ジリ

律「・・・精神的にもキツイんだよ」ジリ

さわ子「・・・フフフ」ジリ

律「なにがおかしい・・・?」ジリ

さわ子「あなただけよ。着てないのは」

律「なっ!?」

唯「むぎちゃん可愛い~」

紬「唯ちゃんも可愛いわ~」

梓「変じゃない?」

みらい「似合ってますよ」

澪「」


49