みらい「・・・」

ガタンゴトン ガタン

紬「さて、観光の準備をしましょうか」

和「そうね」

澪「私は律の所へ行ってくるから、みんな楽しんできて」

唯「りっちゃんの事は任せたよ!」

澪「うん」

みらい「・・・みなさんどちらへ?」

唯「片町っていう所だよ」

みらい「そうですか」

紬「一緒に行きますか?」

みらい「あ、いえ・・・スケジュール確認がありますので・・・残念ですけど」

和「そう・・・」

みらい「・・・それでは」

澪「うん、じゃあね」

唯「じゃあね~」

プシュー

紬「着いたのね」

「ヴェガはこれで合ってるのよね・・・」

和「よっ」ピョン

シュタッ

「あ、いたいた」

和「金沢ね」

紬「ここまで来たのね~」

和「長旅お疲れさま」

唯「まだまだこれからだよむぎちゃん!」

紬「そうよね!」フンス!

和「さて・・・」キョロキョロ

唯「修治くんどこかな~」キョロキョロ

澪「みんな、私も行くよ」

紬「あら?」

澪「律が『みんなと行って来い』って」

和「律らしいわね」

唯「そだね」

「お前らが来るのを待っていたァアア!」

澪「ヒァッ」

唯「あっ!さわちゃ~ん」

紬「さわ子先生~」キラキラ

さわ子「あまり驚かないのね・・・」ガッカリ

和「山中先生、明日乗車のはずじゃ・・・?」

さわ子「この日のために頑張って来たのよ。褒めて?」

澪「聞こえない聞こえない」ブルブル

唯「わーい、さわちゃんと観光できるー!」

紬「私も嬉しいわ~」

さわ子「そう言ってくれるのは嬉しいんだけど、もっと驚いてくれた方が・・・」

澪「な、なんだ、さわ子先生か・・・さわ子先生っ!?」

和「乗車証一つしかないですけど・・・」

さわ子「今日はビジネスホテルに泊まるから気にしないで」

唯「え~、ヴェガに泊まらないの~」ブー

紬「しょうがないわ唯ちゃん」

和「車掌さんに迷惑かけてはダメよ」

修治(そろそろ声掛けてもいいかな・・・)

車掌「あら、観光へは行かれないのですか?」

さわ子「車掌さんですか・・・?」

車掌「はい、ヴェガの車掌を務めさせていただきます、美弥澪と申します。山中さわ子さんでよろしいですか?」

さわ子「はい、そうです」

車掌「中野さんからお話は伺っています。よろしくおねがいします」

さわ子「よろしくお願します。この子達がお世話になっているそうで」

車掌「いえ、乗客皆様の旅をより一層楽しませてくれていますので。こちらとしては感謝しているぐらいですよ」ニコニコ

唯「えへへ」テレテレ

紬「えへへ」テレ

澪「えへへ」テレ

和「・・・」

さわ子「そうですか・・・」

車掌「えぇ」ニコニコ

さわ子「そういえば、りっちゃんはどうしたの?」

唯「りっちゃん風邪で寝込んでいるんだよ」

さわ子「あらあら、災難ね~」

修治(そろそろいいかな・・・)

