ババババババッ
小麦「全員のを取ったー!!」
さとみ「偉いわ律さん」
みらい「はい」ウンウン
和「はい、律」
ファサ
律「あ、あぁ・・・って結局タオル使うのかよっ!」
ゴシゴシ
和「憂が言ってたように、みんな半分くらい使って欲しかったのかもね・・・」
律「なんだよそれ・・・」
ゴシゴシ
和「さぁ・・・」
律「和、自分でやるからいいよ」
和「そう?」
律「あぁ、ありがと」
修治「みんなどこへ行くの?」
唯「旧開智学校だよ~」
修治「エレナと愛ちゃんも?」
エレナ「そうですワ」
愛「はい」
修治「それじゃ俺も行くかな」
小麦「一人の観光は寂しいですからね~」ニヤニヤ
修治「ち、違うわぃ」
紬「大移動ね~」
憂「そうですね」
唯「ムーだね私たち」
澪「ヌーだろ・・・」
さとみ「ふふ」
みらい「クスクス」
唯「みらいちゃんも行けるの?」
みらい「はい、お昼までオフなんです」
唯「やった!」
憂「よかったねお姉ちゃん」
律「今は放ったらかしかよ」
和「寂しいの?」
律「違うっつの」
―――――旧開智学校
律「」パシャッパシャッ
修治「建物しか撮らないの?」
律「ん?あぁ、記念写真はむぎが撮ってるし」
修治「ふ~ん」
紬「わぁ~、白と黒の色合いがキレイね~」
憂「本当に・・・」
さとみ「えぇ、いいわねこんな学校に通えたら・・・」
紬「そうね~」
律「おぉーい、早く入ろうぜー!」
紬「は~い」
唯「おぉ、中はこうなってるのですね!」
澪「日本に居るのに日本じゃないみたいだ・・・」
みらい「ほんとですね・・・」
さとみ「ね、これ見て」
修治「んー?『義正』『初江』」
律「そばに明治の年号と日付もあるな・・・」
唯「なにかな~?」
さとみ「多分二人は恋人同士だったんじゃないかな?」
憂「わぁ」キラキラ
和「いいわね・・・こういうのが残ってるなんて」
愛「二人は結婚できたのでしょうか・・・?」
小麦「う~む、明治はお見合いや親同士の約束なんかで結婚してた時代だからね~」
律「結ばれぬ愛だったのか・・・」ガックリ
さとみ「きっと2人は離れ離れになってもずっと想いあっていようって誓ったんだわ」
唯「おぉ、ロマンティック!」バシーン
和「なによそのポーズは・・・」
紬「その2人の孫がここで出会ってたりして・・・ね」ニコニコ
律「おぉ、ファンタスティック!」バシーン
エレナ「2人ともキマッテますワ~」ジー
修治「うむ、ヒーローと間違えてしまいそうだ」
律「・・・」カァ
澪「恥ずかしいならやるなよ・・・」
律「そうだな・・・」
愛「ここは、教室が開放されているんですね」
唯「! いいこと思いついちゃった~♪」ルンルン
唯「さぁ、みんな座るザマス」キリ
律「なんだ?」
唯「これから授業を始めるザマス」キリ
澪「どうしたんだ?」
唯「私語は厳禁ザマス」キリ
憂「座ってもいいのでしょうか・・・?」
小麦「いいみたいだよ~」
律「しょうがない、付き合ってやるか・・・って!」
澪「むぎもう座ってる!」
紬「うふふ」
さとみ「なにしてるの?」
みらい「・・・?」
修治「え・・・」
唯「さぁ、みなさんも座るザマス」クイクイ
和「私のメガネ・・・」
愛「足元気をつけてくださいね・・・」
和「あ、ありがと・・・」
唯「みなさん座りましたザマスね」キリ
憂「は、はい」
紬「・・・」ワクワク
みらい「これから何を・・・?」
唯「せっかく学校に来たのですから、勉強をしますザマス。カメラが来ていますがお気になさらず」キリ
エレナ「・・・」フリフリ
唯「それでは教科書の34頁を開くザマス」キリ
律「普通に喋ってくれ」
唯「うん、分かった」
澪「切り替え早いな」
小麦「はい先生ー!私たち教科書持ってませーん!」
唯「もぅ、みんなここに何しに来たの~?」ブー
律「観光しにだよ」
さとみ「さっそくグダグダね・・・」
修治「号令はしないのですか?」
唯「そうですね・・・まずは生徒会長を決めましょう」
澪「学級委員でいいんじゃないのか?」
律「いいんじゃないか?委員だけに」
澪「・・・」
愛「クスクス」
