─最終話─


子犬「わんわん!!」

唯「あっ、わんわんだ!!」

梓「捨て犬ですね」

澪「おいしそうだな」

唯「えっ」

梓「あ?」

紬「ヤックデカルチャー」

澪「冗談だよ」

律「お前が言うとシャレにならない感じがするんだよ」

唯「澪ちゃんっていつからそんな風になっちゃったの?」

澪「なんのことだよ」

梓「昔は美人、スタイル良し、性格も愛らしい人気の集合体だったのに」

律「今じゃけいおん部1の厄介ものだもんな」

澪「お前に言われたくないんだよ」

梓「律先輩と澪先輩を一緒にしないでください!!」

律「そうだぞ~!!」

梓「澪先輩と違って

  律先輩は最初から救いようがないクズでしたからね」

律「へっへへ~ん♪」

紬「自分がコケにされてる事すら気付かないアホだったとは」

律「そりゃあな、ムギは一年のころから勉強も出来たし

  一方、アタシは澪の助けがなければ

  赤点スレスレの勉強大嫌い魔人だったけどさ」

紬「えっ」

澪「どうしたんだ律」

紬「ご、ごめんなさい、言いすぎたかしら……?」

律「いや、それなのに結果的にそんなアホと同じ大学に入る事になって

  今どんな気分ww?」

唯「一年の頃から遊びまくってた私達は勝ち組ww」

紬「でもカンニングしたのよね?」

律「はい」

唯「もちろんだよ!」

澪「最悪だコイツら」

梓「合格発表の日の私の感動を返せ!!」

律「あらよっと」ブリッ ボタッ

梓「あっ、スカートからなんか落ちてきた」

澪「よし、ペットのフンは持って帰らなきゃな」ゴソゴソ

唯「というか りっちゃんは今、パンツを脱がずにウンチしたよね?」

梓「感動しました」

律「思い起こせば色んなことがあったなぁ」

澪「そんなノーパン姿で思い出に浸られても」

唯「そういえば今頃どうしてるかなドラえもん」

紬「今ものすごい無理やりな感じが…」

律「アタシたちがこうして出会ったのも

  ドラえもんがいたからなんだよな…」ボタボタ

梓「またなんかスカートから落ちてきた」

澪「ヒヒッww」ゴソゴソ

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─唯達が1年のころ─


律「なぁ澪よ。今月中に部員をあと2人確保しないと

  けいおん部が廃部になっちゃうみたいだぞ」

澪「よかったよかった」

律「何言ってんだよ!?」

 「お前アレだぞ!!」

 「いいか!?いいのか!?」

澪「いいよ」

律「ぎゃぼァアオォオォアアアアアアアアアアアアアアアア!?」

澪「ナニ言ってんだ このクズ」

澪「そもそも私は文芸部に入るつもりなんだから」

律「文ゲイだかボルゲだか知らないが そんな部に何があるってんだ」

 「男同士のセックス戦記でも書こうってのか」

澪「お前、全国の文芸部員を敵に回す気か」

 「というかボルゲって何?」

律「なんだ、文芸部に入りたいとか言っておきながら

  ボルゲも知らないのかよ~」

澪「う……知らない……」

律「両目の視力を奪われながらも、復讐心を糧に盲目を克服した偉人さ」

澪「ボルゲって人間の名前だったのか…」

 「それで復讐は成功したの?」

律「記憶を取り戻したケンシロウの敵ではなかった」

澪「北斗の拳は文学じゃないんだよ!!」

律「なんだと?武論尊先生に謝れ!!」

澪「ごめんなさい」

澪「そうなんだ。じゃあ私、文芸部に行くね」

律「わあああああ待ってよおおお!!」

 「いいもの あげるから!!」

澪「なんだよ、いいものって……」

律「なんか……やわらかくて……いいニオイで…甘いもの」

澪「あっ、スイーツ?」

律「いや、コイツ 動くぞ!!」

澪「なんなんだよ なんなんだよ それは」

律「いいから来いよおおおおおおお!!!!!」

 「来てえええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!」

 「ウンコ漏らすぞオラアァアアァアア!?!!!!?」

澪「わかったわかった……わかったからパンツを上げろ」

律「えっ、それじゃ澪さん……」ミチ

澪「部員勧誘は手伝ってやる」

 「それでも廃部になった時は あきらめろよ?」