さわ子「それにしても・・・」ジロジロ

車掌「な、なにか・・・?」

さわ子「車掌服もいいねぇ」ジー

車掌「え、えぇと・・・」

唯「そーだ!車掌さんも片町へ行こうよ!」

紬「それはいいアイディアね!」

澪「お、おい・・・」

和「困らせてはダメよ」

車掌「すいません・・・ヴェガの点検等もございますので・・・」

さわ子「そう・・・残念ねぇ」

コック「2時間くらいなら俺がヴェガを見ててやるよ」

澪「!」ビクッ

唯「澪ちゃん、コックさんは見た目怖いけどいい人なんだよ~」

和「後ろから声を掛けられると誰でもびっくりするわよ・・・」

コック「ガッハッハすまねぇな!・・・美弥、遠慮せずに羽伸ばして来い」

車掌「ですが・・・」

コック「たまにはいいだろ。後は任せとけ」

スタスタ

唯「おぉ、かっこいい!」

さわ子「決定ね・・・」

車掌「ではお言葉に甘えて・・・着替えてまいりますので少々お待ち下さい」

紬「わぁ・・・」キラキラ

澪「・・・思いがけない展開だな」

修治「あ、あの・・・」

和「・・・」

さわ子「夜に歩いても店や博物館は閉まってるんじゃないの?」

唯「あ・・・」

紬「あ・・・」

和「みんなと金沢の町を歩くってだけでいいのよ、私は」

澪「・・・そうだな」

さわ子「・・・ふむ」

美弥「おまたせしました」

唯「着替えはやっ!」

修治「髪長っ!」

和「やっと会話に参加できたわね・・・」

美弥「うふふ、待たせてはいけませんので」

紬「まぁ・・・」

澪「あの車掌帽子にそれだけの量の髪を納めていたんですか・・・?」

美弥「そうです。コツをつかめば誰にでもできると思いますよ」

修治「すげぇや」

唯「まったくだぜ」

さわ子「・・・ところでこの子は?」

修治「話しかけるタイミングをつかみ損ねていた鳥羽修治です」キリ

さわ子「・・・そう、よろしくね」

修治「なんだろう・・・この虚しさ」

唯「りっちゃんがいないからツッコミがいないんだよ」

和「打って響かせてくれる存在は貴重よね」

修治「うんうん」

紬「それじゃ、行きましょうか~」


さわ子「あなたたちご飯は食べたの?」

唯「食堂車で食べたよ~」

和「えぇ、美味しかったわ」

美弥「ふふ、料理長が聞いたら喜びますね」

さわ子「さっきの方?」

紬「そうです。味は逸品ですよ~」

澪「はは、絶賛だなむぎ」

「みなさんっ、こっちに居たんですね!」

唯「みらいちゃん!」

修治「大丈夫なのか?マネージャーに怒られるんじゃ・・・」

みらい「抜け出して来ちゃいました」

和「肝が座ったアイドルね」

さわ子「アイドル・・・?」

美弥「えぇ、一日車掌を務めた飯山みらいさんです」

みらい「あれ・・・?」

さわ子「この子たちの担任の山中さわ子よ。よろしく」

みらい「は、はい。よろしくお願します」ペコリ

さわ子「本当にあの『飯山みらい』?」

唯「そうだよ~、あの飯山みらいちゃんだよ!」

みらい「唯さん・・・」

さわ子「ふーん、車掌服着てたの・・・?」ジロジロ

みらい「え・・・」

さわ子「ふむふむ」ジー

和「なるほど、ストッパーがいないとこんな感じになるのね」

澪「あ、あぁ、律の事か・・・」

紬「うふふ」

唯「もぉ~さわちゃん~」

さわ子「あら、ごめんなさいね。それじゃ行きましょうか」

美弥「ふふ、そうですね」

修治「・・・なんだろうこの疎外感」


「なんだあの集団・・・」

「先頭のツートップレベル高くね?」

「あぁ、メガネの人と髪の長い人な!おい、Aお前行って来いよ」

A「いやBお前が行ってこいって」

B「いや、Cがいつもの手で行ってこいよ!」

C「自信ねーよ!Dお前が行け」

D「待て、後ろの子たちもヤバくね?E声掛けて来いって!」

E「聖域だろあれ!汚れた俺らじゃダメだって!Fお前クリスチャンだろ!行け!」

F「カンケーねーよ!Gお前の手品で興味引いて来い」

G「ネタ仕込んでねーよ!Hお前の歌唱力でなんとかしろ」

H「ごえ゛ががれ゛で・・・Iがん゛ばれ゛」

I「任せろ」

修治「あ・・・誰かくる」

和「え・・・?」

修治「あ・・・引き返した」

和「・・・?」

修治(それにしても周りの目が痛いなぁ・・・)

ギロギロ

修治(俺が悪いのかな・・・)

