─第24話─


─帰り道─

唯「ねぇねぇ、今度の休みの日、

  みんなでムギちゃんの家に遊びに行っていいかなぁ」

紬「あ、ごめんね。その日は家に父の会社の人たちが集まって

  ハイパーオリンピックをやる予定があるから……」

梓「あぁ!」ポン -3

澪「いや 分からないけどね、何のことか」

紬「それじゃ、私、道こっちだから また明日ね~」

律「じゃあな、ムギ~」

唯「バイバ~イ」

紬「セックス」

梓「気持ちいいなぁ」

澪「えっと、気持ちのいい天気だよな!」

梓「何言ってるんですか?」

澪「もう分からないよ何もかも……」

唯「今日はたい焼きでも食べて帰ろうか」

梓「やった!私、たい焼き大好きです!」ニャオーン♪

唯「よしよし。あずにゃんはカワイイねぇ」ナデナデ

律「さすがは花の女子高生だよな」

梓「すいません、鯛一匹ください!」

魚屋「まいどあり!」チーン

梓「ガツガツwwwwww」ムシャムシャボロボロ

唯「鯛を頭から丸かじりだよ」

律「しかも生だぜ」

澪「何考えて生きているんだろうなコイツ」

梓「ほら、私、恩返しで美少女になったネコって設定ですから」ニャー

澪「お前、バケモノだったのか」

梓「はい!いいえ!」

唯「まぁバケモノでもなんでも あずにゃんはあずにゃんだよ」

梓「ふふっ」

梓「恩返しと言えば、ムギ先輩も怪しいですよね」

律「お前ほどじゃないよ?」

梓「でも毎日、無償で紅茶やスイーツを提供してくれる女子高生なんて

  絶対に怪しいですよ!」

梓「きっと、ムギ先輩もタクアンか何かの精霊が恩返ししているに違いありません!!」

唯「あずにゃんは気違いだけどね」

梓「先輩たち、子供のころ、罠にかかっている沢庵を助けませんでしたか?」

律「沢庵を罠にかけて誰が得するんだ」

澪「というより梓」

 「お前 ムギにお金 払ってないの?」

梓「なにがですか?」

律「いやな、アタシらは さすがに悪いと思って

  月に3000円ずつムギにお茶代、払ってるんだぞ」

澪「それでも全然、足りないくらいだろうけど」

唯「せめて、それくらい払わなきゃ 遠慮しちゃって

  お茶もケーキも おいしく味わえないもんね」

澪「私はてっきり梓も払ってるものだとばかり……」

梓「払ってませんよ」

 「払うワケないじゃないですか」

 「あはは!!」

律「なんでそんな自信満々なんだ」

唯「それじゃ あずにゃんはお金も払ってないのに

  ムシャムシャ無邪気にケーキをむさぼってたの?」

梓「はい!!」

律「紅茶までタダで淹れさせて……」

澪「なんてヤツだ」

律「アタシらが高3になって新入部員を勧誘するのをあきらめた日とか

  『ムギ先輩、私ミルクティー下さい。あとバナナケーキも』

 とかすごい図々しいことを、まるでカッコいいセリフのような感じで言ってたよな」

澪「せめてミルクティーは お前が淹れろよ」

唯「おぞましいよ、あずにゃん」

梓「なんですか、なんですかコレ!?」

 「こんな時だって言うのに私、ワクワクしてきましたwwww!!」ヨホホwwww

澪「コイツ、戦闘民族か」

唯「ムギちゃんはお金持ちだから

  ケーキ持ってくるくらい当たり前だって思ってた?」

梓「はい!」

澪「あっ」

 「ということはひょっとして梓」

 「お前、海に行った時の合宿代も払ってないんじゃ」

梓「払ってませんよ」

 「払うワケないじゃないですか」

 「むしろ合宿代を私に払ってください!!」

澪「どうなってるんだ」

唯「そ、それじゃ あずにゃんは お金も払ってないのに

  ムシャムシャ無邪気にバーベキューのお肉をむさぼってたの?」

梓「おいしかったです!」

律「アタシら、宿泊費込みで一人2万円も払ったんだぞ」

梓「わかりました、わかりましたよ!!」

 「じゃあ、その辺のノラ猫でも捕まえて、燃やして

  ムギ先輩の家の郵便受けに突っ込んでおきますよ!!」

律「完全なる嫌がらせじゃねーか」

澪「お前は一体、何を言っているんだ」

梓「日本でも江戸時代頃には、ネコを食べてたんですよ!」ネッ?