律「わあああああ、だから澪って大好きーーーーーーー!!!」ミチミチ

澪「わかったから そのウンコ始末しておけよ」

律「ムシャムシャ」

澪「えっ!?」


─数日後 部室─

律「この数日間、部室で待っていても入部希望者は来なかったし

  チラシを配ってみても効果はなかった」

澪「合奏部なんかと違って、軽音部は敷居が高く感じるのかも知れないな」

 「少数精鋭、初心者お断りってイメージがあって」

律「そういうワケで初心者に

  敷居を低く感じさせるV作戦を考えてみたんだ」

澪「ふぅん」

 「それで何故お前は全裸なんだ?」

律「V作戦の要に決まってんだろ」スッポンポン

澪「お前がトトロみたいに私にしか見えない存在だったらよかったのに」

律「ほら、楽器初心者でビビってる人も

  部長であるアタシが素っ裸なら安心するだろ」

澪「なるほどな、どういうこと?」

律「今の時代、必要なのは『ぬくもり』さ」

 「心の壁をとっぱらい、何も隠しごとなんかありませんよ?」

 「マッパは そういう心意気の表れさ」

澪「リッパな心意気だが

  その格好で学校内をウロついていたら

  明日から机の上に花瓶を置かれる生活が待っているぞ」

律「え、なんだよそれVIP待遇かよスゲェ!!」

澪「そこに気づくとは大したヤツだ」

 「死ね」

律「花瓶より直接的な表現だね」

律「まぁガタガタ言ってないで見学希望者を連れてこいよ」

 「私がバッチリ、ハートキャッチしちゃうから」

澪「えっ。わ、私が連れてくるのか?」

律「正直アタシだって 裸で校内を

  練り歩いたら どうなるかくらい分かりますよ」

澪「そうか。本当に安心したよ」

律「お前は連れてくる係、アタシは全裸で出迎える係」

澪「全裸で出迎えたら どうなるかも理解してほしいところだった」

カチャリ

澪「…じゃあ外でクラスの子とかに声かけてくるよ」

律「おー、いっぱい連れてこいよー」

バタン

澪「……」スタスタスタスタ

 「さぁ帰るか」

律「おい澪コラアアアアアアアアアア!?」

 「何、そっこうで帰ろうとしてんだクソがああああああああああ!?」ドタドタ

唯「えっ!?なに アレ?」

澪「律。お前は さっき裸で校内は歩けないって言ってよね」

律「だから歩くのではなく全裸で全速力ダッシュしてきた」ゼェゼェハァハァ

澪「狂った一休さんか お前は」

律「あっ、そこのヘアピンの人、軽音部に入りませんか?」

唯「なんでこの人、裸なの?」

澪「ごめんな」

唯「絶対に負けるもんか!!」バッ

律「おお、コイツも全裸に」

澪「変態って感染するんだな」

さわ子「そこ!!そんなカッコで何してるの!?」

律「ゲェーッ!?教師!?」

澪「えーっと2x+3y=6のとき…」ブツブツ

律「おいコラ、なに無関係者 装ってんだ澪おおおおおおおおおお!?」

さわ子「あなたは確か、田井中さんね!?叫んでないで職員室に来なさい!!」

律「違う!!アタシは本物の田井中律じゃない!!」ギャワー

さわ子「あなた、クスリやってるの!?」

ウォォ ズルズル

唯「連れていかれちゃったね」

澪「どうしてキミは裸なのに連れていかれなかったんだ」

唯「ちゃんとストッキングを履いてたからね!!」フンス

澪「そうか。ナニ言ってんだコイツ」

 「いや、おかしいのは この変態をスルーしたあの先生の方か?」

 「もう何がなんだか分からない…」

 「そうか、お前私にしか見えないトトロなんだろ?」ヒヒッww

唯「変態!!変態!!変態!!」ウワァァァッ

唯「ねぇねぇ、さっきカチューシャの子が『けいおん部』って言ってたけど

  けいおん部ってどんな部活なの?」

澪「まずい。この変態、軽音部に興味を持ってしまったようだ」

 「おい!!あっちに行かないとストッキングをひきむしるぞ!!」シッシッ

唯「わぁ~ん、やだよぉ~!!」タタタッ

澪「ふぅ、なんとか追っ払ったぞ」


─秋山邸─

澪「やれやれ、律が謹慎処分になったことだし

  軽音部もおしまいか」

澪「これで心おきなく文芸部に入部できるな~」

ガララ

ドラ「それはどうかしら」

澪「わっ、机の引き出しから変なのが!!」

ドラ「ボクは変なのじゃない」ズバ (ショックガン)

