唯「やってきました鹿児島!」

小父「あー背中伸ばしたい」

唯「お疲れ様です」

小父「もう今日は旅館。あと温泉」

唯「おんせん……!」

小父「鹿児島に来て温泉に入らないわけにはいかんよなあ」

唯「そうですなあ」



鹿児島 旅館

唯「ふわー……いいお湯……ごくらくじゃあ……」

唯「……」

唯「私がこうしていられるのもおじさんのおかげだよ~」

唯「そうじゃなかったら今頃どうなっていたことやら」

唯「……」

唯「何か」

唯「お返しできないかなあ」


唯「いいお湯でした」

小父「はいどーも」

唯「あ、料理来てる!」

唯「しゅごーい、おいしそう」

小父「それじゃあ頂くとしますかね」

唯「あっ」

小父「?」

唯「おじさん私がビール注ぐよ」

小父「あらそう? んじゃよろしく」

唯「はーい」

コポコポコポ……

唯「はいどうぞ」

小父「おお、うまいねえ」

唯「えへ、よくお父さんにお酌してるから」


唯「はあーおいしかったぁ」

小父「はあー」ゴロン

唯「……」

唯「そうだ!」

唯「おじさん疲れてるでしょ? それに背中痛くない?」

小父「まあねえ、俺の車古いからシートも固いし」

唯「じゃあマッサージしてあげるよ」

小父「いやー気持ちだけで十分」

唯「えー私上手いよ?」

小父「いやー……気持ちだけで十分」

唯「まあまあそう言わずに……よっこいしょっと」

小父「ぐえっ」

唯「じゃあいきまーす」

小父「あのねえ……おっ、これは中々」

唯「えへへ、どうですかーお客さん?」


小父「――ん」

小父「……俺寝ちゃってたのか」

小父「ん?」

唯「くかー……」

小父「……」

小父「……二部屋とった意味ないじゃないの」

唯「……んぁ」



小父「今日はほとんどフェリーで移動だな」

唯「フェリーか……酔いたくない」

小父「寝てれば?」

唯「でもせっかくの常夏風景が……」

小父「おじさんに吐かないでね」

唯「いじわる」

小父「ハハー」

唯「寝てようかな」

小父「とりあえず奄美大島につくまで半日くらいかかるから」

唯「……だめかも」



唯「うわー海きれー!」

小父「君は気分屋だねえ」

唯「だってこんなに綺麗なんだよ!」

小父「確かに海を眺めて一杯やりたくなるなあ」

唯「それはわかんないよ」

小父「あーそうだ、記念に撮っておくか」

唯「ほえ?」

小父「写真」

唯「あっお父さんが持ってるカメラみたい」

小父「一眼レフね」

唯「……」サッサッ

唯「おじさん、私の髪の毛はねてない?」

小父「いや、海撮るんだけど」


小父「……はいチーズ」

唯「いえいっ」

カシャ

唯「わーい」

唯「現像したら私にも1枚ちょうだいね」

小父「へーへー」

小父「……まあいいか」



唯「青い海……」

唯「塩の風……」

唯「常夏の太陽……!」

唯「沖縄にきたぞー!」

小父「熱いなー」

唯「おじさん、海! 海行こうよ!」

小父「いってらっしゃい」

唯「ええーおじさんも行こうよ」

小父「水着代あげるから行ってきなさいって」

唯「ええー……」



唯「おじさーん!」

小父「……結局海まで来ちゃったよ」

唯「おじさんも海入ろうよっ」

小父「おじさんはビール飲んでるから無理」

唯「ちぇー」

唯「じゃあ写真とってよ!」

小父「おじさん捕まりたくないんだけど」

唯「あはは」



唯「はー遊んだ遊んだ」

小父「で?」

唯「何が?」

小父「沖縄に来てどうなのよ」

唯「すっごく楽しい! あとブルーシールアイスも美味しかった!」

唯「……ここまでこれたのはおじさんのおかげだから」

唯「私自身は何も変わってないのかも」

小父「そんなにすぐ変われたら苦労はせんて」

唯「そう……だよね」

小父「そらそうよ」



唯「今日も旅館に泊まるの?」

小父「そりゃあ沖縄まで来たんだから。ここで泊まらずいつ泊まる」

唯「おおう」

小父「それじゃあ今日はここにしますかね」

唯「そうだおじさん」

小父「はい?」

唯「借りるの一部屋でいいよ」

小父「はい?」



唯「お父さん、ビール注いであげるよ」

小父「おじさんそういう趣味はないなあ」

コポコポ

小父「はいどーも」

小父「ほい、オレンジジュース」

唯「あらすいません」

コポコポ

小父「それじゃあ目的地に着いたということで」

唯「かんぱーい!」

小父「あー、車買い替えようか、な」

唯「おじさんの、車、古いよね」フンス フンス

小父「あー、首のほうを」

唯「ほいほい」フンス フンス

小父「今時カセッ、トテープしか再生で、きない車とかないよな、あ」

唯「そうだねー」フンス フンス

小父「あー効くねえ」

唯「お父さんこってるねえ」



小父「――朝か」

唯「くー……」

小父「旅館に来ておいて二人とも雑魚寝か」

小父「なにやってんだろうねえ」

小父「おきんさい」

唯「んぇ……あと5ふん……」



小父「さて、目的を達成したわけだが」

唯「はい」

小父「この後どーすんの?」

唯「うーん……」

小父「飛行機で帰る?」

唯「……」

唯「もう少し……」

小父「うん?」

唯「もう少しだけお供させて下さい」

小父「俺は構わんけど、家帰らなくていいの?」

唯「自転車だったらまだ沖縄についてもいないだろうし」

小父「そうだろうなあ」

小父「んじゃ出発しますか」

唯「うんっ」



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