唯「もうすぐ夕方だけど、どうしよっか~」

紬「私もう一度新町通りへ行ってみたいの」

唯「あ、私も~」

梓「私はベイブリッジへ行ってみます」

唯「一緒に行かないの?」

梓「日本としては有数の規模の橋だそうです。興味があるので」

紬「別行動ね」

唯「あずにゃん一人で大丈夫?」

梓「大丈夫です!」キリ

唯「ねぶた祭り絶賛開催中!・・・だから人が多いね~」

紬「そうね~、今夜も賑やかになるわね、きっと」

唯「むぎちゃん、何か用事があるの?」

紬「そうじゃないけど、私こんなに人が集まることあまり来ないから、もう一度味わいたかったの」

唯「そっか~、それなら今度みんなで地元の祭りにでも行こうよ!きっと楽し~よ~」

紬「まぁ、それは楽しみだわ~!」

唯「へへ~、また楽しみが一つ増えちゃった~」ルンルン

紬「ふふ、ありがとう」

唯「いえいえ~、あっ・・・むぎちゃん、あれ真美ちゃんじゃない?」

紬「あら本当だわ、困った顔してるけどどうしたのかしら」

唯「お~い、真美ちゃ~ん!」

真美「あっ」ホッ

紬「道に迷いましたか?」

真美「い、いえ、私人ごみが苦手なので・・・少し心細かったです」

唯「それならどうして新町通りにきたの~?」

真美「絵の具を切らしてしまったので、買出しに来たのですが、画材屋が見つからなくて・・・」

紬「それなら一緒に探しましょう?」

唯「そうだね、その方が早いよ」

真美「いいんですか?」

紬「もちろん!」

唯「もちろんだよ!」

真美「あ、ありがとうございます。もう諦めていた所なので助かります」

唯「真美ちゃんはいつもスケッチブックを持ってるけど、どんな絵を描くの?」

真美「なんでも描きますけど、人物画が多いですね」

紬「展望車で何度か描いてますよね」

真美「あ、勝手にモチーフにしちゃってすいませんでした。琴吹さん・・・」ペコリ

紬「いえいえ、その後絵を見せてくれたので問題無いですよ」

唯「えっ、むぎちゃんモデルになったの?」

真美「私が勝手に・・・。その、琴吹さんと中野さんの間にある優しい雰囲気が描きたくなったので、つい」

紬「気になさらないで~」

真美「そう言ってくれると助かります。ちゃんと仕上げて差し上げますので・・・」

唯「あずにゃんも?いいなぁ~」

紬「あずさちゃん眠ってたから。唯ちゃん、びっくりさせたいからこの事内緒ね」

唯「むぎちゃんも悪よのぅ」イッヒッヒ

紬「うふふ」

真美「みなさん仲がよろしくて羨ましいです」クスクス

唯「今度私もモデルにしてくれないかなっ?」

真美「い、いいのですか?」

唯「いやかな・・・?」

真美「いえ、ぜ、是非!」

唯「わーい!」

紬「桜井さん、このお店はどうですか?」

真美「は、はい」

唯「入ってみよう!」

真美「わぁ・・・こんなに画材があるなんて!」パァァ

紬「よかったですね」

真美「はい、少し見て回ります! わぁ~」キラキラ

唯「嬉しそうだね」

紬「あんなに生き生きした桜井さんみたの初めて」

星奈「おや、こんな所でなにしてんの?」

唯「あ、星奈ちゃん!」

紬「桜井さんを待ってるの~」

星奈「そうなんだ。あ、あのさ唯ちゃん?ちゃん付けはやめてくれないかな~?」

唯「じゃあ、星ちゃん!」

星奈「別の呼び方を希望!」

唯「スターちゃん」

星奈「ノー!」

唯「星奈っち」

星奈「ダメ!」

唯「すぇいぬぁ」

星奈「じゃあそれで」

唯「すぇいぬぁはぬぁにすぃてとぁの~」

星奈「あっはっは! 私の負けだわ~」

紬「うふふ」

星奈「それで、唯は今なんて言ったの?」

唯「星奈ちゃんはなにしてたの~」

星奈「ちゃん付けは変えないのか・・・。ベイブリッジ見てきたとこだよ」

紬「あずさちゃん居ませんでした?」

星奈「梓ちゃん?見てないな~、行き違いになったかな?」

紬「そうですか」

唯「ベイブリッジはどうだった~?」

星奈「カップルが多くて居心地悪かったかな~」

紬「あずさちゃん一人で大丈夫かしら」

星奈「つばさちゃんと修治もベイブリッジに行くと行っていたから会うかもね」

唯「私も行けばよかったかな~」

紬「もう時間ないわね・・・」

星奈「そろそろ列車に向かった方がいいね。大丈夫だよあの子しっかりしてるし」

唯「そうだね」

真美「お、おまたせしました! あ、星奈さんもいらしてたんですね」

星奈「おいっーす」

紬「買い揃えることができてよかったですね」

