━第37話━


━夜━

━大学寮・澪の部屋━



唯「あずにゃん率いる桜丘けいおん部に新入部員が入ったから

  こらしめに行こうと思うんだ」

律「よし、行け」


律「お前一人でな」


唯「ふぇぇ……」

澪「ん? 部員 入ったんだ?」

 「よかったなぁ」

紬「でも、新入部員と言っても

  憂ちゃんと純ちゃんの事ではないの?」

澪「なんだ、そうなのか」

唯「違うよ~!ぴかぴかの一年生で名前は糞ちゃんと奥田さんって言うらしいんだ」

紬「へぇ」

 「へぁっ?」

澪「く、くそちゃん?」

律「アレか!?かちかち山か!!」

紬「かちかち山って そんな話だったかしら」

律「グリム童話に火事とウンコはつきものだろ」

澪「お前のすべてが間違っているよ」


澪「いつものことだけど」

唯「かちかち山はタヌキが おばあちゃんにイタズラしちゃって

  燃え上がる昔話だよね」

紬「お、おばあちゃん相手に燃え上がっちゃうの!?」

唯「ちがったっけ」

澪「まぁ、あってるよ」

律「で、ウンコはいつ飛び出るんだよ!?」wくあwかう

唯「……確か火の中から飛び出したんだよ」

澪「それ、なにか別の話が混じって、しかも間違ってる」

紬「推測するに、おばあちゃんと性的に燃え上がってる

  タヌキが興奮してウンコを噴き出した……?」

律「すげえ」

澪「その昔話から子供たちは何を感じ取ればいいんだ」

唯「自由な心」

澪「お前が言うと それらしく聞こえるわ」

紬「澪ちゃん、今日はパチンコに行くの?」

澪「行かないよ!!」

 「行った事もないよ!!」

 「なぜ、いつも行ってるみたいな扱いになってるのさ!?」

律「でもさ、アタシ達も大学生になったんだし

  高校の頃は出来なかったことをやってみたいよな」

紬「辻斬りとか?」

律「ヨーシ!」

澪「いくつになってもやっちゃダメだよ!!」

唯「辻斬りといえば、あずにゃんに後輩が出来たって話をしたよね」

澪「その話なんだけど、

  本当に新入部員に『くそ』なんて名前の子がいるの?」

律「何か問題があるのか?」

澪「そりゃ お前にとっては、なんでもないことなんだろうけどさ」

紬「澪ちゃんは『くそ』なんて名前の子とは仲良くできないのよね」

澪「あっ、そ、そんなことないよ」

 「名前って、親が その子のためを想って一生懸命作ってくれた

  最初のプレゼントなんだ!!」

 「例え『くそ』でも赦してあげなきゃな!」

律「赦してあげるのか」

紬「ありがたや ありがたや」

唯「澪ちゃんは何様なの?」

澪「私は おひさまみたいな存在になりたいんだ!!」

律「早くパンツ見せろよ」

唯「そこら中に脱ぎ散らかってるけどね」

紬「澪ちゃんはパンツを洗濯しないの?」

