ザーーーー

紬「ん~」ノビノビ

澪「ん~・・・と」ノビノビ

さとみ「雨止まないね」

紬「そうね、どんどん強くなるみたい」

澪「明日晴れるといいな」

さとみ「あの曲はアレンジなの?」

紬「えぇ、そうよ」

さとみ「オリジナルも聞いてみたいかも」

紬「そうねぇ・・・」

澪「うーん、それじゃ後でやってみるか」

さとみ「ありがとー!」

澪「ベースとなる曲を弾いておいて損はないと思うんだ」

紬「でもやりすぎると・・・」

澪「そうだな、ショートで一回だな」

「えぇーん、お母さーん」ウェーン

紬「?」

緑「ほらほら泣かないで、一緒に探してあげるから」

澪「迷子かな?」

紬「北上さん・・・」

さとみ「知り合い?」

紬「え、えぇ・・・金沢から乗車してきたみたい」

迷子「ほ、ほんと・・・?」グスッ

緑「えぇ、だから泣かないで」

紬(優しい表情・・・)

緑「さ、行きましょうか・・・」

迷子「う、うん・・・」

紬「あ、あの・・・」

緑「! なに・・・?」ジロッ

澪「ヒァッ」

さとみ「・・・大丈夫よ澪さん。多分いい人だから」ヒソヒソ

紬「私も手伝いましょうか?」

緑「・・・」

スタスタ

紬「あ、待って!」

テッテッテ



ザーーーー

「ありがとうございました。助かりました」

迷子「おねーちゃん、ありがと・・・じゃあね」

緑「・・・」

さとみ「よかったわね」

澪「見つかってよかった」

紬「・・・」

緑「あの子・・・寂しかったのよ」

澪「?」

緑「誰もいないところで一人で・・・」

さとみ「そうね・・・」

緑「・・・子供なら泣いてもしょうがないわ」

紬「北上さん・・・?」

緑「・・・別に」

さとみ「・・・でも北上さんって優しいのね」

澪「・・・私も勘違いして」

緑「バカみたい・・・」

スタスタ

さとみ「」ピキーン

澪「」ピキーン

紬「あらあら」

唯「むぎちゃーん、集まって~」

紬「ちょっと待って~」

テッテッテ

唯「どうしたの?」

紬「二人ともフリーズして・・・」

唯「よし、髪型を改造しよう」

紬「そんなことしたら・・・ダメよ~」ウフフ

唯「澪ちゃんはツインにしてさとみちゃんはポニーでいこう」

紬「了解よ!」


prrrrrrrrrrrr

紬「二人とも起きて~」

澪「あ、出発か」

さとみ「怖い夢を見ていたわ」

唯「さ、乗るよ~」

澪「あ、あぁ」

さとみ「なんだか頭が・・・」

紬「さぁさぁ」

さとみ「う、うん」

プシュー

ガタン ゴトンガタン 

さわ子「イメチェン?」

さとみ「えっ?」

澪「ん?」

律「ふーん、似合ってるんじゃないか?」

みらい「はい、可愛いです」

さとみ「な、なに・・・?」

澪「?」

さとみ「あっ!」

紬「ダメっ、そのままそのまま」

さとみ「むぎさんがやったの!?」

紬「うふふ」

唯「私もやりました!」

さとみ「・・・もぅ」

澪「似合ってるよ、さとみさん」

さとみ「・・・澪さんもね」

澪「えっ!あっ!?」

さとみ「直すからね」

澪「私も」

紬「あらー」

さわ子「ダメよ!」

ガシッ

さとみ澪「「 うっ 」」

さわ子「名古屋までそのままでいなさい!」

さとみ澪「「 ハァ・・・ 」」

ダンダンダダダダン

コック「どうだ?」

律「バッチリ!」

コック「そうか」

律「これって水戸で降ろしたやつ?」

コック「よく分かったな」

律「へへ、いい巡り合わせだ」

コック「・・・なるほど」

律「ほら、遊んでいないで練習するぞ」

澪「部室でもその調子でいてほしいな」

唯「やぁーるぞー!」

紬「おぉー!」

