―――那覇市首里

 唯「おぉ~、首里城だよりっちゃん!かわいいね!」

 律「唯は何でも“かわいい”だなあ。でも確かにカラフルでかわいいかも」


(石垣)


 唯「ねーねー、このへんだけ石垣がすごく古いよ。なんでボロボロなんだろう?」

 律「さあなぁ。なんでだろ。どーせなら全部新しくすればよかったのに」





 澪「ムギ、これ何だろう?鉄格子がはまってるけど、なんだか首里城には似合わないな」

(首里城トーチカ)

 紬「そうね…ちょっと違和感があるかも。琉球王朝時代のものではなさそうだけど」






(板)

 紬「待って澪ちゃん!板きれに何か書いてある……『旧第三十二軍合同無線通信所跡』って」

 澪「ひぃっ!戦跡怖い!見えない聞こえない見えない聞こえない……」




―――三日目、島尻郡南風原町、南風原陸軍病院壕跡



 澪「うぅ、いよいよ本格的に戦跡……」

 紬「ガイドさんもいるから大丈夫!」

 ガイド「どうも。ガイドの琉大生です」



 ガイド「これがこのあたりで掘り出された砲弾の破片なんですよ。持ってみます?」

 唯「あ、すっごい重い……」ズシッ

 紬「こんな鉄アレイみたいなの当たったらひとたまりもないわね……」


 ガイド「じゃあ壕に入ってみましょう」

 律「澪!危ないからあんまひっつくなよ!ただでさえ足もと滑るのに!」

 澪「だって……暗いし怖いし……」ガクガクブルブル



 ガイド「この十字路が手術場でした」

 唯「手術場って、ここただの通路だよ……」

 ガイド「医薬品不足の中でも麻酔の不足は特に深刻で、麻酔無しの手術も……」

 澪「ひぃっ!聞きたくない聞きたくない!」

 ガイド「南部への撤退時には、多くの重症患者が青酸カリで……」

 澪「うわぁぁぁぁぁ!」

 紬「澪ちゃん、ちゃんと解説聞かないと失礼よ!ほら、修学旅行のレポートもあるし……」

 澪「そんなの書かなくていいっ!!怖いよぉ!もう出たいぃ!」

 律「それじゃ私も困るんだよ!レポート写せないじゃん!」

 澪「もうやだ!やだぁ!」ビエーン

 律「……スミマセン、コイツこうなると聞かないので……」

 ガイド「じゃあちょうど中間地点あたりなので反対側まで出ちゃいましょうか……」




―――南城市(旧島尻郡玉城村)、陸軍病院糸数分室跡(アブチラガマ)


 律「……受付でいきなりヘルメットと懐中電灯渡されたんだけど」

 紬「これは予想外ね……予約してないからガイドさんもいないし……」

 澪「もう壕には絶っっっっっっ対に入らないからな!」

 唯「えぇ~ 澪ちゃんのいけずぅ~」

 澪「何とでも言えっ!私ここで待ってるから!」





 律(壕に入ったけど…澪は連れてこないで正解だ…マジ怖えぇ……)ドキドキ

 紬(本当に、真っ暗……大丈夫かしら……)ビクビク

 唯(懐中電灯だけじゃ全然見えないよぉ……あ、何かある。順路の看板?)オドオド


ボヤー……

  ┏━━━━━┓  ┏━━━━┓
  ┃破傷風患者┃  ┃脳症患者┃ 
  ┗━━━━━┛  ┗━━━━┛

 唯「うわぁああああ!!!!!」

 律「っっギャァアアアアアア!!何だよこの看板怖すぎ!!」

 紬「早く出ましょう…でも足もとが危ないから気を付けて……」 




―――同じく南城市、おきなわワールド、玉泉洞


 澪「鍾乳洞キレイだなぁ……」

 紬「そ、そうね(洞窟はどうもさっきの壕を思い出しちゃうな……)」

 律「ハブも早く見に行こうぜ!ハブ!(万一にも明かりが消えたらイヤだし……)」

 澪「どうしたんだよ、みんな微妙に口数少ないし早足だし」

 唯「そ、そっかなあ?(だってちょっと怖いんだもん)」


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