澪「太陽の光で消毒しているんだ」

 「福山雅治もお風呂で石鹸やシャンプーを使わずにお湯で体を洗うって

 ラジオで言っていたからね」

 「なんでも洗剤で洗ったりするのはよくないんだぞ」

唯「へぇ」

紬「思ったんだけれど、ひょっとしたら糞というのは人名ではないのかも知れない」

唯「ムギちゃん、どういうこと?」

澪「おいおい、ま、まさか本物の排泄物だっていうのか?」

唯「そ、それだよ!!」

 「あずにゃんはさびしさのあまり スッポンモドキを部員にするという

  暴挙に出るくらいだもん」

 「うんちを部員にしても不思議じゃないかも!!」

澪「すごく不思議だよ」

律「うんちがメンバーなんてイカれたバンドだな」

紬「それにスッポンモドキを部員にしたのは唯ちゃんよ」

唯「すばらしい采配だったね!」

律「なぁ ところで今の話と全然関係ないけど

  大学に入って梓が抜けた分、新メンバーを加入するってどうかな」

澪「お前が何を考えているのか手にとるように分かるよ」

唯「りっちゃんは何を考えているの?」

紬「見て、りっちゃんの下半身がいつのまにやら すっぽんぽん」

律「イカれたメンバーを紹介するぜ!!」ミチチッ

澪「イカれてるのはお前だよ!!おいやめろ、私の部屋で、せめてバケツにあぁあああああぁぁあああああぁぁああ」

 「こんなことが赦されていいのでしょうか……」

紬「ありがたやありがたや」

紬「ところで唯ちゃんは、くそ情報をどこから得たの?スカラー波?」

澪「なんだ、妄想か」

 「よかった、くそなんて名前の女の子はいなかったんだ」

唯「あずにゃん情報だよ~、あずにゃんがメールを送ってくれたんだよ~、ほら!」ピッ

澪「おわぁ」

律「梓からのメールが1000件くらい来てるな」

 「たった一日で」

紬「梓ちゃん、唯ちゃんのことが大好きだもんね」

澪「よ、よかったなぁ唯」

唯「正直あまり良い気はしないよ」

ヴーン

澪「あ、また来た」

唯「い、急いで返さなきゃ!!」

ヴーン ヴーン ヴーン ヴーン ヴーンヴーン ヴーンヴーンヴーンヴーン

律「次々と送られてくるな」

唯「メールが来たらすぐに返信しないと、あずにゃん爆撃が始まっちゃう!」

澪「もう切っておけば いいんじゃないか」

唯「ケータイの電源を?」

澪「アイツとの縁を」

ヴーン ヴーン ヴーン ヴーン ヴーンヴーン ヴーンヴーンヴーンヴーン
ヴーン ヴーン ヴーン ヴーン ヴーンヴーン ヴーンヴーンヴーンヴーン

梓「ヴーン ヴーン ヴーン ヴーン ヴーンヴーン ヴーンヴーンヴーンヴーン」

唯「あっ」

梓「唯先輩がなかなかメールを返してくれないので

  心配になって来ちゃいました!」ニャオーン!!