真美「はい、二人ともありがとうございました」ペコリ

唯「いいよ~お礼なんて~」エヘヘ

星奈「列車に戻ろっか」

紬「えぇ」

唯「青森楽しかった~!」

星奈「楽しかったー!」

車掌「お帰りなさいませ。青森の観光は楽しめたようですね」ニコニコ

紬「車掌さん、あずさちゃん戻ってますか?」

車掌「中野さんですか?いえ、まだお戻りになっていませんが・・・」

真美「そろそろ出発時刻ですけど・・・」

唯「大丈夫だよ~むぎちゃん」

紬「えぇ・・・」

車掌「噂をすれば・・・ですね」

星奈「やっぱり三人一緒だ」

つばさ「やっほー!」

唯「やっほー」

梓「ただいまです、むぎ先輩」

紬「えぇ、おかえりなさい」

星奈「姉妹かっ!」

真美「ふふふ、本当の姉妹みたいですね」

梓「?」

修治「どうしたの?」

唯「むぎちゃんが心配してたんだよ~」

梓「遅れてすいませんでした」

紬「ううん、なんとなく気になっただけよ。気にしないで~」

車掌「それではみなさん、もう間も無く発車致しますのでご乗車下さい」

つばさ「はーい!」

星奈「ささ、乗り込めー」

真美「ふふ」

唯「ヴェガが走るよあずにゃん!」ワクワク

梓「いいから早く乗ってください」

唯「ちぇー」

紬「うふふ」

修治「俺で最後だな」ヨシ

唯「あずにゃん!展望車行こうよ!」

梓「真っ先にですか?もっとゆっくり行きませんか?」

修治「展望車はずっとついてくるから大丈夫だよ」

唯「そうだけど~」ウズウズ

キャァ

紬「?」

修治「どうしたの琴吹さん?」

紬「今声が・・・?」

修治「ん?・・・あっ、危ない!」

紬「え・・・あ!」

「た、たすけて・・・」

唯「生首っ!」

梓「ドアに挟まっているんですよ!」

修治「俺がドアをこじ開けるからみんなはこの子を引っ張って!」

紬「はいっ」

梓「はい!」

修治「せーっの!」

唯「よいしょっー!」

ガラッ

「きゃああああ」

ドサドサドサッ

プシュー  

ガタンゴトン ガタンゴトン

修治「ふぅ~。なんとか走るまでに間に合ったな・・・」

梓「び、びっくりしました」

つばさ「梓さんどうかしたのー?」

星奈「なにごとー?」

「た、助けてくれてありがとうございました」

唯「発車直前にこの子がドアに挟まっててさ、危なかったよ~」

「め、めがねが・・・」

紬「これですよね、はいどうぞ」

「あ、ありがとうございます」

唯「あー、荷物が散らばっちゃったね~」

星奈「拾うの手伝うよ、あっ、修治は向こう行ってて!」

修治「なんでだよ」

つばさ「お兄ちゃん!」

修治「へいへい」

梓「つばさ、これもケースに入れて」

つばさ「はーい」

唯「おたま、お鍋に枕?」

「みなさん、手伝ってくれてありがとうございます・・・」

紬「これで全部ね・・・」

星奈「修治にこの子の下着まで拾わせる訳にはいかないからね~」

つばさ「お兄ちゃんはデリカシーに欠けるよ!」プンスカ

「今日はラッキーだわ・・・」

つばさ「え!?」

星奈「えっ!?」

梓「え・・・」

紬「まぁ・・・」

唯「え~、どうして?」

「だって・・・列車に乗れたもの・・・」

星奈「なんか凄い子が乗ってきたなぁ・・・」

梓「そうですね・・・」

「松浦愛といいます。よろしくお願します」

唯「よろしく~」

愛「みなさん、先ほどは危ないところを助けていてありがとうございました」ペコリ

紬「いえいえ」

修治「どういたしまして」

梓「どうしてラッキーなんですか?」

愛「私、いつもなら乗り遅れてしまうんです。でも今日は乗ることができたので」

星奈「ポジティブだね」

梓「それはちょっと違うような気がしますけど」

唯「いつも乗れないの?」

愛「はい、私なにかと運が悪くて、財布はよく落とすし、買いたい物はいつも売り切れ
  電話の三回に一回は無言電話なんです」

紬「まぁ・・・」

星奈「怪我とかなかった?」

愛「はい、大丈夫です。あれくらいいつもの事ですから」ニコニコ

修治「あれが日常茶飯事なのか・・・壮絶だな・・・」

つばさ「お兄ちゃ~ん、車掌さん連れてきたよ~」

車掌「松浦愛さんですね? 乗車証の確認をさせていただきます」

愛「は、はい」

紬「それじゃ、私達はお暇しましょうか」

梓「そうですね」

つばさ「お姉ちゃん達行っちゃうの?」

唯「私もう少しここにいたいな~」

