紬「梓ちゃんの話…ですか?」

金田一「あぁ、梓って子の話を聞かせてほしい」

紬「………」

紬「…あの日は私の家の別荘を使って合宿をしていたわね」

金田一「べ、別荘…お金持ちなんだな~」

紬「そんなの…自慢もしたくない事ですけど…」

紬「私があの場所に呼んでしまったせいで…梓ちゃんは……」

金田一「………」

紬「まさか澪ちゃんがそんな恐ろしい事をしたなんて…」



金田一「君達はいったい何を隠してるんだ…」

紬「っ……」


金田一「俺の爺さんがさ、あの金田一溝助なんだ…
    今までそんな縁もあってか、色んな事件に首を突っ込んできたんだ……」

金田一「だから分かるんだよ…何か嘘をついてたり隠し事をしてる人間の目ってやつが……」

金田一「今日のティータイムの時も…今だってそうだ、皆は何か隠そうとしている……」

紬「……何が言いたいんですか?」

金田一「別に…単なる俺の気のせいかもしれないな」

金田一「でもさ…一つはっきりと分かる事がある」

紬「何ですか?……」


金田一「君達はずっとその何かのせいで苦しんでるんじゃないのか?…」

紬「………」


金田一「紬ちゃん?…」

紬「す、すみません…ちょっと気分が悪くなったのでお手洗いに…」


金田一「そ、そっか…ごめんな、こんな時にこんな事聞いて…」

紬「いえ、いいんです…」

スタッスタッスタッ


紬(そうよ…私はずっと、合宿の時…そして今も罪悪感に苛まれている…)


紬(あの時、私があんな事さえ言わなければ…)ギュッ

紬(全部…私のせい…!)


 ̄ ̄ ̄



金田一(…皆はいったい何を隠してるんだ?)

金田一(それに澪ちゃん以外の誰かが毒を入れたとしても…あの遺書はどうなるんだ?)

金田一(毒を入れるタイミングも難しい…どうやって音楽室の中に居る人間に気付かれずに毒を?)


美雪「はじめちゃん?…」

金田一「み、美雪…もう大丈夫なのか?…」

美雪「ううん、ほんとは今でも…あんまり大丈夫じゃないかも…」

美雪「さっき、剣持さんから聞いたの…澪ちゃんが後輩の子を――」

金田一「美雪っ!!」
美雪「………」

金田一「お前まで疑っちまってどうするんだよ…」

金田一「俺はさ、信じてみたいんだよ…澪ちゃんの事……」

美雪「はじめちゃん……」


金田一「軽音部の皆は中野梓の死、そして今回の澪ちゃんの一件を
    ありのまま無理矢理受け入れて…そのまま何かを隠そうとしている」

金田一「でも、もしそれが間違いだったらどうするんだよ?」

美雪「………」

金田一「だからさ、お前だけでもせめて…澪ちゃんはそんな事する人じゃないって信じてあげなきゃ…」


美雪「うん…私、信じる……」

美雪「澪ちゃんを…信じる…」


金田一「ありがとな、美雪…」


美雪「ふふっ…」

金田一「ど、どうしたんだ美雪?」

美雪「ご、ごめん…昔の事思い出しちゃって」

金田一「昔の事?…」

美雪「うん…幼稚園の頃に私と澪ちゃんがお人形で遊んでる時の話なんだけどね」

美雪「私がトイレに行ってる間に澪ちゃんが私のお人形を壊しちゃったの…
   それで澪ちゃん、慌てて壊れた私の人形を隠しちゃったのよ」

美雪「それで私がトイレから戻ると、私のお人形があった場所に
   澪ちゃんが使ってたお人形があってね…ふふっ」


金田一「人形を隠して……自分の人形を……」

美雪「は、はじめちゃん?……」


金田一「そうか……その手があった!」

金田一「美雪!俺は音楽室に戻る!」

美雪「はじめちゃん!それじゃあ…」

金田一「あぁ!澪ちゃんの無実を証明できるかもしれない!」


――――




音楽室

佐木「センパイ!」

金田一「佐木!今すぐ今日撮ったビデオを見せてくれ!」

佐木「はいっ!」

剣持「な、何が分かったんだ金田一?…」

金田一「それは後から話す!オッサン、それより急いで調べて欲しい事があるんだ!」

……


剣持「うむ…時間が少々掛かるかもしれんが、調べてみよう!」

金田一「オッサン…我が儘言ってすまない」

剣持「なに水臭い事言っとるんだ!」

剣持「おい!手の空いてる者は俺と一緒に聞き込みだ!」

警官「はっ!!」

スタッスタッスタッ



金田一(恩に着るぜ…オッサン!)

佐木「準備できましたよ、センパイ!」

金田一「サンキュ!それじゃあ見せてくれ!」


ピッ


よく考えろ…。

澪『律、皆でお茶飲むぞー?』


よく思い出せ…。

金田一『誰かが音楽室に倒れてる!!急げ!!』


何かを俺は見落としてる…そのはずだ!。

何かを…。

金田一「っ!!…」


金田一「さっきのシーンをもう一回見せてくれ!」


佐木「こ、ここですか?…」

ピッ


金田一「………」


佐木「いやぁ~、この場面は僕も思わずびっくりしてカメラを別方向に向けちゃったんですよね~」


金田一「…ちょっと待てよ…」

金田一「それじゃあ、その瞬間だけ皆は…!!」


金田一「…そうか!そういう事だったのか!」

佐木「セ、センパイ?」

金田一「佐木!ちょっと俺と一緒に探し物に付き合ってくれ!」

佐木「で、でもこの現場は警察がもう捜索を…」

金田一「頼む!アレがこの部屋のどこかにまだ残ってるはずなんだ!」


………

……


金田一「っ!!……あった」

佐木「セ、センパイ…これは……」

佐木「そんな…これがここにあるって事は秋山さんは!」


ドタッドタッドタッ

バタン!


剣持「金田一!」

金田一「オッサン!どうだった!?」

剣持「確かにあの時間帯、お前の言った通りの行動をしていた生徒が居たらしい!」



金田一「そうか…」


金田一「おっさん、皆をここに集めてくれ!」

剣持「あぁ!」




金田一「謎は…全て解けた!」


 ̄ ̄ ̄ ̄



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