唯「むぎちゃんは次の金沢で折り返し地点になるよね!」

紬「そういわれてみればそうね~」

和「今までの旅はどうだった?」

唯「ご感想をどうぞ」

紬「そうね・・・」

和「・・・」

唯「・・・」

紬「・・・・・・」

和「・・・?」

唯「むぎ・・・ちゃん?」

紬「・・・過ぎ去った場所も、きっとこれから出会う人も」

和「・・・」

紬「たくさんの大切なものを、みんなと一つ一つ結ぶために」

唯「・・・」

紬「行動していると実感できるから・・・とても楽しいわ」ニコ

和「そう・・・」

唯「・・・」ジーン

紬「ふふ、なんてね」

和「・・・杞憂だったみたいね」

紬「え?」

和「ちょっと疲れた顔してたから・・・少し気になってたのよ」

紬「・・・」

唯「むぎちゃん!」

ギュッ

紬「な、なぁに?」

唯「私はとても感動しました!」ウルウル

紬「うふふ、恥ずかしいわ~」テレ

和「ふふ」

唯「こうしちゃいられないよ、私売店で観光ガイド買ってくる!」

テッテッテ

紬「あらあら」

和「・・・むぎ、少し案内してくれないかしら?」

紬「えぇ、行きましょう~」


唯「金沢の観光ガイドを一つくださいな」

ちひろ「はい、どうぞ~」

唯「よし、これで金沢は完璧だよ!」フンス!