みらい「クスクス」
唯「そうですね・・・それじゃあ私が決めます」
和「・・・」
さとみ「あ・・・」
唯「和ちゃんは今メガネかけていないから、さとみちゃん!」
さとみ「・・・」フゥ
唯「・・・と見せかけて憂!」
憂「私?」
さとみ「・・・」
唯「・・・とみせかけて澪ちゃん!」
澪「えっ!?」
修治「そのフェイントに意味はあるのか・・・」
澪「そ、それじゃ授業お願しま」
唯「ちがうよ~、起立、礼、着席だよ~」
澪「え・・・、き、きりーつ!」
ガタガタ
唯「今なんて言ったの~?」
澪「? きりーつ・・・?」
小麦「・・・?」
唯「きを取って下さい」
澪「りーつ」
律「うわ、くだらねぇ」
紬「唯ちゃん・・・これがやりたかったのね」
澪「」ヘナヘナ
律「先生ー、秋山さんがやる気を失くしましたー」
唯「ごめんね澪ちゃん~。じゃあ憂お願い」
憂「はい。起立」
ガタガタ
憂「礼」
ズバッ
憂「着席」
ガタガタ
唯「おぉ」キラキラ
律「いや、感動してないで授業してくれ」
愛「どんな授業するのでしょうか・・・」
律「どうせ音楽だよ」
唯「さて・・・どうしよっか?」
さとみ「行き当たりばったりだったのね・・・」
小麦「先生の得意な科目はなんですか?」
唯「音楽です」キリ
みらい「専攻はなにを・・・?」
唯「カ、カスタネットです!」
紬「・・・」
律「今までの2年間を失くしたのかお前は・・・」
さとみ「クスクス」
唯「カスタネットって意外と難しいんだよ。こうやって・・・うんた」
律「はいはい、分かったから唯はもうどいてろ」ポイッ
唯「あー」ヒュー
憂「お姉ちゃんこっち座って」ポンポン
唯「あい・・・」
修治「授業の内容は?」
律「え?私!?」
愛「楽しみです」
澪「どうせ唯と同じ音楽だよ」
律「む・・・」カチーン
小麦「火が点いたね~」
律「・・・むぅ」シュウ
憂「消化されましたね・・・」
和「唯、そろそろメガネ返して」
唯「はい、ありがと和ちゃん」
紬「はい!私やりたいです!」ビシッ
さとみ「えっ!?」
律「しょうがないなぁ~、むぎに任命しようじゃないか」
紬「光栄です」フンス!
唯「和ちゃんもう一回貸して」
和「え・・・」
みらい「楽しみですね」
唯「はい、むぎちゃん」
紬「ありがと~」スチャ
修治「メガネかけなきゃ教壇に立てないルールか」
紬「それでは相対性理論について述べるザマス」
唯「」ピキーン
小麦「」ピキーン
澪「」ピキーン
律「おぉ、数名凍ったな」
和「唯が思考停止したのは分かるけど、どうして澪まで凍るのよ」
憂「紬さんの口調にびっくりしたのではないでしょうか・・・」
さとみ「わ、わたしもびっくりした・・・」
紬「移動している物体は止まっている物体よりゆっくり時間が進むという理論なの~・・・ザマス」
律「」ピキーン
みらい「」ピキーン
愛「勉強になります」
修治「あ、愛ちゃんやるな・・・」
愛「SF小説ではよく出てくる理論ですから」ニコニコ
和「そうね・・・」
紬「という事で光の速さは誰が観測しても常に一定なのね」
修治「くっ・・・」
和「抗ってるのね・・・」
エレナ「・・・」ジー
紬「光速で移動できる宇宙船に乗って10年旅をして、地球へ帰ってくると70年の時間が経っているの」
さとみ「浦島効果ね」
憂「昔話ではそういうお話多いですよね」
修治「聞いたことあるな」
紬「そうなの、時間にまつわるおとぎ話は大抵そうじゃないかと推察されているわね」
和「もういいんじゃない?」
紬「特異点・・・あら?」
修治「みんなついていけないみたいだ・・・俺も危ない」
さとみ「ほ、他の授業ならみんな回復すると思いますよ」
紬「・・・そうね・・・それじゃ南国の話を一つ」
澪「・・・あ、口調が戻ってる」
和「おかえり、澪」
紬「私が聞いた話によるとね、とある国ではお茶・・・飲み物が日本で言う縁側に用意されているの」
唯「お茶!?」
律「ティータイム!?」
さとみ「おかえり唯ちゃん、律さん」
愛「用意されている・・・?家の主人が居なくても勝手に飲んでもいいのですか?」