澪「私は お前の行く末が心配だよ」

 「心より」

紬「梓ちゃん、お久しぶり」

梓「はい!!」

唯「お帰りはアチラだよ~」

梓「……」

律「おい、それよりも梓」

 「ほ、本当に新入部員に くそさんがいるんだろうな?」

梓「なに言ってんだコイツ」

律「もはぉっ」

唯「え、いないの?」

 「だってメールに糞って書いてあったのに……」

梓「そんな事 書いた覚えはありませんよ?」

 「ほら、メールにも

 『新入部員①斉藤 菫 ②奥田あなる』としか書いてないじゃないですか」

紬「えっ、斉藤 菫?」

梓「斉藤 スミレ です」

紬「斉藤 レズミ!!」

梓「気持ちいい!!」

澪「それよりも②はどうなってるんだ」

紬「そう、新入部員って あの子の事だったのね……」

唯「ムギちゃん、この斉藤って子、もしかして知ってるの?」

紬「えぇ、私の家に住みついている

  屋敷しもべ妖精なの」

澪「へ、へぇ」

律「それってハリーポッターに出てきてたアレだよな」

唯「それってどんなの?」

律「人間の腰くらいの身長で、プーチン大統領に似ているんだ」

紬「見た目は全然 異なるけれど、何か粗相をやらかしたときに

  家具に激しく頭を打ちつけて自分に罰を与えるところは同じね」

唯「プーチン大統領ってそんなことするんだ~」

律「プーチン大統領はそんなことしねーよ!!」

梓「しかし、それは気持よさそうですね」

澪「なに言ってるんだよ!!そ、そんなの止めなきゃダメだ!」

紬「でも、あの子にとってそれは嬉しい事なのよ」

 「家に新しい家具が届くと、興味しんしんな表情で

  頭を全力で打ち付けて失神するの」

 「私はその様子を見ていると、心が温かいもので満たされるわ」

梓「すてきなお話でした」パチパチパチ

律「それにしても 梓、お前のメール とんでもなく汚い字だよな」

 「こりゃ唯が『菫』を『糞』と読み間違えるのも仕方ないよ」

唯「そうそう」

澪「待ってくれ。メールなのに『字が汚い』ってどういうこと?」

 「最近のスマートフォンってヤツは

  使い手の汚れた心が文字に反映されるの?」

梓「それはですね、唯先輩にメールを送る時は

  手書きで文章を書き綴って

  ケータイカメラで そのお手紙を撮って送信していますから!」エッヘン!

唯「呪いなの?」

梓「なんでですか!違いますよ!」

紬「愛ゆえに?」

梓「にゃ、にゃあっ///!」

唯「いや、にゃあとか言われてもにゃぁ……」

梓「にゃあ!!にゃあ!!」ププッ

澪「おい、鼻血が、私の部屋」

律「しかし、唯のことを想っているのなら

  もうちょっと読みやすい字で書いた方がいいんじゃないの?」

梓「唯先輩のことを想っているからこそ、こんな字になっちゃうのですよ」

紬「わかったわ! もう唯ちゃんに手紙を書くだけで

  白目むきながらビクンビクンってイッちゃうから手が震えて文字を書くどころじゃないのね?」

梓「どんだけ変態なんですか」

唯「ほっ」

 「それが正解だったら あずにゃんメールがカッつまった

  私のケータイを破壊するところだったよ~」

律「で、正解は?」

梓「唯先輩のことを思いながら

  ○○○にシャーペンを奥まで挿して、腰をグラインドさせながら書いてるからです」

紬「変態!!変態!!変態!!変態!!変態!!!」

澪「もうお前、ホーリーで大ダメージを喰らっちゃう属性のモンスターになっちゃってるぞ」

唯「ねぇねぇ、○○○の中には何が入るの?」

梓「王さま、これは変態にしか見えない○○○です」

澪「やっぱりさっぱり分からないよ」

紬「私も~」

律「このグネグネの文字は

  梓が○○○にシャーペン突っ込んで書いた文字だと思うと

  かんがい深いなぁ」

梓「そ、そんなジロジロ見ないでくださいッ///!!」カァッ

澪「こいつ絶対おかしいよ」

紬「わかりきったことよ」

澪「そんなことより、この②の奥田さんの名前は ちゃんと合ってるのか?」

唯「あなるちゃんって変わった名前だよね~。外人?」

梓「あぁ……この害人とは まだあまり話す機会が少ないので

  フルネームが分からなくって」

 「ゆえに仮の名前をつけておきました」

澪「大事な新入部員に 仮とはいえ こんな名前つけちゃダメだろ!!」

梓「でも コイツは、私のむったんの弦をブチッと切りやがったですよ!?」

紬「で、でも どうせ梓ちゃんがロクでも無い事しでかしたからでしょ?」

唯「きっとトンちゃんをイジメたりしたんだよー」

梓「トンちゃんならもう爆発しましたよ」

唯「えっ」

梓「私とて、根拠もなく アナルなんて つけたりしません」

 「奥田って字をよく見てください」

唯「ねぇ、本当にトンちゃん 爆発したの?」

 「冗談だよね、ね?」グスッ

律「奥田って文字がどうしたんだ?」

梓「ほら、中をよく見ると……」

紬「あっ」

澪「き、貴様 まさか……」

紬「謝って!!全国の奥田さんと奥さんやらに謝って!!」

 「奥村はいいわ」

律「なぜ梓は奥田さんとかに謝らなきゃいけないんだ?」

梓「王さま、これは変態にしか見えない米なのです」

唯「あっ、よく見るとケツのあ


━第37話━

 おわり



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