さとみ「重要なところは読んでいない・・・って」

和「読んだのは私よ・・・むぎは関係ないわ。ごめんなさい」

紬「・・・」

さとみ「それならどうして・・・謝ったの・・・?」

紬「・・・それは・・・日記と聞いて少し興味をもったから」

さとみ「・・・」

和「・・・」

紬「・・・」

さとみ「・・・ふふっ」

和「ふふ」

紬「・・・?」

さとみ「ふふふ・・・それは思ってても言わないほうがいいのに」

和「ふふ、そうね」

紬「えぇと・・・」アセアセ

さとみ「和さんもよ・・・その部分を言わなければ波風たてずに済むのに」

和「・・・特別視の意味を理解したからよ」

紬「・・・?」

さとみ「・・・そう」

和「えぇ」

紬「・・・」オロオロ

さとみ「日記は小学校からの習慣で今でも毎日つけてるの・・・」

紬「・・・」

和「・・・」

さとみ「でも・・・書くことは似たような事ばかり・・・。学校で目新しい事も無くて書いててもしょうがない気がするの」

紬「でも・・・」

さとみ「・・・?」

紬「その日記にはたくさんの出来事が書けるんじゃないかしら?」

和「・・・」

さとみ「そう・・・ね。それじゃ用事を思い出したから」

紬「・・・本当にごめんなさい」

和「ごめんね」

さとみ「ううん、気にしないで。拾ってくれたのが二人でよかったと思うから」

紬「・・・」ホッ

さとみ「それじゃ、また」

和「えぇ、またね」

紬「和ちゃん、特別視って?」

和「・・・今は知らないままでいいわ。あなたはあなたのままでいてちょうだい」

紬「・・・?」

和「それがあの子の為になる」

紬「・・・今のままと変わらずに接しればいいのね?」

和「そうよ」

紬「分かったわ!」フンス!

紬「あら・・・愛さん、りっちゃんのお見舞い?」

愛「あ・・・紬さん。よかった」

紬「中に入らないの?」

愛「私が入って迷惑かけるのも嫌ですので・・・これを渡してもらえますか?」

紬「これは・・・お守り?」

愛「はい。健康祈願のお守りです。律さんに持っててほしくて」

紬「分かったわ」

愛「お願します」

スタスタ

紬「・・・」

コンコン

・・・

ガチャ

紬「りっちゃん?失礼するわね」

律「」スー

紬(タオル取り替えましょうか)