ちひろ「そうですね~。あ、そういえばお客さん?」

唯「ん~?」

ちひろ「みらいさんとぉ~」

唯「みらいちゃんと?」

ちひろ「すっごく仲良しさんですよね~」

唯「そう見えますかな」キリ

ちひろ「はい~」

唯「でっへっへ~」

ちひろ「あ、そうだ。これ田井中さんに使ってください~」

唯「え、これ・・・」

ちひろ「はい、おでこに貼るやつですよ~」

唯「いいの?」

ちひろ「はやく元気になってほしいですから~」

唯「わー、ありがとー!」

テッテッテ

ちひろ「またいらしてくださいね~」


――――

唯「・・・りっちゃん大丈夫かなぁ」

ガチャ

澪「・・・」

バタン

唯「あ、澪ちゃん」

澪「唯・・・」

唯「澪ちゃん、これ売店のちひろちゃんが使って下さいって」

澪「あ、あぁ。あとでお礼言わなきゃな」

唯「りっちゃんどう?」

澪「少し熱が高いままかな。今車掌さんが看てくれてる。気分転換してきてくださいってさ」

唯「そっか~」

澪「これ、後で渡そうな」

唯「うん・・・」

澪「そんなに心配しなくていいよ。車掌さんも咳はないからすぐ治まるだろうって」

唯「そっか」

ガタンゴトン ガタン

澪「糸魚川駅に着いたみたいだな」

唯「うん、降りてみようよ」

澪「そうだな」

プシュー

唯「ほいっ」ピョン

シュタッ

澪「よっ」ピョン

シュタッ

唯「糸魚川!」

澪「夕陽がキレイだ・・・」

唯「ほんとだ~」

修治「よっと」

唯「おや修治くんも降りたんだね」

修治「夕陽が美しくてね」キリ

澪「・・・」オロオロ

唯「・・・」

修治「ノーリアクションが一番堪えるんだよ?」

澪「そ、そうですね。キレイですね」アセアセ

唯「ほんとだ~」

澪「唯・・・同じリアクションしなくても・・・」

修治「・・・ま、まぁいいや。それじゃね」

唯「うん、バイバーイ」ブンブンッ

修治「いや、駅の売店行くだけだから・・・」

タッタッタ

澪「また明日。みたいなノリだったな」

唯「修治くんどうして駅の売店に行くんだろ?」

澪「さぁ・・・」

愛「あ、あの・・・」

唯「おや、愛ちゃんではないか」

澪「どうしたの?」

愛「は、はい・・・あのですね」ソワソワ

唯「愛ちゃん落ち着こうよ!」

澪「そうだな、まずは深呼吸だ」

愛「は、はい・・・すぅー、はぁー」

唯「よし。なんの用ですかな?」

愛「は、はい。カ、カメラのシャッターを押してほしいんです」

澪「いいよ」

愛「あ、ありがとうございます」

唯「これぐらいお安い御用だよ~」

澪「うん」

愛「は、はい。これでお願します」

唯「おっけ~」

澪「私が撮るよ」

愛「は、はい」

澪「それじゃ、いくよ。はい、チーズ」カシャ

愛「わぁ・・・なにも無くてよかった」

唯「どういう事?」

愛「私が写真を撮ると必ず三脚が倒れたりスカートがめくれたりするんです」

澪「そ、そうなんだ・・・」

愛「はい、三枚に一枚は心霊写真だったり・・・」

澪「」

唯「それはスゴイ確率だね~」

愛「はい、だから今回はなにもなくてよかった・・・澪さん?」

澪「」

唯「澪ちゃんは怖いものが苦手なんだ~」

愛「そ、そうですか・・・すいません」

唯「大丈夫だよ~。しばらくしていれば元にもどるよ~」

澪「」

愛「はぁ・・・そうなんですか・・・」

唯「あ、和ちゃんとむぎちゃん」

和「唯たちも降りてたのね」

紬「澪ちゃんはどうしたの?」

愛「私の写真をとったばっかりに・・・」

唯「心霊写真かもしれないんだって」

和「よく分からないけど、大体分かったわ」

紬「そうね~」

澪「」

さとみ「みんな状況を飲み込むのが早いわよね・・・」

愛「あ、さとみさん」

唯「さとみちゃんも降りたんだね」

さとみ「えぇ、夕陽がキレイだったから」

紬「私たちもそうなの」

和「そうね中々みられない美しさね」

唯「みんなで同じものをみて、気持ちを共有するなんていい事だよね」

愛「はい・・・」

さとみ「みんなしずかに・・・」

紬「・・・?」

さとみ「耳をすますと・・・」

澪「ヒッ!」

チリンチリーン

さとみ「虫の声が・・・」

澪「聞こえない聞こえない」ブルブル

和「幽霊の声じゃなくて虫の声よ、澪」

紬「ほんとね・・・」

唯「ほんとだ~」

澪「ほ・・・ほんと?」

愛「はい」


さとみ「誰に聞いて欲しくて鳴いているんだろ・・・」

チリンチリーン

和「哲学的な問いね」

愛「私たちにでしょうか・・・?」

唯「他の虫に知らせるためだよ!」

澪「寂しくて鳴いているのかも・・・」

紬「この子はトランペット担当ね」

唯「なるほど、吹奏楽部ですな。これから演奏会を」

和「変な流れにしないでちょうだい」

さとみ「ふふ、でもこれを明日聞くのは別の人なのよね・・・」

愛「私たちは明日違う場所にいますから・・・」

さとみ「ここの空気を吸えるのは今だけ」

唯「そう考えるととっても大切な時間に思えるね!」

紬「そうね~。今のうちに思いっきり吸っておきましょうか」

さとみ「うーーーーーん、と」ノビノビ

唯「おぉ、気持ち良さそう!私もやる!」

紬「私も!」

澪「そうだな」

唯紬「「 うーーーーーん、と 」」ノビノビ

澪「うーーーん、うん?」

さとみ「シー」ササッ

愛「?」

和(おちゃめな所もあるのね)