律「知ったことかよ」

澪「そりゃ、食文化を否定はしないけどさ」

梓「みなさんだってネコ、お好きでしょ!?」

唯「うん、大好き!」

梓「あんな美味しいものはないですよね」

唯「その大好きじゃないよ」

律「というか梓、ネコの化身みたいな設定とか言っておいて

  お前、ネコ食べたことあるの?」

梓「ありませんし私がネコのワケないじゃないですかバカじゃないですか常識的に考えて女子高生JK」

律「お前が眠っている間に、性器に生卵を仕込んでおいてやる」

 「そして、朝起きたら自分の正体はニワトリだったんじゃないかと惑わせてやる」

梓「や、やめてくださいよ!!」

 「でも、望むところですよ!」

澪「どっちだよ」

唯「憂からバファリンをもらったんだった」ゴク

律「さすが憂ちゃん、頭痛にはコレだよな」ゴク

澪「話題を変えよう」ゴク

梓「そういえば私、ムギ先輩の家って一度も見たことないですけど

  みなさんは遊びに行ったこととかあるんですか?」

律「お前、嫌われてんだよ」

梓「な、なんでですか!?」ムーッ

澪「わかりそうなものだが」

唯「でも私も見たことないなぁ、ムギちゃんの家」

澪「私もだ」

唯「りっちゃんは、見たことあるの?」

澪「そういえば 律、いつだったかムギと遊んだとか言ってたよな」

律「いや、あの時は高速道路の近くのホテルを使ったから」

澪「うほぉ」ビュッ

梓「それじゃ、結局、律先輩も見たことないんじゃないですか!」

 「こうなるとムギ先輩の家が本当にあるかどうかも怪しいもんだ!」

唯「あずにゃんは何と闘っているの?」

澪「鼻血が出ちゃったよぉぉ」

律「バファリンでも飲んどけ」

澪「」ゴク

律「でもな、アタシの父さんは見たんだ」

梓「えっ」

澪「見たって、何を?」

律「ムギの家」

澪「!!」

梓「律先輩のお父さんが?」

律「あぁ」

唯「り、りっちゃんが見たならともかく

  どうしてりっちゃんのお父さんがムギちゃんの お家を見たの?」


律「ムギのストーカーなんだ、父さん」


唯「へぇ」ゴク

澪「それは」ゴク

梓「実にすばらしい」

律「ほら、これが父さんが撮った写真なんだよ」ピラッ

澪「パンティの写真だ」ゴク

律「ガリバー旅行記で、スウィフトがムギの家のこと書いてるけど、あれはただの空想なんだ」

 「これは、父さんが書いた妄想図」ピラッ

唯「空をパンティが舞っていて、そこからムギちゃんが手を振っているイラストが書いてあるよ!」

梓「かわいいですね!」

律「今はもう、誰も住んでないパンティ宮殿パンティに、ムギが住んでいるんだパンティ」

 「……でも、誰も信じなかった」

澪「悪いけど 律のお父さんはパーフェクト病人だよ」ゴク

唯「残念だなぁ~」ゴク

梓「そんなにバファリンばっかり飲んですごく優しくなっちゃいそうですね!」

澪「半分は優しさで出来ているからな」

律「父さんは詐欺師扱いされて死んじゃった」

澪「まぁある意味、一度死んだと思った方がいいな」

律「でも、アタシの父さんはうそつきじゃないよ!」

 「きっとアタシがラピュタを見つけてみせる」

唯「もうラピュタって言っちゃった」

梓「そういえば以前、さわ子先生がムギ先輩の家に行きませんでしたっけ」

澪「あぁ、トンちゃんの水槽を取りに行った事があったな」

唯「なんか、すっごくホッコリしてたよね、さわちゃん」

梓「あの時、なんであんなに満足してたんですかね」

さわ子「それはね」

唯「うん」

澪「なんですか」

律「早く言えよ」

梓「このマンカス」

律「いや、アタシはそこまでは言わないけどな」

さわ子「あれっ、どうして驚かないの?」

   「神出鬼没な さわ子先生の立ち振る舞いに

    みんなビックリしたんじゃないの?」

唯「もう飽きたよ」

さわ子「帰る!!」

梓「帰れ帰れ!!」

さわ子「本気で言ってるの!?」

梓「本気で言ってたら、さわ子先生の下着なんか盗みませんよ!!」

