―――

律「ほら、お前が欲しかったものはこれだろ?」

梓「あ、ありがとうございますぅ!」

律「大変だった…これも部長の務めか…」

梓「律先輩これ…」

律「ん?…礼ならいらないぞ?私は梓がこのままずーっと」

梓「約束が違うじゃないですか?!」

律「はい?」

梓「私は澪先輩のシミつき縞パンツって言ったじゃないですか?!
  こんなピンクでシミのないきれいなパンツはいりません!」

律「なにぃ?!」

梓「ダメですね…やり直しです」

律「やり直しって…えぇ?!」

梓「今度はちゃんと私の望むものをお願いしますね?」

律「また私に盗んでこいって言うのか?!」

梓「はい、いいですか?青と白の縞々のシミつきパンツです
  間違えずにお願いしますよ?
  あ、これは私がつなぎにもらっておきますので」

律「さっきそのパンツいらないって…」

梓「言ってません!もうっ!次はありませんからねっ!」

律「………」

律「(もういやだ……)」

From:澪「あのさ…この前律が泊まった時…何かしなかった?」

律「えぇ?!何もしてないよっ?何かあった?……っと」カチカチ

律「はぁ…」

律「どうすればいいんだよぉ…澪にも疑われてるし…」

律「…なんでこんな変態行動を私が…」

律「そのうち警察に捕まるんじゃないかな私…」

律「ん?まてよっ!」

律「澪から盗むのが難しければ………」

律「 偽 造 す れ ば い い ! ! 」

律「うっはー、なんて頭良いんだろ私!」

律「こうなったら早速ランジェリーショップへ直行だな!」


律「えーと青と白の縞々模様で…」

「ちょっと待ってください、在庫を調べてみますので…」

律「お願いします…(もう6件目だぞ…)」

「申し訳ございません、お客様が求められる様な商品はちょっと…」

律「そうですか…ありがとうございました…」

律「………」

律「………」

律「くっそー!あんな趣味悪い柄のパンツ、どこにも売ってないよー!!」

律「澪のやつ…どこで買ったんだ…?」

「ちょっとちょっとお姉さん」

律「はい?ごめんなさい…今パンツ探してて」

「お探しのものはこれかな?」

律「そ、それは!!」

律「青と白の縞々パンツじゃないですかー!!」

「ちょっと盗み聞きしちまってね…ほほっ」

律「売ってください!どうかそのパンツを私に…!」

「まぁまぁ聞きなされ」

律「なんでしょうか?!財布の中には2000円しかないんです!どうかそれで!」

「いやいや、お金はいらんよ」

律「ホントですか?!なんて優しい!」

「ただタダという訳にはいかん」

律「えっ?というと?」

「パンツじゃ」

律「はい?」

「あんたの今はいてるパンツをわしにくれい!」

律「なにぃぃぃ?!?!」

律「ふ、ふざけっ!!」

「ほらほら、こいつが必要なんじゃろ?」

律「ぬぬぬ…」

「言っておくがどこにも売ってはおらんぞ?」

律「……わかったよ(これも軽音部の為か…」

「ほほっ、交渉成立じゃな」

律「………」

律「(梓…お前絶対恨んでやるからな…)」

「ほほっ、お姉ちゃん意外と地味なパンツはいてるんじゃのう」

律「あぁ、まぁ」

「たまらんっ!こりゃたまらん!」クンカクンカ

律「(聡のボクサーパンツ持ってて良かったぁ)」

律「じゃあこれはもらってくからなっ!」

「ほほっ!また頼む」

律「(何がまただ!この梓の仲間めっ!聡の匂いでも嗅いでろぉ!)」タタタ…

律「さて…必要なものは手に入れた…」

律「このまま梓に渡すか…?」

……

律「梓!手に入れたぞ!これでいいんだろっ?」

梓「律先輩のバカ!変態!澪先輩の臭いしないじゃないですかっ!
  こんなので私をだませると思ってたんですか?!
  もうこんな部にはいられません!さよならっ!」

律「待ってくれ梓!あずさー!!」

……

律「なーんて事にもなりかねないな…」

律「細工が必要だな…」

律「シミはまぁ後で考えるか…」

律「要は澪の匂いがついてれば良いって事だよな?」

律「うーん…」

律「匂いかぁ…」

律「パンツの匂い…」

律「澪のパンツの匂いってどんな匂いだ?」

律「自分のパンツの匂いだから自分の匂いだよな」

律「なおかつ女の子の部分にフィットしてる訳だから…」

律「……」

律「はっ!」

律「まさか澪のパンツの匂い=澪のおしっこの匂い!?」

律「澪のおしっこを入手してパンツに垂らせばシミもクリアだ!」

律「ヤバイ!さえてるなぁ!私!」

律「いや、ちょっと待て…待つんだ…」

律「澪のおしっこを入手する事って澪のパンツを入手する事より難易度が高いんじゃ…」

律「……」

律「いや、もう後には引けない…どうにかして澪のおしっこを入手しなくては…」

律「澪ー、今日澪の家泊まりに行ってもいい?」

澪「ダメ」

律「(めっちゃ警戒されてる?!」

澪「なんか最近律の様子おかしいしな、また今度」

律「そ、そんな冷たい事言わずに…!お願いします…!」

澪「えー…でも…」

律「このとーりです!澪ちゃん!」

澪「………」

律「………」

澪「わかったよ、変な事するなよ?」

律「やったぁ!」

律「………」

律「(ミスは許されない…許されないんだ…!)」

澪「でさぁ、その時私のお母さんが…」

律「あはは、なるほどなぁ、はいお茶」

澪「ありがとう、そうそう、確かこれってムギが」

律「あー、ありえるかも!はいお茶」

澪「律…」

律「えっ?なに?」

