――月曜日 昼休み 教室

梓「……」ぽー

純「でさー、やっぱり臭くってさ」

憂「あはは、面白い人だねー」

梓「……」ぽー

純「あれ? 梓ー? 梓ー?」ぷに

梓「ひゃ! な、なに!?」

純「なにって……またぼーっとしてたよ」

憂「梓ちゃん、今日は変だよ? 授業中もずっと窓の外見つめてて」

梓「うん……ちょっとね」ぽー

純「やっぱり変だよね、梓」ヒソヒソ

憂「うん。悩んでるというより、呆けてる」ヒソヒソ

純「やっぱり彼氏関係だと見た」ヒソヒソ

憂「あ、彼氏と言えば、先週の金曜に、それっぽい人がね」ヒソヒソ


梓(○○先輩……何してるのかな)ぽー

梓(授業受けてるのかな。体育だったら見学かな)ぽーっ

梓(メールしたいなあ……しようかなあ)ぽーっ




――放課後 部室

律「今日はだな、合宿の日程を決めたいと思います!」

唯「どんどん、ぱふぱふー」

澪「本気でやるのか……受験だぞ? 大丈夫なのか?」

律「大丈夫だって。2日ぐらい遊んでもさ」

澪「遊ぶんじゃなくて合宿だろ……ハァ」

紬「もう別荘は抑えておいたから、安心してね」

梓「……」ぽー

律「あ、ちなみに合同フェスの申し込みはしといたんで」

澪「お、律にしては早いじゃないか」

律「締め切りギリギリだったからなー。和に頼もうと思ったけど、自分でやっといた」

唯「和ちゃん、生徒会長になってから忙しそうだもんねー」

律「締め切りまであと3日だったからな。危なかったぜい」

紬「楽しみだわー」

梓「……」ぽー


律「……なんか梓の様子が変なんだが」

澪「ここ2、3ヶ月で何度その台詞言ったか分からないな」

唯「それだけあずにゃんにドラマが訪れてるんだよー」

紬「遠くを見たままため息ついたりしてるわね。ほら、今も」


梓「……はぁ」


律「んー、金曜、唯の家に行った後、何かあったな、こりゃ」

澪「何かって?」

律「それは分からん」

澪「律はやっぱり適当だ……」

紬「今の梓ちゃん、とっても恋してる顔だわ~」


唯「あずにゃーん」ダキッ

梓「ひゃ、唯せんぱい、抱きつかないでくださいー」ジタバタ

唯「久しぶりにあずにゃん分を補給だよ!」

梓「あうー」


紬「こっちもいいわ~」キラキラ

律「……あはは」

澪「ムギは相変わらずだな」


律「えーと、合宿の日程を決めるためには、○○の予定も聞かなくちゃだな」

梓「え? じゃあ今から○○先輩を呼ぶんですか? って、唯先輩は早く離れてください」ぐいっ

唯「あーうー」ペタン

澪「いきなり呼び出したら迷惑じゃないか? 練習もしないんだし、悪いだろ」

唯「私、ポテト食べたい!」

律「唯はまた唐突に……」

紬「じゃあファーストフード店でお話しましょうか」

律「ふぅ、だな。じゃ、こっちから○○の所に行って合流するかー」

梓「……」ぽかーん

梓「え?」




――××高校 校門前

律「あいつの高校に来てみました!」バンッ!

梓「え? え?」

澪「ぽかーん」

唯「へー、普通の高校だねー」

律「逆に普通じゃない高校はどんなだ」

唯「揉め事を決闘で解決する学校とか?」

律「それはこええ」

紬「こういう普通の学校も憧れるわー」

梓(先輩……この学校に通ってるんだ……)


