澪 「なんだよ唯」
唯 「じつは数学でわかんない問題あってさー でっへへへへっ」
澪 「テスト勉強なんてえらいな どの問題?」
唯 「じつはこれなんだけど」
問題:次の式を因数分解しなさい
①1-x^2
②1+x^3
澪 「ああこれは教科書にのってる公式つかえばいいだけだよ」
唯 「えっ? えっ! どっ どの公式^^」
澪 「これだよ これ」
公式
x^2-y^2 = (x+y)(x-y)
x^3+y^3 = (x+y)(x^2-xy+y^2)
唯 「えー(´Д` ) なんか全然ちがうよ yとかあるし」
澪 「ばかだな唯は yを1に置き換えればいいだけじゃないか」
「そんなんじゃ 受験のりきれないぞ」
唯 「ブーブー( ・∀・)」
「でも 澪しゃんのおかげで答えわかったよ」
答え
①1-x^2 = (1+x)(1-x)
②1+x^3 = (1+X)(1-x+x^2)
唯 「でもこれってさぁ 1-x^4 とか 1+x^5 とかならどうなるのかな?」
澪 「えっ!? うーん そういうのは教科書に載ってないし テストに出ないからいいんじゃないか?」
唯 「そうかな!? どうかな!?」
澪 「とっ とにかくもう答えはわかったんだから私は帰るよ」
「これから塾にいかなくちゃいけないし あとは自分でなんとかするんだぞ∧_∧」
唯 「うん 澪しゃん ありがとー( ´∀`) がんばってみるよ」
カリカリ カリカリ…
唯「なんか規則性がありそうだ…。でもわかんないや。家に帰ってアイスたーべよっ」
平沢家
唯 「憂~(・∀・ ) さき お風呂入るねっ」
憂 「うん ちゃんとアソコも洗わなきゃめっだよっ」
唯 「わかってるよ ゴマたまってたら臭いもんね」
憂 「……(わかってねぇー)」
10分後
バタンッ!
唯 「たいへんだ たいへんだよ 憂!」
憂 「おねぇちゃん どうしたの すっぽぽんだよ ああああああああ Yahoooooo」
唯 「えうれか えうれか えうれか」
憂 「おねえちゃん 落ち着いて 私もすぐに脱ぐからっ!」
唯 「憂のおっぱいなんてこの際どうでもいいよ ちょっと聞いてよ憂」
憂 「◎◇◎∥」
唯の見つけた規則性
1-x^4 = (1+x)(1-x+x^2-x^3)
1+x^5 = (1+x)(1-x+x^2-x^3+x^4)
唯 「ねぇ 憂 これ合ってるかな?」
憂 「あー あってんじゃね?」
唯 「憂 すごいねっ なんで そんなすぐにわかるの」
憂 「左辺から右辺に因数分解しようとするからむずいんじゃん」
「右辺から左辺に筆算で展開すればよくね?」
ひっさん!
