事務所

唯「マネージャーさん~。来週はどれくらい番組に出るの~?」

マネージャー「そ、それがね…唯ちゃん…」

唯「ん~?」

マネージャー「紳助さんの番組の出演がヘキサゴンだけになってるんだ…」

唯「え!?他の4つは!?先週までずっと出てたのに!」

マネージャー「残念ながらヘキサゴンだけだ…」

唯「え…。…あ!そういえば!こないだレコーディングした私の2枚目のシングルがもうすぐ発売でしょ!」

マネージャー「あ、ああ」

唯「それでまた私は人気者だよ!」



唯の家

唯「ただいま~」

憂「お、お姉ちゃん!!」

唯「ん?憂、どうしたの?」

憂「テレビ見て!」

唯「えー。私が出てる番組~?…!!」


紳助『深イイよな。この話』

梓『はい。この独特な感じがいいですね』

ワハハハハハハ

紳助『梓ちゃんもなかなか面白いやろ。唯ちゃんのバンドのメンバーなんや』

羽鳥『へえ~。そうなんですか』

唯「あ、あずにゃん!?どうして紳助さんの番組に出てるの!?」


憂「お姉ちゃん…何か知らないの?」

唯「何にも知らないよ!」

紳助『そんな梓ちゃんのデビューシングルが○月○日に発売します』

梓『みんな!買ってくださいね~』

憂「梓ちゃんもデビューシングル出すんだ…」

唯「○月○日って…私の2枚目のシングルと同じ発売日だよ!!!」

憂「えっ!?」



数日後

事務所

律「来週の仕事も都内でミニライブ。一つだけだ」

紬「そう…」

律「澪は?」

紬「まだ来てないわ」


ガチャ

律「あ。澪」

澪「り、律…ムギ…。オリコンの順位見たか?」

律「見てないけど」

紬「私も」

澪「1位が梓のデビューシングルだ!」

律「えっ!?」

紬「梓ちゃんが!?」


紬「そういえば梓ちゃん…こないだテレビに出てたわ」

澪「律…何にも聞いてないのか?」

律「あ、ああ…。まさか、梓も唯と同じように人気者になるなんて…」

紬「あ!唯ちゃんの2枚目のシングルも丁度今週発売だったわよね」

澪「それが…唯の2枚目のシングルは初登場10位なんだ…」

律「10位…」



フジテレビ ヘキサゴン収録現場

紳助の楽屋

唯「なんですか…話って…」

紳助「唯ちゃんさあ。申し訳ないんやけど…ヘキサゴンは今週で終わりやな」

唯「え!?な、何でですか!?」

紳助「…正直に言うとな。唯ちゃんじゃもう数字取れへんのや」

唯「えっ…」

紳助「お茶の間は唯ちゃんに飽きてきてしまってるんやなあ。ほら、2枚目のシングルも初登場で10位やったやろ。2週目は何位やった?」

唯「…38位です」

紳助「落ちすぎや。梓ちゃんは2週目でも5位やぞ」

唯「うう…」

紳助「…そういうことで、今まで御苦労やったな。唯ちゃん」

唯「…はい」

紳助「そう落ち込むなって。ヘキサゴンの他にも番組は沢山あるやろ」

唯「あの…」

紳助「なんや?」

唯「来週からは私がいなくなった所には誰が出るんですか?」

紳助「わかっとると思うが…梓ちゃんや」

唯「…わかりました。今はあずにゃんの時代なんでしょ!!!さようならっ!!!」

スタスタ


紳助「はあ。子供やな~」



事務所

唯「ええ!?今何て…」

マネージャー「…唯ちゃんの来週のスケジュールは…深夜の番組2つだけだ」

唯「そんな…。レギュラーは…」

マネージャー「ゼロだ」

唯「うう…」

マネージャー「…唯ちゃん。悪い事は言わない。放課後ティータイムの一員として戻ったほうが…」

