─第34話─


紬で~す!


梓ちゃん

お金は好きですか?


私は


正直な子が好きです



私が自分の部屋で札束を床にバラまいていると

唯ちゃんが文字通り、ゴロゴロと転がり込んできました


唯「ムギちゃ~ん」

紬「なぁに、唯ちゃ~ん」


唯『アイス買うからお金ちょうだい!!』

 『ふんす!!』 ド ン ! ! 


唯ちゃんは寮に来てから、毎日 私にお金をねだってきます


その様子は、さながら飛天御剣流 奥義『天翔龍閃(あまかけるりゅうのひらめき)』


もう、左足から踏み込んで、超神速で右手を突きだしてきます


生きようとする意志は 何 よ り も 強 い


私は、その気迫に押され、つい500円渡してしまいました



でも、その500円で みんなの分も買ってくるならいいかな

と、期待して待っていると


唯ちゃんはハーゲンダッツを買ってきたようです


自分の分だけ……


紬「唯ちゃん。みんなの分のアイスは……?」

唯「ムギちゃん」

 「500円でハーゲンダッツをそんなに買えはしないんだよ?」


えぇ、そうね

でも

ハーゲンダッツ以外にもアイスはあるわよね?


唯「でも、私はもう大学生だから……」


澪「100円アイスなんか、もう食べてられないってことか」

唯「うんたん!うんたん!」


澪「このっ……バカッ!!」


ずちゅうううううるるる


澪ちゃんは、りっちゃんのおヘソに唇をつけて

勢いよく吸い始めました


紬「イヤッホォォォォゥゥゥゥゥ!!」

ガタンッ

紬「イヤッ、イヤッホォォォォゥゥゥゥゥ!!」

唯「うんたんたん!!」

律「だったら、そのハンバーガーゲンダッツを100等分しようぜ」


澪ちゃんにおヘソを吸われて頭がよくなったりっちゃんが

ハサミを持って来ました


全てが納得の流れでーす♪


ガタンッ

紬「イヤッ、イヤッホッホォォォォゥゥゥゥゥ!!」

唯「全然、納得の流れじゃないよ!!」

 「アイスを切る道具としてハサミは適切じゃないし!

  ムギちゃんはテンションあがりすぎだし!!