1-x+x^2-x^3
1+x
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
1-x+x^2-x^3
x-x^2+x^3-x^4
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
1 -x^4
唯 「ほんとだ すごいね憂 じゃあさ じゃあさ これってさ まとめるとこうなるんだよねっ!」
唯の見つけた公式
1+(-1)^n・x^(n+1) = (1+x)(1-x+x^2-……+(-1)^n・x^n)
唯 「ってことだよね」
憂 「そだね もう私寝るね」
次の日 学校
唯 「和ちゃん 和ちゃん 私 すごい公式発見したよ」
和 「へー そうなんだ」
「あー この公式ね 等比級数を導く式ね」
唯 「トウヒきゅうすう?」
和 「両辺を1+xでわってみなさい」
唯 「えーと 右辺は1/1+x とあとうしろにややこしいのがくっついてる」
和 「そうね左辺は?」
唯 「1-x+x^2-x^3+…みたいにずっと続いてるよ」
1 (-1)^n・x^(n+1)
━━━ + ━━━━━━━━━ = 1-x+x^2-x^3+…
1+x 1+x
和 「右辺の後ろにあるややこしい部分はxが-1より大きくて1より小さければnを無限大におっきくすれば消えちゃうんだよ」
唯 「え? 意味わかんないよ」
和 「まず落ち着いて分子を見てみなさい」
唯 「(-1)^nがある」
和 「そうねこれはnが奇数なら-1で偶数なら1よね。つまりいつも1か-1かどっちかよね」
唯 「そだね」
和 「一番大事なのがその隣のx^(n+1)ね。これはどういう意味?」
唯 「そんなのxをn+1回かけたって意味じゃん。それぐらいわかるよ」
和 「じゃあxが-1と1のあいだにある数字だったとして、xをこれでもかってくらい何回もかけてたらどうなる?」
唯 「うーん。よくわかんないや」
和 「じゃあ たとえばxが1/2だったら?」
唯 「あー それならわかるよ
まず1/2でしょ つぎは1/4 つぎは1/8 で半分ずつになっていっていくらでも小さくなってく」
和 「だから無限回かけざんしたらそのゴールは0になるでしょ。だから分子は-1×0か1×0になって結局0 OK?」
唯 (和ちゃん 偉そうだ… 腹立つなぁ)
n→無限 なら (-1)^n・x^(n+1)→0
和 「で分母だけどxは-1と1のあいだの数だから0以外のなにかの数字になるでしょ。その数をとりあえずcとしとけば 0/cになって結局0になるわけ」
xが-1と1の間で n→無限 だったら
(-1)^n・x^(n+1)
━━━━━━━━━ →0
1+x
唯 「要するにnが無限に大きくなったらややこしい部分が消えてくれるんだね じゃあ簡単だぁ~」
和 「で もう一度 左辺を見直してほしいんだけど 左辺は初項が1で公比が-xの等比数列の和になってるでしょ。だから等比級数の公式になってるの」
減少等比級数の和の公式
1
━━━━━ = 1-x+x^2-x^3+… (xが-1と1の間で n→無限)
1+x
唯 「うーん…」
和 「なにうなってるの唯?」
唯 「これって積分したらどうなるかな?」
「1/1+xは積分したらいくらだっけ?」
和 「1+xを微分したら1になるからlog(1+x)ね」
「もちろん1+xが正になるようにxは-1より大きくしないといけないけど」
唯 「じゃあ左辺を積分したら?」
和 「これはわかるでしょ」
「x-1/2・x^2+1/3・x^3-1/4/・x^4+…」
18の両辺を積分
1 1 1
log(1+x) = x - ━x^2 +━x^3 -━x^4 +…
2 3 4
和 「そうね大体あってるわ」
唯 「大体?絶対これで合ってるよ」
和 「だけど左辺は無限に続いてるでしょ。これを普通に積分していいのかがまず問題なのよ。」
「項別積分は大学で習うんだけど今回はxが-1から1の範囲で唯の公式は正しいわ。」
「ただし-1は含まず1は含んでるけど」
唯 「ややこしいな とにかくxが1のときはいいんだよね。」
和 「そうね」
唯 「じゃあxに1を入れてみよっと」
x=1をいれた場合
log2 = 1 - 1/2 + 1/3 - 1/4 +…
唯 「なんかきれいな式になったね」
和 「ほんとね」
唯 「これって対数の意味考えたらeの1-1/2+1/3-…乗が2になるってことっだよね…」
和 「…」
唯 「じゃあさ」
「eの奇数分の1乗を無限個かけた積をeの偶数分の1乗を無限個かけた積でわったら2になるんだね!」
唯のみつけた公式
e・e^1/3・e^1/5・e^1/7・e^1/9・…
━━━━━━━━━━━━━━ = 2
e^1/2・e^1/4・e^1/6・e^1/8・…
eは自然対数の底
e = 2.7182…
この式が気にってるのでスレたてました
どうもありがとうございました
参考文献
長岡亮介著 「本質の研究 数学I+A」 (旺文社)
斎藤正彦著 「はじめての微積分(上)(下)」 (朝倉書店)
ここに>>28の細かい部分が載っています
YEO・エイドリアン著 久保儀明・蓮見亮訳 「πとeの話」 (青土社)
>>29の公式はここから引用しました
ほかにも面白い公式がいっぱい載ってます
最終更新:2011年08月20日 17:00