澪「ぎゃ!!」ビリビリ

ドラ「しまった、まぁいいか」

澪「うぅ……」ミエナイキコエナイ

ドラ「なにかブツブツ言い出した。怖いなぁ」

澪「こっちのセリフだよ!!」

 「ていうか、なんなの一体…」

ドラ「ボク、ドラえもん」

 「22世紀からキミの運命を変えるためにやってきたネコ型ロボットだよ」

澪「どこがネコなの?」

ドラ「ボクはタヌキじゃない」ズバ

澪「ぎゃ!!」ビリビリ

 「タヌキなんて言ってないのに…」グス

ドラ「しまった、まぁいいか」

ドラ「秋山澪ちゃん。キミはこのまま文芸部に入るととんでもないことになるんだ」

澪「え、なに?」

 「私が文芸部に入ったら どうなるっていうの?」

ドラ「まずキミのポエムを毎日、聞かされた文芸部員は

  全員、発狂して部活を辞めてしまう」

澪「ど、どうして!?」

ドラ「そして みんな、後ろからついてくる足音におびえるようになって

  最後にはノドをかきむしって死ぬんだ」

澪「わたしをさらってマンドリル」

ドラ「やめろ」ズバ

澪「ギャ!!」ビリビリ

ドラ「まぁ、全部ウソさ」

澪「なんだウソか」

 「じゃあ、なんで私をその変な銃で撃ったんだ」

ドラ「知るもんか」

澪「恐ろしいロボットだな…」

 「理由がハッキリしない分、ターミネーターよりタチが悪いぞ」

ドラ「実はボク、のび太くんという少年に用があったんだけど」

澪「だったら、その のび太くんとやらに会いに行けばいいじゃないか」

ドラ「さっき会いに行ったんだけど声が気に入らなかった」

澪「それは大事なことなの?」

ドラ「大事なことなんだ」

澪「そうか」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

澪「なるほど。つまり、その のび太って子がダメ過ぎて

  未来のキミたちが貧しいから、その運命を変えようというワケか」

ドラ「うん。でもまぁ、のび太くんの家にはコンピューターペンシルと

  キューピッドの矢と悪魔のパスポートを置いてきたから

  いくら0点とりまくりのクズでも

  さすがに幸せになれるだろう」

澪「ふむ、それで?」

ドラ「だけど、この計画には穴があって

  のび太くんが幸せになると、多分ボクはセワシくんの家で買われることもなく

  別の貧乏な家庭で買われることになる」

澪「そうなの?」

ドラ「ボクは安モノだからね」

 「裕福な家の人間が買うロボットじゃない」

 「つまりセワシ君はともかく、ボクは結局貧乏暮らしのままなのさ」

ドラ「だからいっそボクは、この21世紀で未来の道具を使って

  おもしろおかしく生きてやろうと決心したんだ」

澪「それで、どうして私の家に?」

ドラ「あんな気持ち悪いポエムを書く中ニ病の女の子なら

  こんなSFな展開も簡単に受け入れてくれると思って」

澪「私のポエムは気持ち悪くないよ!!」

ドラ「」ズバ

澪「」ビリビリ

ドラ「21世紀社会に慣れるまで、この家のお世話になりたいんだけど

  その見返りとして、何か願いを叶えてあげるよ」

澪「じゃあエヴァンゲリオンがよく分からない終わり方だったから

  庵野 秀明がリメイクを作るように仕向けてくれる?」  

ドラ「やってみるよ」

澪「よし」

ドラ「願いはそれだけ?」

澪「あとはそうだなぁ……」

 「私の親友のデコッパチが軽音部を作りたいって言ってるんだけど

  メンバーが足りないんだ」

ドラ「ふんふん。それで、どんなメンバーが欲しいの?」

澪「毎日、お菓子を持ってきてくれる子がいいな」

ドラ「お菓子を?」

澪「と言ってもポッキーとかそんなケチなもんじゃない」

 「王室御用達の紅茶とか高級菓子とかじゃなきゃ私は納得しない」

ドラ「それ、もう軽音部と関係ないよね」

澪「あぁ……じゃあキーボード弾ける子で」

 「あと、あんまりいい子だと私が引け目を感じるから

  眉毛が沢庵みたいで女の子にしか興味がない変態がいいなぁ」

ドラ「そんなモンスターいるワケないよ」

澪「あとギターが足りない」

ドラ「じゃあギターの達人 女子高生がいい?」

澪「いや、それだと私が引け目を感じるから

  ド素人がいいな。ついでに最低最悪のバカだと私が全てにおいて優越感に浸れる」

ドラ「オーケー、じゃあそういう人材を見つくろって軽音部に入るよう仕向けておくよ」

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─3年生の澪たち─

澪「というワケで集まったのがムギと唯だったんだ」

律「澪が『ロボットが部員を集めてくれた!!』とか言いだした時は

  狂ったかと思ったけど、考えてみればコイツは昔から気が狂っていたから

  平常運転だった」

梓「沢庵眉毛モンスターと最低最悪のバカは無事、見つかったんですね」

紬「わたし、友達にマッスルスパークをかけるのが夢だったの」ガシ

澪「おい、離せ」

唯「絶対に離すもんか」ギュウゥゥ

澪「私の詞を聞けぇぇっ!!」

 「まっててふでペン ごめんねボールペンはおやすみしてて かなり本気よ☆」キラッ

律「ぐわぁあ!?デスポエム!?」オェェッ

唯『澪ちゃんとドラえもんの計略で

  けいおん部に入ることになった私達』

 『ひょっとして道具で洗脳されたかも知れないと思うとちょっぴり怖いけど

  今ではそれも良かったかなとも思う』

 『なぜなら、キン肉王家三大奥義の中でも超難度の必殺技

  完璧版マッスルスパークを目の当たりにすることができたのだから…』

紬「そりゃー!!」

┣”オオオオ━━`」!!

澪「ウゲェーッ」



  最

  終

  話


  完



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