澪「さっきからお茶多くない?私ばっかり飲んでるけど…」

律「そんな事ないよ、私だって飲んでるし」

澪「なんか私の比率の方が大きい気がするんだけど」

律「気のせいだよ」

澪「まぁいいや、ちょっとトイレ行ってくるから」

律「あ、トイレならこれ」

澪「………」

律「………」

澪「律…」

律「ん?」

澪「なにこの紙コップ…」

律「尿検査だよ、ほらこれ持ってやってきて」

澪「また訳のわからない事を…」

律「ちゃんと赤い線まで入れてくるんだぞ?」

澪「泊めるんじゃなかった」

律「ほらぁ、変な事言ってないでやってきなさい」

澪「変な事言ってるのは律の方だろ
  なんで尿検査する必要があるんだよ」

律「あぁ、これはな、さわちゃんに言われたからなんだ」

澪「さわ子先生?」

律「なんかみんなの楽器の適性を調べるらしくて尿検査が必要なんだって
  だから私がみんなのおしっこ集めて回ってるんだ、部長として」

澪「楽器の適性?関係ないと思うけど」

律「関係あるんだよっ!おしっこと!
  と、とにかくさわ子先生に言われてるの!早くして?」

澪「じゃあさわ子先生に今聞いてみるよ」

律「ちょちょちょっと!…それはダメだって!!」

澪「なんで?」

律「さわ子先生は彼氏ができたらしくてっ!今日大切なデートなんだって!
  だから今電話すると邪魔になっちゃうからやめた方がいいよ」

澪「そんな話初めて聞いたけど」

律「極秘情報だからな、ほら早くやってきなよ
  私も唯もムギも梓もみんな集め終えてて、あとは澪のやつだけなんだから」

澪「じゃあ唯とムギと梓に今聞いてみるよ」

律「それもダメだ!!」

澪「?!」

律「ムギは今フィンランドに行ってて、唯は久々にご両親帰って来てるらしくて家族みんなで食事…
  梓は親戚の家へ泊まりに行ったらしいからみんな電話したら迷惑に感じると思うぞ?」

澪「だって律の言ってる事嘘くさいんだけど…」

律「私を信じなさい!部長だよ?!…幼馴染だよ…?!…親友だよ?!」

澪「んー…」

律「……」

澪「はぁ…しょうがないな…」

律「やっと信じてくれた?」

澪「本当にさわ子先生が言ってた事なんだな?」

律「もちろん!」

澪「じゃあちょっと待ってて」

律「(何はともあれ手に入ればこっちのもんだ…ふふ…)」

澪「はい…これでいいんだろ…?」

律「おお、こんなにたくさん」

澪「お前が赤い線まで入れろって言ったんだろ?」

律「そうでした、じゃあ澪、これで私は帰るからな」

澪「はっ?!泊まってくんじゃないのか?」

律「いやちょっと急用を思い出してしまって」

澪「急用?」

律「いや、大した事じゃない、それじゃあな澪」

澪「………」

澪「(…何しに来たんだあいつ)」


―――

律「あらためて見ると澪のおしっこってけっこう濃いんだな…」

律「これをスポイトですくい上げて縞々パンツにしみ込ませるっと…」

律「けっこう難しいな…」

律「………」

律「………」

律「(はぁ…人のおしっこ使って何やってるんだろ私…)」

律「できた、おしっここんなに必要なかったな」

律「これで…いいのかな?ちょっと試しに匂いでも嗅いでみようか」

律「………」

律「い、いやっ!!それはダメだ!!あ、危なかった…!
  あやうく梓達の仲間に入ってしまうところだった!…危なかった…!」

律「人としての一線は越えたくないからな…
  今度こそ手に入れたぞっ!…と」カチカチ

ピピピピ

律「早い…相変わらず暇なやつだな」

From:梓「仕事が早いですね先輩!わかりました、それではまた明日」

律「いやー、今回も大変だった…」

梓「御苦労様です、それで…例のものは…」

律「これで間違い無いだろ?」

梓「このきれいな青と白の縞々模様…!これです…!
  私の求めていたものはこれなんです……!」

律「ふふふ…そうだろう?感謝しなさい、私に」

梓「………」

律「(苦労して細工した甲斐があったな)」

梓「律先輩…」

律「ん?どうした梓」

梓「偽造しましたね?」

律「(バレてる…?!?!)」

梓「なんですかこのとってつけたような黄色いシミは?」

律「いや…それは…」

梓「それにこのパンツよく見れば使用感がまったく感じられません
  買って間もないものだってバレバレですよ?」

律「いやー…あはは…」

梓「こんなので私の目を騙せるとでも思ったんですか?」

律「はは…ばれちったか…」

梓「もう…律先輩には任せておけないみたいですね」

律「いやだってこんな事したくないし…」

梓「もう少しだけ付き合ってもらいますよ?」

律「えー…また盗ってこいと…?」

梓「いいえ、今度は私も一緒に行きます」

律「えっ?」

梓「二人で澪先輩のシミつき縞々パンツを頑張って入手しましょう」

律「もう一人でやってくれ」

梓「澪先輩!」

澪「ん?」

梓「今日律先輩と一緒に…」

澪「まさか…」

梓「 泊 ま っ て も い い で す か ? 」

律「(なんか怖い…)」

澪「へっ?!…え、えーと…」

梓「澪先輩の家に…是非泊まってみたいんです!」

澪「ま、まぁ…いいけど…」

梓「本当ですか?!…ありがとうございますぅ!」

律「………」

律「(すまんな澪…)」

澪「じゃあ私、お母さんの料理の手伝いしてくるから」

律「あぁ」

梓「わかりました」


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