数日後

梓「…」ゴソゴソ

紬が放課後部室に行くと既に梓が居た。
こちらに気づかないようだ。夢中で何かをいじっている。

紬「梓ちゃん?」

梓「!」ビクっ

 「あぁ、ムギ先輩。ちょうど良いところに」二ヤー

紬「なぁーに?悪い顔してるわよ?」二ヤー

梓「実は部室でこんなものを見つけてしまったんですよ」

紬「これって手錠?」

梓「はい!プラスチックのおもちゃですけど結構頑丈ですよ。」

 「これで律先輩をこらしめるです!」

紬「なんで?」

梓「この前、あの人私のこと殴りやがったからです!」

紬「あれは痛そうだったわね」クスクス

梓「笑い事じゃないです!実行犯はムギ先輩なのに…」

紬「あの着火装置は面白かったわぁ」

梓「それよりも!ムギ先輩。この手錠で律先輩をやっつけるですよ!」

紬「それでどうやるの?」

梓「それはですね…」コソ




律「おぃーっす」バン

 「って、まだ誰も来てないのか」

つまんなそうな顔で律は部室に入っていく。
自分の席に座ると、何かが机についているのを発見する。

律「なんだこれ?手錠?」

手錠の片方の輪が机に付けられているのだ。
もう片方が使ってくれと言わんばかりにプラプラ揺れている。

律「…」ソワソワ

 「タイホー!」

律はもう片方の輪を自分の手首にはめる。

律「なーんてな!」ハハハ

 「あれ?これ抜けないぞ?」グイグイ




そのころ

梓「あ、唯先輩、澪先輩今日は部室がなんかの点検で使えないみたいですよ?」

澪「じゃあ今日は部活無しかー。律は?」

梓「律先輩はゲームやるって言ってすぐ帰っちゃいましたよ。」

唯「りっちゃんゲームと私たちどっちが大切なの?」プンプン

梓「まったくですよね!ムギ先輩も用事があるらしいので、今日は3人で帰りましょう」

澪「そうするかー」


梓「あ、家に電話かけてきます!」

梓はにやにやしながら携帯を開き、紬に電話をかける。

梓「ムギ先輩。こっちはうまく誘導できました。」

紬「了解!こっちも計画を実行するわ!」




ガチャ

紬「遅れてごめんなさーい」

律「お、おう…」

紬「どうしたの?りっちゃん」

律は机に拘束された左手を見せる。

律「なんか、手錠がかかっててノリでやったら取れなくなった…」

紬「なんで取れなくなるって考えなかったの?」

律「うぅ不覚だった…」

紬「馬鹿律!」ポカ

律「いて!…え!?」

紬「うふふ、一回やってみたかったのー」

律「そんなぁ~」

紬「馬鹿なことするりっちゃんが悪いのよ?」

律「そ、そうだけど…ムギに殴られるとびっくりする…」

紬「そうなの?」

律「うん…ちょっと…」

紬「えい!」ポカ

律「ひぃ!」ビク

紬「あはは!りっちゃん澪ちゃんみたい!」クスクス

律「おい!やめろよ!」

紬「ウフフ怒っちゃった。安心して?手錠の鍵は梓ちゃんが持ってるわ」

律「この手錠はあのゴキブリのおもちゃか!クソ!はめられた!」

紬「こら!クソなんて言っちゃだめよ!」バシッ!

律「ぎゃ!」

 「ちょ、もう殴るのやめてよ!本当に痛いって!クソって言わないから!」ブルブル

紬「ウフフお利口さんね」サスサス

紬は律の頭を優しくなでる。

律(なんか今日のムギ怖い…早くみんな来ないかな)ブルブル

紬「それじゃあ、梓ちゃんが来るまでお茶しましょ?」

律「うん…」


鼻歌を歌いながら紅茶を入れる紬。
不安そうな表情でそれを見つめる律。

紬「♪」ザー

律「!」

 (い、今紅茶になんか粉入れたぞ…)

