和「じゃあ、私はまだ生徒会の仕事があるから、そろそろ」

唯「夏休みも生徒会の仕事ってあるんだ」

和「まあね。主に文化祭や、9月中旬の体験入学の準備よ」

律「おつかれー」

澪「マネージャーみたいなこともやらせちゃって、悪いな」

和「いいえ、いいのよ。楽しいし。それと、えーと……○○さん?」

○○「あ、はい」

和「どんな事情があってこの子たちと演奏することになったのかは知らないけれど」

和「頑張って。応援しているので」

○○「……ありがとうございます!」

和「じゃ、またね」


ガチャン

律「っしゃー、練習すっかー」

唯「よーし、私は英語の練習だー!」

紬「○○さん、この辺りの音を増やしてみようかと思うのだけど」

○○「えーと、それをやると律さんの負担がますます増えるような」

律「え、今でもけっこうしんどいのに勘弁してくれ」


さわ子「……」

さわ子(なんだかしばらく見ない間に、この子たち随分仲良くなったわね)

さわ子(それに)


梓「先輩、先にスポーツドリンク飲んでおきましょう」

○○「ありがと」ごくごく


さわ子(梓ちゃんの甲斐甲斐しさがパワーアップしてる)

さわ子(さっきはみんなに隠れて、手、じゃなくて指を繋いでたし)

さわ子(……)

さわ子(生徒の結婚式に出るなんてシャレにならないわね)

じゃん♪

さわ子(あ、練習を始めるみたいね)

さわ子(たまにはアドバイスでもしてやりましょうか)




――1時間後

じゃじゃん じゃん!

唯「おー、1番と間奏までは全部弾けたね!」

梓「やりましたね、○○先輩!」

○○「ふぅ、ふぅ……うん、後は2番と最後のダブルリードの部分だけだね」

澪「演奏自体も良い感じだったし、これなら間に合いそうだな」

紬「うん、きっと大丈夫!」

さわ子「……」ぽかーん

律「さわちゃん? どかした?」

さわ子「あ、あなたたち、えらく上手くなってるわね。びっくりしたわ」

律「あー、なんだかんだ言って、この夏はかなり練習してたもんなー」

澪「合宿なんてほとんど音楽漬けだったし」

梓「○○先輩に教えてもらったからですよ!」

○○「いやいや、みんなの練習の成果だって」

紬「今年のライブはやる気満々ですっ!」えっへん

唯「私はもう頭の中が英語でいっぱいですっ!」えっへん

さわ子「らしくないぐらいやる気に満ちてるわね。何かあったの?」

律「あれ? さわちゃんは知らないのか」

○○「あ、そういえば話してなかった」

さわ子「何が?」



――さらにさらに事情説明後

さわ子「そう……○○君が」

○○「はい」

さわ子「……多くは言わないわ。まずは初めてのステージを成功させなさい」

○○「はい!」

さわ子「そのためには……よし! 私の技術を余すことなく伝えてあげるわ!」

梓「いえ、先生の技術は今回の曲にちょっと向かないというか……」

律「○○が歯ギターなんてやったら、ちょっとひくぞ」

○○「歯ギターはさすがに……」

さわ子「普通に練習するわよ! 失礼ね!」

さわ子「あと、衣装もちゃんと作るからね!」



――そうして、けいおん部+1は30日のライブへと向けて練習を重ねる

――全てはステージを成功させるために




――8月18日 貸しスタジオ

唯「Deep down in Louisiana close to New Orleans~♪」

律「すげえ!」

澪「ついにここまで……!」

梓「最初の頃と比べたら月とすっぽんですよ!」

唯「えへへー、どんなもんですか!」

紬「すごいわー。ネイティブみたいだったわよ」

○○「どうやって練習したの?」

唯「ふっふー、これだよ!」がちゃ

律「MP3プレーヤー?」

唯「憂に発音してもらった英語をここに入れて、寝てる間に聞いてたんだよ!」

律「す、睡眠学習、だと……」

梓「本当に効くだなんて」

紬「テレビのコマーシャルで見たことあるかも~」

澪「単純な唯だからこそ効く学習方法っぽいな……」

○○「ある意味天才かも」

唯「じゃんじゃん行くよー! He used to carry his guitar in a gunny sack~♪」




――8月19日 けいおん部部室

律「今日は○○来ないのかー」

梓「用事があるらしいです」

唯「なんだか5人でこの曲弾いてると、違和感あるね」

紬「6人用に作った曲だから……」

梓「けど、サボってられません! ライブは近いんですし、練習練習!」


澪「……」カチカチ

律「ん? 澪、メールか?」

びくっ

澪「あ、ああ、まあな……」さっ

律「おいおいー、いきなり携帯隠すとは……まさかまさかー?」

紬「え? 澪ちゃんが?」

律「梓に続いて澪まで大人の階段を昇るのかなー?」

唯「大人の階段? あずにゃん、大人になるための階段があるの?」

梓「唯先輩は知らなくていいですよ。というか私はすでに昇ったことになってるんですね……」

律「さあ、誰にメール打ってたのか白状しろー」

澪「だ、誰だっていいだろ。ただの友達で……」

律「もらった!」ぶんどり!

澪「あっ!」



――澪の携帯

to ○○さん
件名 今日の練習

なんだか今日は練習がはかどらなさそう。やっぱり○○さんがいてくれた方が気が引き締まるのかな。
私も前に教わったハーモニクスのやり方を復習したいから、○○さんに来てほしい。
今日はやっぱり来られないかな?



律「なん……だと……」

紬「澪ちゃん、いつの間に○○さんとアドレス交換してたの?」

澪「い、色々話したり相談したりしてる内に、自然と……」

梓「……」

唯「いいなーいいなー。私も○○君とメールしたい!」

律「よーし、こうなったら全員の携帯から○○にメール送ってやれ!」

唯「おーっ!」

紬「楽しそう~」

澪「え、ええ!?」

律「澪! ○○のアドレス教えやがれー!」

澪「ちょっ、私の携帯を勝手に……あーっ!」




――病院前

ういーん

○○「ふう、今日の検査は時間がかかったなあ。アメリカにデータを送るためだって言ってたけど」

○○「まさかお昼が丸々つぶれるとは……」

ピッ

○○「携帯の電源オン、っと。お、なんだかメールがいっぱい来てるな」

○○「これは澪さんで……」

○○「ん? 知らないアドレス……?」



――○○の携帯

from ~~~@~~ne.jp
件名 無題

律です!


from ---@--ne.jp
件名 無題

紬です!


from 澪さん
件名 無題

澪です……


from ・・・@・・ne.jp
件名 無題

唯です!


from 梓ちゃん
件名 無題

梓です


from ~~~@~~ne.jp
件名 5人揃って

けいおん戦隊けいおんじゃーです!



○○「……」

○○「どう反応すればいいか困る」




from 梓ちゃん
件名 すみません

律先輩に携帯を取られて、勝手にメールを送られました。
多分他の皆さんからも変なメールが来てると思いますが、ただの悪ふざけですので、スルーしてください。



○○「……はは」

○○「楽しい人たちだなあ」

ぴろりん

○○「あれ? 梓ちゃんからまたメールが」


from 梓ちゃん
件名 無題

それと先輩 澪先輩とメールしてたんですね
私 全然知りませんでした また 詳しくお話を聞かせてくださいね
くわしく ですよ 



○○「……」

○○「……」

○○「やばい」



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