紬「えぇ、急須のような入れ物に入ったお茶とコップとお茶請けのような食べ物もあるから、自由にお使い下さいって事ね」
みらい「いいですね・・・」
小麦「ふむふむ」
憂「あ・・・おかえりなさい」
修治「どうしてそんな習慣があるの?」
紬「南国の暑い気候ともなると水分補給を頻繁にしなくちゃいけないでしょ?その為なの」
唯「おぉ、いいですな」
律「暑いとやってられないもんな~」
紬「えぇ、だから暑い時はのんびりお茶でも飲んで、涼しくなったらまた働きましょう。という風習らしいわ」
エレナ「・・・フムフム」ジー
さとみ「おもしろ~い」
澪「あぁ、いいな、そういうの」
紬「うふふ」
唯「むぎちゃん、それどこで知ったの~?」
紬「あれ・・・?いつどこで知ったのかしら?」ハテサテ
和「インターネットで拾った情報じゃない?」
さとみ「なるほど」
修治「印象に残った情報でも得た方法は忘れちゃうよね」
みらい「そうですね・・・」
律「よぉーし、授業はもう終わりだ!」
紬「そうね~、憂ちゃんお願い」
憂「はい。起立」
ガタガタ
憂「気をつけ、礼」
ズバッ
紬「まぁ」キラキラ
エレナ「バッチリ撮れましたヨー」グー
さとみ「楽しかった~」
みらい「私もです」ニコ
愛「はい」
修治「前半はコントだったけどね・・・」
律「よーし、続いて上高地へ行くぞー!」
唯「おー!」
エレナ「そうデスカ、それなら私たちはこれで別れるネ」
澪「え・・・」
小麦「じゃあ、列車でね~バイバーイ」フリフリ
紬「またね~」フリフリ
みらい「私も仕事がありますので、これで失礼します」
唯「うん、まったね~」
愛「私もこれで・・・」
修治「俺も・・・みんな後でね」
律「じゃ、列車でな~」
和「上高地へ行くの?」
紬「そうなの~」
澪「まだ時間あるから大丈夫」
唯「うん、大正池に行ってみたいんだ~」
和「私、松本城へ行ってみるわ」
憂「和さん一緒に行かないの?」
和「松本城の方が興味あるのよ」
さとみ「それなら私も一緒に行っていいですか?」
和「えぇ、いいわよ」
律「唯はどうするんだ?」
唯「むむむ・・・」
澪「和とはいつでも一緒だろ?」
和「いつもじゃないわよ」
唯「か・・・」
紬「か・・・?」
唯「上高地へ行きます!」
和「そう、それじゃ気をつけてね」
律「和とさとみも列車の時間間違えるなよー」
さとみ「えぇ、分かったわ。それじゃ」
憂「後でね」
澪「律、あの二人に限ってそれはないだろ・・・」
律「いや、京都で迷ったじゃないか・・・」
唯「大丈夫だよ!」
憂「はい!」
律「そ、そうだな・・・」
紬「・・・」
澪「急に人が減ると・・・」
唯「寂しいよね」
紬「私たちも列車に間に合わなくなるわよ~」
律「そだぞー、はいしゅっぱーつ!」
憂「おー!」
律「そういやさ、駅に停車してた列車に」
澪「あぁ、あったな」
唯「なにが?」
律紬澪「「「 特急あずさが 」」」
唯「あずにゃんが!?」
憂「特急が付いてたよ、お姉ちゃん・・・」
律「このガイドを読んでいたらふと思い出した」
澪「なになに『大正4年に、焼岳が噴火してそのときにせき止められた梓川から、この池が出来た』」フムフム
憂「だから大正池なんですね」
紬「あずさちゃん今どうしてるのかしら・・・」
憂「用事があると言っていましたから」
唯「いつでも一緒にいるよ・・・あずにゃん」シミジミ
律「この池の下には当時の家が沈んでいるのかもしれないんだな」
澪「そ、そうか・・・」ガクガク
紬「今は観光名所になってるけど・・・」
憂「住んでいた人にはちょっとかわいそうな気がしますね」
唯「きっとお魚の棲家になってるよ~」
澪「そうだな・・・それだとちょっと覗いてみたいかも」
憂「そうですね」
紬「・・・」
唯「・・・」
律「・・・そろそろ時間だな」
紬「そうね・・・」
唯「・・・」
澪「・・・」
憂「私も帰らなきゃ・・・」
唯「そうだね」
澪「うん、そうだな」
律「よし、駅に戻るぞ~」
紬「・・・うん」
最終更新:2011年09月13日 16:49