梓「松浦さんの手続きの邪魔になるじゃないですか」

つばさ「そっか」

唯「そうだね」

星奈「修治、愛ちゃんの案内ちゃんとするんだよ~!」

修治「えっ?俺?」

つばさ「お兄ちゃん後でね~」

紬「それでは」

梓「それでは問題です」

紬「じゃじゃん!」

梓「先ほど、松浦愛さんと話をした客車は何号車でしょう」

唯「う~ん、座席が黄色だったから・・・3号車!」

梓「正解です」

紬「」パチパチ

唯「やった!」

梓「では次です。ここの客車は何号車でしょう」

唯「緑だから・・・、1号車!?」

梓「不正解です。連続解答とはなりませんでした」

紬「2号車よ、唯ちゃん」

唯「あ~、そっちだったか~」アウチ

梓「残念でした。ギー太は没収です」

唯「そ、そんなぁ~」

紬「ひょっとして、あずさちゃん、ギター弾きたいのかしら?」

梓「うっ」ギク

唯「なんだ~それならそうと言ってくれればいいのにぃ~」

梓「そ、それはその・・・」モジモジ

紬「うふふ、なんだか私も鍵盤に触りたくなってきたわ」

梓「それなら展望車へ行きませんか?ピアノもありますし、そこでならギターの練習しても大丈夫かと」

唯「いいですな~。それならギー太連れてくるよ!」ガタ

梓「ヴェガで練習できるなんて・・・」ワクワク

紬「車掌さんの許可がいるかしら?」

梓「そうですね、あ」

紬「どうしたの?」

つばさ「お姉ちゃ~ん、梓さ~ん」

梓「つばさその格好どうしたの」

紬「あらあらまぁまぁ」

つばさ「えへへ、東京のお兄ちゃんの挙式で着るドレスなんだ~似合ってる?」

梓「うん、似合ってるよ」

紬「えぇ、とってもキレイよ」

つばさ「えっへへ~、嬉しい~」テレ

梓「でも、どうして今着てるの?」

つばさ「これから食堂車でお兄ちゃんとデートなんだぁ」ルンルン

紬「嬉しそうね~」ニコニコ

梓「待たせるの悪いから早く行った方がいいよ?」

つばさ「そうだね、行ってきま~す」タッタッタ

紬「あら? そう言えば・・・」

梓「どうしたんですか?」

紬「つばさちゃんとあずさちゃんの雰囲気変わったなぁと思って」

梓「あ、はい。ベイブリッジで名前で呼んでくれって頼まれまして」

紬「なんだかいい友達が出来たみたいね」

梓「そう、見えますか?」

紬「えぇ」

梓「わ、私車掌さんに展望車の使用許可取ってきますね!」ガタ

紬「うふふ、お願いね~」


梓「えーと、動力車かな?」

「にゃー!」

ドテッ

梓「?」

「ふぇーん」

梓(あ、売店の店員さんだ・・・派手に転んだな)

「ぐすっ」

梓「大丈夫ですか?」

「えっ?」

梓「立てますか?」

「大丈夫です~。これから気をつけます~。それでは~」

梓「なんだか子供みたいな人だな・・・」

唯「あずにゃん、どうしたの~」

梓「あ、唯先輩。車掌さんみませんでしたか?」

唯「ううん。見てないよ~。それよりね今可愛い人とすれ違ったよ~」

梓「その人売店の店員さんですよ」

唯「そうなんだ~、なんか楽しいよねこの列車」

梓「そうですね。唯先輩はむぎ先輩と先に展望車へ行っててください」

唯「おっけ~」テクテク

梓「楽しい・・・か、乗って間もないのに。すごいな唯先輩」

梓「むぎ先輩~許可下りましたよ~」

紬「ありがとう、あずさちゃん」

「ようっ、君があずさか!」

梓「うわっ、びっくりしたぁ!」

「ガッハッハ」

唯「この人は食堂車の一流コックさんだよ~」

紬「食堂車の味は逸品です~」

コック「おぅ、嬉しい事を言ってくれるな。ガッハッハ」

唯「ガッハッハ~」

星奈「ガッハッハ」

梓「でもどうしてコックさんがここに?」

コック「わしぁこの列車の設備系統も管理していてな、ギターの音を拾う機械を弄ろうと来たわけだ」

梓「アンプがあるんですか?」

コック「いや、ちょっと違うんだが、まぁ見ててくれ」ゴソゴソ

真美「すごいですよね、展望車の設備」

梓「あ、桜井さん・・・すいません。コックさんの存在が強烈すぎて気付かなかったです」

真美「ふふ、いいですよ。私は琴吹さんにご招待されたんです」

紬「約束だったものね」

星奈「梓ちゃん・・・私もいるんだけど・・・?」

梓「気付いてましたよ」

星奈「私の存在も強烈だというのか、このやろっ!」

梓「もぅ星奈さん、離してください!」ジタバタ

コック「よし、唯、鳴らしてみてくれ」

唯「あいよ~」

ギュィイィン

唯梓星奈「「「 おぉー 」」」


8