さわ子「それじゃ、アレンジいってみよう」

―――――♪


ジャン

パチパチパチパチ

唯「ありがとー」フリフリ

紬「さわ子先生どうでしたか?」

さわ子「唯ちゃんはいいけど、澪ちゃんがね・・・」

澪「うぅ・・・」

律「緊張してんのか」

澪「それもあるけど・・・。律じゃなくて私なんですか?」

さわ子「りっちゃん走っちゃうじゃない」

律「そうです!」

澪「はい・・・」

さわ子「澪ちゃんがりっちゃんをしっかり引っ張るのよ」

澪「・・・はい」

唯「走っちゃうりっちゃんをしっかり引っ張って頑張ってみっおちゃん!」

紬「小さい『っ』をたくさん使ったのね~」

さとみ「めちゃくちゃよ・・・」

みらい「ふふ」

さわ子「もう一回いってみましょう」

みらい「はい!」メラメラ

さわ子「みらいちゃんはここで座ってなさい」

みらい「」ガーン

さわ子「あからさまに落ち込まないの、聴くのも勉強よ」

みらい「はい!」メラメラ

さわ子「唯ちゃん、いつでもどうぞ」

唯「はいよー!」



―――――♪



ジャン

パチパチパチ

唯「セーンキュー」

さわ子「うーん・・・」

澪「・・・うぅ」

修治「先生は納得してないみたいだな」

さとみ「難しいのね」

コック「まぁな、ドラムもベースを意識しすぎてイマイチ乗れてない」

さとみ「ベースが澪さんですよね」

修治「そうだよ」

さとみ「大丈夫かな・・・」

コック「あいつらはまだ若い、どうなるか予想つかん」

修治「・・・なんか羨ましい」

さとみ「・・・うん」

さわ子「ま、いいわ。焦らずいきましょう、休憩よ」

律「そうだな~」

澪「・・・はい」

唯「大丈夫だよ!私たち出来るもん!」

紬「そうよ!」

車掌「山中さん・・・よろしいでしょうか?」

さわ子「あら、車掌さん?なにかしら」

車掌「・・・こちらへ」

さわ子「・・・?」

スタスタ

律「・・・?どうしたんだ」

澪「さぁ・・・?」

みらい「おつかれさまです」

さとみ「おつかれ~」

修治「差し入れの飲み物だ受け取れぃ!」

紬「まぁ、ありがと~」

律「気が利くな、貸しは減らないけど」

修治「こんなんで減らせると思ってねーよ」チッ

律「舌打ちしたじゃんか」

さとみ「ふふ」

唯「こうやってこう」

ジャジャン

みらい「そうですね『仮面を脱ぎ捨て~』はその方がいいと思います」

澪「・・・」

律「しっかし、この歌詞・・・今のみらいを書いたようにしかみえないな」

紬「私もそう思ったわ~」

修治「今の事務所に入る前の歌詞なのにな・・・」

さとみ「不思議な話よね~」

律「『仮面を脱ぎ捨て 素顔の自分に出会うの 私は恐れを知らない』」

澪「プロデューサーと書いたって言ってたよな」

紬「見越していたのかしら」

律「・・・巡りあわせ・・・かな」

さわ子「りっちゃん、澪ちゃんちょっと」

澪「・・・はい」

律「なに?」

さわ子「車掌さんについていって」

車掌「車掌室までお願します」

紬「・・・?」

澪「は、はい」

律「わ、分かった」

車掌「・・・」

スタスタ

修治「空気が張り詰めていたけど・・・」

さとみ「なにか・・・?」

さわ子「気にしなくていいわ・・・むぎちゃんと唯ちゃんでなにか演奏しててちょうだい」

唯「おっけ~」

紬「なにを弾きましょうか?」

さとみ「そうねぇ・・・他にもオリジナルってあるの?」

修治「・・・・・・雨止まないな・・・」

ザーーーーー



車掌「時間がない所、誠に申し訳ありません」

澪「いえ・・・」

律「いいけど・・・」

車掌「松浦愛さんの件で少々困ったことになりまして」