律「」スー

紬「・・・」

律「う・・・ん?」

紬「あ、ごめんね。起こしちゃった?」

律「むぎ・・・?」

ガバッ

紬「起きても大丈夫・・・?」

律「あぁ・・・ふぁあ・・・・・・今何時・・・?」

紬「えぇと、7時になるところね」

律「そっか・・・」ボケー

紬「体温測る?」

律「・・・うん」

紬「はい」

律「さんきゅ」

紬「愛さんがこれ渡してくれって」

律「・・・ん?お守り?」

紬「そうよ」

律「・・・心配かけたかな」

紬「みんな心配してるわ」

律「うん・・・。金沢の観光どこ行くか決めた?」

紬「ううん、まだよ」

律「明日には回復させるから・・・決めといて」

紬「どこか行きたいところある?」

律「んー・・・兼六園と能登半島」

紬「ふふ、分かったわ」

ピピピピ

律「・・・37.8℃か」

紬「さ、横になって」

律「ん・・・」モゾモゾ

紬「タオル変えるね」

律「ありがと・・・」

紬「いえいえ~」

律「さっきから気になってるんだけどさ」

紬「なぁに?」

律「あのたくさんの果物はなに?」

紬「みんな心配してるのよ~」

律「だれから・・・?」

紬「えぇと、桃はさとみさん。バナナはエレナさんと小麦さん。りんごは愛さん。みらいちゃんがマンゴー」

律「パイナップルが修治か・・・」

紬「ご名答よ」

律「なんでそれを選んだ・・・アイツ・・・」

紬「変かしら?」

律「存在感がなぁ・・・貸し2つだな・・・」

紬「貸し?」

律「なんでもない・・・」

紬「タオル冷たくない?」

律「あぁ・・・いい感じだ・・・」ボケー

紬「おやすみ」

律「・・・お・・・やす・・・み・・・」

――――

エレナ「ミオさん、小麦を見なかったデスカ?」

澪「こ、小麦?見てないけど・・・」

エレナ「小麦はドンドン先へ行ってしまうので・・・すぐ見失ってしまうネ」

澪「ふふ、二人とも仲がいいよね・・・ずっと二人で旅を続けるんだよね?」

エレナ「いえ・・・小麦も高校三年生・・・私と一緒にいてもいいのカト・・・」

澪「えっ?」

エレナ「オー、今のは小麦にはナイショヨ?」

澪「エレナ・・・さん?」

エレナ「それじゃ、ワタクシは個室をみてくるネ、バーイ!」

スタスタ

唯「澪ちゃーん」

澪「唯・・・どこへ行っていたんだ?」

唯「娯楽車にいたんだよ~。小麦ちゃんと遊んでた」

小麦「そういう事~」

澪「あ、小麦・・・エレナさんが探してたよ」

小麦「え?どうしたんだろ・・・」

澪「個室へ行ったよ」

小麦「うん、ありがとー!」

テッテッテ

唯「小麦ちゃんはいつも元気だね~」

澪「そう・・・だな・・・」

唯「そだ、和ちゃんとむぎちゃんが展望車にいるからおいでよ~、どこ行くか決めよう!」

澪「うん・・・」



澪「さて、どこへ行こうか」

唯「和ちゃんどこか行きたいところある?」

和「そうね・・・どこがあるのかしら」

唯「観光地をどこへ巡ろうかとお悩みのあなたに朗報です!」

紬「じゃじゃーん」

唯「金沢観光ガイドをどうぞ!」

和「ありがと・・・そうね、片町に興味あるわね」

澪(和はスルースキル高いよな)

紬「それじゃ、明日のお昼辺りがいいかしら?」

和「そうだ・・・みんなに言ってなかったわね」

澪「?」

唯「なに~?」

和「私明日の朝一で帰るのよ」

紬「まぁ!」

唯「ど、どうして!?」

和「明日中に仕上げないといけない仕事があってね」

澪「そうだったのか・・・」ガッカリ

紬「・・・」ションボリ

唯「ガーン」ガーン

和「それ口にしたらかっこ悪いわよ、唯」

唯「どうしても明日でなくちゃダメなの!?」

和「・・・本当は今日中に仕上げるつもりだったけど、ヴェガに乗ったからね」

澪「本当は、乗るの断るつもりだったんだよな」

和「えぇ、そういう事だから次で降りるわ」

唯「そんな、あっさりと!」

和「これでも名残惜しいのよ?」

唯「・・・」ションボリ

和「そんなに落ち込む必要もないわ」

唯「え・・・?」

紬「・・・それじゃ、到着して片町へ行きましょうか」

和「でも・・・私たちだけで夜歩くのも不安よね」

澪「そうだな・・・到着時刻は8時だから」

唯「うーむ・・・」

車掌「そうですねぇ」

紬「でも和ちゃんの要望にも答えたいし・・・」

澪「うむ・・・って」

和「車掌さんはいい案ありませんか?」

車掌「無くはないのですが・・・」

唯「聞かせて!」

紬「うんうん」

澪(居たんですか!? って言いづらくなったな・・・順応性も高いよな)

車掌「男性の方が居れば・・・」

和「なるほど・・・」

唯「都合も考えないとね」

澪「・・・?」

車掌「噂をすれば・・・」

修治「・・・みんなで難しい顔してどーしたの?」

和「金沢到着直後の予定は空いてるかしら?」

修治「え?俺?・・・決めてないけど・・・」

車掌「よろしくおねがいしますね」

唯「よし。それじゃ、明日はどうしよっか」

紬「りっちゃんが兼六園と能登半島へ行きたいって言ってたわ」

和「意外ね、武家屋敷に行くと思ってたわ・・・」

車掌「ふふ、そうですね」

唯「わたしも~」アハハ

修治「話進んでるみたいだけど、俺理解できてないよ!?」

澪「到着後に片町に行きたいそうなので、和たちの護衛をお願いします」

修治「あ、あぁ・・・そういう事ね。秋山さん行かないの?」

澪「わ、私は律を看てます・・・」

修治「そっか・・・貸しもあるからいいかな」

澪「貸し?」

唯「澪ちゃんは兼六園だよね?」

澪「え?」

紬「明日の朝、輪島の朝市へ行って、そのまま能登半島へ」

唯「その後武家屋敷か兼六園に別れようって事になったんだよ」

澪「あ、私は兼六園で」

紬「私は武家屋敷へ!」

唯「私も武家屋敷へ!」

澪「それで決まりだな」

修治「到着したらホームに降りてるから声掛けてね、じゃねー」

唯「よろしく~」

澪「・・・あれっ?車掌さんは?」

和「さっき出て行ったわよ?」

澪(観察力も鋭いし・・・唯と一緒にいたら身につくスキルなのかな)