唯「どうしたの?」

みらい「どうしたんですか?」

修治「いや・・・なんでも、あっ」

紬「どうしました?」

修治「みんな隠れてて」

将人「ちっ、夜に出歩くとは・・・」イライラ

和「! あっちよ」

澪「うんっ」ササッ

みらい「あっ、マネージャー」

唯「みらいちゃん早く」

みらい「は、はい」

修治「みんな隠れててね」

紬「分かった」ハラハラ

タッタッタ

唯「修治くんどうするんだろ」

修治「車掌さん」ヒソヒソ

美弥「えぇ、分かってます。山中さんは私に任せてください」ヒソヒソ

修治「はい」

さわ子「どうしたのよ?」

美弥「山中さん・・・片町は」

さわ子「え・・・?」

将人「ちっ、なんで貴様がここを歩いている?」

修治「どこで何をしようと俺の勝手だろ?」

将人「ふん・・・みらいはどこだ?」

修治「え・・・?」

将人「隠すと後で後悔させるぞ・・・」

修治「・・・」

将人「さぁ、言え」

修治「みらいちゃんが来てるの?」

将人「・・・」

修治「そうかぁ、みらいちゃんも片町に来ていたのかぁ」フヒヒ

将人「ふん、そんなわけないだろ。みらいは個室にいる」

修治「ちぇ」

将人「・・・ふんっ」

スタスタ

美弥「・・・という訳で香林坊と呼ばれるようになりました」

さわ子「なるほど」

美弥「どうやらうまくいったみたいですね」

修治「車掌さんに気付かないなんて・・・芸能界のマネージャーとしてどうなんだ」

美弥「服装と髪型が違いますから」ウフフ

さわ子「・・・?」

唯「修治くーん」

修治「・・・もういいよ~」


タッタッタ

紬「スリルあって面白かった~」

澪「うん!」キラキラ

さわ子「あら」

和「澪まで楽しんでいたの?」

唯「今の澪ちゃんはジェットコースターにも乗れます!」

さわ子和「「 えっ!? 」」

澪「みんなで隠れて楽しかった!」キラキラ

紬「うふふ」

ワイワイ

みらい「すいません、ご迷惑をおかけして・・・」

修治「みんな楽しんでいるみたいだから、気にしないで」

みらい「・・・」

修治「ほら、皆笑っているでしょ?それでいいじゃん」

みらい「そういっていただけると・・・」

「み、みらいちゃん・・・?」

修治「ん?」

「ほ、本物のみらいちゃんだよね・・・?」

修治「だ、だれだ・・・?」

みらい「ファンの方だと思います・・・」

オタクA「み、みらいちゃん・・・」

修治「ちょっと下がってみらいちゃん」

みらい「・・・え?」

オタクA「な、なんでお前がみらいちゃんのそばにいるんだよ・・・」

修治「あ・・・と、ご、ごめん」

オタクA「謝って済んだら警察は要らないんだよぉ、待っててね今助けるから・・・」

修治「そ、その棒切れでどうするつもりだよ・・・」

オタクA「・・・うるさいなぁ」

修治「マジかよ・・・幸いみんなは気付いていないな・・・。よし、走るよみらいちゃん!」

ガシッ

みらい「は、はい!」

オタクA「み、みらいちゃんを離せー!」

ブンッ

修治「あ、あぶなっ」

オタクA「みらいちゃんは僕が守るんだぁー」ブンッ

ガンッ

修治「・・・ってー」ズキズキ

みらい「!」

和「修治!?」

唯「修治くん!?」

オタクA「お、おまえが悪いんだからなー!」

ドスドスドス

修治「あのヤロー・・・みらいちゃんの前で暴力振るいやがって・・・それでもファンかよ」

紬「だ、大丈夫ですか!?」

みらい「腕を・・・」ガクガク

美弥「見せてください」

修治「・・・大丈夫ですよ。相手をビビらせる為に大げさに痛がっただけだから」

さわ子「ちゃんと見せなさい」

修治「ほ、本当に大丈夫ですって。ほら」ブンブン

澪「・・・ホッ」

さわ子「無茶しないでよねぇ・・・」

修治「みらいちゃん・・・俺大丈夫だから気にしないで?」

みらい「ぁ・・・」ガクガク

修治「相手もあまり力入ってなかったみたいでさ、腫れもしない程度だから」

みらい「で、でも・・・」ガクガク

修治「あー・・・と」

唯「みらいちゃん・・・」ダキッ

みらい「ぁ・・・」

唯「大丈夫だよ~」ナデナデ

みらい「・・・」

さわ子「・・・」

美弥「・・・」

唯「だいじょう~ぶ、だいじょう~ぶ」ナデナデ

みらい「・・・はい」

澪「・・・」ホッ

紬「・・・よかった」

和「えぇ」

修治「よかった・・・俺のせいでトラウマになったらどうしようかと」

さわ子「だったらあれくらい避けなさいよね~」

修治「次みらいちゃんと歩く時はそうします」キリ

和「アイドルと歩くなんて、もうないわよ?」

修治「ですよね~」アハハ

澪「ブフッ」

紬「うふふ」

美弥「ふふ」

みらい「・・・ありがとう、修治さん、唯さん」

修治「問題無し」

唯「そうだよ~」ギュウ

澪「いつまで抱きついている気だ」グイ

唯「あ~れ~」ズルズル

美弥「・・・本当に大丈夫ですか?」

修治「はい、エレナに受け流しを習ってましたから」

澪「エレナさんに?」

修治「知らなかった?エレナ、空手の有段者だよ?」

澪紬和唯「「「「 えぇ!? 」」」」


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