律「最近優しいムギが戻ってきてうれしいなぁ」

 「抵抗しなかったらあんなに優しいんだなぁ」

 「ムギに撫でられるとちょっとドキドキする…梓の気持ちが分かるかもしれないな…」




放課後!

ガチャ

律「おいーっす」

 「あ、ムギ…」

部室には紬が一人でぽつんと立っている。

紬「こんにちは」ニコ

 「今日のりっちゃんぶん補給」ダキ

 「よしよし」サスサス

律「えへへ」

紬「りっちゃん最近本当にお利口さんね」ニコニコ

 「だから、今日は面白いもの持ってきたの」ニコニコ

律「そ、そうなんだ…」

 (な、なんかいやな予感がするよ…)

紬「ジャーン!」バチバチバチバチ

 「これは何でしょう?」ニコ

派手な火花を走らせながら音をあげる黒い機械。

律「ム、ムギしゃん…?」

紬「答えて!!…これは何でしょう?」ニコ

律「す、スタンガンです…」ガタガタ

紬「正解!これで何をするでしょう?」バチバチバチ

律の目にジワーっと涙が浮かぶ。

律「い、いじめるの…?」

紬「うん!」ニコ

涙目で後ずさりする律。ゆっくりと近づく紬。

律「し、死んじゃうよぉ」グスグス

紬「こらこら、泣かないの」クスクス

 「えい!」

律「うわぁ!」

額めがけてつっこんでくるスタンガンをとっさに避ける。

バチバチバチバチ…

律「や、やめくれ!ムギ!死んじゃうよ!!」

紬「ウフフフフ」

 「りっちゃんのおでこにスタンガン当ててみたかったのー」

スタンガンを手に持ちゆっくり近づいてくる紬。穏やかな笑顔だ。
夕日で真っ赤になった音楽準備室には紬と私しかいない。

紬「えい!」

次は避けられなかった。
本能的につきだした右手の手のひらに思いっきりスタンガンが食い込む。
バシィッ!

律「ぎゃああ!」ビクビク

あまりの衝撃にその場にへたり込む。

紬「うふふ、威力最小なのにりっちゃん弱いわぁ」クスクス

律「やめて!お願い!」ガクガク

震えながらその場に土下座する律。

紬「こら!抵抗しちゃダメでしょ!?」バシン

土下座する律の背中に思いっきり平手打ちをする。

律「ぐぅ!ム、ムギー…」

紬「もー!言うこと聞かないなら威力最大にするよ?」

 「琴吹家の技術班に作らせた特別製だからショックで本当に死んじゃうかも~」クスクス

 「琴吹の吹はウェポンの吹!」ニコ

律「分かった!言うこと聞くから!」ガタガタ

紬「ウフフ。良い子ね。どこにやってほしい?」

律「え?どこって…」

紬「5、4、3」

律「!? ま、待って!」

紬「早く!どこにスタンガン当ててほしいの!!」

スタンガンの調節つまみに手をかける紬

律「ひぃ!お、お腹!お腹にお願いします!」

紬「お腹ね?了解でーす♪」サッ

笑顔で敬礼をする紬。ここ最近で一番楽しそうだ。

紬「早くお腹出してよ~」

律「はい…」

律は震えながらシャツをまくり上げる。

紬「可愛いおへそ~」クスクス

 「写真撮っちゃお♪」カシャ

律「…」ガタガタ

紬「じゃあ行きますわよ?」ニヤー
 「えい!」

バシィ!

律「あぎゃ!…ぐぅ」ドサッ

シャツをまくり上げたまま仰向けに倒れる律。

紬「わぁ!腹筋がビクビク動いてる!」

 「ねぇ、いつまで寝てるの?立って?」

律は目を閉じたまま激しく息をしている。

紬「聞いてるの?おい!」バシ

律の頬を平手打ちする。

律「ひぃ!」ビク

紬「ねぇねぇりっちゃん。あと何回やってほしい?」

律「え?」

紬「だ・か・ら!あと何回スタンガンもらいたのかな?りっちゃん?」ニコ

律「もうやだぁ!怖いよぉ!」

紬「違うでしょ!?お姉さん威力最大にしちゃうぞ~?」ニヤニヤ


律「い、一回…」

紬「はぁ?」

律「に、二回!二回お願いします!」

紬「…」ジー

律「さ、しゃんかい!三回やってよぉ…」ガタガタ

紬「三回!りっちゃん欲張りね!」クスクス

律「うぅ…」ガタガタ

震えながら立ち上がる律。お腹はまだビクビク動いている。

紬「じゃあいっくよ~ん♪」

 「えい!やぁ!とお!」バシバシバシ

三回連続で律のお腹に電撃が走る。

律「んぅ…!…ぐぅ!!…おげぇぇ!」ボトボト

衝撃に耐えきれずその場で盛大に吐いてしまう。

紬「あははは!最高よ!りっちゃんグッジョブ!!」

倒れ込み、自分の吐瀉物の中に両膝をつく。

律「けほっ…けほっ…はぁはぁ」
 「ム、ムギ…ごめんなさい…吐いちゃった…」ガタガタ

紬「うふふ、良いのよ?一緒に掃除しましょうね?」

律「うん…」ガタガタ

紬「良い子ね。よしよし」サスサス


……



紬「はい、りっちゃん紅茶どうぞ」

律「あ、ありがとうございます…」

紬「いえいえ~♪」ニコ



ガチャ

澪梓唯「…」

律「あ!みんな遅いぞー!どこ行ってたんだ!」

澪「どこいってたも何もなぁ…」

梓「律先輩また生徒会の書類出さなかったから、私たちが怒られてたんです!」

律「え?聞いてな…」

紬「あらあら」二ヤー

澪「言い訳するな!」グッ

律「ひぃぃ!」ガタガタ

澪が毎度おなじみの殴るモーションをした途端、
おびえてイスから転げ落ちる律。
ガタガタ震えている。

澪「り、律?」

律「ご、ごめんなしゃいー!」ガタガタ

梓「プークスクス」

澪「笑うな梓」ガチン

梓「いで!」

澪「律!ごめんな?殴らないよ?」サスサス

心配そうに律の頭を撫でる澪。

澪「大丈夫か?」

律「だ、だ、大丈夫」ビクッ

 (こんなことしたらバレちゃう!)

梓「だ、だ、大丈夫www」

唯「ちょっと!あずにゃん!」

律「き、今日は帰るよ…」フラ

澪「送っていくよ!」

律「いい…」

律はふらふらと一人で部室を出て行った。




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