梓「ここで、○○先輩を待つんですか?」

澪「校門前……私たちだけ違う制服で、なんだか恥ずかしい……」

律「まあ、多分通るだろ。適当に待ってようぜ」

唯「あずにゃん、メールしてみたー?」

梓「あ……い、いえ、なんだかメールしづらくって……」

律「おいおい、あいつのメルアド知ってるの梓だけなんだから、ちゃんと送ってもらわないとだな」


ざわざわ


澪「な、なあ、なんだか私たち、見られてないか?」

紬「そうねー、行き交う人みんなに見られてるわ」


ざわざわ

「あの子たち、かわいくね?」

「他校の生徒かな」

「あの制服は桜高じゃん」


澪「や、やっぱり見られてる」

律「ほっとけ。他校の生徒が珍しいんだろ」


ざわざわ

「かわいい~。特にあの長い黒髪の子ー」

「ギターケース背負ってるね。バンド組んでるのかな」

「俺、あの金髪の子が好みだなー。ほわほわしてて」

ざわざわ

「私はカチューシャしてる子がかっこいいかも……」

「あ、あんたその気があったんだ」

「黒髪ロングはぁはぁ。黒髪ツインテはぁはぁ」


梓「い、居心地悪いですね」

紬「男女問わず見られてるみたい。人も増えてきたわ」

唯「いぇーい、みんな元気ー?」ふりふり

律「手を振るなって」

澪「は、恥ずかしい……」



ザッザッ

男1「ねえねえ、ちょっといいかな?」

梓「はい?」

男2「ひゅー、近くで見るとますますかわいい!」

男3「やっぱり桜高の子だwww」

律「なんだこいつら」

唯「なーにー?」

澪「茶髪の男の人が3人も……」ガクブル

紬「何か御用でしょうか?」

男1「いや、俺たちここの学校の生徒なんだけどさ」

男2「君たち、誰か出てくるの待ってんの? もしかして俺だったり?」

男3「ねえよバカwww」

梓「あの、私たちは他の人を待ってて」

男1「へー、けどさあ。よかったら俺たちと遊ばない?」

男2「君、その髪型かわいいねー。何年生? 年下かな?」

梓「え? いや、その」

澪「こ、怖い……」ぶるぶる

男1「ちょーとゲーセンとかに行ったりとかさ。カラオケでもいいよ? バンドやってんしょ?」

男2「じゃあ俺、この年下の子と一緒に行こうかな」ぽん

男3「ロリコンきめぇww いきなり肩に手とかぱねえwww」

梓「や、やめてください!」


バシッ!

律「はいはーい、残念だけどこの子はもう予約済みなんだよね」

男2「いてっ!」

男1「へ? 予約?」

律「ちなみに私たちもあんたらみたいなのについていくほど、安くないからさ」

唯「私たちはお高い女なの、おっほっほ」

澪「ゆ、唯、あんまり刺激すると……」びくびく

紬「あまり強引な殿方は嫌われますよ?」


男1「な、なんだよ、せっかく俺たちが声かけてやったのに」

律「あんた達がどこの誰だから知らないけど、早くけえったけえった」

男2「俺、この子と遊びたいだけだぜ? 邪魔すんな」

男3「だからロリコンきめえってwww」

澪「怖いぃ……」ガクブル

律「ったく、さっさとどっか行けってのに……」

梓「うぅ」


「あれ? 梓ちゃん?」


梓「あ! ○○先輩!」

ダダダダ ぎゅ

○○「っと。どうしてここに? けいおん部のみんなも」

梓「この人たちが」ぎゅ

○○「?」

??「お、おい、○○。お前こんなかわいい子にシャツの端掴まれるって……何やった? なあ、何やった?」

男1「なんだぁ、てめえら……って、うお!」

男2「3組のもやしっ子に……友さん!?」

男3「やべえwwwwwww」


律「○○の隣にいるの、誰だ?」

澪「さ、さあ。友達じゃないか? 金髪でちょっと怖そう……」

紬「身体つきが強そうだわ~」

唯「あ! 変な3人組がぺこぺこしてるよ!」


友「おら、てめえら。女の子引っ掛けるのに脅し使うんじゃねえよ」

男1「すいませんすいません」ぺこぺこ

男2「まさか友さんの知り合いとは知らず……」ぺこぺこ

男3「さーせんwww」ぺこぺこ

友「ま、俺の知り合いじゃなく、○○の知り合いだけどな……ほら、帰れ帰れ!」

男達「さーせんしたっ!!」ダダダダダ!


○○「梓ちゃん、大丈夫?」

梓「は、はい。ありがとうございました」

○○「いやいや、俺は何もしてないって、情けないことにね。お礼なら友に」

梓「はい、友……さん、ありがとうございました」ペコリ

友「いやー! こんなかわいい子にお礼言われるなら、俺も本望だ!」

○○「ちなみにこいつは変人だから」

梓「は、はあ」

友「何を言う!」


律「よっ、○○」

○○「ああ、律さん。どうも。みんなも大丈夫だった?」

澪「う、うん、大丈夫」

紬「助かりました~」

唯「あの人たち、遊びたいなら前もって約束してくれないとねー」

梓「そういう問題じゃないと思いますが……」

○○「今日はどうしてここに?」

律「合宿の……ああっと、ここじゃ駄目か」

○○「ああ、友ですか? こいつは大丈夫。俺が音楽やってるのを知ってるから」

友「ども! 友でーす! 彼女なしの18歳! 独身! 彼女募集中! ちなみに君たちみたいなかわいい子は大歓迎!」

澪「うわ……」

律「どんだけ彼女欲しいんだよ」

○○「ちなみにこいつは変人なんで、無視してもらっても結構です」

紬「は~い」

唯「変態さんなんだー」

友「ひでえ! 少しぐらいこの子たちを紹介してくれよう!」



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