  澪ちゃんがあのタイミングでりっちゃんのおヘソを吸いだすのはおかしいしっ!!!」

澪「でも、自分の分だけアイス買ってくる唯も変だぞっ☆」


澪ちゃんはりっちゃんおヘソの吸い過ぎで目がぐるぐるぐる


唯「私は自分に正直になっただけだも~ん」

澪「私も」

律「アタシも」

紬「私も~♪」


みんな、そういうと顔を見合せて大笑い




その夜、私はもちろん66匹のイグアナを

唯ちゃんの部屋の前に放ちました

律「なんだこりゃああああ!?」

翌朝、異変にいち早く気付いたのは早起きりっちゃんでした


律「まぁいいか」

いち早く順応したのも りっちゃんでした


精巧なイグアナ着ぐるみを着こんで這いつくばっていた私は

イグアナの群れの中から立ちあがって、りっちゃんに説明しました


紬「騒がせてごめんね? 実は唯ちゃんに目にモノ見せてやろうと思って……」

律「なんだよ、ケンカでもしたのか?」

紬「ほら、昨日 唯ちゃんがアイスを自分の分しか買ってこなかったでしょう?」

律「アイス?」

紬「覚えていないの?」

律「あいす……」

紬「ひょっとしてアイスが何か覚えていないの?」


律「あい」


もう、りっちゃんの目には 何もうつっていませんでした


澪「うわぁああああああ!?」

次にイグアナたちに気づいたのは射手座のゴールドクロスを着こんだ澪ちゃんでした

澪「うわぁあああああああ!?」

バチンッ

澪ちゃんはスタンガンで気絶させました


律「ムギッ!!どうして澪にひどいことをするんだ!?」

紬「よかれと思って……」

律「そうだな!」


りっちゃんは弾けんばかりの笑顔で

二階の窓から飛び出して、外の木に飛び移りました


紬「どうして外の木に飛び移ったの?」

律「よかれ」


もう、なにがなんだかわかりませんが

私も弾けんばかりの笑顔で窓越しに

りっちゃんにサツマイモを差し出しました


律「オ、オナラで、空を、飛びたいな~!」

 「ほいっ、タけコプター!!」


ぶぅっ、と屁をこいて

りっちゃんは木から木からへと飛び移り

弾けんばかりの笑顔で寮の外へと消えて行きました


全部、納得の流れでした


がちゃっ

唯「ふんす!」

外での騒ぎを聞きつけたのか、勢いよく唯ちゃんが弾けんばかりの笑顔で部屋から飛び出してきました


部屋の外で待機していたイグアナが弾けんばかりの笑顔でいっせいに唯ちゃんをじっと見つめます

唯「あいす!」

唯ちゃんは弾けんばかりの笑顔でアイスをイグアナたちに食べさせると

イグアナは変温動物なので、たちまち体温が低下し

弾けんばかりの笑顔で動けなくなりました



唯「へんおん!」

紬「そういうことだったのね」


そういうことだったのです


─第34話─

 おわり



─第35話─


─学生寮─

唯「晶ちゃんにヨダレに行こうよ!!」

律「え?おぉ」

紬「晶(あきら)ちゃんって、入学式の日に

  唯ちゃんが大量のヨダレをぶっかけたオバケだったかしら」

澪「あぁ、あの人 やたら目つきが悪くて怖そうだなぁと思ったら

  実はオバケだったんだね、よかった~」

律「ところでヨダレに行くって どういう行動だ?」

紬「ニュアンス的に唾液をかけに行く、ってことじゃないかしら」

律「いや、しかしそれは大学生として人として」

澪「ゆい、ゆい。ヨダレに行くってなんだい?」

唯「えぁあああ!!あぇえぇぇぇ♪」だらだら

律「とりあえずアタシの部屋でヨダレを垂らすの 今スグやめような?」ナッ?