唯「あれ!?さとみちゃんがいないよ!!」

紬「あらほんと~」

澪「かくれんぼ・・・かな」

愛「そうみたいですね」

ガサガサッ

唯「フフフ、私の推理によれば・・・さとみちゃんはそこにいます!」ビシッ

ガサッ

「にゃーん」

唯「・・・」シーン

和「ネコになったのね」

紬「あらあら大変」

愛「怪奇現象ですね」

澪「大丈夫。可愛いから大丈夫」

唯「・・・」

和「どうするのよ唯?」

「にゃん?」

唯「連れていきます」ダキッ

さとみ「ちょっと待ったー!」

唯「な、なんと!?」

紬「さとみさんが二人!?」

澪「むぎ・・・わざとやってるんだよな?」

さとみ「そんなわけないでしょ!私はここに隠れていたのよ!」

愛「そうですよね」

和「ちゃんと探してあげなさいよ・・・」

「にゃーん」ゴロゴロ

唯「さとみちゃん可愛い~♪」ゴロゴロ

紬「ネコじゃらしですよ~」フリフリ

さとみ「・・・」

和「そのうち慣れるわ」

愛「あ・・・」

修治「みんなどうしたの?そろそろ出発だよ?」

さとみ「修治くんこそどうしたの?」

修治「駅の売店で買い物・・・はい、秋山さん」

澪「え?」

修治「律にお見舞い」

愛「・・・?」

澪「は、はい・・・わざわざありがとうございます」

さとみ「売店車には無かったの?」

修治「うん、売り切れてたからさ」

和「さとみも買いに行ったのよね?」

さとみ「うん・・・その時はまだ果物類残ってたけどな」

澪「もう一度お礼を。さとみさん、桃ありがとうございました」

さとみ「いえいえ、律さんには早く元気になって欲しいですから」ニコ

愛「律さんが・・・どうかしたんですか・・・?」

修治「あ・・・うん。風邪をひいてね・・・」

愛「!」

澪「気をつかわなくていいからね、愛さん?」

愛「わ、私失礼します」

テッテッテ

和「・・・?」

修治「・・・」

澪「・・・」


「ふふ、マヤも喜んでいるみたい」

マヤ「にゃんにゃん」

唯「ほれほれほれ~」

紬「こっちよ~マヤちゃ~ん」

和「こっちはこっちで何をしているの?」

「動物病院に行った帰りなんですけど、かごから抜け出してしまって・・・」

さとみ「だから駅内にネコがいたんですね」

「はい。遊んでもらって嬉しそうです」ニコニコ

唯「こっちだよ~マヤちゃん」

マヤ「にゃん」

紬「こっちですよ~」

マヤ「にゃにゃん」

「二人ともネコの扱いに慣れているみたい・・・」

澪「あぁ・・・はい。いつも一緒にいますから」

和「いい得て妙ね」

さとみ「?」

修治「そろそろ時間だよ」

「さぁマヤ、みなさんにお別れしましょうね」

マヤ「にゃーん」

唯「はぅ」

紬「うぅ」

澪「さ、乗るぞ」

さとみ「乗りましょ」

prrrrrrrrrrr

和「行くわよ」

紬「バイバイ、マヤちゃん」

唯「バイバーイ」

マヤ「にゃん」

――――

けさみ「澪さ~ん」

澪「えっ?あ、食堂車の・・・」

けさみ「料理長がこれを渡せば分かるって・・・」

澪「あ・・・律にですか?」

けさみ「はい」

澪「あ、ありがとうございます」

けさみ「いえいえ、はやく元気になってくださいとお伝え下さい」

澪「は、はい分かりました」

けさみ「ではでは~」

タッタッタ

澪「温かいうちにとどけるか・・・」


コンコン

「はい」

澪(あれ・・・?)

ガチャ

愛「あ・・・澪さん・・・」

澪「邪魔するね」

愛「は、はい」

バタン

澪「車掌さんは?」

愛「私と入れ替わりになりました」

澪「そっか」

愛「律さんにですか?」

澪「そうなんだけど・・・」

律「」スー

澪「寝てるみたいだな」

愛「はい・・・」

澪「後で温めなおしてもらうか・・・」

愛「・・・」

澪「りんご・・・愛さんが?」

愛「はい・・・」

澪「ありがと」

愛「・・・」

澪「愛さん、律は私が看ているから・・・」

愛「いいえ・・・私のせいですから」

澪「そんなこと・・・」

愛「私が近くにいたから転ばせてしまうし、水もかけられてしまうんです」

澪「・・・」

愛「そのせいで楽しい旅行の途中にも風邪をひかせてしまって・・・」

律「」スー

愛「申し訳なくて・・・」

澪「・・・」

愛「・・・わたしなんて・・・いなければ」

澪「愛さん」

愛「!」ビクッ

澪「それを聞いたら誰が傷つくか分かる?」

愛「・・・」

澪「愛さんを笑わせようとしてた律だよ」


32