唯「うう…うわああああああん!!!」

ガチャバタン


マネージャー「唯ちゃん!」



唯「うう…なんで…なんでこんなことに…」

「今日から梓ちゃんのマネージャーをやる事になった○○です」

「よろしくお願いします」

唯「…!この声…あずにゃんだ!そこの部屋から話し声が聞こえる…」



部屋の中

マネージャー「梓ちゃん。今は梓ちゃんの時代だよ」

梓「そうですか」

マネージャー「あれ?嬉しくないの?」

梓「大人気だからって、浮かれてるとすぐに落ちますからね。常に先の事を考えてるんですよ」

マネージャー「へえ。梓ちゃんは頭脳派だなー」

マネージャー「…で。来週は計12番組に出演だ」

梓「忙しくなりそうですね」

マネージャー「でも、梓ちゃんは今や日本中で人気だからね。これは喜ばしいことだよ」

梓「それくらいわかってますよ」

マネージャー「それに。早くも2枚目のシングルの話が来てるよ」

梓「2枚目か…。1枚目の売り上げがよかったからって2枚目も良いとはかぎりませんよ。2枚目でいきなり10位にまで落ちた人だっていますしね」


部屋の外

唯「うう…」グスッ


マネージャー「…よし。今日の話はこれで終わりだ。とりあえず忙しくなるのは明日からだから今日はゆっくり休んでおいてくれ」

梓「わかりました。じゃあまた明日」

ガチャバタン


梓「…あれ?唯先輩じゃないですか」

唯「あ、あずにゃん…」グスッ

梓「何泣いてるんですか?」

唯「泣いてないよお…これは汗だよ…」

梓「ま、汗でも涙でもなんでもいいですけどね。…聞いてたんでしょ。今の私とマネージャーの話」

唯「う…」

梓「私。今じゃかなりの人気者ですよ」

唯「…」

梓「あの時とは立場が逆ですね。唯先輩」

唯「うるさいなあ…」

梓「どうですか?私に人気の座を奪われた感じは?」

唯「…ううっ」ポロポロ

梓「また汗ですか」

唯「あずにゃあん…私も…私もまたあずにゃんみたいに人気者になりたいよお…」

梓「…」ブチッ


バシン!

唯「う…」

唯「痛い…痛いよあずにゃん…」ポロポロ

梓「このっ!唯先輩はつい最近まで今の私と同じ立場だった!それで私達を馬鹿にしてたじゃないですか!!!」

唯「馬鹿になんかしてないよお…」ポロポロ

梓「いつまで泣いてるんだよっ!!」


バシン!

唯「ううっ!!」

梓「ハァ…ハァ…。私、物凄い悔しかったんですよ。唯先輩が人気者だった時」

唯「う…うう…」

梓「私がどんな思いをしてたかも知らない癖に!」

唯「ご、ごめん…ごめんなさい…あずにゃん…」

梓「何今更謝ってるんですか。遅すぎですよ」

唯「うう…」ポロポロ

梓「また泣くんですか。唯先輩って人間のクズですね」

唯「ひ、酷いよ…あずにゃん…」ポロポロ

梓「またひっぱたきますよ」

唯「ひっ!」

梓「…ふん。唯先輩なんてずっと苦しんでいればいいんです。その間、私はどんどん人気者になりますからね。悔しがっててくださいよ」

スタスタ


唯「あ、あずにゃん…」

唯「…」グスッ

唯「あずにゃん…悔しかったんだろうなあ…。私が人気者だった時…」

唯「…あずにゃんだけじゃない。りっちゃんと澪ちゃんとムギちゃんも…」

唯「よく考えたら…私、バンドの一員なのになんであんなバラエティ番組ばかり出てたんだろ…歌も歌えない番組に…」

唯「私…調子に乗りすぎてたなあ…」

唯「今なら、この前りっちゃんに殴られた意味がよくわかるよ…」

唯「りっちゃん、澪ちゃん、ムギちゃん…」




8