唯の家

唯「ふう。ヘキサゴン終わっちゃったね」

憂「そうだね」

唯「ねえ憂。テレビの私…どうだった!?」

憂「え…?ま、まあ面白かったし歌ってた時はカッコ良かったと思うよ」

唯「ホント!?ありがと憂~」

憂「で、でも…」

唯「でも…何?」

憂「お姉ちゃん。テレビに出れたのはいいけどさ…」

唯「うん!これで私…人気者だよ!」

憂「いや…それはいいんだけど…。放課後ティータイムとして5人で出てほしかったなって…」

唯「…」

憂「お、お姉ちゃん?」

唯「いいんだよ。りっちゃん達は」

憂「…!何言ってるの!?お姉ちゃん!」

唯「りっちゃん達は人気者になりたくないんだよ!やる気がないんだよ!」

憂「え、え…?」

唯「…もう寝る!おやすみ!」

ドタバタ

憂「お、お姉ちゃん!」

ガチャバタン



唯の部屋

唯「…憂のバカ」

ヴーン ヴーン

唯「…ん。…紳助さんから電話だ!」

ピッ

唯「もしもし!」

紳助『ああ唯ちゃんか。ヘキサゴン、目立ってよかったやないか』

唯「ありがとうございます!」

紳助『よかったなあ。デビューシングルも出せて。来週発売やて』

唯「は、はい!」

紳助『…それでやな。俺が言った事は守れたか?』

唯「…放課後ティータイムのメンバーには私がヘキサゴンに出るって事を言わないって事ですか?」

紳助『そうや』

唯「言ってませんよ!…さっきの放送でバレるかもしれないけど…」

紳助『それは別にええのや。サプライズやな。他のメンバーへの…。いきなり唯ちゃんがテレビ出てたら喜ぶで~』

唯「そ、そうですよね!」

紳助『そうや。…今度の唯ちゃんのデビューシングルの売れ行きが良かったら、放課後ティータイムでのシングルも考えてもいいで』

唯「…!本当ですか!?」

紳助『ああ。来週の唯ちゃんのデビューシングルの売れ行き。楽しみやな』

唯「はい!」

紳助『じゃあまた今度の金曜日、ヘキサゴンのスタジオでな』

唯「はい!わかりました!」

紳助『じゃあな』

ピッ

唯「…これで、放課後ティータイムでデビューシングル出せるかも!」



数日後

事務所の部屋

律「…なあ。唯」

澪「ちょっと話が…」

唯「ヘキサゴンのこと?」

律「…ああ」

紬「見てたわよ…」

唯「どう?私目立ってたでしょ~」

律「そうじゃなくてさ」

梓「なんで一人で…私達に何も言わず出たんですか?」

唯「え…」

澪「唯…説明してくれよ」

唯「…サプライズだよ!みんなをビックリさせようと…」

律「ふざけるな!!!」

唯「う…」

梓「律先輩…」

律「お前…勝手な真似しやがって!」

唯「い、いいじゃん別に!一人でテレビ出るくらい!」

律「ああ。テレビに出るだけならまだ許せるよ。…でも!一人でソロデビューってのが許せねえ!」

唯「…」

紬「ソロでデビューってのは、私達に言ってほしかったわ…」

梓「デビューする時は放課後ティータイム5人って決めてたじゃないですか!」

唯「…」

唯「…で、でも!もし私のソロシングルの売り上げが良かったら放課後ティータイムでのシングルも出せるかもって…」

律「私達はそんなデビューは嫌だ!」

澪「それじゃあ、私達5人の力でデビューしたことにならないだろ」

紬「唯ちゃんならわかるわよね」

梓「ちゃんとした形でデビューしたいです」

唯「う、うう…。みんなは人気者になりたくないって事がよくわかったよ!!!」

律「ゆ、唯!」

唯「みんななんてもう知らない!!」

ガチャバタン

梓「唯先輩!」

それから唯先輩は放課後ティータイムとしての仕事には来なくなりました…



一週間後

律「…来週のスケジュールは木曜日に都内のボールでミニライブだ」

紬「ええ…」

律「唯は今日も来てないんだろ?」

梓「はい…」

律「じゃあ4人でやるか。メインボーカルは澪にすればできるだろ」

澪「わ、私がか…」

律「ああ。唯が澪に変わるだけだ」

紬「な、なんでそんな冷静なの!?唯ちゃん…ここに来なくなっちゃったのよ!」

梓「ムギ先輩…」

律「…あいつは一人でやるだけやって人気者になったんだ。私達の入り込む所なんてないさ」

紬「でも!放課後ティータイムとしての活動に来なくなるのって…」

律「あいつはもう放課後ティータイムなんてやりたくないんだよ」

紬「え…」

梓「そんな…。唯先輩は放課後ティータイムを大切に考えてる人ですよ!」

澪「…律の言う通りかもな」

梓「澪先輩!」

澪「知ってるか?唯のソロシングル、オリコンで初登場1位だそうだ」

梓「そ、そうなんですか…」

紬「…」

澪「ネットのニュースで見たんだけどさ。唯の奴…もう既に5つのバラエティ番組の出演も決定してるらしい」

紬「5つも…」

律「…唯には専用のマネージャーが付いたらしいぞ」

澪「マネージャー!?」

律「ああ。…さっき事務所の人に聞いたんだ。唯の事をいろいろと」

澪「…」

律「まず唯はヘキサゴンのレギュラーが決まったらしい」

梓「ヘキサゴンの!?」

律「ああ。それと、日曜日に日テレの行列に出て、月曜日には深イイ話にも出るんだってさ。…紳助社長のプロデュース大作戦とホンネの殿堂とかいう番組にも出るとか言ってたかな」

澪「それで丁度5つだな…」

律「その他にも色んな番組からオファーが来てて忙しくなるらしい。一人だけでな」

梓「…でも、唯先輩は放課後ティータイムの一員です!」

紬「そうよ!梓ちゃんの言う通り!」


律「あと一つ事務所の人から言われた事がある」

澪「な、なんだ…?」

律「唯は専用のマネージャーが付いてこれから忙しくなるから…放課後ティータイムの仕事はしばらく4人でやってくれって」

紬「そ、そんな!」

梓「そんなの私達も唯先輩も反対です!」

律「唯の希望らしい」

梓「え…」

紬「唯ちゃんが…?」

澪「…唯が私達と活動したくないって言ったのか?」

律「そこまではわからないけど…これは唯の希望とだけ言われた」

澪「そうか…」

紬「うう…」ポロポロ

澪「泣くなムギ…。私だって泣きだいんだぞ…」グスッ

梓「私達と唯先輩…完全に差が付いちゃいましたね…」

律「ああ…」

梓「…はあ」

紬「うう…」グスッ


澪「き、気を取り直してさ!唯は唯!私達は私達で頑張ろうよ!」

梓「澪先輩…」

澪「律!唯は放課後ティータイムを辞めるとは言ってないんだろ!」

律「ああ…。そういう話は聞いてない」

澪「だったらいつか帰って来るさ!」

紬「…そうね。それまで頑張りましょう!」

梓「…そうですね」

律「…まあ。私達は私達で頑張ろう」

澪「ああ!」

紬「頑張りましょう!」

梓「…」

澪先輩とムギ先輩は唯先輩がいつか放課後ティータイムに帰って来ると信じてるみたいです

…という事は唯先輩が勝手にソロシングルを出した事はもう許してるって事なのでしょうか…

律先輩はその事はまだ許していないみたいです

…そして私も、唯先輩が勝手にソロシングルを出した事はまだ許せません…






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