さわ子「えっ」

律「じゃあ、胴上げするか」

唯「はいはい」

澪「せーの」

さわ子「ちょ、待って!!いろいろ待って!!」

梓「どうしました?」

さわ子「最近、下着がなくなってる気がしたけど

    梓ちゃんのしわざだったの?」

澪「よくあることですよ」

さわ子「そんなにある事じゃないわ!!」

唯「それがそうでもないんだよ、さわちゃん」

さわ子「そ、そうなの?」

律「アタシも唯ほどじゃないけど、たまにパンツがなくなっててさ」

澪「私の家ではシャツと歯ブラシが紛失することが多い」

律「というか、もうコイツ、警察に突き出そうぜ」

梓「ひ、ひどい……」

さわ子「待って!!けいおん部内でそんな事が起きてると知れたら

    顧問である私の名に傷がつくわ!!」

澪「雷でも落ちて、梓が真人間に生まれ変わりますように」

梓「みなさんは下着を盗むの、悪い事だと思いますか?」

さわ子「あたりまえでしょ!!」

梓「じゃあ今日から下着盗むのやめました!」

唯「えっ、ホントに?」

梓「はい!」

律「言ってみるもんだなぁ」

澪「すばらしいことだよ」

律「じゃあ今度こそ さわちゃんを胴上げしようぜ!!」

唯「そうだね!」

さわ子「ちょ、ちょっと待って!!」

澪「まだなにか?」

さわ子「下がアスファルトだからさすがに……」ビクビク

唯「さわちゃん、胴上げは落ちるものじゃないハズだよ~」

さわ子「でも2回やって、2回とも全身を激しく打ちつけているのよ!!」

唯「かわいそうなさわちゃん」

律「いいから早く落とそうぜ!!」ワクワク

澪「必ず落とす気だコイツ」

さわ子「おそろしいことだわ」

澪「それでムギの家は、どうだったんですか?」

律「なんであんなにホッコリしてたの?」

さわ子「家の近くまで行った時点でムギちゃんが

   『あとは自分が歩いて水槽をとりにいくから

    先生はこのお金で遊んできてください』

    って言って、おこづかいくれたの!」

律「バカかコイツ」

澪「おいおい、先生に向かって」

唯「さわちゃん、いくらもらったの?」

さわ子「ごひゃくえん」

梓「先生、3000円あげるので、ここでノラ犬で交尾してくださいよ」

さわ子「嫌よ!!」

澪「下着を盗まないだけで

  梓のファイティングコンピューター自体は健在だった」

唯「どうしてムギちゃんは500円払って、さわちゃんを追い払ったんだろう」

律「こんな先生、家にあげたいか?」

梓「絶対にあげたくないですね」

さわ子「どうしてよ!?」

澪「さわ子先生がどうこうと言うより

  ムギが徹底的に家を見せないようにしている気もするけど」

さわ子「そうよ!それよ!」

律「ひょ、ひょっとしてアイツの家、うんこなんじゃないのか?」

澪「お前、バカ、お前、お前バカなの?」

唯「こうなったら、今からみんなでムギちゃんの家に行こうよ!!」

梓「そうですね!」

澪「さわ子先生は家を知っているんですよね?」

さわ子「知っているけど、結構ややこしい道で

    ムギちゃんがナビしてくれないと迷っちゃいそうだけど……」

律「行こうっ、さわちゃん!!父さんの行った道だ!父さんは、帰ってきたよ!!」

さわ子「わかったわ!」

唯「あっ、でも残念なことに今日は宿題がいっぱいあるからムリだよ!」

律「お前、宿題なんかした事ないだろうが」

梓「めんどうくさくなったんですね、いろいろと」

澪「いや、宿題だよ。宿題は絶対だよ」

さわ子「残念だわ」


─朝─

─あずにゃん邸─

梓「ふぁ~あ、ぐっすり寝ちゃった」

 「あれ、お股に違和感が……」


コロン 


梓「あれっ、卵!?」

 「私、ニワトリの化身だったの!?」

 「やったぁあああああ!!」ゾクゾクッ



─第24話─

 おわり



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