澪「愛さんの?」

律「!」

車掌「先ほどご家族の方から連絡が入りました」

澪「・・・?」

律「家出・・・ですか?」

車掌「・・・はい。そのようです」

澪「律知ってたのか!?」

律「何かを隠しているような様子だったから・・・家族からって聞いて、妙に納得した・・・」

車掌「・・・名古屋に到着次第、警察に引き取ってもらいます」

澪「そんな!」

律「当然だな・・・」

澪「・・・律!」

律「家出だぞ・・・どれだけ周りに心配かけてると思っているんだよ」

澪「で、でもっ」

車掌「・・・ですが、私は明日の朝までやらなきゃいけない仕事がありますので・・・」

律「え?」

車掌「警察へ連絡するのは明日の朝になります」

澪「・・・それって」

車掌「明日の朝、松浦さんがご自分で降りていただければ、こちら側の言う事はありません」

律「澪、行くぞ」

ガチャ

澪「うんっ」

車掌「お願します」

律「ありがとう、車掌さん」

バタン


律「ちょっと待って澪」

澪「急がないと時間が」

律「落ち着けって、聞きたいことがあるんだけどさ」

澪「・・・なに?」

律「愛ちゃん・・・私が風邪ひいた時どんなだった?」

澪「そ、それは・・・」

律「見たこと聞いたこと、正直に言って」

澪「・・・律にばっかり迷惑かけているから、・・・その」

律「・・・」

澪「・・・・・・・・・泣いてた・・・・・・」

律「それで・・・?」

澪「・・・・・・・・・・自分なんか・・・・・・・・・いなければいいって」

律「・・・っ」

ガンッ

澪「・・・モノにあたるな」

律「・・・」

澪「落ち着け」

律「落ち着いてるよ」

澪「・・・」

コンコン

「・・・はい」

律「愛ちゃん、中に入れてくれる?」

「!」

律「開けてくれないなら勝手に開けるよ?」

澪「お、おい」

ガチャ

愛「どうぞ・・・」

律「・・・」

澪「邪魔するね」

バタン

愛「・・・」

律「さっき会ったときどうして逃げるように去ったの?」

愛「・・・え?」

律「さすがに私たちに合わせる顔が無いと思った?」

愛「!」ビクッ

澪「・・・」

律「悪いことをしているとやっと実感できた?」

澪「おい、律」

愛「私・・・」

律「逃げたな・・・愛ちゃん」

澪「律ッ!」

愛「・・・」

律「家族、友達からの信用を裏切って、新しい場所で」

澪「黙れ律ッ!」

律「自分だけで笑って過ごせると思ったのか?」

澪「・・・いい加減にしろよ、許さないぞ」

律「なんだよっ!誰かが言わないとずっとこのままだろ!」

澪「言葉を選べって言ってるんだよ!」

律「どうせ私は不器用だよっ」

愛「・・・さ・・・い」

澪「そんな事言ってるんじゃないだろ!愛さんの境遇を考えろと言っているんだっ!」

律「なにが一番不幸なのかを知らないから教えているんじゃないかっ!」

愛「・・・ん・・・なさ・・・い」

澪「あ・・・」

律「・・・」

愛「・・・ごめ・・・ん・・・なさ・・・い」

澪「・・・」

律「・・・」

愛「私が・・・っ・・・・・・・・お二人・・・に・・・嫌な思いまで・・・っ・・・させて・・・」ボロボロ

澪「・・・」

愛「ケンカまで・・・させてっ・・・しまって・・・・・・もう・・・・・・嫌で・・・・・・す」ボロボロ

律「・・・」

愛「・・・こんな・・・自・・・分・・・・・・もう・・・っ・・・え・・・て・・・」ボロボロ

律「・・・っ」

ギュウ

愛「・・・!」


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