紬「さぁできたわ。召し上がれ」ニコ

律「ム、ムギ!今何か入れなかったか?」

紬「? 何も入れてないわよ?」

律「嘘だろ!なんか粉入れたじゃん!怪しいよ!」

紬「なに?私の紅茶が飲めないのかしら?」

律の後ろに回り込む。

律「いや…そうじゃなくて…」

紬「じゃあ召し上がれ♪」ニコ

律「おう…」

律は若干青ざめた表情で紅茶を見つめる。

紬「はやく」グッ

そう言って紬は律の肩を掴む。
律は意を決した顔で一口紅茶を飲む。

律「! なんか変な味がするぞ!」

 「ぬるいし…」

紬「まずい?」ギュー

肩を掴む力が強くなる。

律「い、痛い!飲む!飲むから肩掴まないでよ!」

一気に紅茶を飲み干す律。

紬「よしよし」ニコ


律「ご、ごちそうしゃまでした」

紬「あはは、りっちゃんいまかんだでしょ?」

律「紬が怖がらせるからだよ…」

 「で、梓はいつくるんだよ…」

紬「ちょっと電話してみるわ」ピピ



紬「梓ちゃん?作戦失敗よ」

梓「え!?」

紬「あの手錠すぐ壊れちゃって、りっちゃん帰っちゃった…」

梓「そうですか…それじゃあ今日はこのまま帰ります」

紬「残念ねぇ」ピ

携帯を閉じ、ニヤーと笑う紬。



紬「お待たせりっちゃん。梓ちゃんあと30分ぐらいで来るってー」

律「さ、30分!?」

紬「どうしたの?」

律「は、早くできないのか?」モジモジ

紬「どうしたの?モジモジしちゃって」クスクス

律「な、なんでもないよ…」モジモジ

紬「ふーん」

 (そろそろ薬が効いてきたかな。おしっこにいきたくなっちゃう薬)クスクス

律「なにニヤニヤしてるんだよ…」

 「てか他の奴らどこ行ったんだ…」

紬「みんな用事あるんだって。今日は二人っきりね。うふふ」



20分後

律「はぁはぁ…」プルプル

紬「どうしたの?具合悪いの?」

律「な、なんでもない…」

紬「うそ。だって顔青いよ?」

律「なんでも無いって…」

 (あと10分あと10分…)

紬「あー、隠し事はダメよー?」

 「隠し事する悪い子にはこうだ!」コチョコチョ

律「わぁ!い、今はやめろ!」バシ

焦った律は空いてる手で紬のお腹を叩く

紬「きゃ!」

 「もう!何するの!お返し!」ドゴッ

紬は律の膀胱のあたりをグーで殴る

律「ぐぁ!……ご、ごめん…」プルプル

紬「分かればいいのよ」ニコ

 「それじゃあ続きを♪」コチョコチョ

律「ひやぁ!ダメ!漏れちゃう!」ビクビク

紬「漏れちゃう?」ピタ

律「うぅ…おしっこ漏れそうなんだ…」

「だからあんまり刺激しないで…」

紬「まぁ!それは大変ね!」

 (ふふ、効いてる効いてる)

律「早く梓来てくれないかな…」



さらに20分後

律「もう限界だよぅ…」ガタガタ

 「梓ぁ…」

紬「あ、梓ちゃんやっぱり今日来れないみたい!」

律「!!」

 「じゃ、じゃあこの手錠どうするんだよ!」

 「漏れちゃうよぉ!」

紬「ノコギリ持ってくるわね!それなら切れそう!」ダッ

律「た、頼んだ…」



10分後

そこにはウキウキと部室をのぞく紬がいた。

律は真っ青な顔で耐えている。

紬(りっちゃんファイト!)クスクス

しかし、律はもう限界を越えているようだ。

律「はぁ…はぁ…あぅ!」ビク

 「もぉだめぇ!」ビクビク

律の座るイスの下に水溜まりができていく。


ガチャ

紬「わぁ!漏らしちゃったの?」

律「ム、ムギ…遅いよぉ」グスグス

紬「あーあ、これはみんなに報告しないと」カシャカシャ

律「な、携帯で撮らないでくれよ!」

紬「なんで?」

律「こんなのみんなに見られたらもう軽音部に出られないよ…」

紬「だよねー」クスクス

 「大丈夫よぉ私の言うことをきいてくれたらこの写真は出さないから」

 「今すぐにはお願いしないから安心して!」

律「分かった…言うこときくから…」

 「なんで…なんでムギはこんな意地悪するんだよぅ…」

紬「だってりっちゃんの苦しそうな顔ってすっごく可愛いんだもの」

 「ゾクゾクするのー」

律(ム、ムギじゃないよ…こんなの…)



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