紬「どうしたの澪ちゃん?」

澪「いや・・・唯はすごいなと思って・・・」

唯「でっへっへ」テレテレ

紬「そうなんだ・・・」

和「何か悟ったのね・・・」

みらい「みなさんここにいたんですね」

和「あら、仕事は終わったの?」

みらい「はい、後は金沢駅で収録して今回の仕事は終わりです」ニコ

澪「そっか、お疲れさま」

紬「おつかれさま~」

みらい「・・・まだまだ元気ですよ。これくらいの仕事量は慣れていますから」ニコニコ

唯「・・・」

和「そう・・・唯の隣空いてるから座ったら?」

唯「どうぞどうぞ」ポンポン

みらい「失礼します」

澪「一日車掌どうだった?」

みらい「楽しかったです。唯さんやみなさんと仲良くなれましたから」ニコ

紬「まぁ」

唯「でっへっへ」テレ

みらい「ふふ」

和「金沢で降りるの?」

みらい「次の仕事が名古屋であるのでそこまで休暇を兼ねて乗らせてもらいます」

唯「そっか~嬉しいよ!」

みらい「ふふ、私もです。・・・ところで律さんの様子はどうですか?」

紬「今ゆっくり休んでいる所よ。明日には治すって言ってたわ」

澪「マンゴーありがと」

みらい「律さんには早く元気になって欲しいですから」

唯「りっちゃん愛されてますなぁ」

澪「・・・そうだな」


紬「外暗くなってきたわね」

みらい「本当ですね」

唯「あ、三日月だ」

和「キレイね・・・」

澪「儚げだけどキレイに輝いているな」

唯「フフ、あの月は光り輝く君のようだね。みらいちゃん」キリ

みらい「ふふ、ありがとうございます」

唯「星さえ脇役に回してしまう罪な輝きだよ」キリ

みらい「あ、・・・コホン。・・・それなら唯さんは太陽ね」

ポンポロポンポロポロ

唯「そうかな?」キリ

みらい「いつも私を照らしてくれる大切な存在よ」ニコ

唯「フフ、君には参ったよ」キリ

ポロロンポンポロポン

澪「な、なんだこの空気・・・」

和「ピアノで演出までして・・・」

みらい「ふふふ」

唯「アハハ」キリ

澪「・・・それで、今のはなんなんだ?」

和「説明が欲しいわね」

唯「えー、知らないのぉ?みらいちゃんが出ていたドラマなのにぃ」

みらい「ふふ、ちょっとした役でしたから」

ポンポンポロポロポロポロ

澪「でもよく台詞を覚えていたな」

唯「憂と練習したんだよ!」

和「そ、そうなんだ・・・」

ポンポロポロロン・・・

みらい「・・・」

唯「この曲なんて言う曲?」

澪「たしか・・・月の・・・」

紬「ドビュッシーの月の光よ~」

和「へぇ・・・むぎのクラシック初めて聴いたわ」

紬「うふふ、たまにここで弾かせてもらってるの」

唯「えっ?そうだったの?」

紬「一日一曲だけね」

澪「呼んでほしかった・・・」

唯「そうだよ~」

和「もっと聴きたかったわね」

紬「うふふ、ありがとう~。また弾かせてもらうわ」

みらい「」ウトウト

唯「おや?」

和「・・・寝かせてあげましょう」

澪「・・・」

紬「かけるもの借りてくるわね」

スタスタ

和「やっぱりカラ元気だったのね・・・」

唯「うん・・・」

和「15歳が社会に出て頑張っているんだもの、心身的に疲れるわよ。・・・凄いわこの子」

みらい「」スヤスヤ

唯「・・・うん」


紬「~♪」ペラ

和「・・・」フムフム

澪「・・・」カキカキ

唯「・・・」ボケー

みらい「・・・ぅん?」

紬「あら」

和「・・・起きちゃったわね」

澪「・・・そうみたいだな」

唯「みらいちゃん?」

みらい「・・・あっ、ごめんなさい唯さん」バッ

唯「いえいえ~」

みらい「もたれてしまって・・・。私寝ていたんですね」

和「えぇ、可愛い寝顔だったわ」

紬「そうね~」

唯「むふふ」

和「なによその笑いは」

唯「可愛かったなぁ~」

みらい「その・・・、えと・・・」テレ

澪「たしかに・・・」

みらい「あ、このタオルケット」

唯「むぎちゃんが車掌さんから借りてきたんだよ~」

みらい「そうですか・・・ありがとうございます、紬さん」

紬「いえいえ~」

みらい「なんだか気が抜けたというか・・・のんびりできたというか」

澪「安心できた?」

みらい「は、はい」

和「・・・それはよかったわ」

みらい「・・・」モジモジ

唯「あ、そろそろ金沢到着だね」

澪「そうだな、今ホームに入った」

みらい「すいません、私が寝ていたから・・・」

和「私は演奏の記事を呼んでいたから平気よ」

澪「わ、わたしも平気だ」

紬「会話がなくてものんびり時間を共有できたわ」

唯「そうだね~、いい時間だったよ!」


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