唯「うん!!」ペッ

律「おまっ」

とたとた

晶「夜中だってのに うるせーな~」ファアア~

律「おう、オバケ!」

紬「違うわ りっちゃん」

 「アレはヨダレが大好きなマスター・ヨーダよ」

晶「お前らの中で私はどうなってんだクソが」

澪「い、いつもヨダレをかけられることで

  パワーを得ている超人なんですよね……?」オドオド

晶「お前らは一人残らず バカか?」

 「それともお前らを理解できない私がアホなの?」

唯「私をバカにするのは許せないけれど

  私のバカを友達にするのは許せないよ~!!」

晶「つまり貴様がバカか」

唯「うんたん!」ニコッ

晶「その胸クソ悪い笑みをやめろ」

唯「さー、いぇす、さー!!」ウンタン♪ウンタン♪

晶「早く顔面に伝えろ!!」

唯「ふんす!!」ぶっ

晶「屁をこくな」

唯「ぺっ」

ぴちゃ

晶「なんで今ツバを吐いた!?」

唯「分からないさー!!」

晶「なんなんだ ここは!?」

律「ようこそ ここへ」

澪「おねがいwwwwwwアツアツお皿のカレーwwwwww

  スパイスひとさじ刺激ちょーだい☆」

紬「甘口じゃなく今日は中辛なのwww大人味なのwwwwwwwwwwwwwwwwwwww☆」

澪「私の歌詞をアレみたいに扱うのはやめろ!!」

律「お前が言い出したんじゃねーか」

澪「えへへ、おいしかった?」

紬「まぁまぁね」

晶「頭いてぇ」

晶「つまりアレだ。お前らがアホの化身だろうと

  マンカスから生まれたカビだろうと知ったこっちゃないが

  とにかく朝晩問わず騒ぎまくるのをやめてほしい、

  私の願いはただそれだけなんだ」

唯「はいはい!!どうしてですか?」

晶「つまりは私の部屋はここの隣だ。隣で大声をあげられると

  うるせーし、眠れねーし、眠れないと私は翌日、大学でヘマをやらかす」

 「そこから導き出される答えはアソコからキビャックみたいな発酵臭の漂う

  お前らでも容易に想像がつくだろう?」

唯「わかりません!!」

晶「おいウソだろ」

律「アタシたちはウソが本当になるようにずっと がんばってきたんだ」

紬「それでは聞いてください」

唯「『ふわふわ大麻!!』」

澪「アwwwwアレをやると常にハートDOKI☆DOKI♪wwwwww♪」

 「揺れる視界ははぁはぁマシュマロみたいに、ふわゃふわゃwwwwwwww」

晶「私が垂れたクソからピーナッツ探して食え」

律「おい、おやつか!?」ウキウキ

晶「おい、ウキウキするな」

律「サー、イェス、サー!!」ソワソワ

晶「早く全身に伝えろ!!」

とたとた

菖「晶~、なに騒いでんのよ」

律「あっ、新キャラ」

晶「菖(あやめ)!!いいトコロに」

 「こいつら狂ってるんだ!!」

菖「それ、私 絶対 いいトコロに来てないよねー」

 「で、どうしたのよー」

紬「まず唯ちゃんがヨダレをまきちらして」

律「テンションあがったコイツがウンコ食えってわめきちらして」

晶「いろいろハショり過ぎだバカヤロウ!!」

 「それじゃ私が変態みてーじゃねーか!!」

菖「いやいや、いかなる流れであろうと うんこ食べさせる時点で相当だけどね」

唯「晶ちゃ~ん♪」ダキッ

晶「そして何故この女は私に なつくんだ」

唯「晶ちゃんはね、あずにゃんに似てるんだよ~!」ハァハァ

律「似てるか?」

唯「あずにゃんあずにゃんあずにゃちゃんあきらちゃん」

律「あぁ~」

紬「納得」

澪「するしかないな」

晶「えっ」

律「ここでは よくあることだ」

晶「なんなんだ、ここは!?」

紬「ようこそ、ここへ」

唯「あきらゃんらゃん!!あきらゃんらゃん!!」ウンタン♪ウンタン♪

菖「ねぇねぇ、らゃんってどうやって発音してるの?」

唯「らゃん!!」フンス -3

澪「説明しよう」

 「あずにゃんというのは唯が高校時代、日常的に見ちゃってたマボロシなんだ」

菖「サラッとマボロシとか言っちゃった」

紬「だけど、私だってマボロシだけど

  アナタたちにも見えているでしょ?」

晶「なに言ってやがんだコイツ」

紬「突然だけど、ここに5000万円があるわ」ドサッ

菖「あっ、見たこともないような大金!!」

晶「おいマジかよ」

紬「これが現実だと思う?」

菖「ね、ねぇ、私たマボロシでも見てるの?」

澪「もちろんだよ、だってあんな沢庵みたいな眉毛おかしいよね」

晶「確かに……」

紬「あとで澪ちゃんの部屋の前にゴライアスバードイーターという

  鳥をも喰らう恐ろしい巨大グモを200匹は放っておくわ」

澪「私はそれをヤフオクで転売するよ」

紬「ずるい!!」

菖「晶をこんなにイジれるなんて、きっと面白い子たちに違いないわ」

晶「お前も振り回されてたじゃねーか」

菖「ねぇねぇ、あなた達、軽音部のチラシもらってたけど

  入部するの? 軽音部に」

澪「うん、そのつもりだけど……」

菖「私は吉田 菖(あやめ)、コッチは林 幸(さち)」

 「ウンチは和田 晶(あきら)」

 「私達も軽音部に入るつもりだから、仲良くしようよ!」

幸「……」ニコ

紬「あなた、レズよね、ね?そうよね?」

幸「……」ニコ

紬「ふふ」

晶「ちょっと待て、今なんでウンチって言ったんだ?」

紬「え、言ってないけれど……」

幸「この子のアタマは排泄物で いっぱいだから……」ニコ

晶「お前お前お前」


あずにゃん、大学に入って色んなことがあったよ!


大学は広いし、人もいーっぱいだし!


それから友達がいきなり3人もできたよ!!


これから楽しくなりそう!


だから


グッバイ あずにゃん!!



─第35話─

 おわり



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